Monday, July 27, 2009

マーケット・ティッカー:フラッシュ・トレーディングは詐欺

金融、経済の解説、論評を提供するサイト、マーケット・ティッカーのカール・デニンジャー(Karl Denninger)は、ゼロ・ヘッジ(ブックマークされた方々:新しいサイトに移行しました)のタイラー・ダーデン(Tyler Durden)と同様、High-Frequency コンピューター・トレーディングがMSM(Mainstream media)で取り上げられる以前から問題点を指摘し続けています。このビデオは、特にフラッシュ・トレーディングの問題を取り上げています。

フラッシュ・トレーディングの問題は、MSMがレポートしているように『ミリセコンドのスピードで出されるオーダーに一般投資家が対応できない、要するにスピードの問題』(ニューヨーク・タイムズ紙のではなく、高速で出されるオーダーは実はオーダーではなく、一般投資家のオーダーの値段を吊り上げる目的で出されていることが問題なのだ、とカール・デニンジャーは言っています。詳しくはビデオと、サイトの記事でどうぞ。

Saturday, July 25, 2009

ゴールドマンとフラッシュ・トレーディング

今月の初めのゴールドマン・サックスの元社員の逮捕に端を発した、ゴールドマン・サックスのHigh Frequency コンピューター・トレーディングと市場操作の疑いは、ついにMainstream Media (MSM)のカバーするところとなりました。7月24日付けで、フォーブス誌とニューヨーク・タイムス紙がHigh Frequencyトレーディングのサブセット、フラッシュ・トレーディング(Flash Trading)を取り上げました。ニューヨーク州選出のチャック・シューマー(Chuck Schumer)民主党上院議員が、フラッシュ・トレーディングの禁止を求めた書状を証券取引委員会(SEC)に提出したからです。

シューマー、フラッシュ・トレーディングの取締を要求(7月24日フォーブス)
[シューマー]上院議員、ハイスピード・トレーディングの規制を求める
(7月24日ニューヨーク・タイムス)

フラッシュ・トレーディングとは、売り買いのオーダーが株式取引所に流れる前に、30ミリセコンド(0.03秒)から500ミリセコンド(0.5秒)の間、フラッシュ・トレーディングのメンバーにオーダーの内容を開示するもののようです。現在のコンピュータの容量、スピードからすれば、500ミリセコンドは永遠にも等しい長さです。その間に、メンバーのトレーダーはこの情報を使って、自社に有利なオーダーを出すことが出来る、というわけです。

原則的には、お金さえ払えば誰でもフラッシュ・トレーディングのメンバーになれるようですが、現実にはメンバーは大手の金融機関、Quant Fundsに限られます。入ってくるデータに対してミリセコンドで対応できるコンピューターを保有している会社、ということです。

フラッシュ・トレーディングのサービスを現在提供しているのは、ナスダック(Nasdaq)、Bats Exchange、Direct Edge。このDirect Edgeというのは、ゴールドマン・サックス、シタデル(Citadel)、ナイト・トレーディング(Knight Trading)の三社がサポートするネットワークで、ここがフラッシュ・トレーディングを最初に提供しました。その結果、ニューヨーク証券取引所、ナスダックなどから取引高を吸い上げたようで、ナスダック、Bats ExchangeはDirect Edgeのフラッシュ・トレーディング攻勢に対抗するために、同様のサービスを提供し始めたようです。記事によると、ニューヨーク証券取引所はフラッシュ・トレーディングに反対しているようですが、証券取引委員会が格別の処置をとらなかった場合フラッシュ・トレーディングを提供せざるをえないかもしれません。

一般の投資家にとって、平等の立場、Level playing fieldは存在していなかったわけです。(何を今更、と私は思っていますが。)チャック・シューマーが騒いでこれを規制しても、また新しい技術、ソフトウェアで規制を迂回する方法はいくらでも出てくるのでしょう。

例によって、フラッシュ・トレーディングに詳しいのはゼロヘッジですが、記事が長くテクニカルなので週末に読むことにしています。お読みになりたい方は、これです

Tuesday, July 21, 2009

第2四半期決算発表を良く見てみると…

今週は、企業の第2四半期の決算の発表が本格化する週です。これまでの発表を見ると、アナリストの予測を上回る企業の割合が圧倒的に高いのですが、よくよく見てみましょう。予測は上回ったものの、実際の利益は前年同期に比べて大幅減少、というケースがほとんどなのです。要するに、アナリストの期待が非常に低いレベルだったので、簡単にクリアできた、ということです。決算発表だけ見て、「アメリカの景気は思ったより悪くない!」とかいう、的外れのコメントは控えましょう。

