福島事故の前には作成されていたとのことですが、どれだけ前かは不明。
よっくご覧ください。まるで福島第一原発1号機を想定したかのようなアニメ。マークI型沸騰水型原子炉で、制御棒が挿入されて原子炉が止まった後、炉心冷却に全て失敗した場合、どのようなことが起こるか。
事故の設定は、原子炉圧力容器につながる大きな配管が破断し、大量の放射性物質が環境に放出される事故。
- 配管破断、冷却水が漏洩。
- 炉心露出。
- 炉心中央部燃料溶融 (事故後30分)。
- 溶融燃料、圧力容器下部に到達 (事故後1時間)。
- 溶融燃料、12-15センチの厚さの圧力容器を貫通(事故後3時間)、圧力容器を支えるペデスタル中間床面に落下、コンクリートの床を侵食しながらガスを発生させる。
- ガスの発生によって、格納容器内の圧力、温度が上昇。
- 更に、ペデスタル貫通、その下部のコンクリート床面に落下。
- 圧力が格納容器の限界を超えると、フランジ部から原子力建屋内にガスが充満
- 原子炉建屋を通じて環境に放出される。
事故後30分で溶け出し、1時間で圧力容器下部へ落ち、3時間で圧力容器を貫通して、その下のコンクリートに落ち、コンクリを溶かして更に下に落ちる。
政府も、東電も、原子力専門家も、知っていたんですね。知らぬは無知な国民ばかり。
このアニメを見て気が付いたことが2点:
冷却水を注入できなくなって炉心が露出したら、後はもう時間の問題で、あっという間に溶け、圧力容器の鋼鉄、格納容器のコンクリートを溶かしてガスを出す。冷却が出来ない限り、このプロセスを止めることは出来ない。
溶融燃料がコンクリの床面に落ちた時点でやっとガスの言及をし、さらに放射性物質が排気塔から環境に放出される図を出している。
ということは、福島の1号機でベントの指示をした時点で、既に溶融燃料はコンクリートの床面を溶かしていた??
だから京大の小出さんなどは早くから、溶融燃料はとっくに圧力容器から出て、格納容器からも出ている、と推量していたわけですか。
福島第1原発原子炉で今「冷却」しているものはいったい何で、それはどこにあるのでしょうね。それに一切言及せずに、「ステップ1」が成功裏に終了、と言われても、はいそうですか、と納得する人はいないでしょう。
何度かこのブログでも言及したと思いますが、溶融燃料(というか、燃料、制御棒、圧力容器内機材、圧力容器自体などが全部溶けた物)、”Corium”の解説は英語版のWikipediaに詳しく出ています。燃料被覆管(”Cladding” ”Zirconium alloy”)の説明も詳しく出ています。福島第1号機が爆発した後、私が読んでみたのがWikiのこれらの項目。燃料が溶けて落っこちていないわけはない、と3月の時点で日本の友人に言いましたが、取り合ってもらえませんでしたね。政府はそんなこと言っていない、ということで。古きよき3月でした。
http://www.jnes.go.jp/content/000008984.pdf
ReplyDelete↑平成20年度 防災用事故シナリオ理解のための教材
政府はずるい!と思いました。知っていたなら教えてくれればよかったのに。
ReplyDelete原子力事故の対応議員が、モナ男というのも許せない。
スリーマイル事故の研究論文からも、冷却水を喪失した沸騰水型原子炉は数時間で融解した炉心が圧力容器を貫通することは事故以前から当然の事実であった。
ReplyDeletehttp://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-04-02
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-04-01
安全安心に勤めていながらどんな事故対策をとっているかは言及していないんですね。どういう対処をするべきか住民に知らせてもいないのも許されない。
ReplyDelete最悪のケースを想定って笑ス
ReplyDelete実際には、発生ガスが爆発して、これよりももっと悪い状況が起きてるのにどこが「最」悪なのかと。
どこまで想定が甘いんだよ。