先週の金曜日の市場が終わった時点で、ほとんどのトレーダーがS&P500インデックスの「Head and Shoulders Top」フォーメーションを見、株式市場はここから下方にブレークする、と思っていたようです。そんな時に限って、というより、そんな時こそ、市場はストレートではなくカーブを投げるようですね。
今週の水曜日に、私のShoulda Coulda Trade Blogで、S&P500は「Head and Shoulders」ではなく「ダブル・ボトム」かもしれない可能性を出して見ましたが、今週のトレードが終わった今日の時点で、その可能性はまだ生きているようです。実際、今週一週間の市場の上昇は、3月の底値を打った週以来の上昇規模でした。
もしこれがダブル・ボトムで、ここからブレーク・アウトすると仮定すると、ターゲットはダブル・ボトムの真ん中の山のトップからボトムまでのポイント差(約61ポイント)を中山のトップの値に足して、991、という値になります。今日の終値(940)から更に5パーセント上昇の可能性があるということになりますね。
私は個人的にはもう少し高い値までいくのではないかと思っています。(S&Pで1050前後。)理由の一つは、ゴールドマンのおかげで最近とみに注目をあつめてしまったHigh-Frequency Quant Trading。コンピューター・トレーディングの比率が低い市場でインデックスが5パーセント動くとすると、比率の高い現在の市場ではそれ以上に動くのではないか。(ちなみに、リンクした記事はQuant Tradingのベーシックを分かりやすく解説してありますので、ぜひお読みください。)
もう一つの理由は、長期の週チャートを眺めた結果です。S&P500インデックスの1050あたりは、ちょうど89週Moving Averageがインデックスの値と接触する場所のように見えます。インデックスが最後にこのMAと接触しかかったのは、去年の5月。市場が決定的に下方にブレークした2007年の12月以来、インデックスはこのMAを越えていません。
エリオット・ウェーブの分析では、ベア・マーケットは3段階のウェーブで終わる、としています。今年の3月の底値までが、最初のウェーブ、3月の底値から上昇のウェーブが次のウェーブ、最後のウェーブは3月の底値を下回るレベルまで下げて終わり、ということのようです。現在のウェーブは2番目のウェーブということになりますが、この上昇がいつ終わるかが問題。そのポイントの有力候補が、インデックスと89-MAが接触するあたりではないか、と思っていますが、さてどうなることか。
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