日本のニュースは「チェルノブイリの周辺地域の半分は永久に立ち入り禁止」という部分に着目しましたが、ロシアのニュースは「その他の半分」に注目して記事を書いています。 RIA Novostiの2012年4月23日付けの英語記事です:
ウクライナは現在、チェルノブイリ原発周辺の汚染地域を美化する政府のプログラムを拡大する方向で進めている、とミコラ・アザロフ首相は月曜日に発表した。
専門家によるとチェルノブイリ周辺の強制避難区域の放射線レベルは近年大幅に低下している、とアザロフ首相は述べ、避難区域外でもキエフ地方の居住地域で放射線レベルの高い場所は無い、と付け加えた。
「これらの放棄された家々、町、住宅地などを活性化して、『第二の生』を与える十分な理由があります。新たな仕事場となり、政府の新たな財源になります」とアザロフ首相は言う。
3月下旬、ウクライナのビクトル・ヤヌコヴィチ大統領は、4月26日、チェルノブイリ事故26周年記念の日に、チェルノブイリ原発で新しい石棺の建設を開始する、と発表した。
チェルノブイリの石棺建設の費用は9億3500万ユーロ(米12億ドル[日本円で約970億円])、大半の資金は昨年の世界各国政府からの寄付でまかなわれた。ウクライナの寄与分は全体のわずか6パーセントだ。
封じ込めるための施設は鉄製で高さ105メートル、長さ260メートル。これで原子炉を覆う。2015年までには完成する予定である、とウクライナ政府は以前に発表した。
破壊されたチェルノブイリの原子炉は1986年の事故から数ヵ月後にコンクリ製の建物で覆われたが、以来建物は劣化しており、放射能が漏れ出す恐れがある。
政府の新たな財源。どこの国でも金儲けを優先ですね。国が率先しておこなうところも、最近では全世界の傾向として著しい。
というわけで、チェルノブイリ周辺で永久立ち入り禁止にならない残りの1000平方キロは、「活性化」されるのです。日本政府と違って、一応公式には26年待っただけ上等でしょうか。何しろ日本は1年で住民を避難地域に帰還させる、という離れ業をやってますからね。
ああ、ということは、26年経って避難地域の「活性化」を図るウクライナ以上に日本の国の財政が逼迫している、ということなんでしょうか?(と、わざとらしく聞いてみる。)
ツイッターでリンクを出しましたが、去年、チェルノブイリ事故から25年経った去年制作された映画を出しておきます。ベルギーの Alain de Halleux というディレクターが作ったものだそうです。英語ですが、ナレーションは割と聞きやすいブリティッシュ英語なのでトライしてみてください。(と言いつつ、私もまだ全部見ていませんが。)チェルノブイリ周辺の荒涼とした風景、原発で今も作業をする人々の、何かロボットのような動き。
このウクライナの首相が「活性化」されたチェルノブイリ周辺の町に住むわけもなし。
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