このビデオは、CNBCの人気番組(と言っても今も人気があるのかどうか)Fast Moneyの8月26日のセグメントです。司会代行のRick Santelliが話を聞いている相手は、Bill Fleckenstein。彼はいわばショート・スペシャリストで、彼のファンドは確か2007暮れ以来の株式市場の下落で大もうけしたはずです。今年の3月に市場が底を打つ直前にショートをカバーしてファンドを閉め、ロングのポジションがあるのか無いのか、この番組を見なくなった私はよく知りません。以前に司会をしていたDylan Ratiganがプロデューサーとの確執で番組を突然降りてから、視聴率がかなり下がったと聞きました。司会代行のSantelliはシカゴの商品先物取引市場の出で、歯に絹を着せない物言いで人気と物議を両方醸していました。CNBCの親会社のGEが政府から資金および資金調達の援助を受けるようになってから特に、番組はぐっと政府寄りのコメントが増えました。
まあそれはともかく。ビル・フレッケンスタインによると、アメリカの財務省が際限なく発行する債券の影響で、ドルは下がる、他の通貨も下がる、ここでのトレードは、金、銀、および金・銀を地中から取り出す採鉱会社への投資だ、ということです。Fast Moneyに出演しているトレーダーは主に株式市場のトレーダーなので、彼らの質問は「でもS&Pは、まだ上があると思うか?」これに対するビルの答えは、株式市場の上昇がどれだけ実質経済を反映しているのか、分からない(彼は疑問視してますね)。確実なのは、政府が大量のドルを投入していること、今後も経済がどうであれこれは続くだろうこと。GDP(国民生産高)をベースにした(つまり株式市場)投資は、失業率が改善する見込みが当分の間ないだろうからまず意味がない。それよりも、政府のドル印刷をベースにした投資をする。ということです。
ハイテク株に対する質問には、ターゲットが低く設定されているので、多分今四半期はOK、但しこれは価値に基づいたものではなく、単なるトレードの手段としてのみ、との答え。Fast Moneyのトレーダーは以前からフレッケンスタイン(とピーター・シフ)のような、米国株式市場をあまり重視しない、あるいはロングのポジションを取らない投資家に対して、あまりいい対応をしません。だいたい、インタビューが終わるとすぐに、「彼はああ言っているけれど、実際はそんなもんじゃない」とすぐこき下ろしにかかります。
まあ、この番組に出演しているトレーダーは、昨年の8月Washington Mutualが政府に差し押さえられる直前に株を勧めたトレーダーもいれば、同じく8月、National Cityが買収候補で株が上がる、と勧めたトレーダーもいる(National CityはいわゆるTake-under、買収こそされましたが、前日に取引されていた株価よりもずっと低い買収価格で、投資家は大損をしたはずです)、9月、10月に市場が急落していた時も、毎日毎日この株は買いだ、あの株も買いだ、と言いくさっていたものです。程度は推して知るべしですね。
Wednesday, August 26, 2009
ビル・フレッケンスタインのインフレ・トレード
Friday, August 21, 2009
ピーター・シフ: ウォーレン・バフェットは間違っている
ウォーレン・バフェットがニューヨーク・タイムズの社説欄にゲストとして書いた記事、"The Greenback Effect" (8/18/09, New York Times) に対する、ピーター・シフの反論です。
億万長者の投資家、ウォーレン・バフェットがオバマ大統領の熱烈な支持者であることは誰もが知っています。NYタイムズの社説で、バフェット氏は増え続ける国の負債に懸念を示し、負債のためにUSドルの価値は下落する、と述べている同じ口で、昨年の秋以来の政府(ブッシュ、オバマ)の対応、つまり、問題が何であれ、また原因が何であれ、とにかく借金に借金を重ねてでもいいから政府の資金を投入する、という対応を、100パーセントサポートする、よくやった、と言うのです。また、そう言ったすぐ後で、たとえ景気が回復しても、政府の収入と支出のギャップは埋まりそうにない、とも言っています。
これに対し、シフの意見は、政府の借金政策について、”Warren Buffet is dead wrong." 明快ですね。 私もまったく賛成です。
Tuesday, August 18, 2009
OT: 国家負債を減らす一方法 (ジョークですよ、ジョーク)
『アメリカ随一のニュース元』を謳うオニオン(たまねぎ)ニュース・ネットワーク(ONN)のクリップです。
10兆ドルを超す国家負債を抱えたアメリカ政府は、過激な手段で負債を帳消しにすることを決意、大統領、議会がぐるになってクーデターをでっち上げ、外国政府が保有する米国債券の支払い停止を宣言します。 「よく聞け中国、日本、アラブ首長国連邦、アメリカはもう存在しない。従ってアメリカの負債も存在しない!」と、クーデターの主犯。
(実際、いい考えだなあ。)
ちなみに、2009年8月18日カリフォルニア時間午後8時10分現在の米国の国家負債額は、
一秒当たり8万6千ドル(今年の6月現在)で増えています。
Saturday, August 15, 2009
ゼロ・ヘッジ タイラー・ダーデン、インタビュー
マックス・カイザーの”On the Edge”に、ゼロ・ヘッジのタイラー・ダーデン(Tyler Durden)が登場しました。(電話インタービューですが。)
パート2のビデオで、タイラーはHigh Frequency Tradingについて語っています。タイラーの注意深い発言に、ADD(Attention Deficit Disorder、注意欠如障害)気味のマックス・カイザーが痺れを切らしているようです。
Wednesday, August 12, 2009
シティバンク、中国の債券市場のマーケット・メーカーに
最近、英国のメディアだけでなくアメリカの新聞等でも、中国のクレジット市場の加熱ぶりを危惧する記事が増えてきました。昨年12月来、中国政府の経済刺激政策による容易なクレジット(ローン)が実質経済に行かず、不動産、株式、商品先物などの投機に回っていることに対する危惧、つまりバブル化に対する危惧なのですが、そこはバブルに年季の入ったアメリカの金融機関の出番でしょう。ということで…
