Monday, June 13, 2011

フェアウィンズ・アソシエーツ、アーニー・ガンダーセン:「高放射能粒子は体内に 取り込まれるとほぼ検出不能」

Hot Particles From Japan to Seattle Virtually Undetectable when Inhaled or Swallowed from Fairewinds Associates on Vimeo.

今回は目新しい情報はありませんが、先日のクリス・マーテンソン氏とのインタビューでも話題になっていた高放射能粒子について更に言及しています。先日のインタビューとは異なって、シアトルの住民が4月に吸引していた高放射能粒子が1日5つ、と氏は言っています。東京が10なら海を越したシアトルでは5つ、というのは妥当と言えば妥当です。(インタビューでは相手がいることもあり、情報を言い間違えることもあるでしょう。)


福島の住民は東京の住民の30倍から40倍の高放射能粒子を吸い込んでいる、とガンダーセン氏は言います。

それと、言われてみれば当たり前なんですが、「体の外側から肺の上にガイガーカウンターをかざしても、体内に高放射能粒子が取り込まれているかどうかはわからない、高放射能粒子が出す放射線は体の外には出ない。」

日本政府はやっとストロンチウムが広域に拡散したことを認めだしましたが、他の核種、特にプルトニウム、アメリシウム、キュリウムといった非常に放射能の強い核種については口を閉ざしています。アメリカまで飛んできているのですが...。

以下、インタビュー日本語訳(H/T東京茶とら猫

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フェアウィンズアソシエーツ、アーニー・ガンダーセン:高放射能粒子は体内に取り込まれるとほぼ検出不能

こんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。東京電力が福島第一原発から放出された放射線量の推計値を修正したために、先週はメディアで様々な議論がなされました。また、高放射能粒子が日本全国で発見され、これも大きな議論を呼んでいます。今日はこの2つの出来事を結びつけ、その意味するところをお話ししたいと思います。

まず、東電は事故後一週間で放出された放射線の総量を計算し直し、当初予想していた量の二倍だったことに気づきました。予想をはるかに超える膨大な量が放出されていたわけです。

しかし、新しく増えた分のほとんどはホット・パーティクルと呼ばれる高放射能粒子です。なぜそうなったかというと、核燃料は融けるとすぐに気体状の放射性物質をすべて放出します。この気体はキセノンとクリプトンで、希ガスと呼ばれる種類であり、ほかの物質と反応することはありません。気体は住民の周囲を取り巻き、住民にガンマ線を浴びせます。この希ガスの放出量に関しては計算が単純なので、東電の新たな推計値でも変化はありません。では何が変わったのかといえば、放出された高放射能粒子の量が予想をはるかに上回っていたことに気づいたのです。

事故の際に放射線計がすべて粉々に吹き飛ばされたのを思い出してください。それでも彼らは、放射性物質の約98%はまだ原子炉内に留まっていると想定していました。しかし、今回新たに判明した放射性物質は高放射能粒子という形態をとっています。具体的にいうと、セシウム、ストロンチウム、プルトニウム、ウラン、コバルト60などで、ほかにもたくさんの種類があります。

人が屋外に出て希ガスの雲に入った場合は、放射線計で探知することができます。希ガスが浴びせるのはガンマ線だからです。ところが、高放射性粒子の中に入った場合、粒子の数がよほど多くないかぎり一個一個の粒子を検出するのは非常に困難です。検出されないからといって危険性が低いわけではありません。独立機関の研究者が日本の車のエアフィルターを調べたところ、東京の平均的な都民は4月中、毎日約10個の高放射能粒子を吸い込んでいたことがわかりました。同じ研究者によれば、福島県民は東京都民の30~40倍の高放射能粒子を吸い込んでいると見られています。

私が驚いたのは、アメリカ西海岸のシアトルのエアフィルターからも、住民が4月のあいだ毎日約5個の高放射能粒子を体内に取り込んでいたとわかったことです。これはどういう意味でしょうか。高放射能粒子が最終的に肺に入ったり、腸に入ったり、筋肉に入ったり、骨に入ったりする、ということです。体内に取り込まれた高放射能粒子は、非常に狭い範囲の体組織に絶え間なく放射線を浴びせます。

これはサルの肺の写真です。肺に高放射能粒子が入り込んでいます。高放射能粒子がサルの肺に絶え間なく放射線を浴びせた結果、非常に局所的な損傷が生じていることに注目してください。絶えず組織を刺激する物質が存在すると、体は戦います。たいていは体が勝つのですが、ときに高放射能粒子ががんを引き起こすことがあります。そうなればもちろん非常に憂慮すべき事態です。

体の外側から肺の上にガイガーカウンターをかざしても、体内に高放射能粒子が取り込まれているかどうかはわかりません。高放射能粒子が出す放射線は体の外には出ないからです。ただひたすら体内組織の狭い範囲にダメージを与えます。それでもエアフィルターの調査から見て、体内に取り込まれているのは確かです。

私は16歳くらいの頃から、よく車の修理をしました。ですが、もしも今私が日本で車の修理をするとしたら、車のエアフィルターを取り外すときに手袋をはめてガスマスクをつけるでしょう。そのフィルターに放射性物質が付着しているのがわかっているからです。それが独立機関の研究者たちの調査結果です。

最後にお話ししたいのは、「口の中に金属の味がする」という報告が日本から届いている点です。原発事故のあとで金属の味が確認されるのは今回が初めてではありません。スリーマイル島原発の近隣住民も[事故後に]金属の味を感じ、チェルノブイリ原発の近隣住民も金属の味を感じました。また、がんの放射線治療を受けた患者も金属の味を感じます。これは経験談なので科学的に測定するのはきわめて難しいのですが、今回日本で金属の味が報告されたことによって、スリーマイル島やチェルノブイリでの経験談が事実だったことが裏づけられたと思います。

では今夜はこの辺で。来週の木曜日、6月13日に、私はボストン公立図書館で午後6時から8時まで講演を行ないます。テーマは「福島の事故はアメリカでも起こりうるのか」です。私のほかに、「憂慮する科学者同盟」(Union of Concerned Scientists) のデビッド・ロックバウム博士や、疫学者のリチャード・クラップ博士も参加します。もし皆さんがマサチューセッツ近辺にいらっしゃるなら、お越しいただければ幸いです。

ありがとうございました。またお目にかかりましょう。

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