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Friday, January 20, 2012

武田邦彦:「役に立つ研究」で崩壊した日本の学問・・・苦しむ国民

中部大学武田邦彦教授のブログ、1月21日付けポストです。


「役に立つ研究」で崩壊した日本の学問・・・苦しむ国民

4号機の再爆発が懸念され(私はそれほどの危険は無いと思っています)、福島を中心としてセシウムが再飛散しているのに、これまで「原発は安全」と言って来た専門家からはほとんど情報が提供されません。

その基本的な理由は「お金だけの社会」にあるのですが、より直接的な原因は「役に立つ研究」、「国立研究所重視」の政策にありますが、それは1990年ごろ、日本社会が支持したものだったのです。

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それまでの日本の学問は大学が主体となっていて、簡単に言うと大学の教授に「均等」に研究費が配られ、先生方が「勝手」にそのお金を使っていました。ある学者は夜の10時まで懸命に研究し、ある学者は適当に、そしてある教授は海外に「学会に行く」といっては外国でワインを飲んで帰ってくるという具合でした。

そこで、東大教授、文部省、そして一部のマスコミなどが連合して「役に立つ研究に研究費を出す」という運動がおこりました。その当時、「こんなひどい大学教授もいる」というような本を読んだことがありますが、大学教授も100人いれば、2,3人は変な人(大学教授はもともとやや変ですが)がいますから、その人たちを取り上げればどんなことも言えるという感じでした。

かくして「役人が決める「役に立つ研究」」にお金が出るようになったのです。もちろん、役人は形式は整えますから、科研費(かけんひ)と呼ばれるものを含めて、さまざまな研究費の分類を作り、それに東大教授を中心とした「審査システム」を作り上げました。

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その結果、簡単に言うと、まず第一に普通の研究費は大学の先生が文部省や経産省、厚労省、環境省などの申請をだし、それを東大教授が審査するというシステムができ、東大教授にゴマをするか、またはその時の国の政策にあった研究を申請することになりました。

第二には、「大型研究」でこれは、「偉い先生」が文科省、経産省、NEDO、JSTなどの外郭団体と親しくなり、「地球温暖化研究」、「DNA研究」、「ナノテク研究」、「太陽電池研究」などとして数10億円から数100億円のお金を獲得し、それを隠語で「青虫」として「配下の教授」に配るシステムです。

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20世紀の初めに「共産主義」の国家が誕生したときでも、未来はバラ色でした。なにしろ、国民が団結して上下もなく、私欲もなく、理想郷を作るのですから、それまで圧政の下で呻吟していた人たちにとっては素晴らしいものに感じられたのです。

でも、ソ連(ロシア)では、すぐに権力闘争が起こり、スターリンが「大粛正」という名前の殺戮を行い、後をついだ権力者も高級車を6台も保有するということになったのです。「素晴らしいシステム」があっても「人間がそれに応じるだけの人格があるか」の両輪が必要なのです。

「役に立つ研究」も同じでした。理想は素晴らしいのですが、現実には神様がおられたら神様に「役に立つ研究」を決めていただくことができるのですが、神様がおられないので、その代わりを東大教授、高級官僚、政治家などがやることになり、その人たちは「私利私欲」をもとで動きますから(人間としては当然かも知れませんが)、結局「御用学者」と「ごますり学者」が幅をきかせるようになったのです。

それに加えて、学問が大型化するとともに「国立研究所」などの力が大きくなり、環境問題では「地球温暖化計算のためのスーパーコンピュータ」、「環境観測の大がかりなシステム」などを国立研究所が進め、その結果、「政府が温暖化と言えば温暖化」、「東海地震と言えば東海地震」というように、学問とは無縁の情報が社会に流れることになったのです。

本来、学問には「反政府」などは存在しないのですが、私も政府の政策に反する研究は申請が通りませんでした。その時に、ある高級官僚が「武田先生、実際におやりになる研究は別にして、申請だけは政府に合わせておけば良いのですよ」とアドバイスをしてくれました。つまり、「ウソつき先生」がお金を取ることができるということです。

この「役に立つ研究」の被害者は、第一に日本の子供たち、第二に真面目な研究者、そして第三に国民でした。

日本の学問的研究のレベルは、「役に立つ研究」によって大きく後退し、将来に役立つ研究はほとんどすべてカットされました。なにしろ「現在、役に立つと考えられる研究」にお金がでるのですから、「どうなるか判らない」という研究(もともと研究の8割はどうなるか判りません)にはお金が出ません。

なにしろ申請書に欄のある「何の役に立つか」と「社会への波及効果」を書かないとお金が出ないのです。研究ですから何の役に立つかが最初から判るものは、ややレベルの低いものですから、結果的には研究のレベルはさがりました。当然、真面目な研究者は淘汰されます。

国民は口八丁手八丁の世間的に受けの良い「御用学者」や「ごますり学者」の研究のために税金を払うことになり、審査の機関などの天下り組織の人の人件費も負担することになります

さらに、今までは「均等」に分配していたのをいちいち審査するのですから、その事務量は膨大で、「役に立つ研究」というのをマスコミが騒ぎ始めた頃、役人は「これはよい、大幅に天下り先が増える」とほくそ笑んだでしょう。

そして、今回のような原発事故が起こると、御用学者は「国民を被曝させる」、「データを出さない」という政府の方針に従いますから、またここで国民が損害を受けることになります。

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冷たく言えば、「研究とはなにか」、「何が将来の子供たちの日本に大切か」をよく考えなかった国民側にあるとも言えるのですが、福島原発事故が起こっても4500億円の原子力開発予算のことが報道もされず、お金も出ないのは、「役に立つ研究」によって日本の学問の中枢がすっかり「御用学者」で固められた結果です。

一つ一つの原発に反対することも大切ですが、それより、その根源にある「役に立つ研究」を撲滅しないと、セシウムの変化も解説されないことでわかるように、日本の将来はきわめて危ないのです。

(平成24年1月21日)

Monday, August 29, 2011

中部大学武田邦彦教授:「原発のわりと近くに住む2歳の幼児、急性リンパ性白血病に」

武田教授の8月20日の音声のみのブログに出ている音声ファイルリンク:

「takeda_20110820no.96-(3:00).mp3」をダウンロード

または以下の東京茶とら猫さんの書き起こしでどうぞ:

えーと、ある読者の方からですねえ、お知り合いの方が、まあ二歳くらいの方がですね、わりあいと原発から近いところなんですが、急性リンパ性白血病ということを診断されて、だいたい数ヶ月前に遺伝子が損傷したんじゃないかという診断だったそうなんですね。

まあとても心配されておられます。で、まあ、こういうことが起こりますと、もしかすると自然なのかもしれません。ま、この時期ですねえ、一年に数ミリシーベルトもしくは20ミリシーベルトくらい浴びた子供がですねえ、白血病なんかになりますと、やっぱり原発が原因だったんじゃないか、わたしが子供に被曝させたんじゃないかって、深くやっぱり悲しんでしまいます。

まずですね、絶対に東京電力に損害賠償をするべきですね。治療費を出せと。これははっきりと言うべきですね。これがまず第一に大切なんです。もちろんそれによって病気が治るわけじゃありませんけど、しかし、やはりそれがですね、次人の悲惨なことを防ぎますので、是非つらいところですが、そこを頑張ってもらいたいと思いますし、またやはりですね、まあ、一年に1ミリシーベルトはわかりませんが、一年に5ミリシーベルト以上というのは、成人男子でも白血病の労災認定判決があるくらいですから。

親御さんは是非ですね、お子さんの被曝を減らしてほしいですし、それから学校関係者とか、そういう方はですね、もう一度目を覚ましてほしいと。こういう可哀想な例を出さないように。

因果関係がはっきりわかるには、こういうのは大変なんですよ。あの、水俣病とかそんなんでもですね、因果関係を苦しい中で、患者さんが因果関係を証明するのは本当に可哀想だったんですね。やっぱりそのことを日本の指導者の人は早く気がついてもらいたい。

ま、この人はご友人なんだそうですね。とてもショックを受けられております。まあ、東京に住んでおられて、葛飾それから江戸川あたり以外は大丈夫ですし、継続的に食材を気をつけるって事をすればですね、それは大丈夫だと思いますが。やはりお子さんがそうなったときに、非常に反省することになりますので、極力ですね、一年少なくとも5ミリ以下に絶対にしてあげるということを、この際わたしも強く思って、本当に皆さんに注意を呼びかけてください、という話なんですが、わたしもそう思います。