ウォール・ストリート・ジャーナル紙に明日付けで掲載される記事です。
中国、シティをマーケット・メーカーとして承認
(8月13日 ウォールストリート・ジャーナル)
『上海発--シティグループの中国現地法人、シティバンク(チャイナ)は、中国国内の銀行間の債券取引市場のマーケット・メーカーとして機能するための政府からの許可を得た、と発表した。中国の債券市場はアジアでは日本に次ぐ規模で、そこでの2番目の外国金融機関のマーケット・メーカーとなるわけである。
『より経験のある海外の投資機関に中国の債券市場での債券の取引を許可することは、今までよりも効率的な価格設定メカニズムを構築する一助となると思われる。また、この動きは国内の債券市場における外銀の役割が拡大していることを示している。中国政府は今年の初め、上海と香港の市場で、外国金融機関の現地法人が中国人民元建ての債券を売る許可を出した。シティバンク(チャイナ)の承認以前、国内の銀行間債券市場のマーケット・メーカーは20社、この中には、中国で初めてマーケット・メーカーとして承認された外銀、J.P.モルガン・チェースの現地法人も含まれている。
『シティバンク(チャイナ)は銀行間の外国為替市場のマーケット・メーカーでもある。』
ちなみに、マーケット・メーカーと言うのは、日本の「仕手」とはちょっと意味が違うようですね。これは英語での定義です。(Wikipedia.org)
”A market maker is a company that quotes both a buy and a sell price in a financial instrument or commodity, hoping to make a profit on the bid/offer spread, or turn.
”In the United States, the New York Stock Exchange (NYSE) and American Stock Exchange (AMEX), among others, have a single exchange member, formerly known as specialists, and now as Designated Market Makers, who acts as the official market maker for a given security. In return for a) providing a required amount of liquidity to the security's market, b) taking the other side of trades when there are short-term buy-and-sell-side imbalances in customer orders, and c) attempting to prevent excess volatility, the specialist is granted various informational and trade execution advantages.”
ともあれ、いったんシティ、JPモルガン・チェースなどの米国金融機関を入れたら(特に債券市場に入れたら)、どういうことになるか、中国政府はよく理解していないのでは?
アメリカに端を発した今回の金融バブル崩壊のきっかけは、これら金融機関(ゴールドマン、モルガン・スタンレー、今は無きリーマン・ブラザーズ、ベアー・スターンズ、カントリーワイド、メリルリンチ、無きに等しいAIGを忘れてはいけませんね)が債券市場で「新しい」債券、つまり、不動産負債、クレジットカード負債などから「新しい」債券(MBS, ABS, CDO) を商品化して全世界に売り出したのが元です。
まあ、余計な世話ですね。日本でも、バブル再来を20年来夢見ている友人がいます。
中国上場企業の株式のダブル・ショートETFのシンボルは、FXP。過去1年の最高値は一株183ドル、今日の終値は10ドルを切りました。私は5ドルぐらいまでは下がる、と思っています。(逆に言えば、中国市場が(バブルのおかげで)ここから更に25%上昇するかもしれない、ということです。)手をつけたいのをまだじっと我慢。
Monday, August 10, 2009
オバマ大統領、人気急降下
ラスミューセン・レポート(Rasmussen Report)は、大統領支持率を毎日計るグラフをサイトに出しています。8月10日月曜日現在の数字はマイナス9、『強い支持』の数字から『強い不支持』の数字を引いた数字です。『支持』は現在49パーセント、『不支持』は51パーセント。『不支持』が『支持』を決定的に上回ったのは7月の下旬、黒人のハーバード大学教授の逮捕を巡ってのオバマ大統領の発言(ケンブリッジ警察をばか扱いした)に反発した人々が思いがけなく多く、不支持率が一段と上がりました。
もっとも、人気降下の最大の原因は、オバマ大統領の進める政策、特に、ヘルス・ケアの改革でしょう。この改革の内容が広まるにつれ、これに反対する一般市民が米国議会上院、下院の議員が開くTownhall Meetingに出かけ、抗議しています。
アメリカでは、医療保険は私的な保険がほとんどで、公的保険は65歳以上のシニアのためのMedicare、低所得者のためのMedicareですが、公的保険はすでに資金が尽きて破産状態。大統領の進める改革では、医療保険をすべて国が運営するHealth Choices Administrationなるものに移管して、大統領が指名するコミッショナーが保険のレベルから治療のレベル、支払いのメカニズムまで、すべて決定する、というものです。このコミッショナーは大統領にのみ報告義務があり、議会は何の権限も持たないのです。
ただでさえ国の保険は破産していると言うのに、すべての医療保険を国の管理下に置いて、どうやって運営するつもりなんでしょうか。
