時速70キロを超す大風が吹いて大きな木が何本もなぎ倒され、この辺は丸1日半停電。電気がやっと復旧したと思ったら、今度はネットに接続するためのDSL線がダウン。
予備の、ダイアルアップの回線で何とかネットには復活しましたが、グラフィックスのあるサイトはほとんど見れず、ツイッターなどはサイトにつながりもしません。
ということで、DSLが復旧するまで、新たなポストはしばらくお待ちください。
Friday, December 2, 2011
OT: 大風で電気とDSLがダウン
Tuesday, November 29, 2011
福島県伊達市職員: 「住民は被害者意識が強く、除染に協力しない」
怒れ伊達市民!
読売新聞福島地方版11月27日付け記事:
東京電力福島第一原発事故を受け、国際放射線防護委員会(ICRP)の委員らが26日、県庁を訪れ、自治体の担当者らと意見交換した。
放射線防護の専門家であるICRP委員が直接、県内の現状を聞いて除染や健康管理などの面で助言し、復興に役立てるのがねらい。
ICRP第4委員会のジャック・ロシャール委員長や丹羽太貫・京都大名誉教授のほか、チェルノブイリ原発に近いベラルーシやフランス、ノルウェーの研究者らも出席。自治体や県立医大の担当者らが、それぞれ福島の現状について発表した。伊達市の職員は、「住民に除染方法を説明しても『東電がやるべきだ』と被害者意識が強く、なかなか協力が得られない」などと実情を説明した。
意見交換会は27日も行われ、ICRPの委員らが、土壌改良や住民の健康管理などチェルノブイリ原発事故で得た経験を披露し、福島第一原発事故での放射線防護について助言などを行う。
被害者意識もなにも、被害者なんですが?年間被曝限度が50ミリシーベルトに設定されるような「除染」作業をやらない、と職員に非難されるいわれはないと思いますが?
高線量地域が多い伊達市の除染風景は昨日のポストにもお出ししました。それと、まだご覧になっていない方、伊達市の果樹園の除染風景も英語ブログに出してあります。作業を行わされる農家の方の被曝の危険ばかりか、あのように木の表皮を吹き飛ばすような高圧洗浄は木を殺しかねません。
上の読売記事で、あれ、と思ったのはもう一つ。会合に参加された京大名誉教授の丹羽太貫さん。変わった名前なので、記憶を手繰ったら、そうでしたそうでした、今年の夏に、京都の五山の送り火で陸前高田市の放射性のまき(キロ当たり1130ベクレルの放射性セシウム)を燃やすことに反対した京都市民をこき下ろした「専門家」のお一人でした。
「仮に表皮を1キロ食べ、全て体に吸収されたとしても取るに足らない線量」と指摘した上で、「意味のないクリーンさを求めた今回の判断は被災地の方々の気持ちを踏みにじるものだ」
(この言葉を伝えた毎日新聞の記事のリンクは既に消えていますが、英語ブログポストに当該部分のコピーがあります。)
ちなみに、丹羽さんの現在は、「バイオメディックス」という、「癌や症状の重い自己免疫疾患の治療薬を研究開発するバイオ医薬品企業」の社長さんでいらっしゃいます。
なんだか、地震と津波で壊れたのは原発だけではなく、国の屋台骨が壊れましたね。(それとも、壊れていることがばれ始めた、と言うほうが当たっているのか。)
Monday, November 28, 2011
伊達市霊山町下小国地区の除染(11月13日): 「汚染土が増えたから除染が進んだ実感」
もっと早く出すはずのポストでしたが、出し忘れ、今日になって、伊達市での新たな基準超えセシウム米のニュースを見て思い出しました。
去る11月13日に細野環境・原発大臣が福島県伊達市で除染の真似事をした報道記事を覚えてらっしゃる方もおられるかと思いますが、その折のものと思われるビデオがあります。
この除染が行われた場所は、伊達市霊山町下小国地区(旧小国村)。コメから国の暫定基準を超える1キロあたり580ベクレルと780ベクレルの放射性セシウムが検出されたのは、同じ伊達市旧小国村です。(ニュースでは、上小国なのか、下小国なのかの言及はありませんでした。)
作業前、細野大臣到着前に、元内閣原子力委員会委員長代理でNPO放射線安全フォーラムの田中俊一氏が、ボランティアの人たちに作業場の注意を与えます。
『住民の方はそんな格好してませんので。環境省、厚労省はマスクとか言ってますが、まあ、その辺は皆さんでよろしくご判断ください。』
細野大臣、『ボランティアの方々が除染の先輩。環境省のメンバーもしっかり皆さんの作業を見させていただく』(真ん中過ぎ頃)
そして、作業後。『除染が進んだなあと実感しますのは、廃棄物が増えたなあ、ということで』、と関係者の弁。核廃棄物の土嚢が増えたことが除染。
『マスクはまあ適当に、ボランティアの皆さんが除染の先輩。』そんな皆さんの被曝限度は、国の決定で年間50ミリシーベルトという、福島事故前の原発作業員のレベル。しかも、原発作業員とは違って、放射線管理もろくに行われず、保険もなく、労災もなく(なにせボランティアですから)、交通費、食費、すべて自前。(詳しくは、10月28日付けの私のポストをどうぞ。)国は金が掛からなくて大喜びでしょう。
Saturday, November 26, 2011
【記録】 3月11日夜、保安院は詳細なSPEEDIシミュレーションデータを基に避難区域を設定する直前だった
そこへ、首相官邸からの「同心円」避難区域設定が出され、保安院はその非現実さを十分承知しながら官邸の指示の追認に回った、というのが、朝日新聞「プロメテウスの罠」から読み取れる結論です。
「プロメテウスの罠」の連載記事は、朝日新聞が著作権とやらを行使して記事をまとめたブログポストなどを取り下げさせているとのことですが、「第2弾-研究者の辞表」、まだお読みでない方、まとめてお読みになれます。
ここです。
中でも非常に興味深かったのは、浪江町赤宇木の高線量を文科省が実測以前に掴んでいたこと。SPEEDIによる単位放出シミュレーションで高線量の地点をすでに把握していた文科省が、3月15日に現地対策本部の省員に指示を出して実際に測定に行かせていたのです。しかし、330マイクロシーベルト時、というとんでもない線量が計測される中、人々はそのときも、その後も、何も知らされることなく、浪江町にはその後も人々が住み続けていました。
研究者の辞表(11)ピンポイントの指示
放射線衛生学の研究者、木村真三(44)らが福島に入った3月15日は、朝6時すぎに福島第一原発の2号機が破損、大量の放射性物質が放出されていた。
原発から5キロの場所には11日夜に国の現地対策本部ができていた。しかし14日夜には2号機の状態を懸念して撤退方針を決める。同日夜から撤退を始め、15日午後には原発から60キロ離れた福島県庁に退いた。
撤退組の一人、渡辺眞樹男(57)は福島県庁に移った後の15日夜に指示を受けた。「大変な事態になっている。測定に行ってくれ」
渡辺は文部科学省茨城原子力安全管理事務所から応援に来ていた。指示された場所は浪江町山間部の3カ所。ピンポイントだった。神奈川北原子力事務所の車 で現地に行き、午後9時ごろ放射線量を測る。数値を見て驚いた。3カ所とも高く、特に赤宇木(あこうぎ)は毎時330マイクロシーベルト。
「いやもう、信じられなかった」と渡辺は振り返る。すぐ報告しようとしたが、携帯はつながらない。雨模様だったので衛星携帯も使えなかった。急いで川俣町の山木屋まで戻り、公衆電話から報告をした。戻る途中、点々と人家の明かりが見えた。まだ大勢の人が残っていた。
「とにかく住民の方々に被曝(ひばく)をしてほしくなかった。線量が高いと報告し、早くこの線量を発表してください、とお願いをしました」
実はこのとき渡辺は防護服を着ていなかった。県庁への撤退が慌ただしかったため、防護服の類は現地本部に放棄していたからだ。
「不思議と自分のことは考えていないですよね。こんな時だからこそやらなきゃいけない、と」
必死の思いで渡辺が伝えた数値は、しかし住民避難に使われはしなかった。文科省は16日にその数値を発表したが、地区名は伏せたまま。浪江町に知らせる こともなかった。町は危険を認識せず、一帯に残る住民に伝えることもなかった。なにより官房長官は「直ちに人体に影響を与えるような数値ではない」と会見 で述べていた。
それにしても、なぜ対策本部は高線量の場所をピンポイントで知っていたのか。渡辺は言う。「ポイントをどなたが決めて指示されたのか、私もいまだに分かりません」
元をたどると、指示は文科の本省だった。根拠に使われたのはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)。同省は汚染の概要をつかんでいた。(依光隆明)
*2011.10.27朝日新聞朝刊
さらにもっと興味深いのは、文科省が単位放出のSPEEDIによるシミュレーション計算を持っていたのと同時に、経済産業省の原子力安全・保安院も、3月11日の時点で独自により詳細で正確なSPEEDIによるシミュレーション計算を依頼し、汚染の把握と避難区域の早急な設定を進めていた、という事実です。
避難区域の設定の勧告を出そうと全力を挙げている只中に、首相官邸が今や悪名高き同心円の避難区域を発表し、首相が言うんだから官僚としてはそれの追認しか行わない、といかにも官僚らしい反応で保安院は作業を中止したらしい、とのこと。
ど素人の官邸(管首相)の案に諾々と従う官僚をもった国の災難といえばそれまでですが、官僚を敵に回したど素人の首相を持った国の災難、とも言ってもいいでしょう。
研究者の辞表(12)いきなり同心円避難