Friday, June 10, 2011

中部大学武田邦彦:「国民がより多く被曝するように」した政府の避難勧告

中部大学武田邦彦教授の6月9日付けのブログです。

福島第1原発が爆発した際の「放射線の強さは距離の二乗に比例するので、遠くに逃げれば良い」という政府の避難勧告が反って避難住民をよけいに被曝させることになった、と言い、「わざと国民がより多く被曝するように指導した」とまで言っています。

放射線の強さは距離の二乗云々、と言うのは、福島第1原発が目視できる場合のみ、光としての放射線についてのみ。それを、遠くへ逃げれば大丈夫、と国民には言い、その実SPEEDIやWSPEEDIでしっかり放射性物質の飛散予測をほぼ事故の初めから正確に出していた政府。遠くに逃げても無事ではすまないことをちゃんと承知していながら、誤情報を流したことになります。国民の放射能に関する無知をいいことに。

武田教授は更に、「万が一、今回の事故で病気の人がでたら、政府と安全委員会は「傷害罪」ではないか?」とまで問いかけています。

以下、教授のブログ(強調は私です):

原発事故中間まとめ(4) 「悪意」か? 私たちの政府

3月11日、福島原発が時々刻々、破壊に向かっているとき、発電所と政府は共に国民に事実を知らせなかった。

1) 発電所長は消防に通報しなかった、

2) 政府は国民に危険を知らせなかった。

しかし、この二つならまだ「準備不足」とか、「普通に見られる隠蔽体質」とも言えるが、逃げる方向について政府が発表したとき、私は「まさか!」と耳を失った。

原子力の専門家ならすべての人が知っていることなので、「悪意」としか考えられないが、本当だろうか?

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「放射線」というのは「光」だから、自分の目で福島原発が見えなくなったら、「福島原発から直接来る放射線は来ない」。

だから「被曝する」のは「放射性チリ」からだ。

原発が爆発するとき、原発の建物は「天井方向に抜ける」ように設計されている.

これは爆発の可能性のある建物を設計するときの常道で、「爆発のエネルギーが原子炉や人のいる下の方に行かないように」という配慮である。

福島原発の水素爆発でも、屋根が抜けてまっすぐ上に100メートルほど煙(放射性チリ)が舞い上がった.

もし、そのまま無風の「状態」が続けば、吹き上がった放射性チリの「粒」はそよそよとそのまま原子炉建屋の中に帰って行っただろう.

でも、現実には無風の状態がそれほど長く続くわけではない.上空にまっすぐ上がった放射性チリは、風に流されて徐々に西北(一部は南)に向かった。

その時、政府は驚くべき発表をしたのである。それは、

「放射線の強さは距離の二乗に比例するので、遠くに逃げれば良い」

ということであり、それを受けてNHKのテレビでは東大教授が、

「10キロ地点から20キロ地点に逃げると、被曝量は4分の1になります」

と解説をしていた。「かけ算」をせずに1時間1ミリシーベルトを「レントゲンの600分の1」などと言っていた時代だ.

それを真に受けた多くの人たちは、

「原発から遠くに逃げろ」

と思ったのは当然である.

これほど簡単なことを間違えるはずはないから、どうも「悪意の政府」、「鬼の東大教授」のように見える。

なぜなら、「正しいことが判っていて、わざと国民がより多く被曝するように指導した」からだ。

原発の事故では「原発を背にして、遠くに逃げる」のはダメである。


この図を見て欲しい.

福島原発が爆発すると、そこからの放射性物質は風で流れる.どちらの方向でも同じだが、もし「西北」の方に流れたとしよう。

その時に、政府が「原発から遠ざかれ!」と言った。

国民はまさか政府が悪意を抱いているとは思わないので、原発を背にして逃げた。

でも、図のAさんは風下に当たっていたから、逃げれば逃げるほど原発から襲ってくる放射性物質の中にいた。事実、逃げたところで粒が上空から降ってきたので、もと居た場所より多く被曝した。

Bさんも、Cさんも風下には当たっていなかったので、逃げる必要はなかったが、政府を信じて逃げた。

そうして、Bさんは郡山まで逃げ、そこで迂回してきた放射性チリで被曝し、元のところの方が低かった。

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つまり、

1) 風下に当たっている人は、原発から遠ざかれば遠ざかるほど、長時間被曝する、

2) 「横に」10キロも逃げれば、被曝しない.つまり「原発から遠ざかる」のではなく、直角に逃げろということだ、

3) 風下の当たっていない人は遠ざかっても関係がない、

ということが判る。

私が最初のころ、火山の噴煙の動きを貼りつけて「風下はダメだ」と言い、気象庁に「風の向きを予報してくれ!」と叫んだのはこのことだ。

気象庁は知らない顔をしていた。彼らも放射性チリの流れを知っていて、言わなかったのかも知れない.

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もちろん、原子力安全委員会、原子力保安院は知っていた。専門家集団であり、普段から原発のシビアーアクシデント(大事故)を考えに考えているのだ。

こんなことを知らなければ職務が遂行できない.私は彼らが知っていたことを知っている。

ということは、国民がより多く被曝するように「放射線は半径の二乗で・・・」と言い、「遠ざかれ」と言ったと思わざるを得ない。

事実、それを信じた首長さんは住民を連れて原発から遠ざかろうとして、さらに被曝した。

何ということだろう!

万が一、今回の事故で病気の人がでたら、政府と安全委員会は「傷害罪」ではないか? あちらに逃げれば火傷をすると知っていて、その方向に逃げるように指示する人などいるだろうか?

何でこんなに大きな間違いをして、平気なのだろうか? 今からでも修正しておけば、今後も役立つのに、なぜ謝罪しないのだろうか? 

・・・・・・

今回の事件は、多くの面で、「一体、政府とは何か?」、「知識とはなにか?」を訴えているように思える.

Saturday, May 21, 2011

中部大武田邦彦教授、5月18日衆院文部科学委での冒頭陳述



ちなみに、京大の小出さんは23日月曜日の午後1時から、参議院の行政監視委員会で証言します。お見逃しなく、と言ってもまさかテレビで中継はしないだろうなあ。ネットでどこかやるんだろうか。

Sunday, May 1, 2011

中部大学武田邦彦:放射能規制値の設定の根拠

松本外相が日本は安全なので訪問してください、と外国にアピールする不毛、高木文科相が福島の学校の校庭は3.8マイクロシーベルト時以下なら安全と言って憚らない愚、消費者に安全で栄養のある野菜を作ってきた農家を代表する(はずの)福島県農協が福島の復興のために福島の野菜を買いましょう、とキャンペーンする不可思議。

ゴールポスト(放射能規制値)を都合よく勝手に変えてしまった日本政府の「つけ」は、国内外の信頼の失墜ぐらいで済むとも思えません。

中部大学武田教授の5月1日付けのブログに、規制値の設定の根拠などがわかりやすく説明されています。

教授はブログポストの最後で水の放射能規制値について触れていますが、ちょっと驚きました。WHOの基準が1リットル1ベクレルというのは知っていましたが、ドイツの基準は0.5ベクレル、アメリカは更に厳しくて0.1ベクレル、日本は10ベクレルだったのを、福島第1原発事故後300ベクレルに引き上げ、つまり、WHO基準の300倍、ドイツの600倍、アメリカの1000倍の放射能まで「安全」と認めることに勝手に決定したわけです。

誰が決定したんでしたっけ?そんな権限、決定した人にあったのでしょうか?あったとしたら、誰がそんな権限を決定者に与えたんでしょうか?

以下、武田教授の5月1日付けのブログ 全文 (強調は私です。)

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規制値の再整理


「放射線は体に良い」、「20ミリまで大丈夫」、はては「核実験の時には今より放射線物質が多かった」など、いかがわしい話が横行しています.

まるで今まで何も検討されてこなかったというような報道が行われています。

そこで、ここで放射性物質の規制値を再整理しておきます.

