読売新聞福島地方版11月27日付け記事:
東京電力福島第一原発事故を受け、国際放射線防護委員会(ICRP)の委員らが26日、県庁を訪れ、自治体の担当者らと意見交換した。
放射線防護の専門家であるICRP委員が直接、県内の現状を聞いて除染や健康管理などの面で助言し、復興に役立てるのがねらい。
ICRP第4委員会のジャック・ロシャール委員長や丹羽太貫・京都大名誉教授のほか、チェルノブイリ原発に近いベラルーシやフランス、ノルウェーの研究者らも出席。自治体や県立医大の担当者らが、それぞれ福島の現状について発表した。伊達市の職員は、「住民に除染方法を説明しても『東電がやるべきだ』と被害者意識が強く、なかなか協力が得られない」などと実情を説明した。
意見交換会は27日も行われ、ICRPの委員らが、土壌改良や住民の健康管理などチェルノブイリ原発事故で得た経験を披露し、福島第一原発事故での放射線防護について助言などを行う。
被害者意識もなにも、被害者なんですが?年間被曝限度が50ミリシーベルトに設定されるような「除染」作業をやらない、と職員に非難されるいわれはないと思いますが?
高線量地域が多い伊達市の除染風景は昨日のポストにもお出ししました。それと、まだご覧になっていない方、伊達市の果樹園の除染風景も英語ブログに出してあります。作業を行わされる農家の方の被曝の危険ばかりか、あのように木の表皮を吹き飛ばすような高圧洗浄は木を殺しかねません。
上の読売記事で、あれ、と思ったのはもう一つ。会合に参加された京大名誉教授の丹羽太貫さん。変わった名前なので、記憶を手繰ったら、そうでしたそうでした、今年の夏に、京都の五山の送り火で陸前高田市の放射性のまき(キロ当たり1130ベクレルの放射性セシウム)を燃やすことに反対した京都市民をこき下ろした「専門家」のお一人でした。
「仮に表皮を1キロ食べ、全て体に吸収されたとしても取るに足らない線量」と指摘した上で、「意味のないクリーンさを求めた今回の判断は被災地の方々の気持ちを踏みにじるものだ」
(この言葉を伝えた毎日新聞の記事のリンクは既に消えていますが、英語ブログポストに当該部分のコピーがあります。)
ちなみに、丹羽さんの現在は、「バイオメディックス」という、「癌や症状の重い自己免疫疾患の治療薬を研究開発するバイオ医薬品企業」の社長さんでいらっしゃいます。
なんだか、地震と津波で壊れたのは原発だけではなく、国の屋台骨が壊れましたね。(それとも、壊れていることがばれ始めた、と言うほうが当たっているのか。)