Friday, November 25, 2011

(メモ)福島県の高汚染米、土壌説と落ち葉説 (どちらもはずれか)

福島市大波地区(旧小国村)のキロ当たり630ベクレルセシウムの米の判明は11月16日でしたが、その後、先の二本松市での500ベクレル米の検出と合わせて、なぜこの2箇所が、という記事がいくつか出ました。記録に、そのうちの一つをコピーしておきます。

実はこの2箇所どころの騒ぎではなく、大波地区の5農家の玄米からは暫定基準を大幅に超えるセシウムが検出され、しかも県と市は見て見ぬ振りを続けてきた可能性があることは昨日のブログにもお出ししました。

下の記事は今回の5農家からの検出以前、11月21日時点での記事です。福島県は土壌のせいにし、東大の研究者の方は山の広葉樹の落ち葉だ、とおっしゃる。そうなのかも知れませんが、昨日のブログのポストでもお分かりのように、広葉樹が落ち葉になって腐る夏以前から、大波地区の農家の方々は土壌が高度に汚染されていることを知っており、また県も市も知っていたらしいことから、一番の原因は福島第1原発から放出された放射性物質がおそらく公表されているより多い量で広範囲にわたること、そして2番目の原因は、その調査を避けて通った県と市でしょう。

河北新報11月21日付け記事

福島県二本松市の水田1カ所で栽培されたコメから9月、周辺より特に高い1キログラム当たり500ベクレル(国の暫定基準値と同数値)の放射性セシウムが検出された問題で、この水田のイネは、通常とは逆に、穂に近い新しい葉ほどセシウムの濃度が高かったことが東京大の根本圭介教授(栽培学)の研究で20日までに分かった。

 新しい葉は7月末~8月の夏場に育ったもので、高濃度のセシウムが付着した裏山の落ち葉が、夏の暑い時期に腐食が進んで分解され、水に溶けて田んぼに流れ込んだと根本教授は推測している。

 これまでの福島県の調査などでは、放射性物質を吸着しにくい砂に近い土壌が原因と考えられていたが、新たに「落ち葉原因説」が浮かび上がった形だ。

 根本教授は、この水田のイネの葉や茎を詳細に調査。葉に含まれる放射性セシウムは、穂に近い一番上の葉が最も高く、下の葉になるほど数値が低かった。一番上の葉は、数値が最も低い葉の約3倍の濃度だった。茎でもほぼ同様の結果だった。通常は、後から育った上の葉ほど数値が低くなる傾向があるという。

 福島県によると、この水田は裏山が迫る地形で原発事故発生時、広葉樹の落ち葉が山一面に積もっていた。今月、1キログラム当たり630ベクレルの放射性セシウムが検出された福島市大波地区の水田も似た地形とされる。根本教授は「詳しく調べる必要がある」と話している。

 500ベクレルが検出された二本松市の水田を所有する男性は「豊富な栄養を含んだ山の水が流れ込むのがこの田のいいところだったが、落ち葉が原因とすれば裏目に出た形だ」と話した。

東大の根本教授によると、新しい葉ほど放射性セシウムの濃度が高く、通常とは逆だった、とおっしゃっていますが、飯舘村の土で稲の栽培実験をなさった石川県金沢大学の田崎和江名誉教授によると、5万ベクレルの汚染土で作った稲の可食部、稲穂の部分がもっとも高放射能だった、ということです。(セシウム137の測定で籾米(もみごめ)から2600ベクレル、わら2200ベクレル、根1500ベクレル)

田崎教授の実験によれば、セシウム汚染落ち葉などなくとも稲の一番上の部分が一番高汚染になっていますね。さて、次なる説はいったいなんでしょうか。楽しみです。(皮肉)

大波地区より更に汚染されている可能性もある旧緊急避難準備区域(9月30日に解除)では、一部で既に田起こしが行われ、汚染土壌を混ぜてしまいました。農水省は静観、という馬鹿なニュースも先日リンクしましたが、国、県、市町村がしっかり情報を出さない限り、作る気がなくても汚染米を作ってしまう農家がまた来年もでる可能性が。そしてまた、どこかの大学や研究機関の教授が、原因究明を行い、有名人が福島の米を買わない消費者を叱るのでしょう。

1 comment:

  1. いつもお世話様です。

    大波地区の1万ベクレル越えの畑や葉物野菜の件については、GREENPEACEが調査した物ではないかと思われます。
    http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/Food_sampling_results.pdf

    ・福島市郊外の小規模の野菜畑 土壌 17910 Bq/Kg
    ・福島市郊外の小規模の野菜畑 ほうれん草 152340 Bq/Kg (!!!)

    しかし・・・これ以外にも物凄い数値が出ているのですが・・・

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