Monday, February 8, 2010

トヨタの豊田社長が記者会見で言うべきだったこと

トヨタの社長の記者会見でのコメントを読んで、思わずため息。(英語版も読みましたが、あれでは英語圏の人々はいったい社長が何を言っているのか、よくわからなかったでしょう。一瞬機械翻訳かと思いました。)何と日本的な発言。

トヨタが日本の自動車メーカーに留まっているのならあれでもいいでしょうが、全世界に製造、販売拠点をもつグローバル企業の長がただ謝るだけとは。まして、アメリカ政府の政治的打算が見え見えで、しかもアメリカのマスコミ(特にABCニュース)が鬼の首でも取ったかのような報道をし続けている中、特にアメリカに言及することも無く。

トヨタの広報は何をしているんでしょう。(記者会見がすぐに全世界に流れることは承知だったでしょうに。)

トヨタの社長が記者会見で伝えるべきだったことは、自社の品質に対する自信、そして、リコール問題を完全に、短期に解決できるという自信です。

私が広報だったら最低でも以下のようなことを社長に言わせます。

『今回のリコール問題では多方面に迷惑をかけることになってしまい、遺憾である。しかし、リコール問題はトヨタとトヨタの車のオーナーの方々との間のことである。[本音:米国連邦政府が口を挟むような事態ではない]

『また、今回の対応の遅れはあくまで日本の本社サイドの問題である。米国トヨタは、アメリカの消費者が求める、他社の追従を許さない高品質と高機能を常に提供してきた。そのような車を生産してきた米国トヨタ工場の従業員、また、顧客第一のサービスを提供してきた全米のトヨタのディーラーには、全幅の信頼を置いている。

『リコールの対象車を増やしたために、トヨタの品質の低下を疑う向きもあろう。この上は、トヨタの歴史上最大規模のリコールを、史上最短時間で解決して見せることで、トヨタの品質の高さ、顧客重視の姿勢を示したいと思う。全世界のトヨタの従業員、トヨタのディーラーをあげて取り組む所存である。』

といったところでしょうか。

しかし、社外の専門家に品質管理のアドバイスを求める、というのにはちょっと驚きました。トヨタに品質管理のアドバイスが出来る専門家が居ようとは思わなかったので。

南部の諸州(トヨタの工場所在地)のトヨタ・ディーラーの組織は、リコール問題で偏った報道を続けるABCニュースに怒り、ABCネットワークからトヨタのコマーシャルを取り下げました。(記事はこちら。)トヨタはアメリカでもしっかり愛社(愛車かな)精神を植えつけたようですねえ。豊田社長ももう少し自信を持ってもいいのでは?

0 comments:

Post a Comment