Tuesday, November 15, 2011

東京都、宮城県女川町のがれき引き受けほぼ確実

岩手県の宮古市のがれきの時と同じく、住民の意見を聞くどころか都議会すら通すつもりもなさそうです。

毎日新聞記事によると、特別区長会なる組織が賛成しさえすれば、都は今月末にも早速宮城県と契約を結ぶ予定、とのこと。

毎日新聞11月16日付け記事

東日本大震災:がれき、宮城・女川からも受け入れ 東京が検討

 東日本大震災で発生したがれき(災害廃棄物)の広域処理が進まない問題で、東京都と特別区長会が宮城県女川町のがれきの受け入れを検討していることが分かった。早ければ今月下旬にも正式決定する見込み。都内での受け入れが決まれば、岩手県宮古市のがれきに続き2例目となる。

 特別区長会の事務局などによると、宮城県側から10月にプラスチックなどの可燃物について打診を受け、協議してきた。被災地は処理能力を上回る廃棄物を抱えているが、放射能汚染への懸念から東北以外での広域処理は進んでおらず、事務局では「受け入れ先がなければ被災地の復興がままならない状況にあり、区民の考えを聞きながら検討したい」としている。

 特別区長会が受け入れを決めれば、都は宮城県と処理に関する協定を結ぶ方針。都は9月30日に岩手県と同様の協定を結んでおり、14年3月までの2年半に岩手、宮城両県から約50万トンの廃棄物の受け入れを表明した。【黒田阿紗子、須藤唯哉】

特別区長会事務局のコメントを見る限り、もう限りなくOKに近い検討と言えるでしょう。区民の考えを聞きながら、というくだりを読んで、思わず苦笑。九州の原発も、北海道の原発も、住民の意見を十分に聞いて建設が決定されたものでしたねえ。え?違った?あれはやらせだった?電力会社の社員が半分以上?またそんな「風評」を!

区長は確かに区民が選挙で選びましたが、だからと言って勝手に物を判断して実行してよい、ということにはならないでしょう。

更に引っかかるのは、2点。

まず、女川町から持ち込むのが可燃性プラスチックがれきである可能性。プラスチックを焼却するのに、ダイオキシンが出ない温度で燃やすために焼却炉の温度は800度以上に保たれます。ところが、放射性セシウムの気化点は671度。がれきに付着している放射性セシウムは気化する可能性があります。これが焼却炉のろ過式集塵機(バグフィルタ)で捕獲できるのか。

バグフィルタがどれだけ放射性物質を捕獲できるのかは専門家の意見が分かれるようですが、私には判断する知識はありません。バグフィルタについて、日立プラントテクノロジーの解説を見つけましたのでリンクしておきます。バグフィルタの原理と構造(日立サイト)を読む限り、これで放射性物質が捕獲できたら奇跡のように思えます。出来たら出来たで、バグフィルタをどのように処分するのでしょうか。

もう一点は、なぜ特別区の区長の集まりを通すのか?宮古市のがれき処理では、都が業者4社を公募、その業者が可燃ごみを焼却する業者として「自主的」に(1つしかない選択肢から)選んだのが東電の子会社の東京臨海リサイクルパワーでした。女川町のがれき受け入れについて23区の区長に諮っている、ということは、まさか23区に送られて区の一般ごみまたは産業廃棄物焼却炉で焼却させるつもりでは、と勘ぐってしまいます。

群馬大早川先生のマップで、女川町はここです(青丸)。


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