Showing posts with label チェルノブイリ. Show all posts
Showing posts with label チェルノブイリ. Show all posts

Tuesday, May 15, 2012

キロ当たりベクレルから平方メートル当たりベクレルへの変換計算

ツイッターでフォローさせていただいている方から以前教えていただいたリンクですが、日本保健物理学会の「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」というページがあります。その中のQ&Aの一つに、「Bq/kgからBq/m2への変換方法について」というのがあります。

チェルノブイリの区分と比較したいので、どのように変換がなされるのか、教えて欲しい、という質問に対して、計算の仕方を答で解説しています。

福島第1原発事故から14ヶ月以上経った今でも、「なんとなく聞いたことがあるけれど詳しく見たことがないので今ひとつ分からない」ことの一つがこの変換の計算ではないでしょうか。特に最近、放射性セシウムが濃縮したような場所から取った少量(時には10グラムにも満たない量)のサンプルを自動的に65倍、あるいは150倍してチェルノブイリの汚染と比較しているような事例もちらほら見ましたので、ここはまじめに算数をやってみよう、というわけです。

文部科学省による土壌検査は表面から5センチの深さまで取ります。その結果のBq/kgを平方メートルに変換したい場合、65倍という数字を使っているようです。一方、農林水産省による土壌検査は、農地はその深さぐらいまで耕すため、という理由で、表面から15センチの深さまで取ります。その測定結果を平方メートルに変換するときは、150倍、との記載をウェブなどで見かけます。5センチの3倍の15センチなので倍数も65倍の3倍で195倍ではないかと単純に思いますが、さて計算は。

まず、日本保健物理学会のページの情報から、文部科学省の「65倍」を検算してみましょう。

日本保健物理学会「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」より、「Bq/kgからBq/m2への変換方法について」(計算部分抜粋):

土壌の密度を1.3 g/cm3と仮定し、土壌採取の深さを5 cmとした場合の換算方法を以下にお示しいたします。

土壌1kgに相当する体積は、体積(cm3)=1(kg)/1.3(g/ cm3)から、約769cm3と求めることができます。今回は、土壌採取の深さが5 cmですので、その面積は、体積を深さで除することにより、面積(cm2)=約769(cm3)/深さ5(cm)=約154 cm3 と求めることができます。よって、Bq/kgに相当する面積はBq/154cm2となり、これを単位面積あたりに直すと約65 Bq/m2となります。


誤植(面積(cm2)=約769(cm3)/深さ5(cm)=約154 cm3 ではなく、154 cm2)を直して整理すると、

計算の大筋としては、比重を使って1キロ当たりに相当する体積を求め、次にその体積(縦x横x高さあるいは深さ)を深さで割って、面積(縦x横)を出す。
土壌の密度 1.3 g/cm3
体積(cm3)=1(kg)/1.3(g/cm3)=約769cm3 (分かりやすく書くと、体積(cm3)=1000(g)/1.3(g/cm3)=769cm3
面積(cm2)=体積(cm3)/深さ=769/5=154cm2
Bq/kgに相当する面積=Bq/154cm2
1平方メートル当たりにすると、1m2=10000cm2なので、倍数を x とすると
Bq/154cm2=x Bq/10000cm2
x=10000/154=64.9≒65

出来た、65倍!

変数(これが変化することによって答が変わってくる数値)は、土壌の密度と深さ、ということが分かります。

同様に、農水省の土壌15センチを取る場合の倍数は、土壌の密度が同じとして、

土壌の密度 1.3 g/cm3
体積(cm3)=1(kg)/1.3(g/cm3)=約769cm3 (分かりやすく書くと、体積(cm3)=1000(g)/1.3(g/cm3)=769cm3
面積(cm2)=体積(cm3)/深さ=769/15=51cm2
Bq/kgに相当する面積=Bq/51cm2
1平方メートル当たりにすると、1m2=10000cm2なので、倍数を x とすると
Bq/51cm2=x Bq/10000cm2
x=10000/51≒196

196倍、という答が出ました。

では、同じ計算方式を使って(というより、同じ計算方法が使えると仮定して、ですが)、道路の表面、あるいは吹き溜まりなどの浅い部分から取ったサンプルの倍数はどれくらいのものが適当なのか、やってみます。仮定として、

土壌の密度は南相馬の「黒い物質」の例(100ml容器に詰めて45グラム、つまり比重は0.45g/cm3)を使って、表面1センチを採取することにし、これをBq/m2に変換するための倍数を求めます。