まあ、楽観的に言えば、「悪化の速度が緩和している」とも言えますが、物理で言う終端速度に達したとも言えるのではないかと悲観的な私は思っています。要するに、これ以上加速しようがない、ということで。

ちなみに、下記の企業は今日(7月21日)決算を発表した企業です。利益は減少したものの、予測は上回った企業がほとんど。例外はアップル、コカコーラ、スターバックス、ヤフーで、利益上昇、アナリストの予測も上回りました。

取引開始前の決算発表:

AKS (AK Steel): beat analyst estimates ($47M loss)
BLK (Blackrock): beat (profit down 20%)
BTU (Peabody Energy): met (profit down 66%)
CAL (Continental Airlines): missed ($169M loss)
CAT (Caterpiller): beat (profit down 66%)
DD (Du Pont): beat (profit down 61%)
FCX (Freeport-McMoran): beat (profit down 37%)
HCBK (Hudson City Bancorp): beat (profit up 16%)
KO (Coca Cola): beat (profit up 44%)
LMT (Lockheed Martin): beat (profit down 17%)
LUV (Southwest Airlines): beat (profit down 83%)
MRK (Merck): beat (profit down 10%)
STT (State Street): beat (3.31B loss)
UAUA (United Airlines): beat
UTX (United Technologies): beat (profit down 24%)

取引終了後の決算発表:

AAPL (Apple): beat (profit up 15%)
AMD: missed
BXP (Boston Properties): beat
GILD (Gilead Sciences): beat
SBUX (Starbucks): beat
STX (Seagate): beat
YHOO (Yahoo): beat (profit up 8%)

Sunday, July 19, 2009

サウスパークのエピソード - 金融システムの実体



スタンが貯蓄の大切さを学ぶために行かされた銀行で、さて100ドルのお金はどうなったでしょう?サウスパークはアメリカで人気のアニメですが、日本では放送中止になっているそうですね。テーマが時に過激だったり、政治的だったり、PC (Politically Correct) でなかったりするので、お子様には向かないことは確かです。

"Do I really have to do this, Dad?"
"Stan, now more than ever you need to understand the importance of saving money."
"Grandma said I can use this money to buy whatever I want."
"Next, please."
"Go on, Stanley."
"How can I help you, young man?"
"I got a hundred dollar check from my grandma, and my dad said I need to put it in the bank so that I can grow over the years."
"Well that's fantastic, it's a smart decision, young man. We can put that check in a money market mutual fund, and we reinvest the earnings into foreign currency account with compouding interest and.. it's gone!"
"Uh... what?"
"It's gone, all gone."
"What's all gone?"
"Money in your account. It didn't do too well, it's gone."

Friday, July 17, 2009

今週の米国株式市場のパフォーマンス

先週の金曜日の市場が終わった時点で、ほとんどのトレーダーがS&P500インデックスの「Head and Shoulders Top」フォーメーションを見、株式市場はここから下方にブレークする、と思っていたようです。そんな時に限って、というより、そんな時こそ、市場はストレートではなくカーブを投げるようですね。
今週の水曜日に、私のShoulda Coulda Trade Blogで、S&P500は「Head and Shoulders」ではなく「ダブル・ボトム」かもしれない可能性を出して見ましたが、今週のトレードが終わった今日の時点で、その可能性はまだ生きているようです。実際、今週一週間の市場の上昇は、3月の底値を打った週以来の上昇規模でした。

もしこれがダブル・ボトムで、ここからブレーク・アウトすると仮定すると、ターゲットはダブル・ボトムの真ん中の山のトップからボトムまでのポイント差(約61ポイント)を中山のトップの値に足して、991、という値になります。今日の終値(940)から更に5パーセント上昇の可能性があるということになりますね。

私は個人的にはもう少し高い値までいくのではないかと思っています。(S&Pで1050前後。)理由の一つは、ゴールドマンのおかげで最近とみに注目をあつめてしまったHigh-Frequency Quant Trading。コンピューター・トレーディングの比率が低い市場でインデックスが5パーセント動くとすると、比率の高い現在の市場ではそれ以上に動くのではないか。(ちなみに、リンクした記事はQuant Tradingのベーシックを分かりやすく解説してありますので、ぜひお読みください。)

もう一つの理由は、長期の週チャートを眺めた結果です。S&P500インデックスの1050あたりは、ちょうど89週Moving Averageがインデックスの値と接触する場所のように見えます。インデックスが最後にこのMAと接触しかかったのは、去年の5月。市場が決定的に下方にブレークした2007年の12月以来、インデックスはこのMAを越えていません。