3月15日、毎時330マイクロシーベルトの値が出る場所を、なぜピンポイントで指示できたのか。(=依光隆明朝日新聞記者)
東京・霞が関の文部科学省。時に身ぶり手ぶりを交えながら、科学技術・学術政策局次長の渡辺格(いたる)さん(53歳)説明する。「実は、単位放出のSPEEDIを使いました」。
SPEEDI(スピーディ)とは、放射能の影響を予測するシステムのことだ。放出された放射性物質がどう広がるのか。風向きや風速、地形を計算し、飛ぶ範囲を予測する。
放射性物質は同心円状には広がらず、汚染エリアは複数の突起を形成する。そのエリアをSPEEDIで予測し、迅速に住民を避難させなければならない。それが原子力防災の基本中の基本とされている。
予測の基(もと)になるのは、原発からの放出源情報だ。ところが今回の事故ではそれが入手できなかった。
しかし、そういう事態でも仮の値を入力することで予測ができる。それが、1時間に1ベクレル放出したと仮定する「単位放出」で計算するやり方。渡辺さんはその手法で正確に高汚染地域を把握していた。
渡辺さんが特殊な手法を用いたわけではない。原子力安全委員会が定めた指針では、事故発生直後は放出量を正確に把握することが難しいため、単位放出または事前に設定した値で計算するとある。そうして計算した予測図形をもとに、監視を強化する方位や場所を割り出していく。
「単位放出で情報を流す、という点ではマニュアル通りでした。放出量が分からないときに単位放出を各関係者に配るというのがマニュアルになっていましたから」。
マ ニュアルによると、配る先は一部の省庁と原子力安全委員会、福島県、そして現地対策本部。「実際に避難範囲を決める場合、SPEEDIを使ったのかどうか は文部科学省では分かりません。避難範囲を決めたのは文科省では無く、原子力対策本部ですから。今回は本来の使い方はされず、いきなり同心円状で避難の指 示がなされた」。
マニュアルでは文科省は情報を出すだけで、それを使って避難指示を出すのは原子力災害対策本部、つまり官邸だ。
しかし、首相の管直人も、経済産業大臣の海江田万里も、官房長官の枝野幸男もSPEEDIを知らなかったと主張する。特に海江田と枝野は20日過ぎまで知らなかったと国会答弁している。いったいどうなっていたのか。
研究者の辞表(13)送られなかった167枚
SPEEDIの予測データはどう流れたのだろうか。(=上地兼太郎朝日新聞記者)
震災から約4時間後の3月11日午後7時3分、国は原子力緊急事態宣言を出す。首相官邸に原子力災害対策本部ができた。
経済産業省の原子力安全・保安院は、対策本部の事務局を担う一方、同省別館3階に緊急時対応センター(ERC)を立ち上げた。他省庁からも人がかき集められた。
SPEEDIの予測は本来、文部科学省が原子力安全技術センターを使って1時間ごとに行う。出来た予測図は保安院にも送られるが、保安院は独自の予測も出そうとした。それに向け、同日夜には同センターのオペレーターをERCに入れた。
保安院が独自で行った1回目のSPEEDI予測は午後9時12分に出た。翌12日午前3時半に福島第一原発2号機でベント(排気)をした場合、放射性物質はどう拡散するかという予測だ。放射性物質は南東の太平洋へ飛ぶ結果が出た。
12日午前1時12分に2回目の予測。今度は同時刻に1号機のベントを仮定した。これも海へ拡散していた。保安院は16日までに45回173枚の独自予測をはじき出した。
保安院の予測の特徴は、様々な情報を集めて放射性物質の放出量を推測したことだ。放出量を1ベクレルと仮定した文部科学省に比べ、予測の精度は高かった。
官邸の地下には、各省実働部隊が詰めるオペレーションルームがある。保安院は課長補佐以下の職員数人をそこに出していた。保安院から予測図を受け取る専用端末も備(そな)えられていた。
官邸5階には首相の管直人ら災害対策本部の中枢が陣取っている。避難区域を決めたのはこの中枢であり、その決定にはSPEEDIの情報を参考にすることになっている。ということは、予測図は専用端末を経て5階まで運ばれていなければならなかった。しかし・・・。
オペレーションルームの専用端末に送られたのは1,2回目の予測図だけ。保安院が独自で行ったSPEEDI予測のうち、43回167枚はERC内で止まっていた。
しかもプリントアウトして内閣官房の職員に渡したのは2回目の分だけだった。2回目の予測図はA4判で計3枚だが、そのうち何枚を渡したか、渡した後どうなったかも保安院は確認を取っていない。何故(なぜ)こんなことになったのか。
研究者の辞表(14)二つの<やらねば>
商業用原子炉の規制、監督をつかさどるのは原子力安全・保安院だ。今回の事故でも、保安院の動きは最大の焦点だった。(=上地兼太郎朝日新聞記者)
事故当時を知る幹部や現場職員に話を聴きたいと何度も依頼した。もちろん保安院には出向いて話を聞いた。関係者の自宅にも何度か手紙を出し、ときには玄関まで足を運んだ。
保安院の広報は「職員個人への取材はご遠慮いただきたい」と言ったが、当事者から聞かねば分からない事もある。保安院は「担当課から答えさせる」と強調しながら、その答えは常に要領を得なかった。
保安院はすでに民間人となった幹部OBへの取材も規制した。「事故当時のことはすべて担当課が答える」という理屈だった。
そんな中、事実の断片を積み上げながらSPEEDIをめぐる経緯を知ろうとした。匿名(とくめい)を条件に明かしてもらったこともある。
以下、今の時点で最も事実に近いと思われる経過はこうだ。
3月11日午後7時過ぎ。官邸に原子力災害対策本部ができた時、原発から5キロの場所に現地対策本部が作られた。原子力防災マニュアルでは現地本部が対策の中心だ。SPEEDIを使って住民の避難区域案を作るのもここの役割だった。
しかし現地本部は地震の揺れで通信回線が途絶していた。要員の集まりも悪い。とうてい、避難区域を検討できる状態ではなかった。
現地本部が機能しない場合、避難区域を考えるのはどこか。意図しないまま、保安院と官邸で重大な勘違いが生じていた。
東京・霞が関。経済産業省別館3階にある保安院の緊急時対応センター(ERC)は、避難区域の案を作るのは自分たちしかいないと確信していた。官邸に置かれた対策本部の事務局は保安院であり、その中核がERCだからだ。
放射線班が避難区域案作りを担当し、原子力安全技術センターに注文してSPEEDIの予測図をはじきだそうとした。住民の避難には放射性物質の拡散予測が欠かせない。班員らは必死だった。
一方、官邸5階に陣取る対策本部の中枢は違う考えを持っていた。現地が機能しなくなった以上、自分たちが避難区域を決めるほかない。官邸中枢はERCの存在を認識できないほどあせり、混乱していた。
時刻は11日の夜9時前後。ERCと官邸で、別々に避難案づくりが進んでいた。(=続く)
研究者の辞表(15)官邸独断 室内は騒然
事実に近いと思われることをさらに続ける。(=上地兼太郎朝日新聞記者)
3月11日午後9時12分、経済産業省別館にある原子力安全・保安院のERC(緊急時対応センター)は、独自に注文した1回目のSPEEDI(スピーディ)予測図を受け取った。
SPEEDIは放射性物質の拡散を最大79時間先まで予測できる。その能力をフルに使って将来の拡散範囲を予想し、危険地域にいる住民を避難させなければならない。
放出された放射性物質は風に流されるため同心円状には広がらないのが常識だ。何時間後、何処(どこ)に汚染が広がるか。ERCはSPEEDIの予測を続けて汚染区域を見極めようとした。ところが・・・。
その矢先の午後9時23分。原子力災害対策本部長の管直人は同心円状の避難指示を発する。原発から3キロ圏内の住民は避難、10キロ圏内の住民に屋内退避、という内容だった。
対策本部の事務局は保安院が担当し、その中核はERCだ。そこには全く連絡が無いまま、いきなり結論だけが下(お)りてきた。官邸中枢が独自の判断で決めたのだ。
避難区域の案を作っている最中に、一体どうしたことか。ERCは驚き、室内は騒然とした。官邸中枢が避難区域を決めてしまった以上、自分たちに役割はない。そう即断し、この段階でERCは避難区域案づくりをやめてしまう。
官邸中枢が発した避難指示は12日午前5時44分に原発から10キロ、同日午後6時25分に20キロと広がっていった。いずれも同心円状だった。
ERCは16日までに45回もSPEEDIの計算を繰り返すが、それは避難区域を決めるためではなく、官邸中枢が決めた避難区域について検証するためだった。
同心円状に広がらないのは原子力防災の常識なのに、同心円状に避難指示が出る。そのおかしさを感じながらERCはそれを追認した。発せられた避難指示を否定する根拠がない以上、追認が妥当と考えた。
その後、政府はこう強調した。放出された放射能量が不明だったのでSPEEDI予測はそもそも役に立たなかったのだ、と。ERCがSPEEDIを使って避難区域案を作ろうとしていたことは伏せられた。
同心円状の避難指示で最も矛盾が生じたのは、20キロ圏外にある放射線量の高い地域だった。SPEEDIの予測図では20キロ圏をはるかに超え、北西方向に高線量地域が伸びていた。
このほかにももう一つ、3月11日から東電が独自に出していたシミュレーションもありました。このシミュレーションは経済産業大臣、福島県知事と、大熊町、双葉町の町長にファックスされていました。
英語の使い古した言い回し(Cliche)では、
... and the rest is history...
