というのも、キロ当たり500ベクレルを超えた地域に加えてキロ当たり100ベクレル以上出た農家が複数ある地区を作付け制限すると、市全体の水田の64%近くが作付け制限になり、米の作付けが出来なくなるのだそうです。
そこで市長の発言、「放射性セシウムがあることを前提にコメをつくり、検査して汚染米を市場に出さない仕組みが重要だ」、となるわけです。そうすれば、全域で作付けが可能だ、ということです。基準値を超えた水田は、試験栽培にすればいいのだそうです。
朝日新聞福島地方版2012年2月8日付け記事:
作付け不能6割超/伊達市
●方針転換要望へ
国が検討している今年産米の作付け制限について、伊達市は7日、「今のままでは市内の6割を超す面積で作付けが出来ず、影響が深刻過ぎて従えない」として、方針の転換を求めていくことを明らかにした。
この日の市災害対策本部会議で、今月3日に開かれた国との協議内容を報告。作付け制限に関する国の考え方を説明した。
市は3日の協議を踏まえ、放射性セシウムが国の暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超えた旧6町村と、4月から導入される新基準値(同100ベクレル)を複数の農家が超えた旧6町村が作付け制限の対象となると試算。全市の水田1336ヘクタールの63.7%にあたる851ヘクタールで作付けが出来なくなるという結果になった。霊山地区や月舘地区の水田は、全域が作付け制限の対象となる。旧21町村のうち、作付けが可能になるのは旧9町村にとどまる見通しだという。
市は制限の規模が大きく、耕作意欲が落ちて再開が難しくなり、農業の崩壊につながると反発。昨年産米で国の暫定基準値を超えた水田では試験栽培などで市場に流通させないほか、検査態勢を強化すれば、全域の作付けが可能だとしている。
近く、国と改めて協議する。また、福島市や本宮市もすべての作付けを目指しており、連携して方針の転換を求めていくという。
仁志田昇司市長は「放射性セシウムがあることを前提にコメをつくり、検査して汚染米を市場に出さない仕組みが重要だ」と訴えている。
検査して、と伊達市長はおっしゃいますが、去年の検査は本検査でも旧市町村わずか数箇所、500ベクレル超えが複数出てから地域限定で行った再検査(伊達市を含む)でも、農家1軒あたり1袋の検査(正確には50袋毎、ほとんどの場合1軒1袋)。同じ農家の水田でも場所によって汚染度が違ったり、地形、土壌が異なったりしている可能性もあるわけで、それを1袋の検査で済ませられても消費者は納得しないでしょう。
本検査で検出なしの地区も、たまたま選ばれた農家から出なかった、と言うだけに過ぎません。
ツイートで出しましたが、福島市渡利地区で採取されたミミズの糞から137万ベクレルの放射性セシウムが出ています。
農家の耕作意欲、とこの記事にもあり、他でも聞きますが、福島農家はこのような汚染された土地で放射性物質入りの米を耕作する意欲が旺盛なのでしょうか?一消費者としては、これはもう理解不能です。福島米農家の意欲を保つために、消費者はもしかしたら入っているかもしれない放射性物質を気にしながら米を食べなくてはいけない、ということなのでしょうか。
日本人は同一民族で同じ文化を共有している、とはだんだん思えなくなってきました。
この問題は伊達市農業委員会が、放射性物質を憂慮して耕作されなかった農地を耕作放棄地にすることと連動しているんですなぁ。
ReplyDelete農業委員会が農民に、村が村民に、県が県民に、国が国民に被ばくを強要するという大きな流れが顕在化してきましたねぇ。
いつも、いろいろな情報ありがとうございます。
ReplyDelete消費者としてのウルトラマンさんの怒りは、わかります。しかし今晩はず-と複雑な気持ちになりました。次の東京新聞の記事を見てください。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012020802100006.html
この記事によると、農地は耕作されていないと耕作放棄地とみなされ、その農家は原則的に新たな農地取得ができなくなるとあります。だから農民は農地を失わないために、どんな品質であれ、作物をつくりつづけなければならない、ということはないでしょうか。伊達市は、今のところ、国から原発事故による耕作規制をうけていないとのことで、作物の安全性と自らの健康を思ってとはいえ、自主的に農耕をみあわせると、農地法で、耕作放棄地とみなされると、市の関係者は危惧していると言うことは、ないでしょうか。わたしは、農民の農土への愛着を思います。でも現実は、安心して食べられるものは、できない土になってしまっているわけですが、、。
