Sunday, August 22, 2010

ヒンデンブルグ・オーメン1週間で3度発生、株式市場の乱降下の前触れか?

と言い回っているアナリスト、トレーダーもいます。TAブログの方に発生した時点でポストを出していますが、ヒンデンブルグ・オーメン(Hindenburg Omen)とは、

(1)ニューヨーク証券取引所(NYSE)で、52週の高値更新銘柄数と52週の安値更新銘柄数の双方がNYSE総取引銘柄数の2.2%を超えている。
(2)この2つの数字うち、小さい方が75より大きい(絶対条件ではない)。
(3)NYSEの10週移動平均線が上昇している。
(4)同日にマクレラン・オシレータがマイナスである。
(5)52週最高値数が、52週最安値数の2倍を越えない(絶対条件)。

更なる条件として、市場取引終了後にウォールストリートジャーナル紙に掲載される数字をつかうことになっています。この条件5つとも一日の間に満たした場合、「未確定(Unconfirmed)のヒンデンブルグ・オーメン」 といわれます。確定されるには、ヒンデンブルグ・オーメンが最初に発生してから36日以内に第二のオーメンが発生することが条件になっていますが、確定されなくても市場が急落した例は多いようです。

ヒンデンブルグ・オーメンは株式市場の単なる下落を予兆するのではなく、大幅且つ急激な降下、つまり2008年の秋のような市場のクラッシュ(Crash)を予兆する、とされているのです。

今回の米国株式市場の場合、36日以内どころか、最初の発生から1週間で更に2度も発生しており(これで完全に確定されてしまいました)、センセーショナルなメディアではこれで世界の最後が来るような記事まで出ています。

ヒンデンブルグ・オーメンが出たからといって株式市場が下落するとは限らないようですが、過去の株式市場の大幅下落の前には必ずこのオーメンがでている、とのこと。

そもそも、なぜヒンデンブルグ・オーメンが株式市場の急降下(Crash)を予兆する、と考えられるようになったのか。最安値銘柄数と最高値銘柄数が同日にどちらも全NYSE株式銘柄の2.2パーセントを超える、というのは異常事態と考えられます。通常に機能している市場では、最安値銘柄数が多い時には最高値銘柄数は低く、そのような状態では普通市場は下降します。その逆の場合は市場は上昇するのが普通。それに比べ、最安値、最高値どちらも数多く発生する、という状態は、市場が株の価値を算出できない状態で、つまり市場が機能していない事を示している、と思われるわけです。

それでも、考えてみればHFT(High frequency trading)のアルゴ・ボットの跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する市場は「通常」であることを辞めて久しいわけで、今更ヒンデンブルグ・オーメンが出ようが確定されようが、だからどうした、と私などは思ってしまいました。最初に出たときは(8月12日)さすがに「おっ...これはやばい」と思いましたが、一週間後に2日連続で出現したときにはなんだかばかばかしくなりました。信じる、信じないの問題ではなく、正常に機能するのをやめてしまった市場でヒンデンブルグ・オーメンが出るのは当たり前で、それこそ毎週のように出ないほうが不思議なくらいだ、と思うわけです。

株式市場が急降下、なんてことになったらまず上がるのは米ドル、米国政府債券、金、銀、と言ったところでしょうか。安全な投資、というわけです。ドルと債券は高流動性、という意味での安全、金、銀は資産保全という意味での安全です。

1 comment:

  1. このblogが書かれたのは2010.8だがダウは2013.4に史上最高値を更新した。2013.4にまた、ヒンデンブルク オーメンが起きると言っている。今度は当たるか?w

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