体積(cm3)=1000(g)/0.45(g/cm3)=2222cm3
面積(cm2)=体積(cm3)/深さ=2222/1=2222cm2
Bq/kgに相当する面積=Bq/2222cm2 倍数を x とすると
Bq/2222cm2=x Bq/10000cm2
x=10000/2222≒4.5

答は4.5倍

表面1ミリのサンプル採取が可能だとすると、

体積(cm3)=1000(g)/0.45(g/cm3)=2222cm3
面積(cm2)=体積(cm3)/深さ=2222/0.1=22220cm2
Bq/kgに相当する面積=Bq/22220cm2 倍数を x とすると
Bq/22220cm2=x Bq/10000cm2
x=10000/22220≒0.45

答は0.45倍。キロ当たりのベクレルが仮に100万ベクレルだとすると、それを敢えて平方メートル当たりに直す場合は45万ベクレルになる、という計算です。

ということで、結論としては放射能が濃縮するような場所から表層の浅い部分だけ取った場合、表層から5センチまで、あるいは15センチまで取ったサンプルと同様の倍率でキロから平方メートルあたりのベクレル数を単純に換算できるわけではなく、そもそも濃縮された、面積の狭い場所から取ったサンプルのキロ当たり濃度をを平方メートルあたりの濃度に変換する意味があるのかどうか、よくわからない、というところに私は落ち着きました。

それでも、東北、関東の広い範囲から発見されている「黒い物質」が高い放射能であることには変わりはなく、自治体がなぜこれを取り除く努力すらしないのか、私には理解できません。

(H/T @Kontan_Bigcat)

Thursday, April 26, 2012

ウクライナの首相、チェルノブイリ周辺地域の「活性化」を計画

日本のニュースは「チェルノブイリの周辺地域の半分は永久に立ち入り禁止」という部分に着目しましたが、ロシアのニュースは「その他の半分」に注目して記事を書いています。 RIA Novostiの2012年4月23日付けの英語記事です:

ウクライナは現在、チェルノブイリ原発周辺の汚染地域を美化する政府のプログラムを拡大する方向で進めている、とミコラ・アザロフ首相は月曜日に発表した。

専門家によるとチェルノブイリ周辺の強制避難区域の放射線レベルは近年大幅に低下している、とアザロフ首相は述べ、避難区域外でもキエフ地方の居住地域で放射線レベルの高い場所は無い、と付け加えた。

「これらの放棄された家々、町、住宅地などを活性化して、『第二の生』を与える十分な理由があります。新たな仕事場となり、政府の新たな財源になります」とアザロフ首相は言う。

3月下旬、ウクライナのビクトル・ヤヌコヴィチ大統領は、4月26日、チェルノブイリ事故26周年記念の日に、チェルノブイリ原発で新しい石棺の建設を開始する、と発表した。

チェルノブイリの石棺建設の費用は9億3500万ユーロ(米12億ドル[日本円で約970億円])、大半の資金は昨年の世界各国政府からの寄付でまかなわれた。ウクライナの寄与分は全体のわずか6パーセントだ。

封じ込めるための施設は鉄製で高さ105メートル、長さ260メートル。これで原子炉を覆う。2015年までには完成する予定である、とウクライナ政府は以前に発表した。

破壊されたチェルノブイリの原子炉は1986年の事故から数ヵ月後にコンクリ製の建物で覆われたが、以来建物は劣化しており、放射能が漏れ出す恐れがある。

政府の新たな財源。どこの国でも金儲けを優先ですね。国が率先しておこなうところも、最近では全世界の傾向として著しい。

というわけで、チェルノブイリ周辺で永久立ち入り禁止にならない残りの1000平方キロは、「活性化」されるのです。日本政府と違って、一応公式には26年待っただけ上等でしょうか。何しろ日本は1年で住民を避難地域に帰還させる、という離れ業をやってますからね。

ああ、ということは、26年経って避難地域の「活性化」を図るウクライナ以上に日本の国の財政が逼迫している、ということなんでしょうか?(と、わざとらしく聞いてみる。)

ツイッターでリンクを出しましたが、去年、チェルノブイリ事故から25年経った去年制作された映画を出しておきます。ベルギーの Alain de Halleux というディレクターが作ったものだそうです。英語ですが、ナレーションは割と聞きやすいブリティッシュ英語なのでトライしてみてください。(と言いつつ、私もまだ全部見ていませんが。)チェルノブイリ周辺の荒涼とした風景、原発で今も作業をする人々の、何かロボットのような動き。