この規制値は、私が勝手に決めたわけではなく、「国際勧告」と「国内法」で決まっているものです。

また、テレビで「専門家」という人が登場し、「一般人で100ミリまで良い」などと発言していますが、ここに示す値はその人達が決めたものです。

決定に当たっては、もちろん膨大なデータをもとに1970年代から20年かけて「今、テレビに出ている専門家」が多く参加して議論をし、1990年にハッキリ決まり、それから20年間も守ってきたものです。

また、福島原発が起こったから、日本人が急に放射線に強くなったということはありません。

・・・・・・・・・低い方から・・・・・・
まず、まとめますと次の7段階です。

1. 1年20マイクロシーベルト
2. 1年50マイクロシーベルト
3. 1年0.1ミリシーベルト(=1年100マイクロシーベルト)
4. 1年1ミリシーベルト(=1年1000マイクロシーベルト)
5. 1年5ミリぐらい(おおよそ)(=1年5000マイクロシーベルトぐらい)

6. 1年20ミリシーベルト(=1年2万マイクロシーベルト)
7. 1年50ミリシーベルト(=1年5万マイクロシーベルト)

1. 1年20マイクロシーベルト

文科省が決めている「クリアランス・レベル」というもので、「これ以下なら過去に放射線に接していても、普通のものとして扱って良い」という数値。

これに反すると懲役1年以下の犯罪で、現在の文科省の言動は、自分で作った法律に違反して犯罪を犯している。私もこのクリアランス・レベルの検討に参加していた。

今、テレビで「100ミリまで安全」と言っているある組織の専務理事のところで決まったもの。

2. 1年50マイクロシーベルト

放射線の影響がほとんどなく、あまり気にしなくても良いレベル。原発の境界などはこの線量を守ることが求められていた。

これも公的な数字で、福島原発事故が起こる前には盛んに使われていたが、今では隠されている.

原発関係社は50マイクロのことを良く知っていて、原発に見学に行くと「被曝限度は1年に1ミリですが、原発は50マイクロを守っています。だから20倍、安全です」と広報していた。

3. 1年0.1ミリシーベルト

ICRPの国際勧告の10分の1で、ECRR(欧州放射線防護委員会)が国際的基準として求めているもの。

ICRPとの差は、放射線で発生するガンについてのデータの見方が違うため(ヨーロッパの方がガンに対して厳しいので10分の1になっている).

「日本の基準値は厳しすぎる」という専門家がいるが、それは間違いで、これでわかるようにヨーロッパは現在の国際勧告の10分の1の値を求めている。まだ世界を説得出来ないので、ICRPはこの値の10倍を採用している.

4. 1年1ミリシーベルト

ICRPの国際勧告の中心をなす値で、「我慢できる限度」ということで定められている。例えば、交通事故は1年で約5000人が死亡するが、だからと言って外出を控えるということはしない。つまり、この社会は危険性がある程度あることを承知で行動をすることから決まっている。

1年1ミリシーベルトを被曝すると、1億人で5000人のガン+遺伝性異常が発生すると考えられている.これが世界の専門家のコンセンサスである。

もちろん極めて膨大なデータと専門家の議論に基づいているので、今更1年1ミリの根拠を説明してくれといっても、それは無理である。普通の人が勉強して、この1年1ミリを理解するためには3年ぐらいはかかる。

ところで、放射線の規制については、ICRPの勧告で、国際的にどの国も同じ数値を使っている
その理由は、

1). 海外旅行したときに、どこかの国に行くと被曝をしてしまうのは危険であること、
2). 国際的に輸出入をするためには、製品の安全性を保つこと
3) 海外に転勤命令が出た時に、相手の国と自分の国の基準が同じでなければならないこと

等から、放射線の基準値は国際的に決めてから、国内法を検討する手順になっている。

今、福島で「100ミリまで大丈夫」と言っている学者などは、ICRPの委員で決定に参加している.また、ICRPの勧告に基づいて国内法を決める時には、今、テレビに出たり、新聞でコメントしているほとんどの専門家が参加している.

だから、「人がガンになるのは3分の1・・・」とか、「核実験の時には・・・」などという新聞記事を書いた記者は誰から聞いたのか、その人を特定する必要がある。

5. 1年5ミリぐらい(おおよそ)

日本では、1年に1ミリシーベルトを守るために、多くの法律ができているが、その中心となるものが「管理区域」という概念である。

「管理区域」というのは、世の中の役に立つために放射性物質やレントゲンを使わなければならないので、そのような場所を限定して安全を確保しているからだ。

だから、管理区域にずっと生活していると1年に5ミリシーベルとぐらいの被曝を受けることになるが、人間はずっと管理区域にいることがないので、少し高めの値が設定されている。

私たちが病院に行くと、レントゲン室に放射線のマークが貼ってあるが、それが管理区域である。現在の福島の多くの場所が管理区域以上の放射線の強さであるので、早く表示をしなければならない

6. 1年20ミリシーベルト

職業的に放射線を浴びる人の基準である。職業的に被曝ということは、

第1に、成人男性であること、
第2に、自分の意思で職業に就いているので、放射線で被曝するのが嫌だったらその職業やめればいいからであること、
第3に、被曝量を測定すること、
第4に、白血球の減少(白血病ではない)等の健康診断を定期的に受けること、

の条件がついている。
子供はもちろん職業的に放射線を浴びるところにいることはできないし、また妊娠している女性については職業的であっても特例が設けられている。

現実に「20ミリ制限で働いている人」の平均的な被曝量は1年に0.7ミリシーベルトである

従って、今のところ日本では集団として見た場合、「平均的に1年1ミリシーベルト以上の環境に曝されている人はいない」ということで、これは注意を要する.

子供は3倍ぐらい感度が高いので、この職業人の考え方を取れば、

1) 子供と妊婦、近いうちに妊娠希望の女性は7ミリで、
2) 被曝量を測定し、健康診断を受ける、
3) 被曝量が多くなったら、そこから移動する、

という考え方もある。

なお、ICRPが事故時には「1ミリから20ミリ」というのは、「20ミリ被曝しても良い」というのではなく、「事故時でも無限に被曝してはいけない.被曝量は20ミリに制限し、早くその状態を離脱すること」ということである。

7. 1年50ミリシーベルト

職業的な理由で、どうしても大量の被曝を避けることができない場合、1年に50ミリシーベルトまで認められている。しかし、5年間で100ミリシーベルト(1年平均では20ミリシーベルト)という制限があるので、1年に50ミリシーベルト被曝した人は、その他の4年間で調整して、5年間の合計で100ミリシーベルトにしなければならない。

以上のことから判るように、中心的な基準となっている「1年に1ミリシーベルト」というのは、それほど低い値ではありません。

また、原則的には、1年に「大人で、被曝量を測定し健康診断があり、自主的(職業的)に被曝」の場合でも、20ミリシーベルト以上の被曝は認められていません。

軍隊とか非常時は全く別の考え方なので一緒に議論することは出来ません。

また医療用に受ける放射線量については全く別の考え方をとっています。つまり、お医者さんは患者さんの足が腐ってくると、足の切断手術をすることができますが、だからと言って、日常的に一般人が人の足を切断してい良いということではありません。

傷害罪になります。

医療では、医師が患者さんの全体を考えて被曝による損害があってもそれ以上の必要性があれば、患者に被曝させることがあります。これは足の切断手術と同じことです。

その点で官房長官や保安院が、一般の人の被ばく量と CT スキャン等の医療用の被曝を比較したことは誠に不見識でした。

政府がこんなことをしてはいけません。

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ところで、野菜や魚などの基準は、日本はそれほど甘いわけではありません。おおよそ国際的な基準に沿っているということが言えます。

しかし、原発事故が起こってから水の基準だけは、もともと甘かったのに、さらに30倍に引き上げられました。

もともと、WHO の基準が1リットル1ベクレル(ヨウ素)ですが、日本の基準は10倍でした。

それをさらに原発事故で300倍まで上げたので、これははっきりと根拠を説明しておかなければなりません。

ちなみにヨーロッパは厳しい基準で、ドイツは0.5ベクレルアメリカは0.1ベクレルです。

従ってこのブログでは、一般の食材については規制値をもとに考えますが、水道については、国際基準との関係も見ながら計算を進めていきたいと思っています。

つまり、私は「売り上げ確保、利権、風評、パニック、パフォーマンス」等とは関係なく、子供の健康だけを考えて計算を進めていくつもりです。

(平成23年5月1日 午前10時 執筆)

Thursday, April 28, 2011

中部大学武田邦彦:「文科省が(規制値以下の)汚染された食材を給食に使わせるのは法律違反」

先日武田さんのブログに出てすぐ引っ込んだ、いわき市長あてのメッセージのポストの書きなおしが登場。

武田教授の4月29日のブログ (強調を入れたのは私です):

給食 法律上(規制値以下の)汚染された食材は使えない!



