Monday, February 27, 2012

BBCドキュメンタリー「メルトダウンの内側(Inside the Meltdown)」

2012年2月23日に放送された英BBCのドキュメンタリーは、福島第1原発事故の初期のビデオが使われています。

管首相をやたらに持ち上げているのはいまいましい限りですが、事故初期のビデオなど見る機会はめったにないので、必見。(但し、英テレグラフ紙の評は、どこまでが当時のビデオでどこまでがドキュメンタリー用に新たに制作したのか、はっきりしない、とは言っています。)

私が驚いたのは、東京消防庁の隊員がホースをつなげて放水を行う作業をしている様子。そういえば消防車で放水していたなあ、とは覚えていますが、ホースを必死につなげていたのが真っ暗な夜で、しかも空間線量毎時100ミリシーベルトの環境で1時間かけてつないでいた、などとは知りませんでした。



全部の長さは約1時間。このリンクがいつまで持つかは不明ですが、画像だけでもご覧ください。日本人へのインタビューは吹き替えではなく字幕なので、何を言っているのかはちゃんと分かります。フルスクリーンがお勧め。



しかし驚いた。BBCは津波が引いた直後の原発を上空から撮影したビデオまで持っている。どこから手に入れたのだろう?

Youtubeリンク: http://youtu.be/IwBELPtVUCA

警戒地域から避難した子供たちが語る日常をつづったBBCのドキュメンタリー、「津波の子供たち」もお見逃しなく。こちらです。

11 comments:

  1. >BBCは津波が引いた直後の原発を上空から撮影したビデオまで持っている。どこから手に入れたのだろう?

    日本で(だけ?)公開されていない。
    番組後半のヘリの放水はチェルノブイリ事故でも行われたもので、日本のメディアが批判したような「パフォーマンス」だったわけではありません。日本には四半世紀前の事故対策マニュアルしかなかったというだけで。

    ReplyDelete
  2. ヘリの放水の画像だけは海外に広く報道され(日本政府から)、それを見た人々は恐怖してました。アメリカの政府高官もあれを見て心底恐怖していた、と、政府に強力なコネがあるジャーナリストから直接聞きました。

    ReplyDelete
  3. 菅直人が行くシーンを大々的に取り扱ってますけど、彼が行く間もリーダーが抜けて仕事が滞り意思決定が遅れて、事態が悪化したでしょうね。そこに触れないのは、変な違和感を感じます。

    バッテリーの大きさとかを気にしてたんですよ(笑)?

    ReplyDelete
  4. 100mSv/h とは知らなかった。当時TVはよく見ていたけれど、ハイパーレスキュー隊の活動への賛辞とアラーム鳴りっぱなしの状況に目を奪われ、空間線量まで意識が回らなかったのかも。
    この防護服は放射線防護の機能がある特注品でしょうか? ハイパーレスキュー隊だからそうである気もするし、作業の支障になるからそうでない気もします。

    実はこの映像が私を「変えた」のです。
    時系列で言うと①保安院職員が現場へ行き、作業員はごろ寝している等の報告記者会見をした②ハイパーレスキュー隊の作業がTVで公開された③作業員は一人一つの線量計を持たずに作業していたことが報道された、ということが一週間くらいの間にあったのですよ。

    でも線量計がいくつ使えるのかなんて、事故当日には分かることだし、わざわざ保安院の職員が行ったのにその際は報道されなかった。
    保安院の職員って何しに行ったんだ? 作業員の生活環境が重要でないとは言わないが、線量計の問題は保安院が職務上把握しておくべきことだ。ごろ寝でしたとか、何食べてました、だから大変ですなんて「小学生のマメ記者」でも報告出来ることだよ。
    それで、あ~こいつら、作業員を人間扱いしてないな、と確信した。
    で、私は「変わった」

    ReplyDelete
    Replies
    1. BBCのナレーション部分にも面白い(と言っては不謹慎でしょうが)部分があり、要約して出そうと思いますが、その中に、3号機の爆発後線量が1000ミリシーベルト(1シーベルト)に跳ね上がった、というのがありました。ハイパーレスキュー隊の服は通常の消火作業の服にしか見えませんね。

      初期の保安院の会見は私も見ていました。その1つで、「作業員達は雑魚寝で毎日缶詰のような保存食を1日2食食べている」と言うようなことを言った後で、「でもまあこのような問題は原則的に東電の問題ですから、私ども(政府)としては何もする予定はありません」。これには驚きました。こんなときこそ政府が率先して行動しなくてどうするんだ、と思いましたが、それを聞いていた記者団からの追求はありませんでした。

      Delete
  5. ハイパーレスキュー隊の隊員さんに、大阪の自宅に戻って数ヶ月後に亡くなった方がいらっしゃるという話を聞きました。

    ReplyDelete
  6. ビデオのアップありがとうございました。感想ですが

    管元首相を持ち上げている点で、民間事故調の作るストーリーを補完している気がしました。この調査委員会はアメリカが大きく関与しています。

    これはアメリカとイギリスが結託し、悪者を一部の保安員などの官僚に押しつけ、危機管理を強化すれば大丈夫と結論付け、日本の原子力発電を継続させるために作ったのではと直感的に思いました。事故の原因は地震ではなく津波となっています。

    ReplyDelete
  7. 国会の事故調に呼ばれた米NRCの元委員長が、べントは電力会社が決めることで、大統領が決めることではない、とコメントしてますね。
    電源やら線量計やら、そもそも東電や保安院(や文科省)が手配してしかるべきもの。規模の小さな事故だったら、後でその不作為をきびしく追及されていたはずです。

    東電や保安院その他は、意図的に事故の収束を遅らせる「時間稼ぎ」をしてきたのではありますまいか?

    ReplyDelete
  8. Good documentary but still half truths and talking in the past tense as if things are over now, these reactors are still in a bad situation a fuel pool could collapse any day if there is a big quake..... its nowhere near over yet... and the UK and France signed up for more new reactors recently ! the BBC are pro nuke for sure..

    ReplyDelete
  9. はじめまして。
    動画のご紹介、ありがとうございました。
    僕のブログでも、このBBCのドキュメンタリーを紹介させていただきました。
    日本より。

    2012年3月2日。
    震災の犠牲者、関係者の方々、そして被災地の復興を祈りつつ。

    ReplyDelete
  10. 「津波が引いた直後の原発を上空から撮影したビデオ」は、国土交通省東北地方整備局が公開した、防災ヘリコプター「みちのく号」撮影のものだと思います。時事がYouTubeで公開していますのでご確認ください http://www.youtube.com/watch?v=rBgEnmaWxa8

    ReplyDelete