このウクライナの首相が「活性化」されたチェルノブイリ周辺の町に住むわけもなし。

Friday, January 6, 2012

デルテ・ジーデントプフ博士: 「日本国民はシステマティックに騙されている」

ドイツTAZ紙に2011年12月26日に掲載された記事を、”Carnard Plus”ブログさんがドイツ語から日本語に訳して掲載されています。

長い記事ですが、医療、健康以外の話題(前半)で興味深い箇所の抜粋をお出ししてみます。後半は、現地の人々の健康被害について詳細な記載があります。全訳はぜひ”Carnard Plus”ブログでお読みください。

日本政府の対応について: チェルノブイリから学んでいない。世界各国の政府も黙認。(外圧に期待するだけ無駄です。)

「一番ひどいのは、責任者達がチェルノブイリから何一つ学んでいないことです。チェルノブイリ事故よりもさらに規模の大きい福島原発事故に対する対応ぶりには、私は茫然自失としています。日本政府が避難地区を事故に見合った範囲に拡大しなかったこと、女性や子供達を即座に安全な南部に避難させなかったことに対しては、ただただやり場のない怒りを感じるだけです。そうした適切な措置を取る代わりに、国民はシステマティックに騙されてきました。実際の危険に関する情報は伝えられない、あるいは伝えられても誤った情報である。なんという無責任でしょう。これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します。しかも政治と原子力産業はそのことを黙認しているのです! 世界中で!

原発被害は増大する:

汚染地域の住民達は 1986年から現在までチェルノブイリ事故と共に生活してきているのです。事故による被害は収束するということを知りません。自然災害と違って、原発事故の被害は時間の経過と共に減少していく代わりに増大していくのです。しかもその期間は今後少なくとも300年間にも及びます。

この「300年」という数字は、環境的半減期についての論文の主張とも一致します。

ベラルーシの高度汚染はモスクワの汚染を避けるための人工降雨のためだった:

チェルノブイリ事故による汚染地域の大部分はベラルーシーにあるのです。当時のソ連邦に降下した放射性物質の70%が当時の旧ソ連ベラルーシー共和国に降り注ぎ、国土のおよそ四分の一が放射能汚染されました。ベラルーシーの国境は原子炉から約15キロの距離にあります。

それだけではありません。事故後、風向きが変わって放射能雲がモスクワに向かい始めたとき、ヨウ化銀を用いた人工雨によって、大急ぎで放射性物質のベラルーシー領域への降下が促進されたのでした。もちろん住民には何も知らされませんでした。五月初旬のよく晴れた日、突然空からべとべとした黄色い雨が落ちて来たと人々は語ります。 このことは長年の間住民に明らかにされず、ただ移住が行われ、指令が出され、人々をなだめすかせるようなことが行われただけでした。計測器は厳重に禁止されていました

移住するのに10年かかった:

ゴメルとモギリョフ両地方は大きな面積が放射能汚染され、約百万人が移住させられましたが、移住を実行するためにはまず大きな都市や区域に家々を建設しなければなりませんでした。ミンスク(ベラルーシー首都)周辺には大きな街が建てられました。新しい住居に移住できるようになるまで、多くの人々は十年間も汚染地域に住み続けなければなりませんでした

金の切れ目が原発事故の終息、『博物館』化:

...おそらく国家予算の半分はチェルノブイリ事故処理のために消えていったと思われます。

とうとうある時期、ソ連時代のような比較的気前の良い措置を実施し続けることは望まれなくなり、また続けることも不可能になったのです。ルカシェンコ大統領がチェルノブイリ事故は収束したものであり、博物館に収めるべき過去の出来事であると発表したのはそのためです。放射能汚染されていたベラルーシーの地域はすべて安全になったと公式表明されました。

...被害者達は幼稚園や学校給食が無料だったり、子供達は特別のヴィタミン剤や保養を受けることも出来ました。保養こそ今でも年に一度受けることが出来ますが、その他の措置はすべて打ち切られてしまいました。ヴィタミンたっぷりの給食もです。被害者達は今でも証明書を所持していて私達に見せてくれますが、実際には価値がなくなってしまったわけです。事故当時の請求権はすべて廃止されてしまったのです。

当ブログでも記事をお出ししましたが、日本では既に原発事故博物館の話があります。移住、避難どころか、福島県の警戒区域内にも住民を返そうという政府の計画は既に動いています。

ああ、事故は日本では終わったんでしたね、野田首相。

Monday, August 22, 2011

チェルノブイリでの実地研究:セシウム137の「環境的半減期」は放射性崩壊半減期の数倍から10数倍

2009年12月、Wired Magazine日本語版に掲載された記事です。

福島原発事故に唯一参考になる原子力発電所事故とも言えるチェルノブイリ原発事故。日本でも原発被災地復興のための「除染」が合言葉のようになってきていますが、先日の南相馬市の除染活動を取り上げたABCニュースでは、チェルノブイリの専門家は、「同じような除染はチェルノブイリでも試みられたが、うまくいかなかった」と発言していました。

