Wednesday, May 18, 2011

クリストファー・バスビー:「福島原発、核分裂は継続中、収拾のめどつかず」



Russia Today (RT)による、5月17日、放射線リスク欧州委員会クリストファー・バズビー教授インタビューです。いまさら何が出来るのか、誰にも見当がつかない、と教授は言い、せめて放射性物質の全世界への空中拡散を防ぐためのドームを被せるくらいが関の山か、と言った、悲観的なコメントに聞こえました。東電は最初から事態の深刻さを知っていたが隠していた、とも。

「クリストファー・バズビー教授:福島は放射能を帯びた地獄の業火」

司会者:福島第一原発で、さらに2つの原子炉がメルトダウンを起こしている可能性が浮上しました。すでに1号機についてはメルトダウンが確認されており、地震によって冷却機能が失われたことが原因とみなされています。では、この問題をさらに掘り下げてみましょう。放射線リスク欧州委員会のクリストファー・バズビー教授にお話を伺います。バズビー教授、ご出演ありがとうございます。福島原発の事故が起きた当初は、メルトダウンが最悪のシナリオといわれていました。それが現実になったということは、具体的に何を意味しているのでしょうか。

バズビー:メルトダウンというのは、原子炉内の燃料が非常に高温になって融けたということです。原子炉内部は、いわば放射能を帯びた地獄の業火が荒れ狂っているような状態になっています。われわれは燃料がすでに原子炉の外に出ていると考えています。圧力容器が損傷しているのは間違いないからです。思い出していただきたいのですが、事故当初からメルトダウンが起きている兆候はいくつも確認されていました。今彼らがメルトダウンを認めたのは、本当の状況がはるかにひどかったからです。最後にあなたとお話ししてから得られたデータによれば、核爆発が起きていたことがわかりました。放出された放射性物質の同位体の比率を調べた結果です。これは非常に悪い状況です。すでに放射性の粒子はアメリカで見つかっていますし、福島よりずいぶん南の東京でもかなりの放射能が確認されています。きわめて深刻な事態です。

司会者:じつに心配な状況ですね。ところで東京電力は緊急作業チームの労働環境を改善すると話していますが、もう2ヶ月ものあいだ作業員の命を危険にさらしてきたわけですよね。もっと早くに手を打てなかったのでしょうか。

バズビー:たしかに人命が長期間危険にさらされてきたのはたしかですが、東電にすればほかに手立てがなかったのだと思います。簡単に解決できる問題ではありません。誰も危険を冒さずに手をこまぬいていたら、事態はもっとひどくなっていたでしょう。われわれは作業員たちの勇敢さを称えるべきです。労働環境を改善するというのもけっして簡単ではありませんが、今までに起こった出来事の数々が結果として作業環境を改善することになります。というのも、最初に大量に放出された放射性物質が現在はそれほどではなくなっているからです。ただし、指摘したいのは核分裂が今も続いているということです。つまり核反応はまだ止まっていません。放出されている放射性物質の同位体比率を調べてそれがわかります。ですから、まだこの危機は続いています。収束とは程遠い状況です。

司会者:責任のなすり合いも続いていますね。東電は状況の深刻さの判断を誤った、と常に批判されていますが、もうそろそろ政府は東電に任せずに現場を完全に掌握すべきではないんでしょうか。

バズビー:私は東電が判断を誤ったとは思いません。東電は最初からすべてを隠そうとしてきただけです。ですが、今ではいろいろな人たちが独自に測定を行なっていますので、東電は「何事も起きていない」という建前をもう続けられなくなったということだと思います。たしかに日本政府がすべてを掌握すべきだとは思いますが、この状況をコントロールするのが非常に難しいのもまた事実です。基本的に状況はすでに手に負えなくなっています。個人的には、これはもはや日本政府だけの問題ではなく全世界の問題だと思います。ただ、日本政府、日本国民が今何らかの手を打たなければならない状況にはなっています。

司会者:東電は9ヶ月で解決するといっていますが、それは具体的にどういうことなのでしょう。実現可能だと思いますか?