エリオット・ウェーブの分析では、ベア・マーケットは3段階のウェーブで終わる、としています。今年の3月の底値までが、最初のウェーブ、3月の底値から上昇のウェーブが次のウェーブ、最後のウェーブは3月の底値を下回るレベルまで下げて終わり、ということのようです。現在のウェーブは2番目のウェーブということになりますが、この上昇がいつ終わるかが問題。そのポイントの有力候補が、インデックスと89-MAが接触するあたりではないか、と思っていますが、さてどうなることか。

Monday, July 13, 2009

ゴールドマン・サックス4半期決算報告

明日の朝(7月14日)株式市場がオープンする前に、最近とみにニュース、ブログをにぎわしているゴールドマン・サックスが第二四半期の決算報告をします。アナリストの予測は、一株当たりの収益3.542ドル。サブプライムに端を発した金融危機を予測して一躍有名になった元オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニーが、唯一ゴールドマンに「買い」の評価を付けています。

私の株分析ブログにゴールドマンのチャートを出しましたので、よろしかったらご覧ください。去年の11月から続いていたチャンネル(青い2本の平行線)から4月に脱出したものの、150ドル近辺で抵抗にぶち当たっています。ここ1ヶ月のロウソクのフォーメーションはダブルボトムでこれはBullishなのですが、4月以降株価は上昇しているにもかかわらず取引量は減少、RSI、MACDも下降線と、いわゆる "negative divergence" を形成しているのではないかと思われます。

当のゴールドマンを筆頭にコンピューター・トレーディングが市場の過半数を占める今となっては、株価分析手法など何の意味もない、と言い捨てるプロも増えていますね。私はパターン認識が面白いので、意味がないと言われようとなんだろうと分析していますが、市場操作にもかかわらずパターンが浮上してくるということは、これはいわゆる "emergent behavior" なのではないか、と思っています。

Sunday, July 12, 2009

ゴールドマン・サックス続報2-違法トレーディング?

先週、左寄りのブログサイト、デイリー・コスが載せた記事です。デイリー・コスの記事はゼロヘッジなどのファイナンシャル・ブログとは違って左寄りの政治色がかなり前面に出ていて、おまけに個々の記事もあまりオーガナイズされていないので、私の通常フォローするサイトではありませんが、もしこの記事に書いてあることが事実なら、ゴールドマンの存亡がかかるくらい大変なことです。

"Incredibly Shrinking Liquidity" as Goldman Flushed Quant Trading (7/7/09 Daily Kos)

肝心なのは、筆者がデイリー・コスの他の人が書いた(らしい)ものを引用しているところです。

『GS(ゴールドマン・サックス)は政府の特別優遇の結果としてシステムへのアクセスを持っているため、トレードデータがコミットされる前に読むことができ、自社の売買オーダーをその短い瞬間に出すことが出来る。...もし本当なら、これはまったく違法で、まともな国ならゴールドマンはアーサー・アンダーセンと同じ運命を辿って然るべき...』

『ひょっとするとゴールドマン・サックスが行ったのはセキュリティ・アクセス・コードを使って、NYSEのトレード情報を前もって入手するシステムを構築したのかもしれない。この、ほんの一瞬の情報の優位性から得られる利益はおそらくとてつもないものだった可能性がある。一日あたり100万ドルといったような』

何がなんだか分からない向きには、これが原文です。

”Goldman Sachs may just possibly have used security access codes and built a system to acquire trading information PRIOR to transaction_commit time points at NYSE.
The profitability of this split-second information advantage would have been and could have been extraordinary. Observed yielding profits at $100,000,000 a day. ”

問題は2つあると思われます。1つ目、政府の特別優遇措置がゴールドマンだけになされていた可能性。2つ目、その優遇措置を利用(悪用?)して、NYSE(ニューヨーク株式市場)のトレードの”Front-running”(違法です)をゴールドマンがやっていた可能性。

デイリー・コスが言うとおり、(本当だとしたら)まともな国ならこれは大問題ですが、アメリカはまともな国であることをもう何年もやめているようです。新しい政権になっても、一向に変わる様子はなく、逆に一層不透明になりつつあります。まあ、本当だとしても、精々多少の罰金が科せられて終わり、といった、形式上の軽いお仕置き(”Slap on the wrist”)が関の山、と私は踏んでいますが。

Thursday, July 9, 2009

OT: オバマ大統領の目線の先は?