その専門家は、「除染」してもそれは放射性物質を単に別の場所に移動させるだけであるから、という理由を挙げていましたが、Wiredの記事、記事の元になった論文を見ると、セシウム137の「環境的半減期」は物理的な半減期30年をはるかに超え、最小から最大までの幅は62年から420年だ、と言うのです。

これが本当なら、「除染」は人間の尺度ではほとんど不可能だ、と言うことになります。

記事の元ネタは、アメリカのAGU(American Geophysical Union、アメリカ地球物理学連合)のポスター・セッションで発表された論文。後に実際にPeer Reviewの学術誌(Environmental Science and Technology、環境科学技術)に掲載されています。英文ですが、コピーはこちら。(PDFファイル) (H/T Viola)

Wired Japanの2009年12月18日付記事

チェルノブイリ周辺の核汚染、予想より減少進まず

チェルノブイリ原発周辺の継続的な土壌調査の結果、約30年で半減するはずのセシウムの減少が進んでいないことが明らかになった。「環境的半減期」は180〜320年と見られるという。

Alexis Madrigal

1986年に史上最悪の事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所は、期せずして、放射能の影響を研究する格好の実験場となった。事故から20年以上たった現在でも、現場には驚きが隠されている。

周辺の放射性セシウムが、予想されたペースでは消失していないことが、12月14日(米国時間)、米国地球物理学会の秋季大会で発表されたのだ。

[放射性の]セシウム137の半減期(物質が元の量の半分まで崩壊するのにかかる期間)は約30年だが、チェルノブイリ付近の土壌に含まれるセシウムの量は、およそそんなペースでは減少していなかった。

ウクライナ政府が将来的には再びこの土地を利用したいと考えるのは無理もないことだが、研究チームは、セシウムの半量が周辺の環境から消失するまでの期間――チームはこれを「環境的半減期」と呼んでいる――を、180〜320年と算定している

今回の調査結果は驚きをもって受け止められた。専門家らはこれまで、放射性同位体の環境的半減期は、物理的半減期よりも短くなると予想してきた。どんな土壌サンプルにあっても、自然の拡散作用によって放射性物質の減少が促進される、と考えられたためだ。ストロンチウムに関しては、この考え方は妥当だった。だがセシウムには逆のことが当てはまるようだ。

セシウムの物理的特性は変化しておらず、それゆえ研究チームは、環境に理由があると考えている。たとえば土壌採取地点には、チェルノブイリ原発の付近から新たにセシウムが供給されているのかもしれないし、あるいはセシウムは地中深くの土壌にまで拡散しているのかもしれない。今回の研究チームの1人である、サバンナ・リバー国立研究所のTim Jannick氏(原子核科学)は、さらなる調査で真相が明かされることを期待している。

チェルノブイリ原発事故の後、専門家らは、放射性降下物が飛散すると予測されるルートに沿って、複数の実験場を設置した。さまざまな深さから土壌サンプルを採取し、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムの放射性同位体が地上にどれだけ拡散されるかを測定した。この計測は20年以上続けられており、最悪に近い原発事故が環境に対して持つ長期的な影響に関して、貴重なデータを提供してくれている。

米エネルギー省のハンフォード核施設[第二次大戦中から1970年代までプルトニウムを精製してきた]のように長期にわたって汚染されてきた地域に比べれば、チェルノブイリの影響は単純で理解しやすいので、そのデータが期待されている。

論文では、セシウム137の環境的半減期の最低値は90年、最高値が320年、となっていますが、その数字の内訳を良く見ると幅は更に広く、土壌の種類にもよって62年から420年。(論文12、13ページ参照。)

論文の要旨部分からの抜粋:

It was found that the 137Cs absolute T1/2 ecol values are 3–7 times higher than its radioactive decay half life value. Therefore, changes in the exposure dose resulting from the soil deposited 137Cs now depend only on its radioactive decay.

セシウム137の環境的半減期は放射性崩壊の半減期の3倍から7倍であることが分かった。従って、土壌中のセシウム137からの被曝線量の変化は、現在は放射性崩壊のみに拠るものである。

本文の記載から抜粋:

The experimental data on 137Cs redistribution in the soils of the experimental plots demonstrate a relatively low intensity of 137Cs vertical transfer. Twenty one years after the fallout, 90-97% of the total 137Cs inventory deposited in the upper 5-cm thick soil layer of the grassland formed on automorphous mineral soils. A more intense 137Cs transfer occurred in the grasslands formed on hydromorphous organogenic soils where, within the same period of time, the upper 5-cm thick soil layer contained 50-89% of 137Cs.

