Friday, May 20, 2011

京都大学小出裕章:「福島1号機は人類が始めて遭遇する未知の領域」

ビデオニュースドットコムが無料公開している、京都大学小出さん出演のビデオ。5月19日です。核燃料溶融の1号機の解説です。聞きながらざっとメモしました。

燃料が溶け出して原子炉で水素爆発が起こる、という最悪のシナリオは避けられたようだ。(東電の言っていることが本当だとして。)

圧力容器にはかなり大きな穴が開いていると思う。

(東電は、溶融した燃料がまだ圧力容器に留まっている、と考える根拠として圧力と温度を上げているが)1号機の圧力と温度のデータが果たして本当なのかどうか。水位のデータはまったく間違っていたわけだから。

あれだけ水が漏れているのに(建屋地下に4000トン)、圧力が出ている、と言うのは、原子炉の構造上ありえない。

格納容器に水があるのかないのかもはっきりしていない。建屋の地下に水がたまっていることを考えると、すでに溶けた炉心が格納容器を壊してしまった可能性。

格納容器の外は建屋のコンクリートしかない。

冷温停止と言うのは原子炉圧力容器が形としてあって、冷却水がまわせる状態であることが前提。燃料がそこにあるかどうかも分からない状況で、冷温停止を言える事態にない。

原子力を利用し始めた人類が始めて遭遇する、未知の領域。

大気中に放射性物質が飛び出してしまう状況にあるかどうか、ということだが、今現在はその可能性はないだろうと思う。建屋のコンクリートにも何がしかの損傷はあるが、全体としてはまだ壊れていない。

このままコンクリートから出て地下水まで行ってしまう可能性は、今のところ正確に判断できない。地下水に放射能が流れ、海を汚染する恐れ。

溶けた炉心、水があったとしても、内部は説けた状態だと思う。

建屋地下のサプレッションチェンバーはドーナツ型。溶けた炉心の落ちたあたりのしたはコンクリート。コンクリートをどこまで破壊していくか、が今後のネック。

東電の言う、建屋にたまった水を循環させる方式というのは、格納容器が壊れていることを認めているのと同じ。そうなると、東電の言うようにやる以外にない。

ただし、コンクリートの中に入っていってしまうと、循環も何もない。手の打ちようがない。建屋ごと石棺のように固めるしかなくなるのかもしれない。

東電のロードマップはもともと政治の圧力で東電の本社が出したものではないか。実際に苦労している東電の福島の人たちではない。

2号機、3号機は現在も東電のデータは燃料棒が半分水に漬かっていることになっている。

チェルノブイリとの比較について、福島はまだ現在進行中、今後も水蒸気爆発があるかもしれない可能性があるので、チェルノブイリを上回る可能性もある。

国会(参議院行政監視委員会午後1時から、最長3時間)の参考人としての出席(5月23日)は、原子力に関して行政が果たしてきたとてつもない罪がある、それをきちんと監視していただきたい、と思うので、言いたいことを言ってくる。

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