(この記事は、ある市の給食問題を取り上げたものを書き直したものです。書き直した理由は、私はこれまで、

「個人を批判せず、意見を批判する」

というのが信条で、今までも首相、東大総長など限られた人以外は、個人の批判を控えてきました。

しかし、このところ、市長などが市民に被ばくを強制する例が目立ち、つい具体的な市長の名前で批判をしました。

でも、やはり個人を批判すると論点が曖昧になりますので、書き直しました。内容はほぼ同じです.)

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食材が汚染し、子供が被ばくしています。

その中で、福島を中心として学校で「地産地消」の食材を使った給食を実施しているようです.

福島ばかりではなく、東京などでも「災害地の農産物を使おう」というキャンペーンなどがあり、給食に「規制値内の野菜」が「安全なもの」として使われて、お母さんを心配させています.

給食の問題は複雑で、これまでもいくつかの論争がありました。

それらは、いずれも学校というものが「集団の規律を教えるところ」なのか、「自由な個人を育てるところなのか」でした。

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給食は児童が一斉に食べますから、一人の児童が「わがまま」を言うと、給食自体が成り立たないという面があります。

一方では、憲法で「思想信条の自由」が認められていて、たとえば宗教上の理由で豚肉が食べられない児童に対して、どのように考えるかという問題があります。

このように給食の問題は、二つの見方がありますが、

「放射線で汚染されている食材を使った給食を児童に強制できるか?」

「市長、教育委員会、校長、給食担当専門家は、それを決める権限があるか?」

について考えてみたいと思います.

なお、「汚染されている野菜」とは、

「規制値内だが、普段に比べて汚染が見られる場合」

とします。つまり、規制値を超える野菜はもともと販売されていないと仮定します.

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従来からの給食問題の議論は、アレルギーの子供の場合と、給食費が払えない親の問題です.これを「行列のできる法律相談所(2006年)」から見てみましょう.

問題は「アレルギーのある子供は当然、弁当が許されるが、アレルギーのない児童の給食拒否、弁当持参を禁止する教師は違法なのか」という設問です.

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【橋下徹弁護士】

弁当禁止は違法ではない。義務教育というのは英数国理社の科目を教える場ではない。集団ルールを教えるのが義務教育で一番重要な事。アレルギーの場合は食べない自由は当然であり、弁当は許されるが、そうでない時に給食を食べない自由を許すと、授業を受けない自由や、体育の科目ごとに授業を受けない自由など、どんな自由でも許されるのかという事になる。自由、自由と言っていたら集団ルールを守れるような子供には成り立たないので、弁当は禁止するべき。

【北村晴夫弁護士】

弁当禁止は違法である。給食を強制するため弁当を禁止するのは違法! 学校給食の目的は、集団行動を教えるためではない。 子供の成長の為、栄養を補給させる為である。 経済的理由や母親が弁当を作る時間がない子供の為に支給している。 集団行動を教えるために「これを食べなさい」と強制するのは本末転倒であり、目的を取り違えている。 学校は「人はそれぞれ違うのだからいじめてはいけませんよ」と教えるべき。「イジメにあうから主義・主張と違うものを食べなさい」というのはおかしな話である。

【住田裕子弁護士】

弁当禁止は違法である。今の世の中の流れとしては「多様性」。

健康上や宗教上の理由、ライフスタイルの信念など、ある意味では正当な理由があってやりかたも相当である限り、弁当持参は認めるべき。

【丸山和也弁護士】

弁当禁止は違法である。教育というのはそれぞれの生徒の個性を引き出してそれを発展させていくことが目的であって、画一的な教育というのは、日本の場合、強すぎるので、そう言うところは自由にしていったほうがのびのびした人間に育つ。

学校が弁当を禁止するのが違法という弁護士が多いのが現状です.

・・・・・・・・・

この議論で判るのは、

1. 法律違反をしてまで学校側が弁当を禁止できない(レベル1)、

2. 児童の健康に影響がある時は弁当を禁止できない(レベル2)、

3. 社会は多様化しているのだから、合理的な理由があれば弁当を禁止できない(レベル3)、

4. 給食は家庭の事情で弁当を持って来ることができない児童のための栄養補給であり、弁当禁止などはまったくできない(レベル4)、

という感覚の差があり、昔でも「レベル1合格」は当然で、今は「レベル3合格」ぐらいのところが社会通念だということも判ります.

・・・・・・・・・

これから見ると、「地産地消」という意味で、福島県の小学校が「福島産」の食材を給食に使うときに、保護者がそれを拒否できるかと言う問題を考えてみたいと思います.

まず、文部省が所轄する法律「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」によると、

1. 放射線の被曝はできるだけ少なくすること、

2. 児童(一般人)の被ばく限界を、食品からの内部被ばくも含めて1年に1ミリシーベルト以内にすること、

としています。



また、左の図は文科省の通達ですが、文科省(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)は現在のホームページに法律の改正で被ばくをみだりに増やす行為に対する罰則規定を強化しています.

ここでは、「一般公衆の線量限度」を1年間1ミリシーベルトとし、かつ「放射性廃棄物」を排気するときの「クリアランスレベル」として、「1年間10マイクロシーベルト以下」としています.



つまり、「被ばくはいろいろなことが原因して起こるので、1つのことで規制するときには、規制値の100分の1」という通常、食品安全などに使われる考え方をそのまま踏襲しています.
(機会を見て「社会の安全を保証する100分の1のルール」についてお話しをします.)

だから、

1. 今、文科省が勝手に「1年1ミリシーベルト」を「1年20ミリシーベルト」にしているが、これは「有罪」で、1年以下の懲役刑になる、

2. 「この食材は大丈夫」というためには、1年間10マイクロシーベルト以下(規制値の100分の1)でなければならない、

と文科省自身がそのホームページで言っていることです.

・・・・・・・・・

つまり、福島産、茨城産のように、現在は1年に10マイクロシーベルト以上の野菜や牛乳が多いので、その食材を給食に使用することは「文科省の法律違反、懲役になる」ことであり、議論の余地無く、学校は給食に「汚染されている可能性のある食材」は使えない事になります。

文科省も先生方も、文科省の法律を犯してまで、児童を被ばくさせようとしないでください。

(平成23年4月29日 午前10時 執筆)

Wednesday, April 27, 2011

IWJ・USTREAM民主党川内・辻議員主催の原発勉強会中継、中部大学武田邦彦教授講演

あああチャンネルに行ったらちょうど終わったところだった!

武田さんがブログでお書きになっていることとほぼ同じようなことですが、聞いたほうが分かりがいい、という向きには良いのではと思います。

日本時間4月28日10時30分より開始された原発勉強会を取材したのは相変わらず岩上安身さんのIWJだけだったとのことです。

ちなみに、福島第1原発からの放射性物質の放出が一日154テラベクレルだった(24テラベクレルではなく)というとんでもないニュースがブレークしたのは、この勉強会でのことだったそうです。

第1部



第2部:

Wednesday, April 20, 2011

中部大学武田邦彦:大人は子供たちを被ばくさせたがっている

としか思えない、と武田さんはおっしゃっているようです。「自爆主義」とも。こうなると、テロリストの範疇ですね。

茨城の方の母乳からヨウ素131が検出されたそうですが、一番守られるべき子供に真っ先に20ミリシーベルトの年間被曝許容量をあてはめて学校に通わせる日本の政府が、私には理解不能です。それを諾々と許す人たちも、理解不能。国が基準を決めたからそれに従う、という福島のお役所の人たちも、理解不能。

武田教授の4月20日のブログです:

●「雄々しく放射線に立ち向かう」というのが立派なことだろうか?

 なにか戦前を思わせる.放射線が人体に害があるというのは国民的コンセンサスなのに、なぜ急変して「我が身を放射線に曝すのが格好いい」となり、「ついでに子供も被ばくさせてしまえ」という自爆主義は許されるのだろうか?

