ゴールドマン・サックスの元社員がコンピュータートレーディングのコードを盗んだ疑いで逮捕されたニュースの続報です。
先駆けたロイター通信、ゼロヘッジに遅れを取った金融ニュースのメジャー、ブルームバーグニュース、7月6日付けで自社の記者による記事をサイトに出したところまではいいのですが、ゴールドマン・サックスによる市場操作そのものに焦点を集める結果になってしまったようです。
ブルームバーグの記事は、『Goldman Trading-Code Investment Put at Risk by Theft』(7月6日)ですが、問題の箇所は記事の4番目の段落、Assistant U.S. Attorney Joseph Faccipontiの発言です。
『ゴールドマン・サックスは、このプログラムの使い方を知っている誰かが、市場(複数)を不正に操作するのに使いかねない危険性がある、と指摘している。』
つまり、このプログラムはゴールドマン・サックスが市場を不正に操作するためのプログラムである、ということになってしまうわけです。
またも速かったのはゼロヘッジ。金アンチトラスト委員会(GATA)が証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)宛てに出した手紙を掲載しています。この手紙で、GATAはブルームバーグの記事の問題の箇所を引用し、
『Assistant U.S. attorneyの発言は、ゴールドマンサックスが自社の市場操作は公正で、他社が同じ操作を行うのは不正だ、と考えているとも取れる。ブルームバーグニュースの記事にもある裁判の行方は、ゴールドマンが取引を行うすべての市場に影響を与える。ゴールドマンのトレーディングプログラムを早急に調査し、結果を公表してもらいたい。』
と要求しています。
GATAが関係する市場はニューヨーク商品取引所(NYMEX)内の商品取引所、COMEXです。COMEXはアルミ、銅、金、銀を取引していますが、中でも特に金市場、銀市場は以前から市場の不法操作の噂が絶えないのです。COMEX金・銀市場の大手ディーラーは他ならぬゴールドマン・サックス。COMEX金・銀市場の大半は、ゴールドマンを含めた大手ディーラー数社(ゴールドマンの他には、J.P.モルガン・チェース、HSBC、ドイツ銀行などが大手です)が独占しているらしく、特に昨年の9月の株式市場急下落以来、米国連邦銀行および財務省の裏の指示で、大手ディーラーが金・銀の価格を不当に操作して下げている(つまり、金・銀を空売りしている)、という噂は、GATAのサイトにも頻繁に載ります。(これは一例)
先週の木曜日から3日間、米国市場は下げていますが、過去3ヶ月、どこからともなく入ってきて市場を急転させていた買いがばったり止まった様な感があります。「不当な非難」に対するゴールドマン・サックスの腹いせか、と私はひそかに思っていますが。
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