福島第一原発の事故で農業に大きな打撃を受けた福島県は、就農人口が茨城県、北海道に次いで全国で3番目に多い「農業大国」だ。沿岸部での放射線の影響で山あいの産物も一律に出荷が制限され、生産者は悔しさをこらえきれずにいる。
「事故の収束を願い続けたが、こんな結果になるとは……」。原発から約100キロ離れた会津若松市でコマツナやホウレンソウなどを作ってきた管利明さん(58)は、政府が県単位で出荷停止の指示を出したことに憤る。「国の判断はおかしい」
福島県は、沿岸部の「浜通り」、県中央の「中通り」、県西部の「会津」の3地域に分かれる。同市を含む会津地方は、「畑が雪に覆われ、露地野菜が栽培されていない」として、県の農産物に対する放射線の影響調査の対象に含まれておらず、汚染の程度は明らかではない。
会津の農家からは「作物の安全性を証明したい」との声が出るが、農家や生産者団体は機器を持っていない。
市は23日、市内の農産物の調査を始めるよう県に求めた。「同じ県内でも地理的な違いから影響に違いがあるはず。数値が出ないのに出荷停止とされては農家が納得しない」(農政課)と言う。
確かに「おかしい」んですが、他にもよく考えられるとおかしいことがいくつもあります。
地方の自治体レベルのことを県レベルならまだしもなぜ国が決定するのか。(菅首相は農業の専門家でもあるんですかね、原子力だけじゃなくて。)
国の「指示」は提案なのか、それとも法的権限(罰則)を持った「命令」なのか。
農家や生産者団体は機器を持っていないかもしれないが、計測のできる機器を持っている企業、大学、研究所は県内、あるいは近隣の県内にもいくつもあるはず。県や国に測定を要求する間に、これらの企業、大学、研究所に市町村からいくばくの費用を払ってでも早く計測してもらえないか、ということを誰か検討して見たか。
記事のしめくくり:
原発から50キロ近く離れた同県二本松市東和地区。7棟のハウスで野菜を栽培する大野達弘さん(56)は23日、出荷を数日後に控えたコマツナや茎立菜をトラクターで踏みつぶしていた。青々とした葉が次々と地面に押しつぶされ、土にまみれた。
「安全安心に自信があった品物なのに……」。地域をあげて無農薬や有機栽培に取り組み、山あいの不利な条件を克服する農業を実践してきた。県外から新規 就農する若者も出てきていた。その矢先の原発事故。「我々は何も悪いことをしていないのに、なぜこんなことになるのか。早く作物が安全だといってもらえる ようになりたい」
なんともったいない。ただ、国に「作物が安全だといってもらえる」ようになるのを待っていたら、いつになるか分からないような気はしますね。それに、今回の原発事故で政府の言うことが当てにならないことがだんだん分かってきた国民が、政府が「安全だ」と言ったぐらいで信用するとも思えません。
(いっそIAEAとか近くの米軍基地にでも測定を頼むとか...。日本政府よりは信用があるかも。)
原発はまだ日本中に18箇所、更に3箇所建設、計画中。グリーンエネルギー云々というより、交付金と固定資産税収入が市町村には魅力なんでしょうか。
原発がこんな大事故を引き起こしてまだ間もないと言うのに、中部電力社長は福島より更に評判の悪い浜岡原発の3号機4月初旬再稼動を静岡県知事にOKしてもらったそうです。OKする知事も知事です。住民ないがしろの県、国に、いつまで頼るつもりでしょう。
Government kills.
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