正気の沙汰とはとても思えません。福島の農家の方のブログ
ReplyDeletehttp://ameblo.jp/noukanomuko/
こちらにもやはり耕作を推奨、放棄した人(土地)に対して冷遇措置をとるという、狂った伊達市の農業委員会の事を嘆く記事がでています。
皆様、情報ありがとうございます。「農業委員会」ですか。名前におもわず爆笑。日本はソ連を超える共産主義国だったんですねえ。
ReplyDelete私のブログのコメント欄で、このエントリーのリンクを張らせて頂きました。
ReplyDeleteよろしくお願いしま~す。
URLは最初のコメントと同じです。なぜかURLがコピペ出来ません~。
もう少し掘り下げて別の記事を書く場合も張らせて頂くと思います。
いつもお世話様です。
ReplyDeleteこの「放射性セシウムがあることを前提にコメをつくり、検査して汚染米を市場に出さない仕組みが重要だ」の考え方は「カドミウム米」の発想ですね。
稲にカドミウムを吸収させ浄化する方法。今回は
「作付することで農地を維持しつつ、除染する」
これら農水省の「建前」は立派なわけですが、事故米流通事件で発覚したように、実際は「毒米」が市場に流通してしまっていました。
国内に限らず、援助物質などとして海外にも輸出されています。
この事件も記憶に新しいところですが、巨額な対策費が投じられたにも関わらず、何ら改善されないまま同じ過ちを繰り返しています。
それと原発周辺に「放射性銀(110Ag)」が広範囲かつ高濃度に降下しているのに、それが「カドミウム(110Cd)」に壊変する事を知っているのでしょうか・・・
http://periodictable.com/Isotopes/047.110/index2.full.dm.html
カドミウム検査さえも黙殺している現状・・・
またセシウムだけ検査ばかりしていないで、より移行係数の高いストロンチウムの検査やその他の核種検査も必要です。
ちなみに、過去に「放医研」の研究でその移行係数は判明しています。http://www.aesj.or.jp/publication/TAESJ2009/No.4/8_4_313-319.pdf
よって「作付しないのが重要」ですね。
農家は作付けし、米や農作物を育てることで、生き甲斐を感じる、生きる意味を再確認する。自分たち(だけ)の健康や汚染にたいする恐怖のみで、伊達市の決定を判断するのは、あまりにも詰めたすぎる。感情ではなく、共感で、今の汚染の問題を考えるべき。共感は、ただ、「食べて応援」じゃない。其の土地で農業して生きてきた人たちを理解すること。
ReplyDelete「日本人は同一民族で同じ文化を共有している、とはだんだん思えなくなってきました」まさしく。ハシモトが狂信的に支持されているのを見ても、同じ思い。
ReplyDelete>農家は作付けし、米や農作物を育てることで、生き甲斐を感じる、生きる意味を再確認する。自分たち(だけ)の健康や汚染にたいする恐怖のみで、伊達市の決定を判断するのは、あまりにも詰めたすぎる。感情ではなく、共感で、今の汚染の問題を考えるべき。共感は、ただ、「食べて応援」じゃない。其の土地で農業して生きてきた人たちを理解すること。
ReplyDelete理解して、そのあとどうするんですか?汚染物を引き受けるんですか、消費者が?
@Anonymous 6:68PMさん、ご心配なく。2012年1月の米の売れ筋1、2、4位は福島米だそうですから。どこかの消費者が引き受けたくなくても引き受けることになるんでしょう、外食などで。
ReplyDeleteちなみに、消費者が自分たちだけの健康を大切にするのは、当たり前です。
「農家だけは特別だ」と言う考えは、いい加減捨てましょう。
ReplyDeleteいつまで甘えているのでしょうか・・・
事故前までの「農家票、目当ての手厚い保護」は通用しません。
放射線防護は「封じ込め」が基本。
2012年に入ってから、福島産米が売れ筋に
http://mercury7.biz/archives/17943
「値頃感から福島産米に買いが集中」
更に1月30日から大幅値下げ
福島産コメ:最大1割値下げ 売れ行き低迷で
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120131k0000m040074000c.html
結局、福島県は新規基準に変わる前に売り切る考えでしょう。
「孫に食べさせられない米]が流通しています。