大統領と民主党の計画では、高所得者(この定義がまた問題なんですが)の税引き前の収入に課税して費用をまかなうことになります。更に、所得に関係なく、現在医療保険に入っていない人の税引き前の収入に8.5パーセント課税する、という条項も入っています。保険を提供しない中小企業への追加課税もあります。ヘルス・ケアは「権利」だ、と謳っている割には、その「権利」を行使しない権利は一切認めない、認めないどころか、罰金を科する、と言うわけです。(私は個人的には、ヘルス・ケアは「権利」などではなく、お金で買える商品(Goods)の一つだと思っています。)
私の英語のブログで最近一番ヒットが多いポストは、この改革法案(H.R. 3200)のセクション1233、シニアに対して最低5年毎に、要するにどういう風に生を終えたいか、医者またはNurse Practitionerと相談することを義務付けるセクションです。この医者の相談のガイドラインも前述のコミッショナーが決めます。相談の結果、医者が延命治療を拒否することもあるわけです。また、シニアだけでなく、別のセクションでは障害者に対する治療を限定する条項もあります。
一番呆れるのは、この改革から、議会(議員と大統領、副大統領など)は免除される、という条項です。
そして、まったく胡散臭いのは、ヘルス・ケア業界が賛成に回っていることです。
Townhall Meetingsにやって来る、改革に反対する市民を脅かす意味なのでしょう、下院議長のナンシー・ペローシは、ヒステリックに『反対するのは非国民』、と発言しています。
株式市場はどういうわけか最近上向きですが、アメリカの景気自体はまったく向上している感覚は無く(精々横ばいがいいところ)、この不景気の真っ只中、全世界に対して借金に借金を重ねる真っ只中で、なんで金のかかるヘルス・ケアの改革とやらをしなければならないのか?大統領の『カリスマ性』をまったく感じない私には、まったく分かりません。
昨年の9月末、株式市場が急降下した理由は金融市場でした。金融市場の問題はまったくと言っていいほど何も解決されていません。3月以来株価が毎日のように上がっているので、人々は何となく安心した気になっていますが、タイトなクレジット市場、劣化したアセットの問題はそのまま。改革というならこっちが先だろうに、と私は思いますが、それをしない、ということは、要は「改革」は口先だけ、真の目的は別にある、と見ざるを得ません。
Thursday, August 6, 2009
ウォール・ストリート、AIGからまた儲けるようです
AIG Breakup Is Fee Bonanza [AIGの解体の手数料で大儲け]
(8月7日 ウォールストリート・ジャーナル)
AIG、日本ではアリコとしてよく知られていますが、昨年の9月、CDS (Credit Default Swap)のブローアップで米国政府の救済を仰がざるを得なくなり、結局政府が株式の79.99パーセントを保有する事実上の国営化となったのはまだ記憶に新しい、かな?
(ちなみにこの79.99パーセントと言うのは曲者の数字なのです。政府の株式保有率が80パーセントを超えるとこれは事実上ではなく正式な国営化で、AIGの決算、損益貸借をそっくり国のそれと合算しなければならなくなるため、正式の半歩、4分の1歩手前の保有率にしたわけ。)
政府の計画では、この先数年かけてAIGを解体、売却し、救済に使った金(現在までで総額約1800億ドル、日本円で17兆円強)を回収する、というものです。ウォールストリート・ジャーナル紙の分析によると、この計画を実行するためにはゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーを始めとするウォール・ストリートの金融機関に頼るしかなく、そのためにニューヨーク連邦銀行(AIGの子会社の株式保有者)とAIGがこれらの金融機関に払う手数料はおそらく10億ドル(日本円にして約950億円)、1996年にAT&Tを解体したときの手数料の4倍、2008年のビザIPOの手数料(アメリカで史上最大規模のIPO)の2倍近くになるだろう、というもの。
一番利益をこうむるのは現在ニューヨーク連銀のアドバイザーになっているモルガン・スタンレー。現在までにすでに1000万ドルの手数料を受け取っていますが、AIGの解体で更に2億4000万ドルの収入が見込めるとのこと。ほかにも、ゴールドマン・サックス、バンカメ、JPモルガン・チェースが、AIG解体にかかわるプロジェクトを受けたようです。
AIGを事実上国有化した後、AIGの負債(CDS)を政府がカウンター・パーティに100パーセント支払ったのですが、そのカウンター・パーティがゴールドマン・サックスを含むウォール・ストリートの金融機関だったことが今年の3月に明るみに出、AIGの救済は結局、ウォール・ストリートの金融機関を救済するためだったのでは(まさにその通り)、と非難ごうごうでした。もっとも、ものの1ヶ月もしないうちにマスコミのニュースから消えましたが。
ちなみに、負債の一部を相殺する代わりにアリコの株式をニューヨーク連銀が保有していること、ご存知ですか?ちなみにこれは違法ですが、昨年の9月以来、米国連邦銀行は違法に違法を重ねて金融市場を「守って」きたので、今更だれも何も言いません。(でも違法は違法です。連銀は、国家の債券以外を保有してはいけないことになっているのです。)
AIGの解体でまたもウォール・ストリートが儲ける、となると、政治家がまた騒ぎ出すんでしょうねえ。私は最近とみに、誰からも悪者扱いされている大手金融機関に肩入れしています。(と言っても、株を持っているだけですが。)ここまで誰もが悪者扱いするとその逆を行きたくなる、つむじ曲がり、へそ曲がりなのですが、過去20年間のアメリカの金融市場と住宅市場、政府の政策を知るにつれ、これまでこれらの金融機関が生き延びてきたのが不思議なくらいで、ついつい世間とは逆に応援したくなったのです。(もっとも、根本的な理由は、株価のチャートを見て上昇の可能性がある、と思ったからなんですが。)
AIGは昨日の水曜日の米国株式市場で、株価が何と63パーセント上昇、13ドルから22ドルに跳ね上がりました。水曜日はほかにも「屑同然」の株が急上昇しました。(私もいくつか持っていましたが、もう屑同然で捨てたも同然だったので、びっくりしました。)
Tuesday, August 4, 2009
米国証券取引委員会(SEC)、フラッシュ・トレーディングを禁止?