●60の爺さんが「大丈夫」とパフォーマンスをして、その野菜を子供が食べるというのはどういう意味があるのだろうか?

現在のように全体的に汚染されているときには、思い切って汚染地域の農作物は捨てるのが正しい。無理して放射性物質を含む野菜を食べなくても良いのに、なぜ出荷するのだろうか?

●なぜ、給食に地産地消を強調するのだろうか?

子供は給食を拒否できない.拒否できないものに放射性物質を使うのは許されない.食を供給する人は「上司」の命令を聞いてはいけない.単純に子供の健康だけを考えることができる。栄養士は「専門職」である。上司はいない。栄養士の人、立ち上がってください!

●福島が汚染されたのは福島の人の責任だろうか?

福島の人は「福島が汚染された」と言われるのをいやがる。でも、福島を汚したのは福島人ではないのに、なぜいやがるのだろうか?
福島市を汚したのは国と東電なのに.

●東電のミスを福島の子供に転嫁するのは正しいのだろうか?

福島県は福島の子供を避難させない。これは「東電のミスを福島の子供の被ばくで贖う」ということだ。福島の親がそれで良いというなら仕方が無いが、放射線は子供や若い女性に厳しい。私は可哀想に思う.

●被ばくしている児童生徒を疎開させるのは面倒なのだろうか?

文科省は子供に20ミリという高い放射線をあびさせている。疎開させれば無事なのに、なぜ子供達を被ばくさせたいのだろうか?まるで戦時中の竹槍精神を思い起こす.先生方、立ち上がってください!

●東電のミスで汚染された食材を消費者に転嫁するのが魂のある農業だろうか?

農家こそ、「消費者が安心して食べることができる食」を提供してきたのではないか。今後も農薬が付いていても「基準以下」なら出荷するのか? 無農薬とか言っていたあれは何だったのか? 
農家の方、立ち上がってください!

●なぜ、福島の大人は子供を被ばくさせたいのか?

なぜ、福島の大人は子供を疎開させないで被ばくさせたいのだろうか? なぜ、安全委員会でも10ミリまでと言っているのを20ミリも被ばくさせるのだろうか? 保護者とはそんなに子供に権利があるのだろうか?

●放射線に高いところの人はなぜ、避難しないのだろうか?

放射線の障害は20年かかる遅発性が多い.一生に一度しかないのだから数ヶ月でも避難すれば良いのに。

● なぜ、突然、放射線が安全になったのだろうか?

今までの放射線の法規制、専門家の意見はいったい何だったのか? 「ちょっとでも危険な放射線」と言っていた専門家は、なにが変わって「いくらでも良い放射線」に豹変したのだろうか?

(平成23年4月20日 午後8時 執筆)

Tuesday, April 19, 2011

中部大学武田邦彦:野菜を流水でよく洗ってから放射能を測れ、という政府の通達

消費者が買わないのは当たり前。

もし武田さんの言うことが本当なら、政府、自治体が出してくる放射能測定値などはまるで信用できないことになりますね。少なくとも農作物については。

魚は洗っても無駄でしょうからとりあえずは信用できるかもしれませんが、ヨウ素、セシウム以外の核種を検査していないのが気になります。

武田教授4月19日のブログより抜粋:

原発 緊急情報(56) これから:「安全宣言」という風評


農業の方には悪いけれど、子供に野菜や牛乳を飲ませる親の立場で考えると次のようになります.

1) 政府は事故後、野菜の放射線を測る方法を急に変更し、「測定する野菜は、箱から取り出して、測定する野菜だけ流水で良く洗ってから測ること」という通達を出した。
この通達で野菜は全ての信頼を失った。
【理由】出荷時はまだ収穫直後なので、付着している放射性物質は容易にとれる.だから、産地で良く洗ったら放射性物質がとれる野菜でも、消費者が買うときにはこびり付いていたり、しみこんだりしているので取れない。
だから、今、表示されている野菜や農作物の放射線の値は、まったく信用できない.

2) 福島原発に近いところの人が、東京に来て「こんなに新鮮ですよ」といって野菜などを売っている.
これも信頼を失わせる行動である.
【理由】放射性物質がついた野菜も新鮮だ。「新鮮だから安心」というのは、放射性物質が付着している場合はもっとも危険な判断である.水俣病の時に、「水銀を含んでいる魚が新鮮だった」というのが悲劇を呼んだ.

3) 自治体が野菜などの一部の農産物の放射線量を「良く洗って」から測り、「安全宣言」を出している.安全宣言を出した自治体の農作物は信頼できない。

4) 心ある農家から私のところにメールをいただく.そのメールには「これまで消費者に安心して食べてもらうために全力を注いできた。その信頼を失いたくないが、自分の畑でとれた野菜が安心なものか、どうしたら判るだろうか?」と悩んでおられる.

消費者も生産者も真剣です。

「流水でよく洗ってから測定しろ」という通達を出す政府が「風評」を作り出しています.これまで普通に出荷している状態のまま、しっかりと測定し、「規制値以下」ではなく「規制値の100分の1以下」の野菜だけを出荷すれば、風評は起こりません.

今、政府やメディアが言っている「風評」とは、「汚染されていない野菜が拒否される」という本来の風評ではなく、「汚染されている野菜を、いい加減な測定で売ろうとすると消費者が買わない」ということですから、風評ではなく、至極、当たり前のことです。

それに足し算の問題があります。

周囲が汚染されていないときには、一つの食材だけに注目すれば良いのですが、現在のような状態ではできるだけ放射性物質を含まない農産物を流通させる必要があります(すでに書きました)。

Tuesday, April 12, 2011

中部大学武田邦彦教授:低線量率は安全なのか、安全でないのか?

武田教授の4月11日のブログポストです。教授は以前にも、線量率は確率の問題だ、と言っています。

長期にわたる低放射能が安全なのか、そうでないのか、実際そんなことを研究できた事例が無いにもかかわらず、ひたすら安全だと言うのは学者の言論の自由ではありましょうが、その先生の個人的ご意見として聞いておくほうが安全だと思います。

原発 緊急情報(52) 低線量率の危険性(どうして違うのか?)


原発が少し落ちついてきて、政府の方も原発近くの待避範囲を「半径20キロ圏内」のようにあまり意味のない範囲ではなく、風向きも考慮して具体的なことを決め始めました。

しかし、先日、年間1ミリ(シーベルト)の限度を20ミリに緩めていますので、やや警戒が必要です。

ところで今回は、そのような状態でもあり、「低い線量」を浴びた時の健康に対する問題点を少し整理してみたいと思います

というのは、「低い線量はとても怖い」という先生と「低い線量など問題がない」という専門家がおられ、これでは、どっちが本当かと迷うのは当然だからです。

そして東京や、さらに関西の方にお住まいの人は大量の放射線を浴びるわけではなく低い放射線の被曝なので、この問題を一度考えておく必要があると思います。

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読者の方から「低い放射線は問題では無い」と言っておられる数名の先生方を紹介していただきましたので、その先生方のビデオや書かれたものを見てみました。

二つのグループに分かれます.

