ヤフー・ファイナンスのSKFのメッセージボードは他の株のメッセージボードと比べても結構ユニークです。大体、ヤフーのメッセージボードでも金融関連の株をフォローしているボードはメンバーの質が高いのですが、SKFはその中でも群を抜いていると私は思っています。何が他のボードと違うかというと、このボードのトピックの豊富さでしょう。米国連邦準備銀行のバランスシートの中身から、株のテクニカル・アナリシス、金融関連の政府法令の影響、政治トピック、H1N1インフルエンザの最新ニュースといった具合です。メッセージボードですからもちろん顔が見えるわけでもなく、本名でもなく、年齢性別も定かでないのですが、不思議なことにメッセージを読んでいるとどの人が物を良く知っているか、よく考えているか、どの人がいい人か、なぜか何となく分かってくるのです。
という大層な前振りですが、そのボードの今日のトピックの中に、H1N1インフルエンザの情報が入ってきました。メッセージボードの記載です、とお断りして、お知らせしたいと思います。
まず1つ目の情報。これは、アメリカ中西部のどこかで急患専門の医者をやっているメンバーからで、ここ数日でインフルエンザの症状で急患を訪れる人々が急に増え、一日に50人のペースであること、患者の年齢は30代から50代、それまでまったく健康だった人が突然発病していること、呼吸器がやられていることなどを書いた後、彼は気になることを言っています。
H1N1インフルエンザにかかっているかどうかを判断するテストはまったく役に立たない。
私の前のブログ・ポストで、診断テストが擬陽性(False positive)を多く出している、というニュースをリンクしましたが、この急患専門医師によると、擬陰性(False negative)、つまり、かかっていないという検査結果でも実際にはかかっている状態も多く発生している、要するにテストは何の役にも立たない、と言うことなのです。また、彼自身もH1N1に感染したものの、さほどのこともなく回復した、とのことです。
2つ目の情報は、ロッキー山脈のどこかにいるウイルス学者です。彼は、今年の夏前、H1N1インフルエンザの件数が増えだした頃からH1N1ウィルスの発生源を突き止めるべく研究をしていたはずですが、今日突然メッセージボードに復活、彼の最新の研究の成果などを書いています。中西部の医者と同様、彼もH1N1にすでに感染、回復していて、ワクチンは接種を受けるな、副作用のほうが怖い、と言い続けています。彼の言では、接種を受けても多分効かない、とのことです。(実際、最新のBill Sardi氏の記事でも、ワクチンは特に子供には効かない、とあります。)
ワクチンが効かない理由として彼が挙げているのは、H1N1ウィルスがすでに変異を起していることです。インフルエンザが猛威を振るう冬が終わる頃には、最初のH1N1ウィルスとは大層違ったウィルスに変異しているだろう、というのです。また、彼も、インフルエンザのテストはまったく役に立たない、と言っています。
彼も気になる一言を書いています。彼の研究に突然多額の助成金が付き始めたのですが、助成金の目的はインフルエンザの予防ではなく、危機管理と損害の軽減(Loss mitigation)だ、とのこと。
どうもH1N1インフルエンザの発生件数が突然増えている可能性があること、春、夏に観察されたケースよりも重い症状になっている可能性があること、テストは役に立たないらしいこと。大変に気になったので、ここは一つ、Lewrockwell.comに寄稿しているBill Sardi氏にメールを出して、彼の意見を聞いてみよう、と思い立ち、実際にメールを出してみました。
Sardi氏の答えによると、最近のH1N1インフルエンザが春夏より重度の症状を起している可能性(つまり、新しいStrainが導入された可能性)はある、ということです。『導入された』、と彼が言うのは、このインフルエンザ・ウイルスが自然発生である可能性は低い、と見ているからです。(これは、ロッキー山脈のウィルス学者も以前から言っています。)
H1N1ウィルスは、DNAを調べると実は3種類のインフルエンザウィルスから成り立っています。豚由来のウィルス、鳥由来のウィルス、人間由来のウィルスが再集合したものです。H1N1インフルエンザの最初の患者はメキシコの小さな村の子供だったのですが、他の村人もインフルエンザ症状を呈したにもかかわらずH1N1ウィルスが検出されたのはこの子供だけだったこと、また、H1N1ウィルスを保有する豚、鳥は若干見つかったものの、逆にウィルスに感染した人間からうつされた可能性のほうが高いこと、などを考えると、このウィルスが自然的に発生したとは考えにくい、と彼は言うのです。
実際、ウィルスの発生経路を追及する研究は、ほとんどおざなり、といった状態です。発生経路が分からなくては有効なワクチンも出来ないのでは、と素人の私は思ってしまいましたが、現場のプロ(医者、研究者)もどうもそう思っているようです。
Bill Sardi氏の最新の記事は、ここです。
Flu Season Has Peaked; Vaccination Would Only Reduce Number of Infected Americans By 6 Percent; Young Children Would Receive No Benefit (Bill Sardi, 10/31/09 Lewrockwell.com)
ワクチンを接種しても、患者数をわずか6%減らすぐらいにしか役に立たない、6ヶ月から35ヶ月の乳幼児の25%にしか効かず、3歳から9歳の子供には36%しか効かない、とのこと。
大体インフルエンザのワクチンは実際あまり効かないのですが、今回のワクチンもその例外にもれず、と言ったところでしょうか。また、臨床試験などはほとんど行っていないこともお忘れなく。
また、Sardi氏によると、メッセージボードのメンバーが報告しているような重症ケースは、健康に見えても栄養不良である可能性がある、との事。ワクチンを受けるよりも有効なのは、Sardi氏によると、
- ビタミンC
- ビタミンD3(病院などでもらうビタミンDは大抵がD2です。これは効果があまりありません。)
- ビタミンE
- セレニウム
- ビタミンA(10,000IU)
- Andrographis
- Zinc(亜鉛。空腹時に摂取しないこと)
- Oscillococcinum(フランスのBoironという会社が作っている、インフルエンザに効くホメオパシー
また、共生細菌(ヨーグルトに入っている乳酸菌など)の不足している人はインフルエンザにかかりやすい、という記事を読みました。ご参考まで。