フラッシュ・トレーディングに関する最新ニュース。
証券取引委員会、フラッシュ・トレーディングを禁止する方向(8月4日 AP)
米国証券取引委員会(SEC)の委員長、メアリー・シャピロ(Mary Shapiro)は、火曜日、SECがフラッシュ・トレーディングを禁止する方向で動いていると発表、「フラッシュ・トレーディングによって発生する不公平性を排除する方法を早急に実施する」意向を示しました。
そんな方法があればの話ですが…。
このブログでも取り上げたように、フラッシュ・トレーディングで一番儲けているのはゴールドマン・サックス、シタデル等がサポートするネットワーク、ダイレクト・エッジ(Direct Edge)です。これに対抗すべく、ナスダック、BATがフラッシュ・トレーディングに参入、大手で唯一フラッシュ・トレーディングを行っていないのは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)です。
SECがフラッシュ・トレーディングを禁止して一番利益があるのは、NYSEということになりますね。多分。
ダイレクト・エッジ、BATは、フラッシュ・オーダーの見直し大歓迎、いつでも話し合いに応じる、とコメントを出しています。
Sunday, August 2, 2009
オバマ大統領と日本共産党の共通点?
オバマ大統領の日本での評価(あるのかないのか、私は詳しくは知りませんが)、とグーグルで検索したところ、こんなサイトが引っかかってきました。
オバマ大統領と日本共産党 経済政策の共通性
(7月29日 土佐のまつりごと)
サイトの著者は、日本共産党高知県委員会のメンバーで、政策を担当している方だそうです。ブログのポストの書き出しは、
『国民の暮らしや実態経済を無視し、金融中心に「金儲けできればなんでもよい」という新自由主義が破綻した。あらたな経済・財政の方向をどうするか・・・
共産、財源論示す マニフェスト発表 朝日
共産党:「働く貧困層なくす」…マニフェストを発表 毎日7/28
勤労者減税、富裕層増税。大企業の課税強化、軍事費の削減・・・ 資本主義の総本山のアメリカの不況脱出策と日本共産党の政策が共通している。日本共産党の主張は、当たり前の話をしているだけである。』
普通のアメリカ人が読んだら仰天するだろうなあと思いますが(試しに英語のブログに記事を載せてみました)、実際のところ、オバマ大統領は社会主義者、あるいはもっと進めて共産主義者ではないか、と疑うアメリカ人が増えています。
それはさておき、この著者の言うことは当たっているのでしょうか?
まず勤労者減税。確かにオバマ大統領は事あるごとに Tax cut for the working class といっています。ところが、アメリカでは、個人所得税収の97パーセントを負担しているのは上位50パーセントの所得層。大統領の言う『勤労者』層は下位の50パーセント、元からほとんど所得税を払っていないのです。この層に対する「減税」はつまるところ富の再分布、持てる層から取り上げて、持たざる層へ分配する、まさに共産党にぴったりの政策ではありませんか。
次に富裕層増税。アメリカのトップ1パーセントの年収所得者(年収38万8千ドル以上)はすでに所得税総額の40パーセントを負担しています。トップ10パーセントの所得者(年収10万9千ドル以上)まで下げると、この10パーセントが所得税の70パーセントを負担しています。この層に更なる所得税負担をかける。ずいぶん不公平な話だと私は思いますが、金持ちからふんだくってどこが悪い、とお思いになる方も多いのでしょう。ここで問題なのは、経済を支えているのはいわゆるこの富裕層、ここからDisposable incomeをさらに取り上げて、それで景気が回復すると考えるのはどうしたものでしょうか。
大企業の課税強化。たしかにこれもオバマ大統領がやろうとしていることですね。この共産党の方は、「税率をあげたら海外に出ていくという根拠はない」とおっしゃっていますが、アメリカの実例を見る限り、間違いなく出て行きますね。
ここまでのところ、日本共産党とオバマ大統領はほぼ完璧な政策一致を見ています。
さて問題はこの先。軍事費の削減。ブログの著者はアメリカがオバマ大統領の下で軍事費を削減する、と思っておられるようですが、多分これは予算内の金額だけを見た発言だと思われます。アメリカの軍事費は、予算外予算の金額が非常に大きいのです。ついこの6月にも、2009年軍事補正予算が議会を通過して成立しましたが、これは正規予算外の予算で、1060億ドル、日本円で10兆円を超す大規模な予算です。また、現実的に考えて、イラクからも撤退しない、アフガン・パキスタンにさらに大規模に軍事介入、おまけにイランとの戦端を開くかもしれない、といった状況で、軍事費が削減されるとはまず考えられません。
さらに、共産党のマニフェストは大型公共事業削減を謳っているようですが、オバマ大統領は多分考えもしないでしょう。大統領の考えはまったくその反対で、大型公共事業の拡大が唯一不況から脱出する手段だ、と公言しています。アメリカの借金は増えるばかり。7月ひと月の債券の発行高は、7000億ドルを超えました。日本円で、70兆円です。短期(一年以内)の債券が50兆円強、中長期の債券が残りを占めます。(自転車操業ですね。)
どうもこの高知県の共産党委員の方は、都合のよい点だけを見ているようですが、共産党がオバマ大統領と共通点を感じていること自体、私には興味深いものがあります。
ただし、ひとつ、決定的に違う点があります。多分日本共産党の方々と違って、オバマ大統領は資産が日本円にして8億円以上。金持ちです。資産の多くは著書(代筆のうわさあり)の印税です。日本共産党のメンバーの方々で億万長者がいらしたらごめんなさい。8月の夏休みに大統領が借りる予定の別荘は、一週あたりの貸し賃が約500万円だそうです。勤労者の年間所得を一週間で使うんですねえ。いいですねえ、金持ちは。(おっといけない、またひがんでしまった。)ちなみに、米国大統領の給料は、年間約4000万円です。
Monday, July 27, 2009
マーケット・ティッカー:フラッシュ・トレーディングは詐欺
金融、経済の解説、論評を提供するサイト、マーケット・ティッカーのカール・デニンジャー(Karl Denninger)は、ゼロ・ヘッジ(ブックマークされた方々:新しいサイトに移行しました)のタイラー・ダーデン(Tyler Durden)と同様、High-Frequency コンピューター・トレーディングがMSM(Mainstream media)で取り上げられる以前から問題点を指摘し続けています。このビデオは、特にフラッシュ・トレーディングの問題を取り上げています。
フラッシュ・トレーディングの問題は、MSMがレポートしているように『ミリセコンドのスピードで出されるオーダーに一般投資家が対応できない、要するにスピードの問題』(ニューヨーク・タイムズ紙の例)ではなく、高速で出されるオーダーは実はオーダーではなく、一般投資家のオーダーの値段を吊り上げる目的で出されていることが問題なのだ、とカール・デニンジャーは言っています。詳しくはビデオと、サイトの記事でどうぞ。
