Tuesday, June 28, 2011

ネブラスカ州フォート・カルフーン原発、福島を髣髴(ほうふつ)とさせる最新情報

情報が小出しに漏れてくる、「安全、心配ない、影響ない」の連呼など、日本政府、保安院、東電からよく学んでいるようです。

米国6月28日現在のフォート・カルフーン原発最新情報:
  1. 原発では、原子炉と使用済み燃料プールにホウ酸を入れている。「これはまったく通常のオペレーションだ」と原発の社長。(CNNニュース

  2. 先日の、原発内の施設は「防水(Waterproof)」になっている、というアメリカ原子力規制委員会の言は、やはり建物の周囲にめぐらせてあるアクアダムおよび土嚢で作った仮の堤防のことだった。(同CNN)

  3. アクアダムが決壊したのは、ブルドーザーを操作していた作業員が誤って穴を開けてしまったため。また、ダムが決壊した際に、非常用ディーゼル発動機用のガソリンが入った容器などが水に流されてしまった。

  4. 使用済み燃料のドライキャスクは、敷地内の洪水保護区域には入っていない。「密閉して、しっかりボルトで固定しているので安全。」(アイオワ・インデペンデント紙

  5. 原子炉は燃料交換のために停止しているが、原子炉内に燃料の3分の2以上が残ったまま、という、ネット上の「風評」。

1の、原子炉にホウ酸を入れている、と言うことは、最後の5の「風評」が風評でもなんでもなくて、本当だったことを示していると思われます。原子炉に核燃料がないなら、ホウ酸を入れた水で冷却する必要など、ないはずですから。この「風評」は、6月の10日過ぎにインターネットに出始めたとたん、こんなうそを広めるとはけしからん、という記事がすぐさま出、悪質なデマと言うことで落ち着いていました。まるで、福島第1原発は大丈夫、放射能は大したことはない、影響はない、を連発し、その線に沿わない情報を「風評」と称して押さえつけ続けた日本の3月下旬の政府、御用学者、御用マスコミと同じ。

2の、原発の建物が土嚢を積んで「防水」というアメリカ政府機関(原子力規制委員会)の発言も、何とも日本的。そういえば、東電は入浴剤をトレーサーに使っていたっけ。この「防水」が土嚢だったことを聞いたとき、なぜか東電の入浴剤を懐かしく思い出しました。

4番目の使用済み燃料のドライキャスクの話も、これは文字通り話半分なのです。ドライキャスクにしてあるのは地上部分。その地下40フィート(約12メートル)に使用済み燃料プールがあり、そこにはネブラスカ州の原発から出た20年分の使用済み燃料が保管されています。そこがほぼ一杯になってしまったので、しょうがなく地上部分にドライキャスク保管施設を作った、ということのようです。(Wikipedia)

本来この使用済み燃料は、ネバダ州のYucca Mountainに最終処理場を造ってそこに移管するはずでしたが、この計画を現在のオバマ政権が潰し、オマハ電力はフォート・カルフーン原発の施設で半永久的に保存する、と声明を出しています。原子力規制委員会は、ドライキャスクでの原発内の保存で何の問題もない、としています。

5番目の、点検中の原子炉に核燃料が入っている、というのは、福島の5号機、6号機と同じですね。入っている、ということ自体ではなく、入っていることをすぐに開示しなかった、というところが。

しかし、前にも言いましたが、この洪水は上流のダムからの計画的な放水のために起こっているものです。十分に準備できていたはずですが、この体たらく。

何よりも残念なのが、日本政府、東電の対応と殆ど変わらないアメリカ政府、電力会社、原発関係者の対応です。日本の有様を見れば、とにかく大騒ぎしてできるだけ情報を出して、やりすぎでも良いから洪水の準備を軍隊を動員してでも行う、大したことがなかったらそれはそのときで、大したことがなくてよかったよかった、といっておけばよい。それなのに、アメリカの対応は日本と同じで、情報は押さえ、どうしても出てしまったらそれをうそだ、「風評」だ、と攻撃し、どうしてもばれてしまったら「心配ない、対策は万全だ」、と言い、その対策が失敗したら「最初から計算済み」と言い、万一惨事に至ったら「想定外」と言う。

フォート・カルフーン原発は惨事に至ってはいませんが、上流のダムは土のダムだそうで、一つ決壊すると連鎖反応的に決壊する可能性がある、とのことです。

フォート・カルフーン原発では、これ以上水位は上がらず、原子炉も使用済み燃料プールも安全、と言っています。電力が止まればそれまでなのは、福島と大差があるとも思えませんが。

CNNニュースビデオです。短いビデオの後半は、CNNのレポーターが「あれが破けたアクアダムか」とか、ぶつぶつ言っています。本来ビデオで出すつもりではなかったのでは。土嚢の向こう側へ水をくみ出す様子が見れます。それと、原発の社長。かなり神経質になってはいる、と見ました。

10 comments:

  1. 気になる情報の紹介ありがとうございます。

    運転中のクーパー原発も上流にあるのでしょうか?

