長い記事ですが、医療、健康以外の話題(前半)で興味深い箇所の抜粋をお出ししてみます。後半は、現地の人々の健康被害について詳細な記載があります。全訳はぜひ”Carnard Plus”ブログでお読みください。
日本政府の対応について: チェルノブイリから学んでいない。世界各国の政府も黙認。(外圧に期待するだけ無駄です。)
「一番ひどいのは、責任者達がチェルノブイリから何一つ学んでいないことです。チェルノブイリ事故よりもさらに規模の大きい福島原発事故に対する対応ぶりには、私は茫然自失としています。日本政府が避難地区を事故に見合った範囲に拡大しなかったこと、女性や子供達を即座に安全な南部に避難させなかったことに対しては、ただただやり場のない怒りを感じるだけです。そうした適切な措置を取る代わりに、国民はシステマティックに騙されてきました。実際の危険に関する情報は伝えられない、あるいは伝えられても誤った情報である。なんという無責任でしょう。これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します。しかも政治と原子力産業はそのことを黙認しているのです! 世界中で!
原発被害は増大する:
汚染地域の住民達は 1986年から現在までチェルノブイリ事故と共に生活してきているのです。事故による被害は収束するということを知りません。自然災害と違って、原発事故の被害は時間の経過と共に減少していく代わりに増大していくのです。しかもその期間は今後少なくとも300年間にも及びます。
この「300年」という数字は、環境的半減期についての論文の主張とも一致します。
ベラルーシの高度汚染はモスクワの汚染を避けるための人工降雨のためだった:
移住するのに10年かかった:チェルノブイリ事故による汚染地域の大部分はベラルーシーにあるのです。当時のソ連邦に降下した放射性物質の70%が当時の旧ソ連ベラルーシー共和国に降り注ぎ、国土のおよそ四分の一が放射能汚染されました。ベラルーシーの国境は原子炉から約15キロの距離にあります。
それだけではありません。事故後、風向きが変わって放射能雲がモスクワに向かい始めたとき、ヨウ化銀を用いた人工雨によって、大急ぎで放射性物質のベラルーシー領域への降下が促進されたのでした。もちろん住民には何も知らされませんでした。五月初旬のよく晴れた日、突然空からべとべとした黄色い雨が落ちて来たと人々は語ります。 このことは長年の間住民に明らかにされず、ただ移住が行われ、指令が出され、人々をなだめすかせるようなことが行われただけでした。計測器は厳重に禁止されていました。
ゴメルとモギリョフ両地方は大きな面積が放射能汚染され、約百万人が移住させられましたが、移住を実行するためにはまず大きな都市や区域に家々を建設しなければなりませんでした。ミンスク(ベラルーシー首都)周辺には大きな街が建てられました。新しい住居に移住できるようになるまで、多くの人々は十年間も汚染地域に住み続けなければなりませんでした。
金の切れ目が原発事故の終息、『博物館』化:
...おそらく国家予算の半分はチェルノブイリ事故処理のために消えていったと思われます。
とうとうある時期、ソ連時代のような比較的気前の良い措置を実施し続けることは望まれなくなり、また続けることも不可能になったのです。ルカシェンコ大統領がチェルノブイリ事故は収束したものであり、博物館に収めるべき過去の出来事であると発表したのはそのためです。放射能汚染されていたベラルーシーの地域はすべて安全になったと公式表明されました。
...被害者達は幼稚園や学校給食が無料だったり、子供達は特別のヴィタミン剤や保養を受けることも出来ました。保養こそ今でも年に一度受けることが出来ますが、その他の措置はすべて打ち切られてしまいました。ヴィタミンたっぷりの給食もです。被害者達は今でも証明書を所持していて私達に見せてくれますが、実際には価値がなくなってしまったわけです。事故当時の請求権はすべて廃止されてしまったのです。
当ブログでも記事をお出ししましたが、日本では既に原発事故博物館の話があります。移住、避難どころか、福島県の警戒区域内にも住民を返そうという政府の計画は既に動いています。
ああ、事故は日本では終わったんでしたね、野田首相。
おつかれさまです。早急な情報のシェアに感謝です。
ReplyDeleteところでドイツのTAZ紙というのは、どういう位置付けのメディアなんでしょうか?ググってもよく分からないので、もしご存知であればご教示ください。
私もよく存じませんが、英語のWikipediaによると、グリーン党支持、ちょっと毛色の変わった新聞のようです。ご参考:
ReplyDeletehttp://en.wikipedia.org/wiki/Die_Tageszeitung
こんにちは。いつも有益な情報をありがとうございます。ドイツのTAZ(タッツ)新聞は、日本ではあまり名前を知られていませんが、新聞社内の体制から民主化を徹底させている、ドイツで最も社会的な新聞で、早くから反原発にも力を入れています。いわば一番の民衆の味方というような新聞です。本社はベルリンにあります。ドイツという国は地方分権が発達していて、日本の朝日や読売のような全国版日刊紙が少なく、またその発行部数も限られているので、全国にワッとひとつの記事が広がる現象があまり起こらないのが特徴でしょうか。国際的に名を知られているフランクフルター・アルゲマイネはフランクフルトの地方紙です。ミュンヘンなどでは南ドイツ新聞が読まれています。
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