Friday, July 22, 2011

汚染牛問題、消費者団体まで生産者、業界、政府の味方:「多額の税金で肉を買い上げ焼却することが必要か」

福島第1原発事故以来、政府、関係省庁は徹底して生産者、企業、団体、地方自治体政府の便宜を図るものなのだ、ということが分かってきた方も増えていると思います。

原子力安全委員会、経済産業省の原子力安全保安院は結局原発事業者(電力会社)が安全に仕事が出来るように監視する、農水省は生産者が農作物、魚、肉などを問題なく出荷できるよう便宜を図る、文科省は学校の運営を助けるために生徒の被曝基準を引き上げる、環境庁は高放射線量の地方自治体が高放射能の汚泥、ごみの焼却灰を埋められるよう、基準を大幅に緩和する。

では、環境の放射能を気にしながら食材を選ばざるを得ない消費者の味方はいるのか?残念ながら答えはノーのようです。

毎日新聞7月23日付けで、「クローズアップ2011:セシウム汚染 牛肉価格下落、拡大」という記事が出ています。稲わら、牛肉のセシウム汚染が広がるにつれて牛肉の取引価格が暴落、生産農家だけでなく小売業者、卸売業者までもが苦境に陥っている、このままでは食肉業界壊滅だ、という記載の後、消費者団体のトップのコメントが出ています。

一応期待はしてみたのです。内部被曝の影響はいろいろな見解があってよく分からないようだが、安全に越したことはないので、と消費者の側に立った発言が多少はあるかと。保育園児、幼稚園児まで汚染牛肉を知らない間に食べさせられていたこともあるし、少なくとも子供は守ろう、ぐらい言うかな、と。

大はずれ。それどころか、彼女たちは消費者を叱ります。毎日新聞によると(強調は私)、

放射線への不安と業界の苦悩を、消費者はどう受け止めればいいのか。

 消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」(東京)の市川まりこ代表は「専門家は今発覚している程度の汚染肉を少量食べても健康に問題ないと 言っている。全頭検査は福島では必要かもしれないが、多額の税金で肉を買い上げ焼却することが必要か、議論すべきだ」。消費科学連合会の犬伏由利子副会長 は「米国でBSEが問題になった時は国産牛の信頼が高まったことを思い出してほしい。日本の畜産業がだめになれば自分たちの首を絞めることになる」と冷静な消費行動を呼びかける。

 一方、東京消費者団体連絡センターの矢野洋子事務局長は「行政やマスコミが数値を丁寧に説明するなど正しい情報を提供することが不安払拭(ふっしょく)につながる」と話した。

要するに、専門家の言うことを信じないで大騒ぎしていると消費者のせいで日本の畜産業がだめになる、政府やマスコミが正しい情報を出せば済むことだ、と。

消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」市川まりこさんは特にすごいですね。「多額の税金で肉を買い上げ焼却することが必要か」。これは、高線量を心配する柏市市民に対して「多大の人員と費用を掛けて、年間1mSV以下にすることは無駄な努力」と言い放った東北大学名誉教授中村尚司さんと同列。

一消費者にしか過ぎない市民は、自分で身を守るしかないようです。

2 comments:

  1. ・「食のコミュニケーション円卓会議」の目的
    http://food-entaku.org/entakutoha.htm

    内容から見て、ズブズブです。そこが、このような擁護発言をしただけで、最初から消費者の味方ではない。

    こういった組織まで作っているところに恐れ入ります。

    Winの食品版でしょう。

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  2. こんにちは、お世話になっております。 
    福島の汚染牛はわたしの郷里の市内にも流通してしまいました。ニュースではこの牛肉を購入した方のインタビューを見ました。「すき焼きにして食べましたよ。健康に被害がないって言うから気にしてないです~。」とてもショックでした。実家の両親や姉妹が口にしないことを祈ることしかできません。でも、これからはもっともっとこのような食材が流通することでしょう。どうすれば良いのでしょうか・・・。 
    ------------------------------------------------- 
    恐縮ですが、広島デモの宣伝をさせて下さい。 
    ●8・6ヒロシマ大行動 
    「ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくり返すな!8月6日 
    午前9時原爆ドーム前に集まろう!8・6世界1000万人デを!」 
    参加はまだ未定ですが、多くの人が集まってほしいです。

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