ドラッジレポートはニュースが速いだけでなく、政財界のリーダーの面白い写真をフロントページに出します。ニュースが更新される度に写真も変わりますが、今日の夕方から夜にかけての写真はこれ。

イタリアでのG-8サミットの写真です。オバマ大統領の目線の先には、バックシャンの女性のセクシーなヒップ。そんなオバマ大統領を面白がって見ているのはフランスのサルコジ大統領。

ところで、オバマ大統領とサルコジ大統領は、興味深い共通点があります。2人とも、成長過程で父親の存在が非常に希薄だったことです。このことが人格形成に大いに影響を及ぼした、という人もいます。(フランスの大統領は自分でそう言っていますね。)そういえば、父親が外国人だった、というのも共通点かな。

Wednesday, July 8, 2009

ゴールドマン続報-ゴールドマンの市場操作が焦点に

ゴールドマン・サックスの元社員がコンピュータートレーディングのコードを盗んだ疑いで逮捕されたニュースの続報です。

先駆けたロイター通信、ゼロヘッジに遅れを取った金融ニュースのメジャー、ブルームバーグニュース、7月6日付けで自社の記者による記事をサイトに出したところまではいいのですが、ゴールドマン・サックスによる市場操作そのものに焦点を集める結果になってしまったようです。

ブルームバーグの記事は、『Goldman Trading-Code Investment Put at Risk by Theft』(7月6日)ですが、問題の箇所は記事の4番目の段落、Assistant U.S. Attorney Joseph Faccipontiの発言です。

『ゴールドマン・サックスは、このプログラムの使い方を知っている誰かが、市場(複数)を不正に操作するのに使いかねない危険性がある、と指摘している。』

つまり、このプログラムはゴールドマン・サックスが市場を不正に操作するためのプログラムである、ということになってしまうわけです。

またも速かったのはゼロヘッジ金アンチトラスト委員会(GATA)が証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)宛てに出した手紙を掲載しています。この手紙で、GATAはブルームバーグの記事の問題の箇所を引用し、

『Assistant U.S. attorneyの発言は、ゴールドマンサックスが自社の市場操作は公正で、他社が同じ操作を行うのは不正だ、と考えているとも取れる。ブルームバーグニュースの記事にもある裁判の行方は、ゴールドマンが取引を行うすべての市場に影響を与える。ゴールドマンのトレーディングプログラムを早急に調査し、結果を公表してもらいたい。』

と要求しています。

GATAが関係する市場はニューヨーク商品取引所(NYMEX)内の商品取引所、COMEXです。COMEXはアルミ、銅、金、銀を取引していますが、中でも特に金市場、銀市場は以前から市場の不法操作の噂が絶えないのです。COMEX金・銀市場の大手ディーラーは他ならぬゴールドマン・サックス。COMEX金・銀市場の大半は、ゴールドマンを含めた大手ディーラー数社(ゴールドマンの他には、J.P.モルガン・チェース、HSBC、ドイツ銀行などが大手です)が独占しているらしく、特に昨年の9月の株式市場急下落以来、米国連邦銀行および財務省の裏の指示で、大手ディーラーが金・銀の価格を不当に操作して下げている(つまり、金・銀を空売りしている)、という噂は、GATAのサイトにも頻繁に載ります。(これは一例

先週の木曜日から3日間、米国市場は下げていますが、過去3ヶ月、どこからともなく入ってきて市場を急転させていた買いがばったり止まった様な感があります。「不当な非難」に対するゴールドマン・サックスの腹いせか、と私はひそかに思っていますが。

Tuesday, July 7, 2009

ゴールドマン・サックス元社員、機密漏洩で逮捕

ところで、ゴールドマン・サックス(元証券、今は一応銀行)の元社員が逮捕された話、ご存知ですか?

ニュースがアメリカでブレークしたのは(ひどい日本語ですね、我ながら)日曜だったと思いますが、今年の6月までゴールドマン・サックスでコンピュータートレーディング用のソフトウェアの開発をしていた社員(VPです)が、ソフトウェアのソースコードを盗み出そうとした容疑で、金曜日にFBIに逮捕された、というものです。最初に報道したのはロイター通信、ゴールドマン・サックスの株式市場操作をレポートし続けているゼロヘッジも直ちにポスト。