とでも言うのでしょうが、まったく残念な歴史となりました。管首相は嘘をついたんですね。SPEEDIに関して。罪のない嘘、White Lieでは済まないでしょうね、これは。
日本の皆さん、もう起きてしまったことはしょうがない、などとはゆめゆめお考えにならず、ここは何としてでも責任を追及してください。また同じことが、別の事故でも必ず起こります。
Friday, November 25, 2011
(メモ)福島県の高汚染米、土壌説と落ち葉説 (どちらもはずれか)
福島市大波地区(旧小国村)のキロ当たり630ベクレルセシウムの米の判明は11月16日でしたが、その後、先の二本松市での500ベクレル米の検出と合わせて、なぜこの2箇所が、という記事がいくつか出ました。記録に、そのうちの一つをコピーしておきます。
実はこの2箇所どころの騒ぎではなく、大波地区の5農家の玄米からは暫定基準を大幅に超えるセシウムが検出され、しかも県と市は見て見ぬ振りを続けてきた可能性があることは昨日のブログにもお出ししました。
下の記事は今回の5農家からの検出以前、11月21日時点での記事です。福島県は土壌のせいにし、東大の研究者の方は山の広葉樹の落ち葉だ、とおっしゃる。そうなのかも知れませんが、昨日のブログのポストでもお分かりのように、広葉樹が落ち葉になって腐る夏以前から、大波地区の農家の方々は土壌が高度に汚染されていることを知っており、また県も市も知っていたらしいことから、一番の原因は福島第1原発から放出された放射性物質がおそらく公表されているより多い量で広範囲にわたること、そして2番目の原因は、その調査を避けて通った県と市でしょう。
河北新報11月21日付け記事:
福島県二本松市の水田1カ所で栽培されたコメから9月、周辺より特に高い1キログラム当たり500ベクレル(国の暫定基準値と同数値)の放射性セシウムが検出された問題で、この水田のイネは、通常とは逆に、穂に近い新しい葉ほどセシウムの濃度が高かったことが東京大の根本圭介教授(栽培学)の研究で20日までに分かった。
新しい葉は7月末~8月の夏場に育ったもので、高濃度のセシウムが付着した裏山の落ち葉が、夏の暑い時期に腐食が進んで分解され、水に溶けて田んぼに流れ込んだと根本教授は推測している。
これまでの福島県の調査などでは、放射性物質を吸着しにくい砂に近い土壌が原因と考えられていたが、新たに「落ち葉原因説」が浮かび上がった形だ。
根本教授は、この水田のイネの葉や茎を詳細に調査。葉に含まれる放射性セシウムは、穂に近い一番上の葉が最も高く、下の葉になるほど数値が低かった。一番上の葉は、数値が最も低い葉の約3倍の濃度だった。茎でもほぼ同様の結果だった。通常は、後から育った上の葉ほど数値が低くなる傾向があるという。
福島県によると、この水田は裏山が迫る地形で原発事故発生時、広葉樹の落ち葉が山一面に積もっていた。今月、1キログラム当たり630ベクレルの放射性セシウムが検出された福島市大波地区の水田も似た地形とされる。根本教授は「詳しく調べる必要がある」と話している。
500ベクレルが検出された二本松市の水田を所有する男性は「豊富な栄養を含んだ山の水が流れ込むのがこの田のいいところだったが、落ち葉が原因とすれば裏目に出た形だ」と話した。
東大の根本教授によると、新しい葉ほど放射性セシウムの濃度が高く、通常とは逆だった、とおっしゃっていますが、飯舘村の土で稲の栽培実験をなさった石川県金沢大学の田崎和江名誉教授によると、5万ベクレルの汚染土で作った稲の可食部、稲穂の部分がもっとも高放射能だった、ということです。(セシウム137の測定で籾米(もみごめ)から2600ベクレル、わら2200ベクレル、根1500ベクレル)
田崎教授の実験によれば、セシウム汚染落ち葉などなくとも稲の一番上の部分が一番高汚染になっていますね。さて、次なる説はいったいなんでしょうか。楽しみです。(皮肉)
大波地区より更に汚染されている可能性もある旧緊急避難準備区域(9月30日に解除)では、一部で既に田起こしが行われ、汚染土壌を混ぜてしまいました。農水省は静観、という馬鹿なニュースも先日リンクしましたが、国、県、市町村がしっかり情報を出さない限り、作る気がなくても汚染米を作ってしまう農家がまた来年もでる可能性が。そしてまた、どこかの大学や研究機関の教授が、原因究明を行い、有名人が福島の米を買わない消費者を叱るのでしょう。
Thursday, November 24, 2011
東京都の宮城県女川町からのがれき受け入れ:女川町からの「別紙」資料を読むと...
民間焼却施設での焼却の可能性あり、焼却灰をエコセメント材料として使用の可能性あり。
また、民間焼却施設のスペックを見ると、岩手のがれき処理を行う業者を「公募」したときの条件と同じです。
産業廃棄物処分業の許可業者
処理能力100t/日以上
バグフィルター及び湿式排ガス処理装置又は活性炭等吹込装置あり
処分業者名は選定前に区市町村に情報提供、選定時に公表
2番目の条件を満たすのは、ただ一社。例の東電の子会社、東京臨海リサイクルパワーです。
東京都環境局の報道資料に添付してある、女川町からの「別紙」は以下の通り。
1日100トン以上の焼却焼却処理能力を持つ民間業者はもう一つあるのですが(品川区のシンシア)、詳細を見ると、130トンの処理能力の半分の65トンは「廃油(揮発性、灯油類、軽油類)、廃アルカリ(PHが12.5以上のもの)、感染性廃棄物、特定有害(ダイオキシン類を含む)」が許可能力。通常の可燃性の産業廃棄物の処理能力は65トンに過ぎません。つまり、可燃性廃棄物を一日100トン以上焼却できるのは、東電の子会社のみ。
くれぐれもお忘れなく、都民の皆さん。岩手よりもより放射能汚染されている宮城のがれきを燃やすのは、23区と多摩地域の清掃工場ですよ。都内の一般ごみ、あるいは一般産業廃棄物を焼却している、同じ清掃工場です。
東京都、宮城県女川町のがれきを23区と多摩地域の清掃工場で焼却予定
11月15日付けのブログで、私はこう書きました:
『もう一点は、なぜ特別区の区長の集まりを通すのか?宮古市のがれき処理では、都が業者4社を公募、その業者が可燃ごみを焼却する業者として「自主的」に(1つしかない選択肢から)選んだのが東電の子会社の東京臨海リサイクルパワーでした。女川町のがれき受け入れについて23区の区長に諮っている、ということは、まさか23区に送られて区の一般ごみまたは産業廃棄物焼却炉で焼却させるつもりでは、と勘ぐってしまいます。』
勘ぐりではありませんでした。我ながら優れた洞察。(って、だれでも脳細胞を使えば分かるか。ああすいません、どうも皮肉な気分なもので。)
実際、東京都は来月上旬から女川町の放射能を含むがれきを受け入れ、それを23区、多摩地域の自治体の清掃工場で焼却し、東京湾に埋め立てるのだそうです。
NHKかぶんさんのツイート:
【明日に向けて・1】宮城県女川町のがれき10万トンを東京23区と多摩地域の自治体が来月上旬から再来年3月にかけて都内に運び込んでおよそ10万トンを処理する ことになりました。各自治体が運営する清掃工場で焼却処理したあと、出た灰は東京港にある都の埋め立て処分場に埋め立てます(11/24)
住民にも通さず、議会も通さず、清掃工場で放射性である可能性のあるがれきを燃やす。
東京都環境局の11月24日付けの発表は、これです。もうタイトルからして馬鹿にしてますよ。(以下全文コピー)
「宮城県の災害廃棄物の処理を受け入れます」
平成23年11月24日
環境局本日、宮城県女川町の災害廃棄物が、都内の清掃工場において円滑に処理できるよう相互に協力することを目的とした基本合意を特別区長会、東京都市長会、女川町、宮城県及び東京都で締結しました。
また、宮城県、東京都及び財団法人東京都環境整備公社の3者で「災害廃棄物の処理基本協定」を締結し、宮城県から東日本大震災に伴う災害廃棄物(宮城県女川町の可燃性廃棄物)を受け入れることとしましたのでお知らせします。1 基本合意の締結
特別区長会と東京都市長会は、宮城県女川町の災害廃棄物を都内の清掃工場において受け入れるに当たり、円滑に処理できるよう相互に協力することを目的とした基本合意を女川町、宮城県及び東京都と締結しました。
2 処理協定の概要
宮城県、東京都及び財団法人東京都環境整備公社の3者で「災害廃棄物の処理基本協定」を締結し、宮城県から東日本大震災に伴う災害廃棄物を受け入れることとしました。
- 目的
復旧・復興対策を迅速かつ円滑に遂行するため、災害廃棄物を適正処理- 処理
災害廃棄物の種類、数量等は、別途、その都度定める。- 経費負担
災害廃棄物の処理経費は、宮城県が負担する。- 協定期間
平成23年11月24日から平成26年3月31日まで3 宮城県から処理を依頼される災害廃棄物について
搬出場所 宮城県女川町石浜(女川町災害廃棄物破砕選別場) 災害廃棄物の種類、量 可燃性廃棄物(木くず等) 約100,000トン 搬出期間(予定) 平成23年12月から平成25年3月まで 運搬方法 鉄道貨物輸送 処分方法 主に都内清掃工場で焼却処分 4 今後のスケジュール
