今日の米国株式市場の上昇はアルコアの第二四半期業績上昇のため、明日の上昇(まあ、予測ですが)はインテルの業績急上昇のため、などと考えている方々へご忠告。この市場はファンダメンタルに基づいて作動することを止めて久しいのです。
7月4日の独立記念日の前の週(わずか2週間前)、ありとあらゆる株式アナリスト、経済学者が口を開けば「大恐慌の二の舞がすぐにもやってくる」、「ユーロは崩壊間近」、と、世界の終焉を宣告していました。ところが独立記念日が明けてすぐの先週、まったく突然、何の理由もなく論調ががらりと反転し、「米国経済は成長を続ける」、「ユーロ危機は終わった」、そして毎日株式市場が低い取引高で急上昇を続けました。
今週に入っても変わらず、今日は”Turnaround Tuesday"と呼ばれる、株式市場がこれまでの傾向と逆の動きをすることが多い、とトレーダーの間で言われている火曜日でしたが、傾向と逆どころか、同方向にさらに上昇。今のところ、ダウ平均指数の先物は63ポイントの上昇。
TA(Technical Analysis)でトレードする人間のトレーダーは「まったくやりにくくてしょうがない」とぼやいています。というのも、急降下したあとしばらくその辺にとどまって様子をみる、といった期間がまるでなく、急降下の後は休みなしの急上昇、人間が入り込める猶予がないのです。Zero Hedgeなどは毎日のようにアルゴ・ボットの支配するコンピュータ・トレード株式市場を揶揄しています。
最近の米国株式市場は、市場指数が上昇するとほとんど全部の株式が同じように上昇し、下降するとほとんど全部の株式が下降する、と言った具合に、関連性(Correlation)が非常に高いのが特徴です。株式間の関連性だけでなく、S&P500ミニ先物とユーロ・円の関連性、またはアジアドルとの関連性など、まったく異なった金融市場の間の関連性まで高いのです。つまり、ひとつこけると皆こける、と言うことです。この関連性をさらにお読みになりたい方、BMO(Bank of Montreal)のQuant Researchの分析をお勧めします。(これとこれ)
なぜか。いろいろな分析、解説を読む限り、アルゴ・ボットによるHFT(High Frequency Trading)が市場の根本的な性質を変えてしまった、という結論に達します。ファンド・マネージャーが「これはもはやStock pickerの市場ではなくなってしまった」と言うのも、理由はそこにあると思われます。アルゴ・ボットはBetaを追いかけるようにプログラムされているようです。つまり、市場が1動くと2、3と動くような株を追いかけるのです。
ここ2、3年、都合のいいことに、指数(市場指数、業界別各種指数など)の2倍、3倍動くETFが続出しています。(このブログのタイトルのSKFもそのひとつ。)5月6日のいわゆる「フラッシュ・クラッシュ」も、取引の大半はこのようなETFでした。ETFを動かすことで、ETFを構成する株式が動かざるを得なくなり、そうするとさらに株式市場指数が動き、というまったく典型的なポジティブ・フィードバックがかかるわけです。
動きが下降方向の時はそれに合わせてメディアの論調はネガティブ、動きが上昇に転じると論調は途端にポジティブになる、といった具合です。人間がコンピュータに合わせて辻褄の合うような話を作っている、というのが実態でしょう。
まだ株式市場に投資している方々、くれぐれも人間のお話に惑わされませんように。
Jobs Data: A Trumped Up Jobs Report
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This is just par for the course. This is the same type of numbers that
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SCHIFF ON THE...
5 years ago
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