東京の官邸および官邸周辺で大掛かりに行われるようになったいわゆる「官邸デモ」が、警察の過剰警備(と言われている)、”シングル・イシュー”(Single issue)のマンネリ化、一部の主催者への反感などからどうやら下火になりつつある模様が窺えますが、岩上安身さんの毎週のIWJ中継を拝見する限り、個々の小さな抗議行動は全国に散ってスタートした感があります。
その一つ、おそらく最小の抗議人数ではないかと思われるのはこれ、東京の米国大使館前での抗議。以前に青森の弘前市内だったと思いますが、原発反対の街頭抗議が5,6人、というIWJ中継を見た覚えがありますが、8月24日の大使館前は3人。それが、抗議を続けるうちに6人に増加。人数で考えるとまったく大したことはないのでしょうが、パーセントで考えれば、100%の増加。
IWJ中継からのスクリーンショット:
抗議行動が小さく散ったことを後退と見る向きもあります。しかし、”シングル・イシュー”と銘打ってイベント化されたものに参加するのと、少数ながらもそこでいわば「体を張って」主張するのと、どちらが一人一人にとって「本物」か、と考えると、私個人は後者だと思います。その小さな抗議行動が政治を変えるか、システムを変えるか、という次元ではおそらく答はノーですが、個人の意識の変化、ということでは大きなイエスだ、と思うからです。
つまり、わずか数人であろうとも、数百、数千であろうとも、自分はこう思う、ということを公にしてもかまわない、誰が賛同しようとしまいと、自分はこう思うのだ、と表明することが、「変なこと」、「変な人のやること」ではなくなっている、ということです。
海外から見ると「だからどうした」のレベルなんだとは思いますが、日本のこれまで、福島原発事故以前の日本から考えると、まったく大した進歩だと思います。
こちらは東電前の抗議活動。やはり8月24日。双葉町の埼玉県避難所(廃校になった高校)で今も暮らす避難者の方々のビデオを街頭で流したそうです。こちらも少数。10数人、といったところでしょうか。「原発作業員を使い捨てにするな」という抗議プラカードも。ここのフォーカスは福島原発事故。主催者のサイトはこちら→http://toudenmaeaction.blogspot.jp/2012/08/824.html
このような小規模抗議がいつまで続けられるのかは分かりませんが、何より人々の意識が変わってきている、しかも、ネットのおかげでどんな小さな活動でもその倍、十倍、時には百倍する人々がその活動を見、主張を聞くことが出来るようになっている、という事実は大きいと思います。