- 試験焼却に係る住民説明 12月上旬
- 都内清掃工場での試験焼却 12月中旬
- 試験焼却結果評価公表 1月下旬
- 住民への説明・受入開始 2月以降
※鉄道貨物輸送の際は一部、川崎市から借用する廃棄物輸送用コンテナを使用します。
※別紙1 宮城県による災害廃棄物等の放射能測定結果
※別紙2 災害廃棄物の受入処理にあたっての環境対策(宮城県女川町)(PDF形式:84KB)
問い合わせ先
環境局廃棄物対策部一般廃棄物対策課
電話 03-5388-3581〔参考資料〕
東京都災害廃棄物受入処理の全体スキーム
1 概要
災害復興に向け、被災地(県)、東京都及び財団法人東京都環境整備公社(以下「公社」という。)が災害廃棄物の処理に関する協定を締結し、被災地 の災害廃棄物を都内(首都圏)に運搬し、都内自治体や民間事業者が協力して破砕・焼却等の処理を円滑に行えるシステムを構築する。
災害廃棄物受入予定量
平成25年度までの3箇年度 約50万トンを予定
- 災害廃棄物の種類
可燃性廃棄物(木くず等)、廃畳、混合廃棄物、焼却灰- 処理方法
リサイクル、破砕、焼却、埋立事業スキーム
(平成23年の公社への運転資金貸付 約70億円、3年間で約280億円の予定)
2 事業スキームのメリット
処理自治体側(都内自治体等)
- 災害廃棄物の性状や安全性の現地確認、受入基準に適した処理先を公社が調整
- 国の補助金を待たず、処理費用の迅速な支払いが可能
- 被災自治体への処理費用請求手続きを公社が対応
被災自治体側(岩手県及び宮城県)
- 被災地から中間処理施設、最終処分場までの全ての工程を一貫して委託可能
- 船舶や鉄道貨物などによる大量輸送により、迅速かつ効率的な運搬ができる。
この石原知事を党首として新党をつくろうという動きがあるそうです。ここまで馬鹿にされて、多くの都民、日本国民はそれでも毎日何もなかったかのように過ごす。たいしたものです。
「何を今更シリーズ」:県も福島市も、大波地区の汚染を見て見ぬ振り、知らぬ振り
大波地区の農家の土壌汚染1万ベクレル(農家の自主測定)
県も市も測定していないが、県も市も、大波地区の高度汚染を知っていた(農家が何度も電話)
葉物野菜から1万ベクレル、果物から300ベクレル(何かの間違い、勘違いであることを望みます)
県も、JAも、大波の野菜は調べていない
JAは最近まで検査機械がなかった
福島県福島市大波地区の農家の方が、11月23日の「市民集会・渡利の子どもたちを放射能から守ろう」で発言されています。このブログの読者の方(Fukuさん)の情報で、岩上安身さんのIWJのUSTREAM実況録画のビデオから、当該部分を私が書き起こしました。多少の言い回しは聞き落としたかもしれませんがご容赦ください。農家の方は、落ち着いて事実を分かりやすく述べていらっしゃいます。(ビデオの32分20秒ぐらいから35分50秒ぐらいまで。強調は私です。)
大波の小池です。若干ちょっと話し忘れたんですけど、お米の問題がありましたけど、あれはあそこの田んぼだけぽこっと何か630ベクレルですか、出た、と言う話になってしまいそうなんですが、じつは南相馬の方で実験をやっている方がいろいろ調べてたら、やっぱり田んぼごとに線量は段階的に違っている、ってことがもうはっきりしてまして、
で大波はですね、実際に測定していないんですよね。だからいきなりあそこだけがぽこっと出ているような形になってきてるんですが特殊状況ではなくて。私のところの畑もだいぶ前に測ってますけど、1万ベクレルありますんで(会場がざわつく)、大波そのものが全体的にかなり高いことは間違いないです。
そして私何度も県に電話して、高いから、とにかく高すぎるから調べてくれ、と。で米も5000ベクレル以上はつくっちゃいけないといってるくせになんで大波調べないの、ということで何度も電話して、
最後にもらった電話は、県と市とで協議して、市の方で分かりましたじゃ調べます、といわない限り調べられないんだそうです、県のほうでは。そういうことをやってますので、本当はもっと早く、きちんとポイントポイント調べていればもっと早く出たはずなんです。
大波、みんな野菜とかも食べてますけれど、まあ幸い野菜はさほど吸収しないものが結構多かったんで、どうかなと思うんですが、うちで測っているものなんかだと、例えばカリウムすごい吸収する植物あるんですがそういうの選んで調べますと、葉っぱだけ調べると1万ベクレルなんて数字が出てきちゃいますんで。果物なんかだと、うちの畑で300ベクレルぐらいですけど。
とにかくどんどん調べてくれるように言ったんですが、なかなか。
JAのほうも、皆さんJAできちんと前から調べていると思ってるんでしょうけど、JAは機械なかったですからね。何回もJAに電話したら、いやうちは調べてません。大波の野菜調べてるんですか、と県に言ったら調べていません、て言ってましたからね。今なんかJAがいきなり、自主的に出してくれた人の米を調べた、というふうに言ってますけど、やっとですからね。
まあ補足のあれで。。。
大波地区で行われなかったのは米の検査なのか土壌の検査なのか、ビデオを見た限りでは分かりにくかったので(多分土壌のことだと思いましたが)、福島県の米の調査の発表を実際に調べてみました。合併前の旧小国村として予備調査が一箇所、本調査では2箇所調査結果が出ています。具体的に大波地区(旧小国村)のどこを検査したのか、詳細はありません。
土壌調査を見ると、福島市に併合された旧小国村(大波地区)での調査はありません。伊達市に併合された霊山町下小国(大波地区の東に隣接)の調査は存在し、そこからは畑の土からキロ当たり8000ベクレルを超えるセシウムが検出されています。
(地図の赤丸が福島市大波地区(旧小国村)。地図は福島県ホームページより)
しかし、小池さんのような農家の方の通報で、大波地区の土壌の汚染度の把握は県も市も行っていたはずと思われ、放射性セシウムを高濃度で検出しかねない危険な場所は避けて米の調査をしたと勘ぐられても仕方がないような対応の気がします。
見て見ぬ振り、知って知らぬ振り。福島県に、県のレベルでも市のレベルでも三猿を見事にやられて、全国の消費者がだまされているような、いやな気がします。
ちなみに、キロ当たりセシウム1万ベクレルの汚染は一平米当たりにすると65万ベクレル。これは、チェルノブイリ事故後の「強制移住エリア」の数字に該当します。
ところで、放射能を避けようとする消費者を罵倒する有名人リストがまた増えました。歴史小説家(と称していらっしゃる)塩野七生さんに加えて、俳優の津川雅彦さんとお仲間(黒柳徹子、奥田瑛二、西田敏行、西岡徳馬、本田博太郎、笹野高史、村田雄浩、相島一之、田中章)が、福島の米野菜を買わない消費者を口を極めて罵っておられます。この大波地区の農家の方の、淡々とした報告をお聞かせしたいものです。
ちなみに、津川雅彦さんがそのブログエントリーをお書きになった日は、大波地区の630ベクレルのセシウム米のニュースが出た日です。また、ツイッターのフォロワーの方からの情報では、津川さんのコマーシャル出演先には九州電力もあるそうです。(ウィキより。)なるほど。
Tuesday, November 22, 2011
カタログハウスの「原発国民投票」CM
朝日新聞11月23日付けの「CM天気図」(天野祐吉)によると、カタログハウスの作ったコマーシャルはテレビ局が放映を拒否したらしい様子。
福島第1原発の原子炉が3つぶち壊れて、太平洋の半分までセシウム汚染が広がっていても、マスメディアに見る日本の情勢はさしたる変化無し。
(昨日の海洋汚染のポストですが、考えてみたら、太平洋のど真ん中でセシウムの量が事故前の100倍、と言うのはとんでもない数字ではないでしょうか。「健康に影響がない」云々という問題ではなく、4000キロ離れて、多量の海水で薄まってなお事故前の100倍、いったいどれだけの放射性物質が流れ出しているのか、そっちのほうが問題です。)
で、そのコマーシャルとはこちらです。Youtubeで、10万を超えるアクセスになっています。
カタログハウスの「原発国民投票」を一日もはやく、と訴えるウェブページには、次のような文が:
原発は安全だ心配ないと言って
メルトダウンを引き起こした電力会社
べったりの経産省、過去と現在の与党に、
原発の将来を決定する権利なんて
あるんだろうか。
「今後の原発のありようを決める権利者は、
万一のときには子供の命、ふるさとの喪失、
農業牧畜漁業の崩壊を賭けなくては
鳴らない国民一人一人です。
どうか皆さんで決めてちょうだい」という声が
どうして出てこないのだろうか。
出てこないどころか、放射能を避けようとする日本人を口を極めて罵倒する海外在住著名作家まで出てくる始末。
「世も末」とは本当によく言ったものです。今、日本だけでなく、全世界で起こっているのは「末の世」のような気がします。
Monday, November 21, 2011
