Wednesday, August 12, 2009

シティバンク、中国の債券市場のマーケット・メーカーに

最近、英国のメディアだけでなくアメリカの新聞等でも、中国のクレジット市場の加熱ぶりを危惧する記事が増えてきました。昨年12月来、中国政府の経済刺激政策による容易なクレジット(ローン)が実質経済に行かず、不動産、株式、商品先物などの投機に回っていることに対する危惧、つまりバブル化に対する危惧なのですが、そこはバブルに年季の入ったアメリカの金融機関の出番でしょう。ということで…

ウォール・ストリート・ジャーナル紙に明日付けで掲載される記事です。

中国、シティをマーケット・メーカーとして承認 
(8月13日 ウォールストリート・ジャーナル)

『上海発--シティグループの中国現地法人、シティバンク(チャイナ)は、中国国内の銀行間の債券取引市場のマーケット・メーカーとして機能するための政府からの許可を得た、と発表した。中国の債券市場はアジアでは日本に次ぐ規模で、そこでの2番目の外国金融機関のマーケット・メーカーとなるわけである。

『より経験のある海外の投資機関に中国の債券市場での債券の取引を許可することは、今までよりも効率的な価格設定メカニズムを構築する一助となると思われる。また、この動きは国内の債券市場における外銀の役割が拡大していることを示している。中国政府は今年の初め、上海と香港の市場で、外国金融機関の現地法人が中国人民元建ての債券を売る許可を出した。シティバンク(チャイナ)の承認以前、国内の銀行間債券市場のマーケット・メーカーは20社、この中には、中国で初めてマーケット・メーカーとして承認された外銀、J.P.モルガン・チェースの現地法人も含まれている。

『シティバンク(チャイナ)は銀行間の外国為替市場のマーケット・メーカーでもある。』

ちなみに、マーケット・メーカーと言うのは、日本の「仕手」とはちょっと意味が違うようですね。これは英語での定義です。(Wikipedia.org)

”A market maker is a company that quotes both a buy and a sell price in a financial instrument or commodity, hoping to make a profit on the bid/offer spread, or turn.

”In the United States, the New York Stock Exchange (NYSE) and American Stock Exchange (AMEX), among others, have a single exchange member, formerly known as specialists, and now as Designated Market Makers, who acts as the official market maker for a given security. In return for a) providing a required amount of liquidity to the security's market, b) taking the other side of trades when there are short-term buy-and-sell-side imbalances in customer orders, and c) attempting to prevent excess volatility, the specialist is granted various informational and trade execution advantages.”

ともあれ、いったんシティ、JPモルガン・チェースなどの米国金融機関を入れたら(特に債券市場に入れたら)、どういうことになるか、中国政府はよく理解していないのでは?

アメリカに端を発した今回の金融バブル崩壊のきっかけは、これら金融機関(ゴールドマン、モルガン・スタンレー、今は無きリーマン・ブラザーズ、ベアー・スターンズ、カントリーワイド、メリルリンチ、無きに等しいAIGを忘れてはいけませんね)が債券市場で「新しい」債券、つまり、不動産負債、クレジットカード負債などから「新しい」債券(MBS, ABS, CDO) を商品化して全世界に売り出したのが元です。

まあ、余計な世話ですね。日本でも、バブル再来を20年来夢見ている友人がいます。

中国上場企業の株式のダブル・ショートETFのシンボルは、FXP。過去1年の最高値は一株183ドル、今日の終値は10ドルを切りました。私は5ドルぐらいまでは下がる、と思っています。(逆に言えば、中国市場が(バブルのおかげで)ここから更に25%上昇するかもしれない、ということです。)手をつけたいのをまだじっと我慢。

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