一つは、「本当の意味で低い放射線は全く問題がない」と考えておられる研究者の方.もう一つは「1万人に50人ぐらいのガン患者はでるが、それは問題では無い」と評価している先生です。

1万人に50人ぐらいのガンは仕方が無いというのはその人の感覚ですから、データそのものの違いではありません。わたくしは、1万人に50人の患者さんといいますと、日本人1億人ではガンの発生が50万人になるので、交通事故死の100倍になり、これでは危険という感覚です。

ICRPも1億人に5000人を基準にしていますので、わたくしもそれを使っています(1年1ミリ)。

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一方、もともと低い放射線はまったく問題がないという考えの方がおられ、その論拠を整理してみます。

1) 世界で日本よりもずっと自然放射線の高い地域があり、そこはガンの発生量も低い、

2) 今までの広島、長崎やチェルノブイリ原発事故の被曝は、被曝線量が高く、今回のような場合と比較できない。

確かにその通りです。これもほぼ同意できます。

世界には日本に比べて非常に放射線の強い地域があり、そこで住んでいる人が特別にガンが多いということはありません。地域によってはむしろ日本よりガンが少ないところがあります。

また、広島・長崎やチェルノブイリで障害が観測されている人は、かなり激しい被爆をされた場合です。

これもその先生が言っておられることが、わたくしの考えと特に違うことはありません。

私は次のように考えています(データは同じ)。

自然放射線の強いところにガンが多いというわけではありませんが、ただ、自然放射線が強いところは、日本のように平均寿命が長いというわけでもありません。

日本でもかつてはガンが少なかったのですが、平均寿命が延びるにつれてガンが増えてきたという事情があります。従って、自然放射線が強いところはガンが少ないというだけでは、低い放射線が安全だということは言えません。

また、人間には「人種」があり、南の方に住んでおられる人は肌が黒いのですが、これは紫外線が強いので、紫外線によって皮膚ガンにならないように皮膚が黒くなっているのです(メラニン色素の沈着で紫外線を防御。おそらくその他の修復力も高い。)

このように人間はその環境にあった体になりますので、基本的には放射線が強い地域にお住みの人は、放射線に対して体が防御する力も強いということが言えます。

だから、日本人が赤道直下に住む時には、若干注意が必要ということになります。

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また広島・長崎やチェルノブイリとの比較ですが、広島・長崎の時代は戦争でしたので、人の命に対する考え方は今と随分違っていました。

現在のデータでは、原爆が投下された後に広島・長崎に立ち入って放射線で障害を受けた人が10万人程度おられるというデータもあります。

また、戦争の後、広島・長崎に入ってデータを採ったのはアメリカでした。それもあって、なかなか真実が求められないという事情もあります。

チェルノブイリでは、何しろ言論統制をしていたソ連時代のことで、はっきりとしたデータはありません。

これについては、二つの見解があり、一つは予想外に被爆の影響が少なかったという整理と、時間がたつにつれて被爆の影響が出てきたというデータがあります。

いずれにしても、学問の前に思想的な差があって、現在のところどちらが学問的に正しいかわからないというべきでしょう。

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また、低い放射線は大丈夫だと言っておられる先生がたのお話しにやや問題点もあります。

その一つが、ICRPやヨーロッパの研究者が言っていること・・・低い放射線量でも集団で被爆すればかなりのガンが出る・・・というデータについて具体的に反論されてないことです。

(もしビデオをみる機会があれば、「普通のデータ」がなぜ否定されるのかを言っておられるかどうかに注意してください)

ICRPも荒唐無稽なデータを使ったり、思想的な背景があるわけではありません。低い放射線の場合は、Aさんが被爆したからといって必ずしもAさんに障害が出るというわけではなく、1000人の人が被曝すると5人ぐらいにガンが発生するということを言っています.

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参考までにICRPが「標準データ」として使っている「低い放射線での10万人あたりの過剰死亡率」の表を示しておきます.データそのものよりも、このように公開されているデータのどこが間違っているのかをお話しするべきと思います.

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長くなりましたが、低い放射線と体の関係は原理的に次のように考えられます。

放射線はわたくしたちの体の中を通過していきます。細胞の中に放射線が通過したからといって、その細胞の中にある遺伝子が必ず傷つくということはありません。

ただ何回か通過していると、そのうちに遺伝子が損傷する場合があるのです(学問的には短波長でエネルギーの高い電磁波が、高分子(DNA)の一部を励起させて、そこが切断されたり反応したりする。確率的に起きる)。

また人間には回復力がありますから、遺伝子が損傷したからと言って直ちにガンになるのではなく、それを直してくれるのも確かです。

でも、1000人ぐらいのグループに繰り返し放射線があたりますと、そのうちどこかの細胞にガンができて、それが量的にも時間的にも回復できないという状態が生じると考えられているのです。

その点から言って、「低い放射線は人体に影響がない」というのは、集団の人の場合、断言できないと考えられます

今回の場合、私たちの知見はわずかで、しかも「もし障害がでたら1万円払えば元に戻る」というものではなく、その人の一生に影響がありますので、やはり今までのデータを尊重するのが良いと思っています。

Saturday, April 9, 2011

中部大学武田邦彦教授: 原発 母の役割

中部大学武田邦彦さんの4月10日のブログ全文です。あくまで武田さん個人のご見解ですが、詳しい放射能データが必ずしも出ていない状態で、さあ安全だから食べろ、といわれても、そうですか、とは簡単に肯けない方々に、ご参考まで。

(安全性を信じたい方は、長崎大学の山下俊一さんなど、いかがでしょうか。)
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原発  母の役割


母ができることは限られている.

原発を運転できる訳でもなく、風向きを変えることもできない。

でも、母は全ての危険を「最小」にすることはできる。

時に、子を危険にさらすこともある。たとえ危険があっても子の希望を叶えてあげたいと思うのも母である.

そんなとき、子を送り出した母は無事に帰ってくるまでただ神に祈る.

時に、隕石が落ちてくることもある。母は子を胸に抱いて運命を共にするが、必ず隕石に背を向ける。それで子は母の愛を感じながら満足して身を委ねる.

母ができることは限られている.でも、子にとって母ができることは無限であり、その中で安心して生を送るのだ。

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できることと、できないことがあるが、子を守ることはできる。

1)  母は「管理区域」の放射線を越える場所から、子を連れて避難する。
放射線の強さは最近1週間の平均が、1時間0.6マイクロシーベルトである。
子の受ける放射線を自らはかれる場合はその値を、測れない場合はその地域の発表値を使う.
1時間0.6マイクロを越える場合、場所によっては1年間1ミリシーベルトを越えることもあるが、それぐらいは母の配慮で減らすことができる。
移動は連休明けまでを一つの目安にして、そこでもう一度考える.
(さまざまな理由で移動できない母は次へ進む。1時間0.11マイクロを越え0.6マイクロまでの場所の母も同じ。1時間に0.11マイクロ以下の母は「食材以外」は普段通りで良い。)

2)  食材を選ぶ。
(政府が「明日の風向き」を発表せず、メディアが「風評」という用語を使い、スーパーが「基準以下の汚染の野菜」に「シーベルト表示」(汚染度)をしない間」は次の行動をとる。)
イ。放射性ヨウ素が基準以下の野菜が、放射線量を表示せずにスーパーで売られる危険性が高い。
ロ。産地は偽装されることが多い。
ハ。もし産地が判れば、茨城北部産、福島県東部、宮城県南部産の食材は買わない。もし「南部」「東部」が判らなければ茨城産、福島産、宮城産の食材は買わない。野菜、鶏卵、肉の全ては同じである.
二。外国産、北海道産の食材を求める(残念ながら、現在では国産より外国産が信頼できる。
(スーパーが放射線量を表示するようになったら)
「福島東部産の野菜は安心です」などと言っていたスーパーなら疑い、「消費者に放射性物質を含んでいるものは、基準値以下でも売りません」と断言していたスーパーはやや信頼する.
(国が「明日の放射性物質飛散予想」を出すようになったら)
表示を信じて、放射性物質が表示され、かつそれがゼロの物だけ買う。
また、合理的な理由で、3月11日以前に収穫されたもの、外国産、新潟、長野、静岡以南で生産されたもの、日本海の魚ということがわかるものは購入する。

3) 空気
マスクをできるだけさせる。この時期になると屋内屋外はあまり差がない。
あえて窓を開けない(黄砂が来たときと同じ防御をする)。
外出すると放射性物質(黄砂)が服についているので、自分を含めて家族の外出着はできるだけ拭いて、玄関など普段、あまりいないところにかけておく.

4) 水
福島県東部、茨城県南部以外の人は、「飲み水だけペットボトル」の状態にする。福島県東部、茨城県南部の人は「計算値(後述)」を用いる.
水道局の発表を自ら、もしくは口コミで知っておく(私はやや水は楽観している。心配な人は水道局の値を調べて、「子供の総合的な被爆地」を計算する)。
風呂、歯磨き、洗顔、お米とぎ、調理、掃除などは福島県東部、茨城県北部以外は大丈夫.
天気予報に注意し、子供にかならず傘を持たせ、危ないときにはビニールのカッパを使う.家に帰ったらすぐ脱がせて洗う。

5) 家の中
床を綺麗に拭き掃除する(放射性物質は床に付着する)・・・この時期はかなり大切!!。
壁も時々、拭き掃除する(壁にも少し着く)。
子供が手にするおもちゃ、道具などを拭いておく.
子供の服は外出から帰ったときに、ごく簡単にティッシュで拭く(黄砂を落とす感じ。屋外で)。
洗濯物は1時間に0.6マイクロシーベルト以下の地域は屋外、それを越えている地域は屋内とする。

6) 運動
運動は危険であるが、子にとっては人生そのものでもある。だから、「危険を冒して送り出す」ことになる。
1時間に1マイクロシーベルトを越える地域では、合宿などあらゆる手段をとってもらうように頼む.
それ以外の地域でも、できるだけ先生、コーチに御願いして、屋外の練習の時間を短くしてもらう.