Saturday, July 25, 2009
ゴールドマンとフラッシュ・トレーディング
今月の初めのゴールドマン・サックスの元社員の逮捕に端を発した、ゴールドマン・サックスのHigh Frequency コンピューター・トレーディングと市場操作の疑いは、ついにMainstream Media (MSM)のカバーするところとなりました。7月24日付けで、フォーブス誌とニューヨーク・タイムス紙がHigh Frequencyトレーディングのサブセット、フラッシュ・トレーディング(Flash Trading)を取り上げました。ニューヨーク州選出のチャック・シューマー(Chuck Schumer)民主党上院議員が、フラッシュ・トレーディングの禁止を求めた書状を証券取引委員会(SEC)に提出したからです。
シューマー、フラッシュ・トレーディングの取締を要求(7月24日フォーブス)
[シューマー]上院議員、ハイスピード・トレーディングの規制を求める
(7月24日ニューヨーク・タイムス)
フラッシュ・トレーディングとは、売り買いのオーダーが株式取引所に流れる前に、30ミリセコンド(0.03秒)から500ミリセコンド(0.5秒)の間、フラッシュ・トレーディングのメンバーにオーダーの内容を開示するもののようです。現在のコンピュータの容量、スピードからすれば、500ミリセコンドは永遠にも等しい長さです。その間に、メンバーのトレーダーはこの情報を使って、自社に有利なオーダーを出すことが出来る、というわけです。
原則的には、お金さえ払えば誰でもフラッシュ・トレーディングのメンバーになれるようですが、現実にはメンバーは大手の金融機関、Quant Fundsに限られます。入ってくるデータに対してミリセコンドで対応できるコンピューターを保有している会社、ということです。
フラッシュ・トレーディングのサービスを現在提供しているのは、ナスダック(Nasdaq)、Bats Exchange、Direct Edge。このDirect Edgeというのは、ゴールドマン・サックス、シタデル(Citadel)、ナイト・トレーディング(Knight Trading)の三社がサポートするネットワークで、ここがフラッシュ・トレーディングを最初に提供しました。その結果、ニューヨーク証券取引所、ナスダックなどから取引高を吸い上げたようで、ナスダック、Bats ExchangeはDirect Edgeのフラッシュ・トレーディング攻勢に対抗するために、同様のサービスを提供し始めたようです。記事によると、ニューヨーク証券取引所はフラッシュ・トレーディングに反対しているようですが、証券取引委員会が格別の処置をとらなかった場合フラッシュ・トレーディングを提供せざるをえないかもしれません。
一般の投資家にとって、平等の立場、Level playing fieldは存在していなかったわけです。(何を今更、と私は思っていますが。)チャック・シューマーが騒いでこれを規制しても、また新しい技術、ソフトウェアで規制を迂回する方法はいくらでも出てくるのでしょう。
例によって、フラッシュ・トレーディングに詳しいのはゼロヘッジですが、記事が長くテクニカルなので週末に読むことにしています。お読みになりたい方は、これです。
Tuesday, July 21, 2009
第2四半期決算発表を良く見てみると…
今週は、企業の第2四半期の決算の発表が本格化する週です。これまでの発表を見ると、アナリストの予測を上回る企業の割合が圧倒的に高いのですが、よくよく見てみましょう。予測は上回ったものの、実際の利益は前年同期に比べて大幅減少、というケースがほとんどなのです。要するに、アナリストの期待が非常に低いレベルだったので、簡単にクリアできた、ということです。決算発表だけ見て、「アメリカの景気は思ったより悪くない!」とかいう、的外れのコメントは控えましょう。
まあ、楽観的に言えば、「悪化の速度が緩和している」とも言えますが、物理で言う終端速度に達したとも言えるのではないかと悲観的な私は思っています。要するに、これ以上加速しようがない、ということで。
ちなみに、下記の企業は今日(7月21日)決算を発表した企業です。利益は減少したものの、予測は上回った企業がほとんど。例外はアップル、コカコーラ、スターバックス、ヤフーで、利益上昇、アナリストの予測も上回りました。
取引開始前の決算発表:
AKS (AK Steel): beat analyst estimates ($47M loss)
BLK (Blackrock): beat (profit down 20%)
BTU (Peabody Energy): met (profit down 66%)
CAL (Continental Airlines): missed ($169M loss)
CAT (Caterpiller): beat (profit down 66%)
DD (Du Pont): beat (profit down 61%)
FCX (Freeport-McMoran): beat (profit down 37%)
HCBK (Hudson City Bancorp): beat (profit up 16%)
KO (Coca Cola): beat (profit up 44%)
LMT (Lockheed Martin): beat (profit down 17%)
LUV (Southwest Airlines): beat (profit down 83%)
MRK (Merck): beat (profit down 10%)
STT (State Street): beat (3.31B loss)
UAUA (United Airlines): beat
UTX (United Technologies): beat (profit down 24%)
取引終了後の決算発表:
AAPL (Apple): beat (profit up 15%)
AMD: missed
BXP (Boston Properties): beat
GILD (Gilead Sciences): beat
SBUX (Starbucks): beat
STX (Seagate): beat
YHOO (Yahoo): beat (profit up 8%)
Sunday, July 19, 2009
サウスパークのエピソード - 金融システムの実体
スタンが貯蓄の大切さを学ぶために行かされた銀行で、さて100ドルのお金はどうなったでしょう?サウスパークはアメリカで人気のアニメですが、日本では放送中止になっているそうですね。テーマが時に過激だったり、政治的だったり、PC (Politically Correct) でなかったりするので、お子様には向かないことは確かです。
"Do I really have to do this, Dad?"