『何を今更』シリーズ:福島原発から出たセシウム137による海洋汚染、5ヶ月で日付変更線に到達
朝日新聞と読売新聞がそれぞれ11月21日、22日付けで出した記事によると、福島第1原発事故による海洋汚染は事故後4,5ヶ月で太平洋のほぼ中央(やや日本より)の日付変更線に達していた、というシミュレーションを海洋研究開発機構が行っていた、とのこと。
事故以前のセシウム137の濃度は、当該の太平洋地域でリットル当たり0.001ベクレル。朝日によると、事故後のセシウム137の濃度は事故前の10倍から100倍、読売によると、10倍から5000倍。(というのも、読売は5ベクレルの地域も計算に入れているため。)
朝日、読売とも、国が定めた飲料水の暫定基準を大幅に下回るので健康に影響はない、としています。
ええっと。太平洋の真ん中の水を飲料する日本人はあまりいないと思いますが...まあそれは措いて置いて、プランクトン、魚がそのことを知っているとよろしいですね。健康に影響はないことを。
事故から4、5ヶ月で日付変更線、と言うことは、7月、8月には日付変更線へ届いていたことになります。それから更に3、4ヶ月経った今はとっくに日付変更線を突破しているものと思われます。シミュレーション地図は日付変更線より東は意に介さないようで、地図はそこで終わっていますが、あの先にはハワイ諸島が。
思ったよりずっと早い拡散です。(地元のウニの食いだめ、しに行かなくては。)
朝日が出したシミュレーション地図をお出ししておきます。(読売でも同様の地図はあるのですが、どの色がどのベクレル濃度か、という尺度がありませんので、たんなる青いきれいな絵になっています。)海洋研究開発機構はつい昨日も、カムチャッカ沖と小笠原諸島沖の5000メートルの深さの海水から福島由来の放射性セシウムを検出した、と発表していますが、データを取ったのが4月で発表が11月。今回のシミュレーションはいつ行ったのでしょうか。同じく4月の時点でしょうか?
昨日の発表は、「緊急調査報告会」と銘打ったシンポジウムで、4月のデータの解析を11月に発表したものです。(緊急の定義が日本では福島事故以来変わったんですかね。それとも4月に「緊急」に調査したことをゆっくり報告、という意味なのでしょうか。)
今年の春から夏にかけて、海外の団体(グリーンピース、中国など)が日本の近海、遠洋で海水の汚染の検査を実地に行っていました。その間中、日本政府はだんまりを決めていましたが、このシミュレーションを持っていたのではないでしょうか。
例によって例のごとく、権威ある海外の雑誌に論文を提出して査読中だったので、と言うことでしょうか。(群馬大の早川教授、東大の森名誉教授とはえらい違いです。)
まあ、アメリカのEPAなど政府機関は見て見ぬふりを決め込んでいますから、アメリカ人が騒ぐことはないでしょう。(騒いでいるのは私の英語ブログの読者ぐらいかも。)
Sunday, November 20, 2011
東京新聞: 除染待てず田起こし 福島の一部 農水省は静観
「福島の一部」というのは、緊急時避難準備区域だった地域。9月30日付けで解除されましたが、その後の目処が必ずしも付いているわけではなく、農地(畑、水田)の「除染」方法が確立されているわけでもありません。そこで、痺れを切らした農家の方々が、田をこれ以上荒らさないようにとの田起こしなのだと思いますが、そこで田起こしというのはどれくらいの深さでやるものなのだろうか、とざっとネットで調べてみました。
結果は10センチから20センチ。これで表層5センチにあったであろう放射性物質が少なくとも10センチの深さまで混ざった可能性。田起こしは作付けまで数回行われるものだそうです。
福島県の土壌中の放射性物質はセシウムだけでなく、既に公表されたストロンチウム、放射性銀、場所によっては微量のプルトニウムを含んでいます。その他、文科省が今後も随時発表する、と言っているものの現時点ではまだ未発表の核種もあります。
東京新聞11月18日付け記事:
土壌に放射性物質の蓄積が確認されている福島県の水田の一部で、除染をしないまま、土をかき混ぜる「田起こし」が進められていることが本紙の調査で分かった。国などによる除染の実施時期が不透明で、雑草が茂り土地が荒れるのを恐れた農家が行っている。汚染は表土近くに集中し適切に除染すれば安全な農地に戻るが、混ぜると放射性物質が拡散、除去が困難になり汚染長期化の恐れもある。
農林水産省も把握しているが、担当者は「田起こしをして下の土に放射性物質が混じっても根さえ汚染土に触れないよう深く耕せば、問題ないのではないか」と、静観の構え。ただ、実際にそうした耕作が可能なのか確認はしていないという。
十月まで緊急時避難準備区域だった南相馬市原町区で本紙が取材した結果、二割ほどの水田で田起こしが行われていた。同じく準備区域内だった他の四市町村でも、自治体やJAへの取材で、楢葉町を除く田村市と広野町、川内村で田起こしの事例が確認された。
これらの地域では福島第一原発事故後、無条件に水田に作付け制限がかかり、荒れ放題の状態だった。
汚染土壌は地表の土を除去するか、表土と、作物の根が触れない深部の土を入れ替える「反転耕」で耕作可能となる。しかし、安易に田起こしをすると放射性物質が根が触れる範囲にも拡散。除染が極めて難しくなる。
厚生労働省は食品による内部被ばくの規制値を従来の五分の一に厳しくする方針。それに伴い現在の作付け制限値(放射性セシウム濃度が土壌一キログラム当たり五〇〇〇ベクレル)も厳格化の方向で見直しが必要となる可能性が高い。
警戒区域、避難区域以外の福島県の地域はほとんどすべて、今年の米の作付けを行い既に収穫も終わっているようですが、考えてみれば作付け前の田んぼの準備で今年の春に田起こしをしたはず。宮城県の話ですが、田に放置しておいた稲わらを春に鋤きこんだ農家もあったようです。
たとえ土壌中のセシウムがキロ当たり5000ベクレルを超えていた場所(で計測されなかった場所)でも、20センチの深さまで土を混ぜれば表層5センチのセシウムの量は単純計算で4分の1になるわけで、元が5000ベクレルの土壌は混ぜた後は1250ベクレルの土壌。政府の使った土壌から米への移行係数0.1を使っても米のセシウムは125ベクレル、福島以前の過去の例からの移行係数0.01~0.001を使うとわずか12.5~1.25ベクレル。
農水省は旧緊急避難区域での秋の田起こしを静観、との東京新聞の記事ですが、春の時点で避難区域以外の田起こしも静観した農水省ですからまあ驚くには値しないでしょう。
福島県選挙二題: 大熊町、双葉町で「賠償の仲立ち」東電社員の現職町議再選、「町への帰還」大熊町現職町長再選
どちらも読売新聞記事(11月21日付け)。
まず東電社員議員の再選:
東京電力福島第一原発がある大熊、双葉両町議選には東電社員の現職が1人ずつ立候補しており、いずれも再選された。
大熊町議選(定数14)で当選した加藤良一氏(54)は3番目の得票数だった。
双葉町議選(同8)では高萩文孝氏(45)が4番目で当選。読売新聞の取材に対し「いただいた票を重く受け止め、頑張りたい。原発事故の収束にも全力を尽くしたいし、賠償問題についても、仲立ちするような形で住民の支援ができれば」と話した。
なるほど。「賠償問題についても、仲立ちするような形で住民の支援」、これは住民の方々のまことに現実的で理にかなった選択でしょう。
引き換え、現実的とは部外者にはあまり思えないのが、再選を果たした大熊町町長さんの言葉。
東京電力福島第一原発があり、全域が警戒区域の大熊町の町長選は、「町への帰還」を訴える現職の渡辺利綱氏(64)(無所属)と、「町外移住」を掲げた前町議で新人の木幡仁氏(60)(同)の一騎打ちで、渡辺氏が、木幡氏を1108票上回る3451票を獲得し再選を果たした。
渡辺氏は、町内の放射線量が比較的低い地域に、医療、福祉、商業圏を備えた復興拠点となるニュータウンを造成する構想を示している。当選後、支援者らに「除染をして戻れる環境を作ることが最優先だ」と語った。放射性物質が付着した廃棄物の中間貯蔵施設建設については「避けられない問題。(町に施設建設の)話があったときは誤りのない判断をしたい」と話した。
一方、木幡氏は「いつまで避難生活を続けるのかと疑問を投げかけたが、力不足だった。そうした住民の声があると伝わればいい」と敗戦の弁を述べた。
大熊町の放射線は、町が9月13,14日に測定した時点で、地上1メートルの空間線量は最高が毎時103.66マイクロシーベルトとの発表ですが、低い場所(主に町の西側)では毎時3マイクロシーベルトを下回る箇所もあるとのこと(PDFファイル参照)。大熊町のブログからの情報(文部科学省のデータをまとめたもの)として、次のような表もあります。
| 空間線量率の測定結果 | 単位:マイクロシーベルト/時 |
| 図 面 | 住所 | 測定位置 | 空間線量率 | |||||
| 10/11 | 10/18 | 10/25 | 11/1 | 11/8 | 11/15 | |||
