Tuesday, June 29, 2010

Bull Marketの終焉?

英語のTAブログのほうに記事を出しておきましたが、今日(6月29日)の米国市場の下落は並みの下落ではなかったようです。

下げ幅の大きさではなく、いわば『内容』で。

Fibozachi.comの記事によると、S&P500インデックスの500銘柄の内、上昇したのは1銘柄のみ、ナスダック100インデックスで上昇したのは100銘柄の内1銘柄のみ。ダウ工業平均にいたっては、30銘柄の内で上昇したのは一つも無い、という有様。

S&P500の内上昇したのが1銘柄だけ、という状態が最後に起きたのは、2008年9月29日。全世界を巻き込むことになる10月の株式市場崩壊のわずか数日前。

だからといって今度も同じことが起きるとは限りませんが、Fibozachi.comはここでDCB (Dead Cat Bounce)無しに市場が急降下する可能性は見逃せない、としています。

今日は、シティグループの株(シンボル:C)が数瞬間で20パーセント下落し、SECのサーキット・ブレーカー(10パーセント下落で作動)がシティの株に作動し、取引が5分間停止されました。HFTを野放しにしている限り、いくらサーキット・ブレーカーをかけても下落は止められないでしょう、多分。

何とも皮肉なことに、今日の朝オバマ大統領が連邦準備銀行のバーナンキ総裁を引き連れてなぜか記者会見を行い、アメリカの経済は順調に回復している、と宣言したにもかかわらず株式市場は急降下。市場は建前を無視してしっかり真意を汲み取っている、ということでしょうか。(しかしこの大統領はまったく災難、Disasterですね。)

Thursday, June 24, 2010

OT: サムライニッポン 3 デンマーク 1



はっきり言って、私はあきらめていました。0-1でデンマークが勝つだろうと。日本はどうも肝心の試合で萎縮してしまう傾向があるし、90分フルに活動するだけの体力がやはりどうも、などと考えていたのですが、とんでもない誤りでした。フリーキックで一試合に2度得点を挙げたのはワールドカップ史上40年ぶりだそうですね。

FIFAの公式サイトは日本の試合を評して”Clinical"と言っていました。デンマークに対してやりたいように好きなように戦った、という意味です。まったく絵に描いたようなフリーキックゴール。ファンのショートメッセージは圧倒的に日本を応援していました。3点目のゴールにいたっては、試合終了直前にもかかわらずとても日本人のチームを見ているとは思えない技とスピード。試合を通じて背の高いデンマーク選手は日本のすばしっこさに対応できなかった、と見ました。何よりチームプレーの練習の成果を試合で十二分に発揮できたとは驚きです。

さて、決勝リーグが断然楽しみ。株式市場が低迷しようが、20年来の経済停滞に苦しもうが、どうでもいいではありませんか。日本のイレブンのおかげで国が元気になれれば。

Tuesday, June 22, 2010

沈没しつつある船からネズミが逃げ出す…

一旦つき始めたケチはどんどん大きくなるばかり。

3月に懸案の医療(保険)改革を国民の大多数の反対を意ともせず強行可決させて立法化したはいいけれど、4月にメキシコ湾のBPの石油リグ(掘削基地)の事故(英語のブログをご覧ください)で引き起こされた原油流失の対応のまずさ(この2ヶ月間で休暇2度、毎週の4時間を超すゴルフ、パーティ三昧、大した仕事もしていなさそうな軽いスケジュール、各国の援助を断り、州政府の対応を妨害)で支持率を一段と落とし、汚名挽回とばかりに初の大統領官邸からのテレビ演説をすれば「何にも中身の無い演説」と、本来の支持基盤である民主党左派の人々にまで呆れられる、と言った具合に、オバマ大統領についたケチはメキシコ湾の原油とシンクロして日に日に大きくなっているようです。