"Stan, now more than ever you need to understand the importance of saving money."
"Grandma said I can use this money to buy whatever I want."
"Next, please."
"Go on, Stanley."
"How can I help you, young man?"
"I got a hundred dollar check from my grandma, and my dad said I need to put it in the bank so that I can grow over the years."
"Well that's fantastic, it's a smart decision, young man. We can put that check in a money market mutual fund, and we reinvest the earnings into foreign currency account with compouding interest and.. it's gone!"
"Uh... what?"
"It's gone, all gone."
"What's all gone?"
"Money in your account. It didn't do too well, it's gone."
Friday, July 17, 2009
今週の米国株式市場のパフォーマンス
先週の金曜日の市場が終わった時点で、ほとんどのトレーダーがS&P500インデックスの「Head and Shoulders Top」フォーメーションを見、株式市場はここから下方にブレークする、と思っていたようです。そんな時に限って、というより、そんな時こそ、市場はストレートではなくカーブを投げるようですね。
今週の水曜日に、私のShoulda Coulda Trade Blogで、S&P500は「Head and Shoulders」ではなく「ダブル・ボトム」かもしれない可能性を出して見ましたが、今週のトレードが終わった今日の時点で、その可能性はまだ生きているようです。実際、今週一週間の市場の上昇は、3月の底値を打った週以来の上昇規模でした。もしこれがダブル・ボトムで、ここからブレーク・アウトすると仮定すると、ターゲットはダブル・ボトムの真ん中の山のトップからボトムまでのポイント差(約61ポイント)を中山のトップの値に足して、991、という値になります。今日の終値(940)から更に5パーセント上昇の可能性があるということになりますね。
私は個人的にはもう少し高い値までいくのではないかと思っています。(S&Pで1050前後。)理由の一つは、ゴールドマンのおかげで最近とみに注目をあつめてしまったHigh-Frequency Quant Trading。コンピューター・トレーディングの比率が低い市場でインデックスが5パーセント動くとすると、比率の高い現在の市場ではそれ以上に動くのではないか。(ちなみに、リンクした記事はQuant Tradingのベーシックを分かりやすく解説してありますので、ぜひお読みください。)
もう一つの理由は、長期の週チャートを眺めた結果です。S&P500インデックスの1050あたりは、ちょうど89週Moving Averageがインデックスの値と接触する場所のように見えます。インデックスが最後にこのMAと接触しかかったのは、去年の5月。市場が決定的に下方にブレークした2007年の12月以来、インデックスはこのMAを越えていません。
エリオット・ウェーブの分析では、ベア・マーケットは3段階のウェーブで終わる、としています。今年の3月の底値までが、最初のウェーブ、3月の底値から上昇のウェーブが次のウェーブ、最後のウェーブは3月の底値を下回るレベルまで下げて終わり、ということのようです。現在のウェーブは2番目のウェーブということになりますが、この上昇がいつ終わるかが問題。そのポイントの有力候補が、インデックスと89-MAが接触するあたりではないか、と思っていますが、さてどうなることか。
Monday, July 13, 2009
ゴールドマン・サックス4半期決算報告
明日の朝(7月14日)株式市場がオープンする前に、最近とみにニュース、ブログをにぎわしているゴールドマン・サックスが第二四半期の決算報告をします。アナリストの予測は、一株当たりの収益3.542ドル。サブプライムに端を発した金融危機を予測して一躍有名になった元オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニーが、唯一ゴールドマンに「買い」の評価を付けています。
私の株分析ブログにゴールドマンのチャートを出しましたので、よろしかったらご覧ください。去年の11月から続いていたチャンネル(青い2本の平行線)から4月に脱出したものの、150ドル近辺で抵抗にぶち当たっています。ここ1ヶ月のロウソクのフォーメーションはダブルボトムでこれはBullishなのですが、4月以降株価は上昇しているにもかかわらず取引量は減少、RSI、MACDも下降線と、いわゆる "negative divergence" を形成しているのではないかと思われます。
当のゴールドマンを筆頭にコンピューター・トレーディングが市場の過半数を占める今となっては、株価分析手法など何の意味もない、と言い捨てるプロも増えていますね。私はパターン認識が面白いので、意味がないと言われようとなんだろうと分析していますが、市場操作にもかかわらずパターンが浮上してくるということは、これはいわゆる "emergent behavior" なのではないか、と思っています。
Sunday, July 12, 2009
ゴールドマン・サックス続報2-違法トレーディング?
