Monday, March 28, 2011

オーストリア気象地球力学中央研究所:放射性物質福島原発とチェルノブイリの比較 

読売新聞3月28日付けの記事の中に、こんな言及がありました。

 ウィーンの気象地球力学中央研究所は、東日本巨大地震被災直後の3日間(12~14日)に、福島第一原子力発電所から大気中に放出された放射性ヨウ素は、チェルノブイリ原発事故の10日間で放出された量の約2割に相当するという試算結果を公表した。

 核実験全面禁止条約機構(CTBTO、本部=ウィーン)が、群馬県高崎市など世界各地に置いた監視拠点24か所で検知した放射性物質データをもとに分析した。

この研究所、略称ZAMGは、ヨウ素131の拡散予測のGIFファイルを毎日出してくれるありがたい研究所ですが、この読売の記事の原版を探して見たところ、まだ続きがあるのです。もとはドイツ語ですが、英語版で探しました。(ドイツ語読めるけど訳すのに手間が掛かりすぎて。ははは)

読売の記事の根拠は同研究所3月24日付けのレポート

During the reactor accident in Chernobyl in 1986, the total releases of Iodine-131 and Cesium-137 (whole accident scenario) were 1.76 1018 Bq and 8.5 1016 Bq, respectively. The three day emissions from Fukushima of Iodine-131 would be about 20% of the total Chernobyl emissions, while those of Cesium-137 would be between 20 and 60% of the total Chernobyl emissions, depending whether one believes in the different Iodine to Caesium ratio measured in Japan.

つまり、3月12、13、14日の間に放出されたヨウ素131はチェルノブイリ原発事故で放出されたヨウ素131の約20%、そして、セシウム137は、日本で計測されたヨウ素とセシウムの割合のどれを信用するかによって、チェルノブイリの20%から60%に相当する、と研究所は報告しています。

セシウム137の放出度合いが避難の是非を決めるらしい、という情報をこちらのメッセージボードで読んだ記憶がありますが、はっきりした資料がみつかったらまたお知らせします。

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