これを見る限り、今やってることとあまり変わらないような感じです。変わるのは、計画避難区域、緊急避難準備区域の牛は福島県内で肉にして全頭検査、というところぐらい。それすら、政府が避難区域を縮小して区域外にでもなれば、ほとんど検査なし。
「ほとんど」と言ったのにはわけがあります。避難区域外では、出荷制限が解除になって出荷する際、畜農家から最初に出す牛一頭以上の肉を検査してそれが基準値(500ベクレル・キロ)以下なら残りの牛全てフリーパスで出せるのです。ある一定期間後に再度牛一頭以上の肉を検査する、という条件は付きますが。
また、福島以外の県でも汚染牛は発生しているが、その土地で汚染稲わらが発見されない限り出荷規制の対象にはならない、というザルぶり。例えば、新潟で宮城から買った高濃度汚染わらを食べさせていた牛がいても、新潟の稲わらが放射能汚染されていない限り、新潟の牛は出荷規制の対象にはならない、というのです。
以下、朝日新聞7月20日付け記事:
福島県産の牛の肉から基準を超える放射性セシウムの検出が相次いでいる問題で、原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)は19日、県全域の肉用牛の出荷停止を県知事に指示した。出荷停止の解除方法の考え方も公表。福島県が提出した肉用牛の管理計画を対策本部が了承して、各畜産農家が計画に基づいた県の検査を経て出荷されることになった。
厚生労働省は、災害対策本部と福島県が考えている管理計画の概要を明らかにした。計画的避難区域や緊急時避難準備区域など高濃度の放射性物質が検出された地域では、飼育されたすべての牛について、県が解体された時に肉を調べる全頭検査を実施する。
それ以外の地域では、すべての畜産農家を対象に、県が汚染された稲わらを与えていないかなどを調べる全戸検査をし、その後も2カ月に1回定期的にチェックする。さらに解除後、最初に出荷する際に1頭以上を選び、県が肉の放射性物質検査をする。基準を十分に下回っていれば、その農家が飼育している牛の出荷が当面認められる。東京など県外に出荷することも可能になる。ただ一定期間がすぎたら、再び1頭以上を選んで肉を検査する。
福島県内のと畜場は郡山市の1カ所のみ。しかし、厚労省は、年間に最大約9千頭の処理能力があり、牛の解体や牛肉の検査は1カ所でも可能とみる。
福島県以外でも、汚染された稲わらを与えられた牛が見つかっている。ただ、厚労省は、出荷停止を検討するのは、牛を飼育している地域の稲わらが汚染されていることが前提とする。汚染された稲わらを遠方から購入して与えていても、その地域のわらが汚染されていなければ、対象とはならないとしている。
これで安心して国産牛肉を買える人が増える、と政府は思っているんですかね?そうなんでしょうね。今に、政府が安全と言った食品、園芸土、セメントなどを買うのを拒否すると罰金刑、なんてことになるかもしれませんね。
あるいは、環境省が放射性がれきの焼却灰の基準を現在のキロ当たり8000ベクレル以下埋め立て可から10万ベクレル以下可にしようとしているのと同じ要領で、牛肉の放射性セシウム安全基準値を現在のキロ当たり500ベクレルから5750ベクレルに引き上げてしまえば、今のところ5000ベクレルを超える牛肉は発見されていないようですから、すべて安全基準値以下になりますね。
狂牛病の時の日本政府の対応とはずいぶん違いますね。同じ国とも思えませんが、狂牛病の場合は原因が外国でしたからね。今回は自国内の不始末。
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