(更に8月8日アップデート:元日本語記事の画像入手。こちらのポストです。)
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「8月5日付朝日新聞(東京本社版)朝刊第1社会面のトップに、上掲の写真とともに長行の記事がでていますから、「こんなニュースは日本の新聞、雑誌などで も見た記憶がありません」というのは、見てもお忘れになっていたか、あるいは見落とされていたかのどちらかではないかと思われます。
その事実誤認をもとに「「市民に知らせるな」という市の意向を汲んだのでしょうか?」などと論評なさるのは、いかがなものかと思います。」
とのコメントをいただきましたので、お知らせします。見ても忘れても見落としてもおりませんので、それだけお断りしておきます。(朝日新聞はこちらでは売っていないので見落としようもない、というのが実情。)朝日の紙面だけに載るニュースはネット上ではどこかに画像がない限り見ることはできませんので、もし画像をお持ちの方がいらっしゃったらアップしてリンクをコメント欄にポストしていただけると幸いです。ちなみに、朝日のオンラインのニュースには検索を掛けても該当のニュースらしき記事は出てきません。
長文の記事になっていて話題になった形跡は?
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福島第1原発の高放射性がれきが埋め立てられている?という言及をしていたガンダーセン氏のビデオを英語ブログにも出したところ、読者からリンクがコメント欄に。そのリンクを辿ったら、朝日新聞の英語サイト、Asahi Japan Watch (AJW)の8月5日付け記事に行きました。その記事のヘッドラインは何と、
「福島市、放射性土を密かに埋め立て」
("City resorts to secret dumping to deal with piles of radioactive dirt", written by Noriyoshi Otsuki and Satoru Murata)
斜め読みしてみたら、
福島市が行っている除染で出続ける放射能汚染土の処分方法について、なかなか国の方針が出てこないのに業を煮やした福島市は、密かに人里はなれた山の中に穴を掘って、袋に入った汚染土を埋め立てている。
この場所はあくまで「仮」で、市民に知らせてしまうと、ここに除染した後の放射能汚染ごみを持ってこられてはあっという間に一杯になりかねないから、と、福島市の職員。
付近の住民にすら通知していないが、付近に孫2人を含む家族6人と住む74歳の男性は実際にダンプトラックが行き来するのを見ている。「仮」だと言われて信用できるか、と怒っている。
7月下旬に、高線量の福島市渡利区の除染をした人が市の職員に、取り除いた高放射能汚染度土(6000袋近く)をどこに持っていくのか、と聞いたら、「そう簡単なことじゃないんですよ」と言われ、二度と聞かないように、と言われた。
記事には、写真まで出ています。穴は長さ25メートル、深さ2メートル、水泳プールといったサイズ。黒いプラスチックのようなものを敷き詰めた上に、ダンプトラックが土嚢をぶちまけています。敷地内には、既に埋められた後のようなところもあり、かなり前から行われていた模様。
こんなニュースは日本の新聞、雑誌などでも見た記憶がありません。朝日が、なぜこれをわざわざ英文でだけ出したのか。「市民に知らせるな」という市の意向を汲んだのでしょうか?
(夜中の1時半を過ぎていますので、軟弱ですがそろそろ寝ることにします。記事の日本語全訳は明日までお待ちください。このポストに書き足します。)
以下、日本語訳(H/T東京茶とら猫):
福島市が大量の放射性汚泥をひそかに処分
2011年8月5日
福島発――山の奥深く、長さ25m、深さ2m以上のプールのような四角い穴に、4トントラックが荷台からバーラップ(黄麻製の目の粗い布)の袋をいくつもどさりと落とす。
まもなくトラックがもう1台やって来て、やはり穴にバーラップの袋を山のように落とす。
最初のトラックに乗っていた男性作業員2人は、タイヤを水で洗い、鈍い音をたてながら消えていった。
福島市はこの場所の存在を公にしていない。付近に住む住民にも知らせていない。なぜならここは大量の放射性土、汚泥を捨てる場所だからだ。市民による清掃や、町内の除染作業で出たものである。
「(もしこの場所を公表したら)ほかの市民からのごみがここに殺到するおそれがありますので」と福島市の職員は語り、この場所はあくまで「一時的な」処分場だと強調した。
放射性汚泥が秘密裏に捨てられているのを目撃したのは朝日新聞だけではない。近くに住む74歳の男性は、2人の孫を含む家族6人と暮らしているが、これまで何台ものダンプカーが行き来するのを見たと語る。
「放射能に汚染された土をこんなに大量にもって来るなんて、絶対に反対だ。いくら市が『一時的』だといったって、このあとどうするつもりなのか考えているんだろうか?」
答えは今のところ「ノー」だ。
市の職員は自分たちも不満を抱えていると打ち明ける。放射性の土、汚泥を最終的にどこで処分するかを国が決めてくれないからだ。
原子力安全・保安院が7月に発行した除染マニュアルでは、廃棄物の放射性レベルが8,0000ベクレル以下であれば各自治体で埋めて構わないことになっている。ところが、最終処分地がどうなるかについてはマニュアルで触れられていない。
「方針を示す必要があることは理解している」と原子力安全・保安院の職員は言う。しかし、最終処分地を早急に決めようとしている様子は見られない。
決定が遅れているために、市が秘密裏に処分する結果につながった。
「廃棄物処分場を確保したくても、住民の同意を取り付けるのは難しい」と福島市の職員は語る。「こういう状況で具体的にどう対応すればいいかを国は明確に示してくれない」
この状況は今後も悪化の一途をたどる見通しだ。
7月28日にダンプカーがバーラップの袋を埋めていた場所は、福島市のごみ最終集積場から8kmほどのところにある。この日、1台目のダンプカーは、わずか20分で放射性土、汚泥入りの大量の袋で一杯になった。
福島県は、福島第一原発の事故で飛び散った町内の放射性物質を住民が除去することを奨励している。各町内につき最大500,000円の助成金も支払っている。
しかし除染作業が増えれば増えるほど、放射性の汚泥は溜まっていく。
7月24日の午前6時、福島市の渡利地区で3,753人もの住民と清掃会社の作業員が、側溝や排水溝から汚泥を掻きだす作業を始めた。
渡利地区は阿武隈川を挟んで福島県庁の向かいにあり、市のほかの地区と比べて高い放射線量が記録されている。
住民ボランティアたちはシャベルを使い、厄介者の泥をバーラップの袋に入れていた。
作業に参加していた60代の女性はこうこぼす。「原発の恩恵を受けていたのは東京の人たちなのに、ここに放射能が降ったために私たちが側溝の除染を押し付けられている」
除染作業は4時間で終わり、泥の入った5,853個の袋が高く積み上げられた。側溝の場所によっては放射線量が半分に下がったと職員の1人は話す。
67歳の町内会長は線量計に目をやり、こうつぶやいた。「心配していたとおりだ。数字が(許容)レベルを超えている」
数値は9.9マイクロシーベルト。その線量計で測れる最大値だ。
1人の住民が町内会長にあの袋はどこに行くのかと尋ねた。
「前に一度、市の職員に訊いたことがある」と町内会長は答える。「そう簡単に答えられることではないので、その質問はしないようにと言われたんだ」
(文:オオツキ・ノリヨシ、ムラタ・サトル)