ああそうか、検出しないための検査なんだ。さもなければ、検出は出来ているのだけれど、県民には検出限界以下、と言うことしか知らせないための検査。
研究熱心な山下俊一福島医大副学長がもちろん検討委員のお一人でいらっしゃいますから、このような粗い検査しか出来ない測定器では有効な研究資料が取れるわけはないと思いますので、最悪の場合、上に挙げた最後の可能性ではないかと。
木下黄太さんの8月4日付けブログポスト:
検討委員会に名前を連ねているのは、このような面々:
福島県のホールボディカウンターがきちんと運用されているのか。疑う情報です。
『平成23年度第3回福島県「県民健康管理調査」検討委員会』の資料です。http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/230724shiryou.pdf
先行で福島県民の放射性物質をはかっていたホールボディカウンター の最低の検出限界がCs‐134:320Bq、Cs‐137:570Bqということです。衝撃的な最低値です。福島県内のホールボディカウンターが、バッ クグラウンドの数値が高いため、きちんと機能しないだろうことは、もともと専門家の間でも想定内でした。それは、精密度の問題であって、誤差は出るのだろ うけれども、一定レベルの機械で測っているものだと勘違いしていました。北海道がんセンターやタイは100Bqくらいは測れるはずです。僕の知り合いはド イツで精密型のホールボディカウンターを無料で受けました。検出限界は20Bqです。こういうレベルで測定できるのがあたりまえです。しかし、この福島県 民がうけたホールボディカウンターは検出限界がCs‐134は320Bq、Cs‐137は570Bqなのです。こんな数字でまともに測っているといえるの か。発生して数ヶ月が経過して始めていることから、生物学的半減期を考えると、この検出限界に達しない事が多いでしょう。これで測定しているなんてちゃん ちゃらおかしい話です。
その上、尿検査は一リットルあたり13Bqがこれまた、検出限界となってい る。普通の民間検査会社でお子さんの尿を個人依頼しても、1Bq以下でも検出していて、体内の蓄積と尿への排出の関係を考えると検出が数ベクレルレベルか らは、考慮すべき事を考えると、尿検査の検出限界も13Bqというのは、十倍以上緩い(たぶんもっと)検出限界です。これも意味があるのかという検出限界 です。
こんな緩い検出限界で大丈夫かと率直に思います。というか、きちんと測定し ようとしているのか?と。全国のホールボディカウンターを極力測らせないように、業界内で周知の文章がまわっている状況(全国殆どの施設でWBCを受けら れない)とあわせて考えると、福島県民も含めて極力、放射能による健康被害を顕在化させないように、政府も福島県も専門家たちもぐるになっている構図がま たもあらわになっています。こんなレベルまでやっていたとは。いくらバックグラウンドが高くてもその中で、さらにこのレベルとは。またしても、驚きです。
内閣府原子力災害対策本部・経済産業省、文科省、厚生省からお目付けがある、というのも、政治に都合のよいデータ取りが行われかねない気がして、あまりいただけません。
先行の120人のホールボディーカウンターによる検査は、千葉の放射線医学総合研究所で行われたようなので、福島県の高いバックグラウンド放射線は気にしなくてもいいのだと思いますが、放射線医学総合研究所のホールボディーカウンターがそんなに粗い検査しか出来ないのか、非常に疑問です。
また、資料の中に、全福島県民の健康調査の概要を表にまとめたものがありましたが、こっちの方が問題のような気もします。と言うのも、調査とはほとんど名ばかり、大部分が自己記載の問診(生活習慣、既往症、家族暦、医療被曝暦など)で、せいぜい甲状腺の超音波検査(18歳以下の子供のみ全員)、血液検査、尿検査を避難区域の人々に行うくらいです。血液検査、尿検査の内容も、通常の検査と別に変わるところはないように思われます。これで何がわかるのでしょうか?
検出限界の件もさることながら、わたしは最後に添付された検査結果報告書の書式がいやです。あのイラスト。結果を過小評価させようと躍起になっている姿が透けて見えて、気分が悪くなります。
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