    水の進入は防げる(結構危ないようですが)とは思いますが、冷却水系統が心配です。こんな濁流を処理する施設があるとは思えないのですよ。

     今後も情報をお願いします。

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  2. クーパーは更に下流です。

    処理施設、ないでしょう。それに、送電線の変圧器が確か地上にありましたから、あれが水没でもすれば終わりです。

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  3. 私もこれは普通のマスコミが取り上げる前から追ってますが、初期の異様なほどの情報のなさが不気味に思えてました。 上空が飛行禁止区域に早くから指定されてなかったですか? 私はもう、メインストリームのニュースを読んだり観たり聞いたりしてませんが、それでも大抵の事は検索したらネット上に出るんですが、全く出なかったですね。 他国の原子力機関からの方が情報出てました。

    しかも、これって、陸軍工兵隊による人工洪水なんですが、この原発が途中にあるって知らなかったの? それとも、知ってたけど避けられなかった?

    アメリカ人でも「フクシマ」を、危機感を持っていまだにずっと追ってる人達は、最初から注目してました。 アメリカのほとんどの人は、これが進行してる事さえ知らないか、もしくは「安全、心配ない、影響ない」を文字通り受け止めてると思います。

    使用済み燃料プールが気になりますね。 地下にあっても、どこかから川の水に漏れると言う可能性はないのでしょうか?

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  4. Yuriさん、飛行禁止に指定されてましたね。もっとも、クリントンの娘の結婚式会場も上空飛行禁止になりましたから、これはやたら乱発されている事象のようです。

    川の増水は「想定内」のはずです。

    使用済み燃料プールも、冷却水が止まればおしまいでしょう。電源が止まるか、冷却水の浄化が出来なくなるか、循環が出来なくなるか。

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  5. どうしましょう!?関東から子供と避難してきて、フォートカルフォーンから200kmの地点にいます。ここからも脱出すべきでしょうか?

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  6. すみませんが、他国の原子力機関からの情報、というのを教えてください。本当に危険ならば、また今いる場所から移動しなければなりません。
    よろしくお願いします。

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  7. 政府を信用せず、自分の頭で考えるしかないでしょうね。
     北半球ならば、どこに逃げても同じような気がします。

    押さえておくことは下記の通り
    ・変圧器がショートすると外部電源が消失する。回復は困難
    ・使用済燃料でも冷却の必要がある。しかしながら、燃料が水の中につかっていれば、爆発の危険はない。沸騰すれば、放射能は拡散されるだろうが、最悪Level5-Level6程度か?
    ・濁流なので水の確保が困難。軍が出ていない感じだが、本当に大丈夫?
    ・クーパー原発の状況がよく分からない。
    ・フランスの渇水も心配。冷却水がなくなれば、原発は爆発する。

     放射能被ばくは、高度な軍事機密に相当するようですから、今後とも正確な情報が出るとは考えにくいでしょう。
    ・・断片情報をつなげていくしかありません。

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  8. こちらでの情報を拝見させていただくことで
    政府の隠蔽などにごまかされずに
    油断することなく 危機をいだくことができ
    深く感謝しています
    ありがとうございます

    「原発反対 原発いらない!!!」

    おかしな玄海原発の全電源喪失の想定訓練
    のリンク先

    こちらです

    http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65747179.html

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  9. 6月18日付けの英語の記事ですが、これです。 
    http://nation.com.pk/pakistan-news-newspaper-daily-english-online/International/18-Jun-2011/US-orders-news-blackout-over-crippled-Nebraska-Nuclear-Plant-report

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  10. @Anonymous1:28AMさん、そうですか、あれで安全確保ですか。玄海が爆発でも起したら、日本全土が風下ですね。浜岡原発の災害対策は、ご覧になりましたか?水素爆発防止対策は、電動ドリルとカッターです。緊急時は建屋屋上に作業員が登って、穴を開けるんだそうです。

    http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/blog-post_7416.html

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