コードの一部はロシア人セルゲイ・アレイニコフ容疑者がすでに6月初旬の時点で、ドイツでホスティングされている、イギリス人が所有するサイトにアップロードされている(今もされたままらしい)とのことで、すでに1ヶ月、ゴールドマン・サックスがコンピュータートレーディングに使っていたコードが外部に漏れていたことになり、FBIの言では「国家の安全が侵された」などと、大層な話に発展しています。

しかし、ゼロヘッジが追及しているように、ゴールドマンのコンピュータートレーディング(Quant Trading) のニューヨーク株式市場に占める比率は非常に高く、3月に市場が底値を打って以来、連日低い取引高で株式指標が上がっていったのに疑問を持ったトレーダー、アナリストは結構いるのです。よく言えば株式市場をサポートする、悪く言えば市場を操作するゴールドマンのQuant市場独占を可能にしたのは、ほかならぬこのソフトウェア、ということで、企業秘密というだけでなく、実際FBIの言うように国家機密のレベルかも知れません。

コンピュータートレーディング、特に、High-Frequency Tradingと呼ばれるトレーディングは、ミリセコンド内に数百、数千のトレードを発するもので、特にこのトレーディングを株式指標のオプションや先物に使った場合、その波及効果は計り知れないほど大きくなります。ミリセコンドどころか、マイクロセコンド、ナノセコンドで取引可能なプログラムもある、と聞きました(噂だけかも知れませんが)。従来の取引に比べて取引の回数が天文学的に増えるため、実際の取引量が増えているような錯覚を与えますが、あくまで錯覚のようです。詳しくはゼロヘッジのサイトで山ほどある記事をお読みください。

Saturday, July 4, 2009

オバマ、一泊13,000ドルのモスクワ・リッツ・カールトンに滞在

ロシアのプラウダと言えば、1991年までソビエト連邦共産党の公式機関紙として知られていました。皮肉なことに、最近ではいわゆる西側のメディアよりも、プラウダ紙で自由市場経済を擁護する記事を見かけることが多いのです。

この記事などはその一例(オバマ体制の元で何の抵抗もなく社会主義(共産主義)に移行しているアメリカへの警告)ですが、7月3日付けで妙な記事が出ていました。

バラク・オバマ、一泊13,000ドルのモスクワ・リッツ・カールトンホテルに滞在か(7月3日、プラウダ)

記事の前半は米国のオバマ大統領がロシア訪問を前にロシアのメディアに対して行った会見の要約なのですが(プーチン首相は冷戦時代にまだ片足を突っ込んだままだ、とか的外れなことを言ってましたね。本人は両手両足突っ込んでるんじゃないかと私は思っていますが)、記者が興味を持って書いたのは明らかに後半、オバマ大統領がモスクワでどこのホテルに滞在するかの憶測です。プラウダの記者はスパイもどきに情報収集を行ったようで、結論は、過去の米国大統領が滞在したマリオット・グランド・ホテルではなく、リッツ・カールトンのプレジデンシャル・スイートだ、とのこと。一泊するだけで13,870ドル(日本円にして約133万円)が吹っ飛ぶ、大層な部屋だそうです。

疑うわけではないのですが、念のためにモスクワのマリオット・グランドホテルとリッツ・カールトンのオンライン予約で試してみました。(ヒマ人ですね、私は。)記事の通り、マリオット・グランドホテルのプレジデンシャル・スイートの予約はOKですが、リッツ・カールトンの予約ページは、「ご希望の日にち(7月5日から8日)に空き室はありません」というメッセージが出ます。

大統領の威厳が云々、安全保持が云々、いろいろあるのでしょうが、アメリカは1930年代の大恐慌以来の大不景気、新しい大統領の下で国家の赤字はますます拡大の一途を辿る始末。口先だけでいいから、大統領が率先して経費削減に努める、ホテルの費用も余計な贅沢はしない、とでも言えないんでしょうか?

まあ、大統領夫人が540ドル(約5万1800円)のスニーカーを履いてフード・バンクのイベントに行くのですから、そんな気配りや気遣いは皆無と見ていいでしょう。アフガニスタンで摂氏40度の炎天下3日ぶっ続けの強行軍で歩き続けているアメリカ海兵隊の兵士たちも、なんだか報われませんね。

私の下世話な興味は、大統領がアメリカを代表していったいどんな贈り物をロシアの大統領、首相にするんでしょうか、ぐらいですね。アメリカを公式訪問したイギリスの首相には、イギリスの方式では見れないハリウッドの映画DVDセット、大統領自身がイギリスを訪問したときには、自分の演説を入れた iポッドを女王陛下に。イギリス人は怒ってましたね。

(毎日の暮らしに苦労している私の愚痴です。すいません。)