先週、左寄りのブログサイト、デイリー・コスが載せた記事です。デイリー・コスの記事はゼロヘッジなどのファイナンシャル・ブログとは違って左寄りの政治色がかなり前面に出ていて、おまけに個々の記事もあまりオーガナイズされていないので、私の通常フォローするサイトではありませんが、もしこの記事に書いてあることが事実なら、ゴールドマンの存亡がかかるくらい大変なことです。
"Incredibly Shrinking Liquidity" as Goldman Flushed Quant Trading (7/7/09 Daily Kos)
肝心なのは、筆者がデイリー・コスの他の人が書いた(らしい)ものを引用しているところです。
『GS(ゴールドマン・サックス)は政府の特別優遇の結果としてシステムへのアクセスを持っているため、トレードデータがコミットされる前に読むことができ、自社の売買オーダーをその短い瞬間に出すことが出来る。...もし本当なら、これはまったく違法で、まともな国ならゴールドマンはアーサー・アンダーセンと同じ運命を辿って然るべき...』
『ひょっとするとゴールドマン・サックスが行ったのはセキュリティ・アクセス・コードを使って、NYSEのトレード情報を前もって入手するシステムを構築したのかもしれない。この、ほんの一瞬の情報の優位性から得られる利益はおそらくとてつもないものだった可能性がある。一日あたり100万ドルといったような』
何がなんだか分からない向きには、これが原文です。
”Goldman Sachs may just possibly have used security access codes and built a system to acquire trading information PRIOR to transaction_commit time points at NYSE.
The profitability of this split-second information advantage would have been and could have been extraordinary. Observed yielding profits at $100,000,000 a day. ”
問題は2つあると思われます。1つ目、政府の特別優遇措置がゴールドマンだけになされていた可能性。2つ目、その優遇措置を利用(悪用?)して、NYSE(ニューヨーク株式市場)のトレードの”Front-running”(違法です)をゴールドマンがやっていた可能性。
デイリー・コスが言うとおり、(本当だとしたら)まともな国ならこれは大問題ですが、アメリカはまともな国であることをもう何年もやめているようです。新しい政権になっても、一向に変わる様子はなく、逆に一層不透明になりつつあります。まあ、本当だとしても、精々多少の罰金が科せられて終わり、といった、形式上の軽いお仕置き(”Slap on the wrist”)が関の山、と私は踏んでいますが。
Thursday, July 9, 2009
OT: オバマ大統領の目線の先は?
イタリアでのG-8サミットの写真です。オバマ大統領の目線の先には、バックシャンの女性のセクシーなヒップ。そんなオバマ大統領を面白がって見ているのはフランスのサルコジ大統領。
ところで、オバマ大統領とサルコジ大統領は、興味深い共通点があります。2人とも、成長過程で父親の存在が非常に希薄だったことです。このことが人格形成に大いに影響を及ぼした、という人もいます。(フランスの大統領は自分でそう言っていますね。)そういえば、父親が外国人だった、というのも共通点かな。
Wednesday, July 8, 2009
ゴールドマン続報-ゴールドマンの市場操作が焦点に
ゴールドマン・サックスの元社員がコンピュータートレーディングのコードを盗んだ疑いで逮捕されたニュースの続報です。
先駆けたロイター通信、ゼロヘッジに遅れを取った金融ニュースのメジャー、ブルームバーグニュース、7月6日付けで自社の記者による記事をサイトに出したところまではいいのですが、ゴールドマン・サックスによる市場操作そのものに焦点を集める結果になってしまったようです。
ブルームバーグの記事は、『Goldman Trading-Code Investment Put at Risk by Theft』(7月6日)ですが、問題の箇所は記事の4番目の段落、Assistant U.S. Attorney Joseph Faccipontiの発言です。
『ゴールドマン・サックスは、このプログラムの使い方を知っている誰かが、市場(複数)を不正に操作するのに使いかねない危険性がある、と指摘している。』
つまり、このプログラムはゴールドマン・サックスが市場を不正に操作するためのプログラムである、ということになってしまうわけです。
またも速かったのはゼロヘッジ。金アンチトラスト委員会(GATA)が証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)宛てに出した手紙を掲載しています。この手紙で、GATAはブルームバーグの記事の問題の箇所を引用し、
『Assistant U.S. attorneyの発言は、ゴールドマンサックスが自社の市場操作は公正で、他社が同じ操作を行うのは不正だ、と考えているとも取れる。ブルームバーグニュースの記事にもある裁判の行方は、ゴールドマンが取引を行うすべての市場に影響を与える。ゴールドマンのトレーディングプログラムを早急に調査し、結果を公表してもらいたい。』
と要求しています。
GATAが関係する市場はニューヨーク商品取引所(NYMEX)内の商品取引所、COMEXです。COMEXはアルミ、銅、金、銀を取引していますが、中でも特に金市場、銀市場は以前から市場の不法操作の噂が絶えないのです。COMEX金・銀市場の大手ディーラーは他ならぬゴールドマン・サックス。COMEX金・銀市場の大半は、ゴールドマンを含めた大手ディーラー数社(ゴールドマンの他には、J.P.モルガン・チェース、HSBC、ドイツ銀行などが大手です)が独占しているらしく、特に昨年の9月の株式市場急下落以来、米国連邦銀行および財務省の裏の指示で、大手ディーラーが金・銀の価格を不当に操作して下げている(つまり、金・銀を空売りしている)、という噂は、GATAのサイトにも頻繁に載ります。(これは一例)
先週の木曜日から3日間、米国市場は下げていますが、過去3ヶ月、どこからともなく入ってきて市場を急転させていた買いがばったり止まった様な感があります。「不当な非難」に対するゴールドマン・サックスの腹いせか、と私はひそかに思っていますが。
Tuesday, July 7, 2009
ゴールドマン・サックス元社員、機密漏洩で逮捕
ところで、ゴールドマン・サックス(元証券、今は一応銀行)の元社員が逮捕された話、ご存知ですか?