7) 学校
給食の「被曝量」の表示を求める.その時に「基準値以下」を「ゼロ」にしないように求める。
学校に、「放射線の測定の高さ」、「内部被曝(校庭のホコリなど)」、給食、水道などの全活動を含んだ「児童生徒の被曝量」を表示するように強く求める.
教育委員会、校長は信頼できないことが多い.教師と連帯する.

まだ、あるのですが、書く時間がなくなりましたので、また、追記します.

とりあえずのおおよその生活の指針になればと思います.また時期は「今から連休明けまで」と「連休明けから」を区別してください。

ご苦労と思いますが、もうしばらく(福島原発から放射性物質がでている、政府がまだ隠している、スーパーが汚染された食材を売ろうとしている、海流の動きが不明である)、頑張ってください。

放射性物質は「半減期」がありますから、必ず近いうちに「安心できる放射線量」になりますから、最初だけ頑張ってください。

また1号機も含めて福島原発の状態は、危険が生じたら、その都度ブログに書きます.

(平成23年4月10日 午前9時 執筆)

中部大学武田邦彦教授:ニュースの深層 2011.4.8『これからの福島第一原発と放射能汚染』

必見。

第1部

「耐震度は電力会社が選ぶ」
「原発が一般家庭と同じように停電してしまう、というのは普通の人は考えないが、まさにそれが起こった」
「行政は、法律で決められたとおりになっていれば責任がない」
「行政(設計)も、建設、重電(施工)も、東電(運営)も、ひょっとすると誰も責任がないかもしれない。法律上の規定にのっとって福島を設計し、施工し、運営したわけだから。」



第2部

「水素が漏れて爆発して建屋が壊れてくれたおかげで、格納容器が爆発しなくて済んだ」
「不幸中の幸い」
「大爆発になることは多分ない。20分の1ぐらいの確率。あとはだらだら放射能が減っていくだろう」
「人類の歴史で例のない、長期間にわたる汚染になってしまった」
「赤ちゃん、幼児が危ない。成人男性の三倍ほど感度が高い」
「福島市、いわき市までの範囲、起こってしまった現実を直視する必要」
「やや東京は安全」
「放射線と、放射性物質はちがうんだよ、ということを理解した上で、対策をとらなくては」
「SPEEDIのデータはかなりきびしかった。基準に照らすとまずい、というデータがでた。そのあと発表しなくなった」
「庶民が出来ることは、出来るだけ避けて、データ出せ、と要求するしかない」
「放射能汚染の野菜の摂取、できるだけ減らしておくほうがいい」
「レントゲンと比べるのはどういうものか。積算値で考えると、月に数十回レントゲンを撮っていることになる」

「これは戦争の疎開。爆撃機が来ている。爆撃機は放射性物質」



第3部

「放射線量は確率でやっている。例えば1ミリシーベルトで100人に1人がんになるとすると、20ミリシーベルトでは100人に20人ががんになる。」
「情報は出来るだけ細かに、個人個人が判断できるように出すべき」
「1ミリシーベルトで線を引くしかない。それを超えたら、じゃあ個人個人としてどうするか」
「多分連休明けぐらいには原子炉は安定する。それから4ヶ月ぐらいは放射能が出続ける。次に15年から20年、じっと置いとくしかない。それから恒久的な方法を講じることが出来る。25年経ったチェルノブイリは今でもきれいになどなっていない。そのままおいておくしかない」

「原発は原爆の500倍、2000倍のウランを持っている。原発を運転すると言うことは、絶対に今回のようなことが起こってはいけない、と言うのが最初からの前提で、起こると土地も失うし海も失う、ということは、厳しいが現実だから仕方がない。ヨウ素が8日、セシウムとストロンチウムが出てきてこれが30年、という物理的な量は、変わらない」

「原発が爆発すると30年はだめだ、ということを私たちはよくわかっていなければならない」
「被爆量は自分で計算できる」

「魚や野菜の汚染の基準値がなかったのは、汚染を仮定してはいけなかったから」

Friday, April 8, 2011

中部大学武田邦彦教授:「子供の目線で」放射線を計ると原発労働者と変わらないレベル

武田教授の4月8日のブログポストです。とくに福島県でお子様、お孫様をお持ちの方々、お読みください。

ちなみに、福島県が計測を始めた県内各学校(幼稚園、小学校、中学校)の放射線測定結果は、ここへ行けば見られます--->http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm

「原子力災害情報」のセクションの、左側の欄をずっと下のほうに行って、「福島県放射線モニタリング小・中学校等実施結果(全調査まとめ)について」をクリックします。最新(4月7日)の情報は、これです。高いところで、6マイクロシーベルト/時を超える幼稚園、小学校がいくつもあります。

入学式の強行の1日前まで、計ってもいなかったんですね。

ただし、これを見る限り先生のおっしゃるような20マイクロシーベルト/時という数値は、浪江町、飯舘村に限られているようです。特に浪江町は地面レベルで30マイクロシーベルトを越えるところもあり、これを「安全だ」という学者の気が知れません。多分、新入生は浪江町、飯舘村の学校に通うわけではないので、いいじゃないか、とでもおっしゃるのでしょう。

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原発 緊急情報(52) 子供の目線で [強調は私が入れたものです]

新学期を前にして福島県の小学校を中心として学校や幼稚園の空間線量率(普通に発表されている放射線の強さ)が測定されて公表されました。

それを見ると、高いところでは1時間当たり20マイクロ(シーベルト、省略)を超えるところもあり、10マイクロ程度の学校が相当多いようです。

そこでここでは「大人の目線」ではなく、現実に学校に通って被爆する「児童生徒の目線」で、子供達がどれぐらいの被曝すると予想されるかを計算してみたいと思います。

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お子さんが通う小学校の測定値(地上1.5メートル)が20マイクロとします。もし、ご自分のお子さんの小学校が2マイクロでしたら、以下の値を10分の1にしてください。

まず、大人は1.5メートル付近の空気を吸いますが、お子さんは50センチから1メートル程度です.それに走り回ったり砂場で遊んだりしますので、地面にかなり近いところ、しかもホコリが舞っているような環境です(これは子供目線の一つ)。

労働衛生関係でよく知られているように、地面から30センチまでがホコリが舞う高さです。「放射性物質」は「黄砂」のような物ですから、ホコリと同じように舞い上がります.

読者の方からのご連絡などから、1.5メートルの地点と比較すると50センチぐらいのところは線量が1.5倍程度になっているようです。

そこで、地上1.5メートルの測定値が20マイクロの学校は、子供目線では30マイクロとなります。

また、事故が起こる前まで文科省は「被曝は外部と内部を合計すること」と指導していましたが、事故が起こってからは「外部だけ」

を発表しています.

「子供目線」では、「原発事故を小さく見せる」とか「パニックを避ける」などは関係なく、「自分がどのぐらい被曝するか」だけです。

外部被曝と内部被曝の比率は自然放射線では、外部被曝の2倍が内部被曝です(公的発表値).またチェルノブイリの時にはほぼ同じでした(私の調査)。

そこで、ここでは少し甘いのですが、ラドンの影響があるので、内部被曝を外部被曝と同じとします。

なぜ、子供が内部被曝をするかというと、「放射性物質のホコリ」を吸い込むからです.これは牛乳に放射性物質が含まれていたことと同じです.

空間からの被曝=外部30マイクロ+内部30マイクロ=60マイクロ

・・・

次に食事や水、洋服、持ち物から児童生徒が被曝する量ですが、この計算では「自治体が「地産地消だから地元のものを食べよう」とか「給食には地元の食材」とか、さらには「魚が汚染されているといっても、限度の1年1ミリより低い0.6ミリだから」ということを信じている(政府や自治体の言っていることを信じている)校長先生や給食の方のもとで食事をする子供を想定します.