| 23 | 夫沢 | 西北西約2.5km | 19.0 | 18.7 | 18.6 | 18.3 | 18.4 | 18.3 |
| 25 | 野上 | 西約14km | 2.9 | 2.0 | 3.5 | 3.5 | 3.4 | 3.3 |
| 26 | 野上 | 西約11km | 3.2 | 2.7 | 3.0 | 3.2 | 3.1 | 3.2 |
| 29 | 夫沢 | 西約2.5km | 56.0 | 55.0 | 55.0 | 54.2 | 54.6 | 49.6 |
| 30 | 夫沢 | 西約2.5km | 23.3 | 22.0 | 23.2 | 23.5 | 23.5 | 23.6 |
| 34 | 大川原 | 西南西約8km | 2.8 | 3.0 | 3.0 | 3.0 | 3.1 | 3.2 |
| 35 | 野上 | 西南西約7km | 13.6 | 13.3 | 12.3 | 12.6 | 12.7 | 12.5 |
| 36 | 下野上 | 西南西約5km | 31.0 | 25.2 | 25.5 | 26.2 | 29.4 | 26.4 |
| 37 | 小入野 | 西南西約3km | 64.8 | 65.0 | 65.0 | 64.8 | 64.8 | 60.6 |
| 38 | 小入野 | 西南西約3.5km | 8.8 | 9.5 | 9.4 | 7.7 | 9.3 | 8.9 |
| 47 | 熊川 | 南南西約4km | 26.6 | 30.6 | 30.4 | 40.4 | 31.0 | 30.6 |
| 50 | 熊川 | 南約4km | 16.3 | 16.6 | 14.1 | 16.0 | 16.1 | 16.6 |
※ 比較対象として、当月以前のデータも掲載しています。
更に、土壌汚染のまとめとして、大熊町公式サイトに、
| 地点 | 測定地点 | Cs134濃度 (Bq/㎡) | Cs137濃度 (Bq/㎡) | Cs134+Cs137 濃度(Bq/㎡) | 空間線量率 (μSv/h) |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 夫沢国道6号 長者原信号付近東側水田 | 2,791,296 | 3,111,809 | 5,903,095 | 24.10 |
| (2) | 夫沢国道6号 西側長者原信号南西付近 | 14,009,576 | 15,450,928 | 29,4601,504 | 54.80 |
| (3) | 夫沢東台 喰津沢橋南西付近 | 2,013.765 | 2,319,553 | 4,333,318 | 27.70 |
| (4) | 夫沢南台 ふれあいパーク北側 | 5,139,931 | 5,753,039 | 10,892.970 | 27.00 |
| (5) | 小入野字東大和久 アトム給油所南側付近 | 820,370 | 868,379 | 1,688,749 | 13.00 |
| (6) | 野上字秋葉台 野上簡易郵便局南付近 | 358,030 | 387,007 | 745,037 | 16.70 |
| (7) | 野上字湯の神 野上1区公民館付近 | 1,106,902 | 1,213,571 | 2,320,473 | 8.69 |
| (8) | 国道288号 玉の湯1km西付近 | 169,547 | 192,622 | 362,169 | 3.40 |
| (9) | 国道288号 望洋平トンネル東側入口手前 | 306,002 | 335,952 | 561,954 | 4.00 |
| (10) | 国道288号 旭ヶ丘入口手前付近 | 170,337 | 189,347 | 359,684 | 1.40 |
| (11) | 熊川字久麻川 熊川漁協鮭販売所東側水田付近 | 4,469,137 | 5,070,937 | 9,540,074 | 19.00 |
| (12) | 緑ヶ丘グラウンド西北付近 | 1,469,137 | 1,682,964 | 3,173,372 | 33,40 |
| (13) | 熊字新町 三角屋住宅付近 | 1,713,223 | 1,907,927 | 3,621,150 | 13.00 |
| (14) | 大川原字西平 大川原2区集会所付近 | 310,929 | 343,745 | 654,674 | 3.82 |
- 測定値は6月13日に揃えて補正した値である。
(この大熊町が掲載している表の第2地点目は、どう見てもセシウムの合計が1桁間違ってますね。単なる書き写しミスでしょう。大熊町のホームページの連絡先に一応お知らせしておきました。)
このとてつもない汚染を「除染」する準備として、大熊町には早速作業員(日本原子力研究開発機構と、作業下請け受注した大林組)が入り、線量の測定を開始したそうです。(日経新聞11月18日付け記事)
どれだけ予算がかかるのか、一切不明。金のことを言うのは「非国民」扱いでしょうか。金の問題じゃない、人々の暮らしがかかっているんだ、という議論でしょうか。まあ、同じ議論が福島市、伊達市、郡山市など、中通りの高線量地域の住民の方々の避難と除染についても同じことが言えるんですが、こちらのほうは「国が金ださないといっているんだから」という正直な福島市長の言葉の通り、Going nowhere.
発生率が今年は尋常でない感染症:マイコプラズマ肺炎、急性出血性結膜炎、手足口病
国立感染症研究所による感染症発生動向調査の、過去10年間との比較グラフ(週)です。ご参考まで。
まず、マイコプラズマ肺炎。
これでびっくりしていたら、さらに今年に限って飛びぬけたグラフになっていたのが急性出血性結膜炎。
特に急性出血性結膜炎は過去10年間、年間を通じて流行がなく、平坦なグラフになっているところへ今年の異常とも思える発生です。レベルが下がった現在でも、過去10年間の最高よりもまだ高い値になっています。
サイトに出ているそのほかの感染症は、過去とほぼ同等範囲に収まっているようです。
(H/T はなゆー)
Thursday, November 17, 2011
放射性セシウム137を一度大量に摂取するのと、毎日少量摂取するのと、どちらが体内に残るのだろうか
というグラフは、ほかならぬICRP、国際放射線防護委員会のPublication 111に出ています。まだご覧になったことのない方のために、出しておきます。
11月18日付けの記事で読売新聞がどつぼにはまった感がありますが、セシウムを一度に大量に摂取したマウスの体内のセシウムは摂取後急激に低下することが、このグラフからも容易に推測できます。
1000ベクレル一気に摂取した場合と10ベクレルずつ毎日摂取した場合では、100日も経たない内に全身放射能量が逆転、1ベクレル毎日摂取した場合と比べても、350日より前に逆転しています。
先日も枝野前官房長官が国会の答弁で、基準値近く汚染された食品を1、2回食べてもすぐに影響はない、と言っただけ、と詭弁を使っていましたが、実際、基準値に近い、あるいはそれ以上に汚染された食品を1、2回食べるより、基準値よりはるかに低い汚染食品を継続して食べるほうがよほど内部被曝する、と言うことになります。
ちなみに、日本政府の食品安全委員会、放射線審議会などがしきりに参照するICRPのPublication 111は、特別に無料でダウンロードできます。
英文: http://www.icrp.org/docs/P111(Special%20Free%20Release).pdf
日本文(暫定訳): http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,html
Wednesday, November 16, 2011
福島農家二題: 失望、怒り、落胆、片や満面の笑み
まずは、福島市大波地区の米から630ベクレルセシウム検出のニュースに対する福島市内の米農家、米穀店の反応から。
産経新聞11月17日付け記事:
福島市内の農家が生産したコシヒカリの玄米から、国の暫定基準値を超える放射性セシウムの検出が判明した16日、同市内の農家や米穀店には戸惑いや失望、動揺が広がった。
福島市大波地区の農業、八巻清市さん(57)は「自分のところでも出ているのではないか。風評被害で来年はコメを作らなくなる農家もあるのでは」と不安そうに話した。
「安全宣言を出したのに、なぜ今さらこんなことになるのか。ただでさえ風評被害でコメが値下がりしているのに」。福島市内のコメ農家の男性(50)は声を荒らげた。「TPPの問題もあるし、廃業も現実味を帯びてきた」と悔しそうに話した。
福島市内で米穀店を営む男性店主(59)は「県の調査はサンプル調査。全てを調査していない以上、基準値超えがあると思っていたが…」と落胆した。男性の店では、福島市のコメは取り扱っていない。「福島市産のコメは店に置いても売れない」と苦しい現実を明らかにした。
風評被害?安全宣言が出ると放射能は出ないはず?