ニュースがアメリカでブレークしたのは(ひどい日本語ですね、我ながら)日曜だったと思いますが、今年の6月までゴールドマン・サックスでコンピュータートレーディング用のソフトウェアの開発をしていた社員(VPです)が、ソフトウェアのソースコードを盗み出そうとした容疑で、金曜日にFBIに逮捕された、というものです。最初に報道したのはロイター通信、ゴールドマン・サックスの株式市場操作をレポートし続けているゼロヘッジも直ちにポスト。
コードの一部はロシア人セルゲイ・アレイニコフ容疑者がすでに6月初旬の時点で、ドイツでホスティングされている、イギリス人が所有するサイトにアップロードされている(今もされたままらしい)とのことで、すでに1ヶ月、ゴールドマン・サックスがコンピュータートレーディングに使っていたコードが外部に漏れていたことになり、FBIの言では「国家の安全が侵された」などと、大層な話に発展しています。
しかし、ゼロヘッジが追及しているように、ゴールドマンのコンピュータートレーディング(Quant Trading) のニューヨーク株式市場に占める比率は非常に高く、3月に市場が底値を打って以来、連日低い取引高で株式指標が上がっていったのに疑問を持ったトレーダー、アナリストは結構いるのです。よく言えば株式市場をサポートする、悪く言えば市場を操作するゴールドマンのQuant市場独占を可能にしたのは、ほかならぬこのソフトウェア、ということで、企業秘密というだけでなく、実際FBIの言うように国家機密のレベルかも知れません。
コンピュータートレーディング、特に、High-Frequency Tradingと呼ばれるトレーディングは、ミリセコンド内に数百、数千のトレードを発するもので、特にこのトレーディングを株式指標のオプションや先物に使った場合、その波及効果は計り知れないほど大きくなります。ミリセコンドどころか、マイクロセコンド、ナノセコンドで取引可能なプログラムもある、と聞きました(噂だけかも知れませんが)。従来の取引に比べて取引の回数が天文学的に増えるため、実際の取引量が増えているような錯覚を与えますが、あくまで錯覚のようです。詳しくはゼロヘッジのサイトで山ほどある記事をお読みください。
Saturday, July 4, 2009
オバマ、一泊13,000ドルのモスクワ・リッツ・カールトンに滞在
ロシアのプラウダと言えば、1991年までソビエト連邦共産党の公式機関紙として知られていました。皮肉なことに、最近ではいわゆる西側のメディアよりも、プラウダ紙で自由市場経済を擁護する記事を見かけることが多いのです。
この記事などはその一例(オバマ体制の元で何の抵抗もなく社会主義(共産主義)に移行しているアメリカへの警告)ですが、7月3日付けで妙な記事が出ていました。
バラク・オバマ、一泊13,000ドルのモスクワ・リッツ・カールトンホテルに滞在か(7月3日、プラウダ)
記事の前半は米国のオバマ大統領がロシア訪問を前にロシアのメディアに対して行った会見の要約なのですが(プーチン首相は冷戦時代にまだ片足を突っ込んだままだ、とか的外れなことを言ってましたね。本人は両手両足突っ込んでるんじゃないかと私は思っていますが)、記者が興味を持って書いたのは明らかに後半、オバマ大統領がモスクワでどこのホテルに滞在するかの憶測です。プラウダの記者はスパイもどきに情報収集を行ったようで、結論は、過去の米国大統領が滞在したマリオット・グランド・ホテルではなく、リッツ・カールトンのプレジデンシャル・スイートだ、とのこと。一泊するだけで13,870ドル(日本円にして約133万円)が吹っ飛ぶ、大層な部屋だそうです。
疑うわけではないのですが、念のためにモスクワのマリオット・グランドホテルとリッツ・カールトンのオンライン予約で試してみました。(ヒマ人ですね、私は。)記事の通り、マリオット・グランドホテルのプレジデンシャル・スイートの予約はOKですが、リッツ・カールトンの予約ページは、「ご希望の日にち(7月5日から8日)に空き室はありません」というメッセージが出ます。
大統領の威厳が云々、安全保持が云々、いろいろあるのでしょうが、アメリカは1930年代の大恐慌以来の大不景気、新しい大統領の下で国家の赤字はますます拡大の一途を辿る始末。口先だけでいいから、大統領が率先して経費削減に努める、ホテルの費用も余計な贅沢はしない、とでも言えないんでしょうか?
まあ、大統領夫人が540ドル(約5万1800円)のスニーカーを履いてフード・バンクのイベントに行くのですから、そんな気配りや気遣いは皆無と見ていいでしょう。アフガニスタンで摂氏40度の炎天下3日ぶっ続けの強行軍で歩き続けているアメリカ海兵隊の兵士たちも、なんだか報われませんね。
私の下世話な興味は、大統領がアメリカを代表していったいどんな贈り物をロシアの大統領、首相にするんでしょうか、ぐらいですね。アメリカを公式訪問したイギリスの首相には、イギリスの方式では見れないハリウッドの映画DVDセット、大統領自身がイギリスを訪問したときには、自分の演説を入れた iポッドを女王陛下に。イギリス人は怒ってましたね。
(毎日の暮らしに苦労している私の愚痴です。すいません。)