地元の野菜などは基本的に「地元の汚染レベルになる」ということです。野菜などはベクレルで表示されますから、これをシーベルトに直すのには、子供がなにをどのぐらい食べるかを決めなければなりません.

報道は錯覚するように情報が伝えられています.

たとえば、ホウレンソウですが、「一年にホウレンソウを食べ続ければ・・」と言い、「1日100グラムのホウレンソウを1年間、食べ続けると」と報道されますので、親御さんは「そんなに食べない」と錯覚します。

でも、汚染される時にはホウレンソウも、小松菜も・・・野菜やその他の食材も同じく汚染されることになります.その場合は、「ホウレンソウの汚染=食材の汚染」となりますので、お子さんがおかずを一日300グラム食べるとすると、逆にホウレンソウの値を3倍しなければなりません。

東電が発表した魚の汚染も同じでした。実に不誠実な発表で「大丈夫です」というのは、その魚しか食べず、息もせず.水も飲まず、空高く浮いている人の場合という前提を抜かしていました。

また、水についても同じで、水に含まれる放射性物質は空気中のものが川に落下するのですから、これも同じような量になります。でも現在では少し減っていますので、「環境から」ということで、水+衣服+道具などを合計します。

つまり、子供は、食材と水などから約30マイクロの被曝を(もし大人が放射線を気にせずに給食などをしたら)受ける事になります.

この計算は、現在では栄養士の方が「カロリー」より、「被曝量」を計算する方が重要な事を意味しています.保護者の方は学校の栄養士の方に「給食を出すなら被曝量を「ベクレル」ではなく、「シーベルト」で示すこと」を求めてください。

たとえば独身の女性なら自分で食材を選べますが、子供は出されるものを食べるしかないので、保護者の方の責任です.

ここでは、今までのやり方に合わせて、

外部(30)+内部(30)+食材(30)+水など(30)=120、

で計算を進めます.今後、地域地域でお子さんの被曝についての計算が進むでしょうから、この数値が小さくなることを望んでいます.

また、もともとの空間線量率が2と低いところは、食材や水はかなり緩和されるでしょう.

食材などは現在、ヨウ素、セシウムを計測していますが、ストロンチウムなどがまだ未測定なので、原理的には食材からの被曝は30の1.5倍、つまり45になります.ストロンチウムは骨に入りますので、本当は重要ですが、まだ発表はありません。

・・・

この小学校に通う子供は1時間に120マイクロの被曝を受けます。

すでに事故から1ヶ月になりますから、

最初の1ヶ月: 120×30日*24時間=86.4ミリ

ビックリするほど多いのですが、胸のレントゲンが1回あたり50マイクロなので、もともと1時間あたり120マイクロというと、幼稚園や小学校の子供が1時間に胸のレントゲンを2回以上撮り続けるというのですから、このような値になるのは当然です.

国際勧告や法律の線量限度は1年に1ミリですから、すでにその80倍を被曝した可能性があります。また政府が引き上げた被曝限度の20ミリからみても4倍です。

何も知らない子供が、「政府を信じている」と繰り返す教育委員会の犠牲になるのは可哀想です.

また、普通なら最初の1ヶ月でかなり放射線は減るのですが、福島原発の場合、まだ漏れているので、これから3ヶ月は2分の1、それから10分の1になるとすると、

3ヶ月  86.4×3÷2=129.6ミリ

8ヶ月  86.4×8÷10=69.1ミリ

で最初からの合計の被曝量は、285ミリになります。これは非常時の作業員の被曝限度(福島原発の前は100ミリ、その後250ミリに変更)の上限ですから、大人でも急性白血球減少が見られる急性領域になります。

つまり、福島県で線量率が20マイクロぐらいの値のでた小学校では児童を福島原発の作業をさせているということです。

・・・・・・・・・

私たちはまず「もっとも被害を受けると考えられる子供達」に焦点をあてなければなりませんから、この計算は決して「誇張されたもの」ではないと思います。

もし、2マイクロの場所(福島県東部、茨城県北部の多く)ではこの10分の1ですから、28ミリぐらいになり、これも1ミリの限度の28倍、政府の新基準を越えます.

まず学校は、すぐ「正しく、ごまかさず」に計算することがどうしても必要です.政府が安全と言っているからといって子供の健康が害されて良いということはありません。それが教育委員会の独立性なのです.

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まず、教育委員会、校長先生など管理関係の方は被曝量を計算して公表してください。学校にいるときだけではなく、家庭も含めて児童生徒が守られているかという見地で実施してください。

校長先生、学校の先生は、「児童の目線」にたって、測定をしてください(地上20センチが適当です)。

先生は、下校の時に児童の衣服にどのぐらい放射性物質がついているか測ってください。また、放射線としては、教室の中は「室内」にはなりません。

給食の方は、食材の線量を測ってください。一つ一つの食材が「規制値内」であっても、合計するとかなりになります。また農業の人も「汚染された食材を子供に食べさせる」ことは反対と思いますから、生産者や自治体に遠慮なく子供本位でリストアップしてください。

(普通の時には規制値内で良いのですが、あちこちから放射線をあびるときには、規制値は関係がなく、足し合わせなければなりません。外国産、北海道産、3月11日以前の食材を使えばグッと減ります.)

また、最近測定値の「すそきり・・・少ない数値の場合ゼロにする」をし始めていますが、これも子供のために止めてください。小さい数字も足し合わせるとかなりになります。

各家庭に計測器を置くことはできませんから、学校で測定してあげてください。また「計測器がないから」など「子供の被曝」とは関係の無い大人の事情は先生方の間でも会話を控えましょう.

(平成23年4月8日 午前9時 執筆)

Thursday, March 31, 2011

中部大学武田邦彦教授:福島原発内部映像「配管がプッツリ切れていた」

教授の3月31日のブログに、

3月31日、テレビ局が独自に入手したとされる3月24日から3月28日に撮影されたという福島原発の内部映像が公開された。地震で破壊されたと見られる配管がプッツリ切れていた。
という言及がありました。どこのテレビ局?どなたかご存知ありません?(まあ教授に直に聞く手はあるか。)

Tuesday, March 29, 2011

福島第1原発:中部大学武田邦彦教授インタビュー『原子力保安院の嘘』

ごらんにならなかった方へ。中部大学武田邦彦教授インタビュー。いつ収録されたものかは不明。3月21日にYoutubeにアップロードされています。教授は原子力安全委員会の委員でした。

「震度6で100パーセントとはいわないが大部分が壊れる。」

「安全はほとんど関係なく作られるんですね。」

「浜岡原発は東海地震の想定震央地に建てられた」

通産省の原子力保安院の「いけいけ原発行政」が問題の根本、と教授は言っています。



いろいろ物議をかもしている教授のようですが、地球温暖化に異を唱えているだけでも物議大いにOK。地球温暖化を丸ごと信じている日本で、たいしたものです。

教授が(旭化成の)ウラン濃縮研究所の所長だったときの逸話でも分かるように、国の政治家、官僚が気にするのは自分の保身、それを、「国民の安全」に摩り替える。まあ、政治家、官僚も国民のひとりなのですから、「国民の安全」には変わりはないんですが。

「こんなのはいつでも起こってるんですよ。」
「放射能が出ていても、保安院はまったく関係ないんです。気にしないんです。自分たちに責任はないと。」

だれもが「予想外」ということでみんなが責任逃れをしている、とも。

「国民は、地震が来たら津波が来るんじゃないか、地震学者がもしかしたら間違うんじゃないか、事故があったらどうするのか、そういうことを考えているところがある、と思っている。実は、何もない。」

「20キロ半径なんてまるで意味がない。風が問題。気象庁は風の計算は出来る。予測は出来るはずだが、風は変動するから責任が不明瞭になるので、言わない。」

「福島原発あたりの風向計は壊れている」

「そのあたりに風向計、風力計を10箇所も設置してデータを取って、コンピュータでシミュレーションをかければいい」

「不完全な地震指針を通そうとするから、せめて原発付近住民にオートバイと、子供にヨウ素を配って、と言ったら、原発は安全が建前だからそういうことはやらない、といわれた」

「原子力発電所は戦艦大和。所長は大和の艦長の覚悟でやらないとだめ。サラリーマン、官僚にはできない。」