バズビー:絶対に無理です。何をどうすればいいか、彼らにもさっぱりわかっていないと思います。現状で彼らに何ができるのか、私にも思いつきません。いろいろアイデアは出ていますが、奇妙奇天烈なものばかり。私のいるイギリスのウェールズ地方にもイギリスのほかの地域にも、ヨーロッパにも放射性物質は飛んできていますが、こうした世界規模の飛散を防ぐためには思い切った方策を講じる必要があります。原子炉をドームなどで覆うことをして、少なくとも核分裂によって生じる放射性物質を外に出さないで閉じこめることを考えるべきでしょう。

司会者:教授、どうもありがとうございました。放射線リスク欧州委員会のクリストファー・バズビー教授にお話を伺いました。

9 comments:

  1. 前略、情報ありがとうございます。最大の懸念はもんじゅ爆発です。
    止めても溶ける原子力600ガルで木っ端微塵
    ▲原発は止めても600ガルで壊れる、廃炉しても燃料冷却30年は(冷却予算30兆円、冷却配管肉厚2mm以下)無理。 どうすればいいんかなあ:D
    600ガルって直下型ならM5で充分、阪神は1800ガルだったじょ

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  2. 小野です。
    和訳ありがとうございました。

    そうですよね。なんの手段もないですよね。私の想像私見では、
    ・燃料プールから燃料をドライキャスクに移動する
    ・金属冷却をしながら、埋める

    くらいしか思いつきませんでした。
    http://onodekita.sblo.jp/article/45171692.html
    をご参照ください。

     日本では相変わらず、くだらないバラエティー番組ばかり。
    事故当初から、医師が2,000人以上参加するメーリングリストに投稿しておりましたが、個人的に心配して問い合わされてきたかたは、3名ほど。知的水準が高いといわれる集団ですら、この危機感です。

     それでも私のブログのアクセスが、2,000/day(unique)となっているのが救いでしょうか。

    米国に頼んだらどうかしてもらえるならば、そうしてもらいたいのですが、米国も手段は持ち合わせていないでしょうね・・・

     IAEAが5月下旬から、調査にくるようです。いったいどういう結果を出してくるのか。いい方向に行けばよいのですが。

     これからもよろしくお願いします。

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  3. @futofutomomoさん、ブログ拝見しました。「脆い砂岩地盤が崩壊、格納容器は自重で割れ、底配管が割れた」さもありなん。これ、裏づけデータなど、あります?

    もんじゅは怖いを通り越してますね。あれが福島のような事故になったら、風向きで大阪京都名古屋東京、みんなやられるでしょうね。

    @小野様、私が思うに、国の知能指数は国民個人個人の知能指数に反比例するのではないか、ということです。世界でだんとつ一番、地球温暖化を信じているのは日本、その次が韓国、台湾。アメリカでも、ヨーロッパでも、あれは政府と企業の金儲けの手段だ、という認識がとっくに広がっています。

    個々に知的水準が高くても、まとまると平均をはるかに下回る。

    ところで、浜岡で放射性ヒ素が出ましたが、あの発電所、どこがどうに悪いんですかね。

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  4. 小野です。

    浜岡事故は、一応ブログには載せています。
    http://onodekita.sblo.jp/article/45215822.html

    書いていますように復水器の細管が一挙に破断したとしか思えません。復水器は、とくに電動の部品などはありません。

     だとすれば、復水器の上部にあるタービンが、減速途中に共振して、破損、復水器の細管を破断したのではないでしょうか。おそらく、海水側にも放射性物質が混じったはずです。(まあ、半減期が極端に短いので、問題はないでしょうが・・・)公式発表せざるを得ないと思いますが、運転員の失敗とは考えられません。
     ただちに、現場調査に行かなければならないほどの重要事態ですが、まあいまの原子力規制側にそんなことを期待しても無理なのは、明らかです。(もし、火力発電所なら大騒ぎです--それだけ問題が起こるはずのないところなのです)
     中部電力は、放射能物質の飛散がないから、報告対象でもないと空惚けていますが、今の世の中それでは通用しません。浜岡は欠陥原発です。私のわかる範囲で、ブログにしていきますので、ご参照いただけますと幸いです。(発表されている情報からしでも、結構大事な話が2つはかけます)
    私のブログで問いの内容おわかりでしょうか?

