Wednesday, March 31, 2010

株式市場はなぜ上昇を続けるのか?

米国株式市場の上昇が続く中、金融アナリスト達は首を捻っているようです。

WHY? 上昇する理由なんてろくにないじゃないか、というわけです。

Stocks Soar, but Many Analysts Ask Why (3/29/2010 ニューヨークタイムズ)

”The unemployment rate remains locked in a range that recalls the economic doldrums of the early 1980s. Housing is stuck in a ditch, with foreclosures rising. And consumers are still reluctant to part with the little cash they do have.

”Yet the stock markets are partying like it’s 2003, when hiring was brisk, real estate was booming, wallets were fat — and the major stock indexes started a four-year rally that would double their value and push them to new heights just before the financial crisis hit.

”Judging from stock prices alone, one would think the economy was poised for a roaring comeback. But the federal government plans to unplug the economic life-support programs that stimulated production, kept interest rates low and placed a thick cushion under the real estate market.

”Some analysts see ample reason for caution in equities, with many economists, including those at the Federal Reserve, forecasting tepid growth in the near term.” [記事はさらに続きます。]

先週の日曜日の夜の夜中に米国議会下院が『オバマケア』と揶揄されるヘルスケア改革法案を僅差で可決し、誰もが翌日の株式市場の急降下を予測したにもかかわらず、翌月曜日は上昇。株式市場が下落したのは先週は水曜日だけ、今週も水曜日になってやっと下がりました。

ヘルスケア改革とは名ばかり、実のところは高い健康保険を「権利」と称してアメリカ市民に強制的に買わせ(強制しておいて何が権利だ、と思うのですが)、ありとあらゆるヘルスケア商品(薬から日焼けサロンの果てまで)に新たな課税をし、所得税を引き上げ、政府の新しい巨大な官僚機構を作り上げて市民生活を管理する、という、日本ではいざ知らず、アメリカでは信じがたい改革なのです。アメリカの建国の祖、ワシントン、ジェファーソンが知ったら、自分たちの努力はまったく無駄だった、とさぞかし失望することでしょう。

このような法案が目白押しの中、何で株式市場は上がるんだ?と半ば怒りをこめて疑問を投げかける人も多いのですが、私はなんとなくわかる気がします。

オバマ大統領が大統領でいる限り、株式市場に上場しているような大企業は絶対安全なのです。

ヘルスケア改革は保険会社のビジネスをしっかり保障(何しろ3000万人分の新規ビジネスが政府の強制によって作り出されるんですから)、金融改革は大手の金融機関に対して新たに5兆ドルの援助を保障、地球温暖化防止法案(地球温暖化が実際に起こっていようがいまいが)はアメリカの平均家庭の年間の税金負担を2000ドル以上増加させる、とオバマ政府自身が認めています。オバマ大統領の地球温暖化法案を支持するのは大企業ばかり。

去年の3月に株式市場が底を打ってから今まで、何で市場は上がるのか、ファンダメンタルがこうも悪いのに?と思っていましたが、今はわかります。大企業と政府の尻拭いを納税者に有無を言わせずやらせる政府の方針が続く限り、株式市場は上がるでしょう。

ブッシュ大統領時代より悪くなるわけがない、と思って今の大統領に投票した知人達は、オバマ、と聞くと顔をしかめています。まあ、私に言えるのは、"I told you so" ぐらいですが、黙っています。

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