一方、同じ福島の農家でもこんな方も。ツイッターで既にリンクをお出ししてありますが、ブログでも記録に残したいと思います。福島県二本松市から長野県上田市に、有機農業を続けるために移住した農家の方の記事です。
朝日新聞11月1日付け記事:
原発事故後、福島県二本松市から上田市に移ってきた農家が再始動した。「丹野農園」にとって加工品第1号となる「にんじんジュース」が先週末、上田市の松尾町商店街であったイベントで並んだ。再出発の地に上田を選んで約5カ月。農園の丹野喜三郎さん(70)は「上田の土はいい。ここを拠点にやっていく」と話した。
約40年にわたって有機農業に取り組んできた丹野さん。二本松ではコメや野菜、小麦などを栽培し、地元にとどまらず、首都圏や名古屋、大阪などの消費者に届けてきた。
しかし、3月11日の大震災や原発事故で、すべてが奪われた。作った野菜はキャンセルされて出荷できず、大半は廃棄するしかなかった。
移転先を探し、山形や山梨県などを見て回った。上田は、長野大学環境ツーリズム学部の古田睦美教授が窓口となり、有機農業者の受け入れを掲げていたことから、候補地となった。
古田教授や学生、レストラン「コラボ食堂」などを運営するNPO「食と農のまちづくりネットワーク」、農協や行政関係者、地元の人たちの手厚いサポートもあり、家族で上田への移住を決めた。
新生活の半月後の6月中旬には田植えを始め、野菜作りもスタート。夏場にはキュウリなども出来た。全てとはいかないが、二本松時代の顧客も再び丹野農園の農産物を求めてくれるようになった。また、新たな消費者に向けての出荷も始めた。
そして、10月29、30日には、商店街の一角にあるコミュニティースペース「松尾町フードサロン」で、自慢のニンジンを使ったジュースや、食感に優れた「自根きゅうり」の漬物を店頭デビューさせた。
野菜作りは徐々に軌道に乗ってきた。経験の豊かさから、「丹野さんに野菜作りを教わりたい」と希望する人たちも出て来ている。
原発事故の影響は余りにも大きい。二本松について丹野さんは「帰っても、どうしようもない」。そして「ここに骨を埋めることになると思う」。ジュースや漬物は、そんな覚悟の表れでもある。(鈴木基顕)
立派な起業家、Entrepreneur です。今からでも、丹野さんに続く福島農家が増えることを望みます。(写真も朝日新聞より。)
福島第1原発3号機建屋内、毎時1.32シーベルト(ビデオ)
東電が11月14日にロボットを入れて「ガス管理システム」なるものの設置予定場所の調査を行わせた際のビデオです。
建屋の北東のコーナー、格納容器のコンクリート製の扉を開ける際のガイドレールの上をロボット(パックボットだと思います)がゆっくりなぞっていく中、分割された画面の左半分には線量計の線量表示画面が。
1.32シーベルト時(1320ミリシーベルト時、または132万マイクロシーベルト時)の線量が映し出されるのは3つに分けて東電が出したビデオの2つ目です。表示画面がオフ・フォーカスになっていらいらしていたら突然焦点が合い、画面を見ると放射線の測定単位が「シーベルト(Sv)」、それが見る間に1.32シーベルト時まで上がります。
このガイドレールの箇所に作業員を入れて、既に壊れている格納容器内のガスを吸いだして放射性物質をフィルターに吸着させ、浄化したガスを外部に放出する、という、まったく無意味な作業を作業員に強いようとするわけです。しかも、この1点だけが高い線量なのではなく、ガイドレールで計測した場所すべてが、3桁のミリシーベルト時、それも、ほとんどが200ミリシーベルト時以上、700,800などという数字も出ています。(詳細はこちらの東電発表でどうぞ。)
こんなところに立っているだけで靴の底から重大な被曝をしそうですね。1.32シーベルト時の線量は、床面から40センチのところで測ったものです。床上じかの線量は発表されていません。測ったのかどうか、不明。私の英語ブログに付いたコメントでは、おそらく床上で4~5シーベルト時はあるのではないか、ということです。
1.32シーベルト時の線量の場所に1分居ただけで、20ミリシーベルトを超える被曝です。そんなところに、誰を送ろうと言うのでしょうか、東電・政府は。
ロボットは、おそらく超高線量の汚泥上の物質を、レールからふき取っています。ふき取った雑巾(ウェス)の分析は、果たして東電から出るでしょうか。
(ロボットも本当に気の毒。)
以下、ビデオ第2部:
1部と3部にも興味のあるかたはこちらへ:
ビデオ第1部: http://youtu.be/ToGMN6DllQ0
ビデオ第3部: http://youtu.be/rCE2_90bOc4
Tuesday, November 15, 2011
東京都、宮城県女川町のがれき引き受けほぼ確実
岩手県の宮古市のがれきの時と同じく、住民の意見を聞くどころか都議会すら通すつもりもなさそうです。
毎日新聞記事によると、特別区長会なる組織が賛成しさえすれば、都は今月末にも早速宮城県と契約を結ぶ予定、とのこと。
毎日新聞11月16日付け記事:
東日本大震災:がれき、宮城・女川からも受け入れ 東京が検討
東日本大震災で発生したがれき(災害廃棄物)の広域処理が進まない問題で、東京都と特別区長会が宮城県女川町のがれきの受け入れを検討していることが分かった。早ければ今月下旬にも正式決定する見込み。都内での受け入れが決まれば、岩手県宮古市のがれきに続き2例目となる。
特別区長会の事務局などによると、宮城県側から10月にプラスチックなどの可燃物について打診を受け、協議してきた。被災地は処理能力を上回る廃棄物を抱えているが、放射能汚染への懸念から東北以外での広域処理は進んでおらず、事務局では「受け入れ先がなければ被災地の復興がままならない状況にあり、区民の考えを聞きながら検討したい」としている。
特別区長会が受け入れを決めれば、都は宮城県と処理に関する協定を結ぶ方針。都は9月30日に岩手県と同様の協定を結んでおり、14年3月までの2年半に岩手、宮城両県から約50万トンの廃棄物の受け入れを表明した。【黒田阿紗子、須藤唯哉】
特別区長会事務局のコメントを見る限り、もう限りなくOKに近い検討と言えるでしょう。区民の考えを聞きながら、というくだりを読んで、思わず苦笑。九州の原発も、北海道の原発も、住民の意見を十分に聞いて建設が決定されたものでしたねえ。え?違った?あれはやらせだった?電力会社の社員が半分以上?またそんな「風評」を!