     しかし、電力からの内部リーク、ほとんどないですね。オウム真理教みたい。。。(原子力村の洗脳、脅しほど怖いものはありません。経験談)

     放射性同位元素などは、ほとんど勉強していません。これについては、素人の域をでれません。

     たしかに新聞の部数が増えるほど、紙面の質は低下するといわれていますから、そのとおりでしょうね。

     私のブログ、書きすぎてしまい、重要な情報が埋もれてしまっています。そろそろ、目次を作らねば・・・と感じています。

     これからもよろしくお願いします。

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  5. 脆い地盤 根拠 猛烈速度でネット検索しましたので どこにデータが行ったか目下 わかりません。以下記憶です。
    設計課長 田中三彦 ?
    建設予定地は海抜50m有ったが、過去2000年来の巨大津波巨大地震で極めて弱い地盤だった。ゆえに深く掘り下げて比較的硬い砂岩上に建設した。津波は20mを想定し堤防も20mと言う意見1名も有ったが、コストや多数が5mで良いと言ったので5mになった。
    (Y)土木では、巨大重量物には向かない地層。日本全国似たような地質で浜岡5号が1・5mも地盤沈下したのはたしかM6程度でした。マスコミも知ってはいたのでしょうが、今頃になって公開。
    ■最大の問題は【【原発は止めても溶ける】】ってことだと思います。
    日本側サイト政府による規制はもはや諦めたみたいですが、当方が消された場合など、海外サイトで情報公開してくださることを願います。

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  6. 日本原子力技術協会最高顧問・石川迪夫さん、テレビで、「浜岡はぜんぜん大丈夫、地震でも安全」とか豪語してましたよね、確か。炉心は全部溶融している、と言ったのと同じときに。M6で1.5mの沈下ですか。田中さんは確か福島4号機の格納容器を設計なさった方ですが、どなたでしたっけね、浜松原発の設計?結構メッセージボードにでてましたよね。不精しないで探すか。

    小野様、ブログでの問いの答え、わかりませーん。自慢じゃないけど。教えてください。福島との違いはタービン建屋が海から見て原子炉の後ろだ、って言うくらいしか分からん。

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  7. BINGO!!!
    それこそが、浜岡の醜い姿です。

    通常設計では、あり得ない配置なのです。

    さすがにプラントメーカーも危ないと考えていることが端的に出ています。

    また、ブログに書きます。(もうちょっと先かな?)

    まだ、東電問題の方が急を要しておりますので・・・

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  8. 標高35mの台地
    http://logsoku.com/thread/hatsukari.2ch.net/news/1304582059/
    (Y)4号機の基礎砂岩は崩れて傾いている
    基礎岩盤は【【【3割弱い砂岩部分】】】も有った証拠3年前平成21年5月公開
    http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/taishin_godo_WG1/taishin_godo_WG1_09/siryo-9-1-1.pdf
    岩盤の強度が違うと不等振動で建屋は壊れる。
    浜岡は170kgと7割も弱い砂岩:不等沈下は予知されていたのもかかわらず・・・http://janjan.voicejapan.org/living/0508/0508180129/2.php
    M6・3御前崎東地下37km浅いところなら浜岡はアウトでした。
     浜岡砂岩179t/㎡?←耐震偽装で陥没事故-1・5m
     福島砂岩420t/㎡←この数字も疑わしい
     福島泥岩720t/㎡←建屋は持つが不等沈下、不等揺れで4号機傾斜プール割れた

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  9. WSPEEDI公開間近
    原口一博議員「年間内部被曝10mSvの境界はどこなんだ、事実を公開して子供妊婦から避難させるんだ。官僚は用意してる、首相の決断が出来ないだけだ。」朝日放送TV

    (Y)推定避難開始地区
    静岡、長野、新潟を含むより東側4000万人。

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