Saturday, June 4, 2011

アレバ社汚染水処理施設:アレバ広報「うまく行くといいですね」

米国ワシントンポスト紙に6月3日付けで掲載された、福島第1原発の増え続ける高放射能汚染水の記事の中に、仏アレバ社の汚染水処理施設に関する記載がありました。

どうも、「処理しないよりまし」ぐらいにしかならないような感じですね。アレバ社の広報担当いわく、「正直言って、どのように機能するかははっきりとは言えません。うまく行くといいですね。(Honestly it’s hard to say how it will work. We hope everything will be fine.)」

取り除く放射性物質は、セシウムとストロンチウム以外は不明(東電によるとアレバ社との契約上の機密事項)、ヨウ素などは半減期が短いこともありそのまま無処理で出すそうです。(木野龍逸さんが5月20日付けのポストで言及しています。)

以下、ワシントンポスト紙掲載の記事からの抜粋:

...... A potential turning point comes roughly two weeks from now, when Tepco plans to begin a treatment process in which water is sucked from the basement rooms and fed into a special tank, then treated with chemicals that eliminate its radioactivity. The process creates a byproduct of radioactive sludge, which is generally mixed with bitumen, poured into drums, then sealed and buried. The water itself can either be cycled back into reactors or discarded into the ocean.

(放射能汚染水処理問題に関して)1つの転機は約2週間後、東電が水処理を始めるときだろう。汚染水が建屋の地下階から特製のタンクに移され、化学物質を使用して放射能を取り除く。このプロセスは副次産物として放射性の汚泥を発生させるが、この汚泥はビチューメン(瀝青)と混合した後ドラム缶に詰め、封をして埋蔵される。処理後の水は原子炉に戻すか、海洋に投棄される。

The treatment system is being set up by Areva, a French company that uses the technology at its La Hague nuclear reprocessing plant, off the Normandy coast. Since 1997, Greenpeace — after taking water samples from La Hague’s discharge pipe — has made repeated claims that the supposedly decontaminated water in fact contains radioactivity levels above the regulatory limit.

この処理システムはフランスのアレバ社によって建造されている。アレバ社はノルマンディーの海岸から程近い場所にあるラ・アーグの核再処理工場で同じ技術を使っているが、グリーンピースは、1997年に水のサンプルをラ・アーグの排出パイプから取って以来、除染したはずの水は実際は基準を超える放射性物質を含んでいる、と繰り返し主張している。

The process “is not 100 percent, but it’s better than nothing,” Lochbaum said. “The alternative: you let the water simply evaporate and radioactivity carries to all parts far and wide.”

処理プロセスは「100パーセントではないが、何もしないよりまし」と、Lochbaum氏(David Lochbaum、the Union of Concerned Scientistsで原子力安全プロジェクトを指揮する)は言う。「さもなければ、水が蒸発するに任せて、放射能が広く拡散することになる。」

......

Under normal circumstances, Areva’s system can decontaminate 50 tons of water per hour. But experts admit that it is hard to predict just how efficiently the system will handle water that contains not only radioactivity, but also debris, oil and salt. Water might need to be treated numerous times, not just once, before it can be dumped into the ocean.

通常では、アレバ社のシステムは一時間に50トンの汚染水を処理できる。しかし、専門家はアレバのシステムが放射能だけでなく砕片、油、塩などの物質を含む水をどれだけ処理できるかは予測が難しいことを認める。汚染水は海洋に投棄できる状態になるまで繰り返し何度も処理する必要があるかも知れない。

“Normally the processing is done at small volumes, and you have carefully controlled chemistry,” Barrett said. “Here you have massive volumes and a very heterogeneous chemistry.”

「通常、処理は少量ずつ行われ、処理される水の化学成分は注意深くコントロールされている」とBarrett氏(Lake Barrett、米国スリーマイルアイランド事故で事故後のクリーンアップを担当した原子力技師)は言う。「今回の場合、極めて多量の、雑多な(コントロールされていない)化学成分を持つ水を処理しなければならないのだ。」

“Honestly it’s hard to say how it will work,” said Patricia Marie, an Areva spokeswoman. “We hope everything will be fine.”

アレバ社のスポークスウーマン、パトリシア・マリー氏は、「正直言って、どのように機能するかははっきりとは言えません。うまく行くといいですね。」

まあ試しにやってみよう、ということなんですか?それにしてはずいぶん高価なお試しですが。トレーサーに入浴剤を使った東電とも思えませんね。

No comments:

Post a Comment