区長は確かに区民が選挙で選びましたが、だからと言って勝手に物を判断して実行してよい、ということにはならないでしょう。
更に引っかかるのは、2点。
まず、女川町から持ち込むのが可燃性プラスチックがれきである可能性。プラスチックを焼却するのに、ダイオキシンが出ない温度で燃やすために焼却炉の温度は800度以上に保たれます。ところが、放射性セシウムの気化点は671度。がれきに付着している放射性セシウムは気化する可能性があります。これが焼却炉のろ過式集塵機(バグフィルタ)で捕獲できるのか。
バグフィルタがどれだけ放射性物質を捕獲できるのかは専門家の意見が分かれるようですが、私には判断する知識はありません。バグフィルタについて、日立プラントテクノロジーの解説を見つけましたのでリンクしておきます。バグフィルタの原理と構造(日立サイト)を読む限り、これで放射性物質が捕獲できたら奇跡のように思えます。出来たら出来たで、バグフィルタをどのように処分するのでしょうか。
もう一点は、なぜ特別区の区長の集まりを通すのか?宮古市のがれき処理では、都が業者4社を公募、その業者が可燃ごみを焼却する業者として「自主的」に(1つしかない選択肢から)選んだのが東電の子会社の東京臨海リサイクルパワーでした。女川町のがれき受け入れについて23区の区長に諮っている、ということは、まさか23区に送られて区の一般ごみまたは産業廃棄物焼却炉で焼却させるつもりでは、と勘ぐってしまいます。
群馬大早川先生のマップで、女川町はここです(青丸)。
Monday, November 14, 2011
京都市のとあるスーパーで売っていた「長崎産」の洋ナシ、よく見ると山形県東村山郡中山町大字「長崎産」だった
と、当ブログの読者が写真を寄せてくださいました。
まあ長崎産に間違いはないんですが、普通さっと大きめの字だけ見る消費者は、ああ「長崎県産」なんだ、と思って細かい字までは見ないでしょう。わざわざ眼鏡を取り出して確かめる方もそうはいない。

山形県は福島県、宮城県、岩手県に比べると汚染は少ない、という印象でしたが、名古屋大、東大、米国大学宇宙研究協会などの研究者が発表したセシウム137の土壌への沈降度合いのシミュレーション地図を見ると、山形県のセシウム汚染は福島の会津地方、岩手県、あるいは群馬県なみ、という所でしょうか。
この図をみて、あれ、と思ったのは北海道の汚染。3月、4月、5月にZAMG、ドイツの気象研究所などの放射能拡散予測をこのブログでもお出ししていましたので、それをご覧になっていた皆様には別に不思議でもなんでもないと思いますが、北方四島の汚染が結構ひどいですね。(ロシアが黙っているでしょうか。)岐阜県の上にもしっかり薄紫と濃紫が乗っています。
「1号機が爆発した時点でメルトダウンだと思っていたが発表する気になれなかった」と4月にテレビで公言してお咎めなしだった某環境相兼原発相に「しょく罪の意識も込めて除染」とやらをされても、この汚染が消えるわけでもなし。
福島第1原発事故の放射能汚染は、すでに山形産のナシを(大字)長崎産と書いて売るようなレベルになっている、ということです。
Sunday, November 13, 2011
ジョロウグモによる放射性銀濃縮、追加情報:銅の代わりに放射性銀を体内利用か
東大農学部名誉教授森敏博士からの追加情報では、
福島市渡利地区の山中で捕獲したジョロウグモも、放射性銀(Ag-110m)を300倍濃縮していた。
生物は、銅の替わりに放射性銀を取り込んで体内での酸素の運び手に使っているのではないか。
とのことです。(教授からの最初の情報はこちらのポストでどうぞ。)
1点目も興味深いのですが、より深刻なのは2点目。ジョロウグモなどの昆虫、エビ、カニなどの節足動物は哺乳類と違って「ヘモシアニン」という物質を酸素の運び手に使うのですが(哺乳類は「ヘモグロビン」)、それには銅イオンを必要とするのだそうです。下の周期表で分かるように、銅と銀(さらに金)は同系列。銅の代わりに銀(この場合は放射性銀)を取り入れて使っているのでは、という考察です。さらに教授は哺乳類でも、警戒地域の牛の肝臓から高濃度で放射性銀が発見されたニュースに触れ、同様に肝臓で銅を利用する酵素が銅の代わりに放射性銀を利用してしまっているのではないか、ということです。
小生らは、先日このWINEPブログで、飯館村のジョロウグモから高濃度の放射性銀(Ag-110m)を検出したことを報告した。
その後の研究で、飯館村でなく福島市渡利地区の山中で捕まえたジョロウグモも、やはり放射性銀(Ag-110m)を、約300倍濃縮していた。だからジョロウグモによるAg-110mの体内濃縮は再現性が確認された。
先日、再度ジョロウグモの大量捕獲を狙って,飯館の現地に出かけたのだが、すでに処処の林内のクモの巣はすすけて、一匹のジョロウグモも見つけることができなかった。すでにクモは冬に向かってどこかに姿を消してしまっていた。
さてここからは銀がなぜジョロウグモに濃縮されたかの考察である。
イカやタコなどの軟体動物の場合はリンパ液の酸素の運び手がヘモグロビンではなく、ヘモシアニンである。哺乳動物の血中ヘモグロビンはその酸素の結合部位に鉄イオンを必要とするが、エビ・カニなどの節足動物やヘモシアニンの場合は銅 (Cu) イオンを必要とする。
銅 (Cu)・銀(Ag)・金(Au)は周期律表では1B系列に属している。であるから、ヘモシアニンを酸素の運び手としている生物は銅のかわりに銀をも使いうる可能性が高い。血液が赤くないジョロウグモはヘモシアニンを酸素の運び手として銅の代わりに銀も利用できてしているのではないか? だから放射性銀を体内摂取して利用しているのではないか。
と思っていたら、以下の日経新聞の記事によれば、本日東北大学のグループが、高濃度汚染警戒区域の野生化した牛の肝臓から放射性銀を検出したと報告している。肝臓の放射性銀の濃度は血中濃度の25倍と述べている。一方セシウムは血中濃度の20~30倍である。
草食動物である牛は、東電福島原発から20キロ圏内で暴発原発からの直接の放射性降下物で高濃度汚染した雑草や汚染土を直接舌でなめて摂取したため、強く銀汚染したのだと思われる。
20キロ圏内の避難区域の土壌の放射性セシウム(Cs-134,Cs-137)値や放射性銀(Ag-110m)値は文科省の発表では実にさまざまである。、かつ、牛は20キロ圏を広範囲に移動していると考えられ。なので、牛の体内で放射性銀がどれだけの割合で生物濃縮しているのかを考察することは少し困難を伴うだろう。
牛の場合は体組織ごとに個々の放射性物質の濃度が測定できるが、残念ながらジョロウグモの場合は総重量が1g以下なので、組織ごとではなく体全体での放射性物質濃度でしか分析できていない。
牛の場合、なぜ放射性銀が肝臓に蓄積していくのであろうか? 哺乳動物の場合、銅の臓器中濃度は肝像が最も高く、脳、心、腎の順である。また、銅を活性中心にもつ酵素はSOD(superoxide dismutase)など20種類ぐらいある。これらの酵素は肝臓に凝集されている。おそらく牛の放射性銀はこれらの酵素の活性中心の銅の代わりに使われているのだろうと推測される。
小腸からの放射性銀の吸収も銅のトランスポーターを経由して血中に取り込まれているだろう。血清のセルロプラスミンと結合して、血中を運ばれているのではないだろうか。
11月12日付け日経の記事はこれです。(Savechild.netさんでの引用から。日経新聞もよく記事が消えますので。)
東北大学加齢医学研究所の福本学教授らのグループは、福島第1原子力発電所の事故に伴い警戒区域に指定された地域で野生化した牛の内部被曝(ひばく)状況を調査した。放射性セシウムが筋肉に多く蓄積しており、濃度は血液中の20~30倍だった。セシウムの濃度は親牛に比べて胎児では臓器にかかわらず、ほぼ 1.3倍高いことも分かった。
別の2種類の放射性物質も腎臓や肝臓に集積していた。研究成果は13日に仙台市で開く国立大学協会防災・日本再生シンポジウム「放射性物質の拡散と大学人の役割」で発表する。
研究グループは8月下旬から9月半ばにかけて警戒区域内で、屋内で飼っている牛や野生化した牛計26頭を捕獲し、その胎児4頭を含め内臓や筋肉、血液中の放射線の被曝線量を測定した。
放射性セシウムは筋肉にたまりやすいといわれてきたが、今回の調査で改めて裏付けられた。血液中の濃度が1キログラム当たり60ベクレルの 場合、ももの筋肉の濃度は同1800ベクレルだった。舌や肝臓などの濃度は筋肉よりも低く、血中濃度の10倍程度。甲状腺には放射性セシウムはほとんど沈着していなかった。
ほかに「放射性テルル129m」が腎臓、「放射性銀 110m」が肝臓にたまっていた。放射性テルルは26頭中5頭でごく微量検出。放射性銀 は26頭すべての肝臓に蓄積していた。被曝線量はほとんどが1キログラム当たり100ベクレル以下だったが、最大同500ベクレル蓄積している牛もいた。 肝臓にたまった放射性銀の濃度は血中濃度の25倍だった。放射性のテルルと銀の内部被曝状況が分かったのは初めてという。
内部被曝線量は屋内飼育より、野生化した牛のほうが高かった。放射性物質に汚染された草を食べたり水を飲んだりしたとみられる。
研究グループは今後も調査を続け、ぼうこうなどの内部被曝の実態を詳しく分析する計画。福本教授は「放射性テルルは血中では検出されなかった。放射性セシウムや放射性銀については血中濃度を測れば、筋肉や肝臓にどの程度沈着しているか予測できることが分かり、人にも応用できる可能性がある」 と話している。
Thursday, November 10, 2011
放射能汚染と黒子
福島県産の食品を使った料理が出たと言うスイス・ジュネーブ国連でのイベントについては昨日のポストにお出ししましたが、イベントの確認が取れました。
11月3日、L'Atelier Nihon-Buyô de Genève - danse traditionnelle japonaise が主催した、地唄舞。http://www.dansejaponaise.com/agenda.html
プログラム・申込書によると、"Un Espace de Paix pour partager la même Humanité (コメントをくれた読者の方の翻訳によると、space for peace dedicated to sharing the same Humanity、いまいち分かったような分からないような)という趣旨で、地唄舞の披露だったようです。
ジュネーブ在住の日本人の日本舞踊家の方々が企画なさったようですね。
また、ドイツのハンブルグの読者の方が、今後5年間福島県、宮城県、あるいは岩手県を訪問する外国人のビザ代金を免除する、という11月7日付けの通知がハンブルグ日本総領事館のサイトに出ている、とリンクを送ってくれました。
2011年11月15日から2016年3月15日まで、この3県に住む、仕事をする、学校に行くための長期ビザ、旅行などの短期滞在ビザは無料だそうです。
また、私の住んでいる米国西海岸での話ですが、Craigslist.orgというサイトで、「日本に行って英語を教えよう」、という求人広告が、ここのところ急に増えました。
なにか的外れてませんかねこれ。危機から自分たちが目をそらすだけでなく、外国人にもそらすように勧めている、見て見ないふりを勧めているような気がします。何も変わったことは起きていない、ちょっと大きな地震と津波が来ただけで、あとは順調に回復するだけだ、と。
それこそ古典芸能の歌舞伎で言えば、黒子(くろこ、正式には黒衣、くろご)。観客は誰もがあからさまに舞台に登場する黒子を目にしているのですが、それは「見えないこと、存在しないこと」という約束事なので、見ないのです。目に入るし、しっかり見ているのですが、見えないことという約束なので見ていない、従ってそこには存在しない、という認識をする。
放射能が黒子です。