昨日(6月21日)には、大統領直属の予算策定ディレクター、Peter Orszag 氏が辞任、オバマ閣僚の初の辞任となりました。なぜ突然、と思っていたら、今日になって、次年度の予算策定は行わない、という冗談のようなニュースが流れました。民主党の幹部によると、大統領直属の諮問機関が予算赤字を削減する方策を12月に提出する予定なので、それ以前に予算を決めても無駄だ、と言うことのようですが、ゼロ・ヘッジなどはこれは11月の中間選挙の民主党の敗北を最小限に抑えようとしているだけだ、と決め付けています。アメリカ政府の年度末は9月です。議会が予算を策定しないのは、まさに前代未聞。

また、ここ数日、オバマ大統領の首席補佐官ラーム・エマニュエル氏が11月の中間選挙後に辞任する、というが流れ出しています。何でも、大統領の取り巻きと意見が合わないとか。

今日になって、オバマ大統領が直接任命した(と言われる)スタンリー・マクリスタル司令官がローリング・ストーン誌の記事の責任を取って辞職することをゲイツ国防長官に口頭で伝えた、とのニュース。(口頭ではなく、すでに辞表を提出した、という記事もあります。詳細は、まあ明日になってからでしょう。)

マクリスタル司令官はローリング・ストーン誌の取材を受け入れ、インタビューに応じた時点で、辞める決意をしていた、と思われます。リンクした記事をお読みになればわかりますが、アフガン戦争はアメリカにとって何のメリットもない、何の成果も上がっていない、ただ人員とマテリエルを消耗してアフガン人民には極度に嫌われる、という、Demoralizingな状況なのです。

オバマ大統領の失策の数々を見ていると、どうもこの大統領が人が言うほど頭が良くはないのでは、と思われて仕方がありません。前大統領より優れているところは私が見るところただ一つ、テレプロンプターに表示される英語を読むことが出来ること。

あと2年もこんな状況が続くのかと思うと、うんざりですねえ。まあ2年で済めばいいですが…。

Tuesday, June 8, 2010

HFTアルゴ・ボット、連日の大活躍

HFT(High Frequency Trading)のアルゴリズム(アルゴ・ボット)の活躍で、米国市場は毎日がローラーコースター。金曜日、月曜日と急降下した後、今日は何の理由もなく急上昇。まあ、CNBCなどは毎日それらしい理由をこじつけていますが、ネタが尽きるのも時間の問題。今日の急上昇は連邦準備銀行のBen Bernankeが米国の景気は大丈夫だ、と発言したのを受けて、ということになっています。明日の市場展開も、Bernanke氏の議会での証言にかかっている、とのこと。

アルゴ・ボット達は終日活躍していますが、特にその活動が顕著になるのは市場の最後の1時間です。急降下か、急上昇か、それこそコイン・トスでもしているのではないかと疑えるほどランダム・イベントですが、ゼロ・ヘッジに今日こんなチャートが出ていました。

GFIグループのHFTデスクによる、SPY(S&P500インデックスをトラッキングするEFT)の、ニューヨーク時間3時49分1分間のトレードです。(多分、部分。)全部が買い注文です。ブロック注文ではなく、注文を小さなサイズに分けて出している様子がよく分かりますねえ。

このようなトレードが終日展開される市場が、現実の経済なり、政府の政策なりを反映すると考えるのは、まず間違いでしょう。


ゼロ・ヘッジの記事

”With JPM doing the ritualistic gold slaughter in the hour before the close, it was all systems go. The SPY IOIA in the last 20 minutes of the meltup is nothing short of a work of art, with every single ETF desk going nuts doing their best to telegraph to whatever HFT algos are left that massive blocks are on the bidside and that it is safe to lift every offer. We wish we could present them all but we will limit ourselves to the hundred or so "trades" at 3:49 PM EST by GFI Group. Because this is precisely the best way to split a massive order block into "unobtrusive" child algorithms.”

JPMとはJPモルガン銀行のことで、金・銀相場を違法に操作しているとかねがね噂が流れています。銀相場に関しては噂どころか、CFTCが調査を開始しています。JPMが金相場で何をしたかって?まあ金相場のProxy、金ETF(シンボルGLD)の今日のチャートをご覧ください。金相場にはアルゴ・ボットはいないので、こんなブロック注文を出して相場を一時的にせよ下落させた、というわけ。JPMがやったとは限りませんが、JPMはいわば金相場違法操作の代名詞ですね。