実験区画地面での土壌中のセシウム137の再分布に関する実験データは、セシウム137の垂直方向の移動が比較的緩慢であることを示している。放射能汚染から21年後の時点で、automorphous mineral土壌の上の草地では、セシウム137の総量の90パーセントから97パーセントまでが土壌上層5センチ内に堆積している。水性の生物由来(?hydromorphous organogenic)の土壌の上の草地ではセシウム137の移動はもっと活発で、同じ期間で土壌表層5センチ内のセシウムの量は50パーセントから89パーセントになっている。

日本の場合、セシウムその他の放射性物質が降下した畑や水田を耕してしまった場所も多いので、5センチより深層にもっと移動しているのでは、と思いますが。

表層から50センチぐらいまで、表土、Top soilを取ってしまえばいいのではないか、という方もいらっしゃるようです。しかし、これが学校の校庭ならいざ知らず、福島の大部分を占める農地、山林でそのようなことが可能かどうか。取った土をどうするのかはひとまず措き、表土部分を取ってしまった土地で耕作が出来るのか、とも思います。表土部分に含まれる自然有機物、植物の根と共生関係にある微生物などを取り除いてしまう、ということになるからです。

どうも最近とみに悲観的になっていらっしゃるような感のある京都大学の小出裕章さんは、「除染はできません」とはっきりおっしゃっていますが、さて。

Friday, June 3, 2011

福島の竹が黄色に変色、「成長の過程。全く問題ない」そうです

竹が黄色くなるのが「成長の過程」なら、福島の人たちだって知っていると思うんですが。

チェルノブイリ事故の後、松林が赤茶色に枯れた話は有名ですね。

福島民友ニュース6月3日付け記事

黄色の竹、放射線が影響? 窓口に相談数件

 竹が黄色に変色しているが、放射線が影響しているのでは―。県北地域の住民を中心に5月下旬から、県に相談が数件寄せられている。2日の県災害対策本部会議で、鈴木義仁県農林水産部長が明らかにした。変色は「竹の秋」とも言われる「黄変」と呼ばれる現象で、樹木の紅葉に当たる。鈴木部長は「成長の過程。全く問題ない」と強調した。
 県内は、タケノコが11市町村で暫定基準値(放射性セシウム500ベクレル)以上の放射性物質を検出しており出荷停止が続いている。県は「基準値を上回っているタケノコの影響で、通常の自然現象でも過敏になっているのではないか」と分析している。
(2011年6月3日 福島民友ニュース)

Wednesday, April 13, 2011

京都大学小出裕章氏4月12日インタビュー:「レベル7は一日目から」

4月12日大阪MBS毎日放送ラジオのインタビューです。



書き起こしはこちら。 (最後3分の1は書き起こしがまだありませんが、私の聞き書きでよかったら最後のセクションに出しましたので、どうぞ。)

ポイントいくつか:

水野)今日は、今回の原発事故が国際評価尺度において、最も深刻なレベルの7に相当するというふうに発表されたのですが、これについてはどういうご意見ですか?

小出)あまりにもバカバカしいのでコメントもしたくありません。

--------------------------------------

平野)先生、あのう安全委員会が昨日ですね、発生当初から数時間、1時間当たり最大1万テラベクレルの放射性物質を放出したということを昨日ようやく言ったんですけど、1万テラベクテルという単位がなかなか理解できにくいんです。

水)テラって

平)猛烈な単位を想像するんですけど、これはどうみたらいいんでしょう?

小)テラっていうのは、10の12乗ということです。5万[テラ]ベクレルを超えるような放出を超えるとレベル7だといのが国際事故評価尺度です。ですから1日目にもうそれにごく近いものを放出してしまったと言っているのですね

水)1日でじゃあ、レベル7に近い状態っていうのはわかってたんですね。

小)そうです

水)それをレベル4と言ったというのは、えー。

平)これは、逆算してそういう判断したっていうのは、逆算っていうのは何を逆算するんですか?

小) 周辺のモニタリングポストのデータであるとか、あるいは、今かなり周辺の土地の汚染の評価も進んできたわけで、きっとそういうものを逆算するというのは出 来ると思います。えーそして、原子炉格納容器の中の放射線のレベルというものもはかっているわけで、どれだけのものが炉心から格納容器に中にでてきたかと いうことも当初から知っていたと思います。特にモニタリングポストのデータなんかはもちろん当初から知っていたはずですし、かなり早くから彼らは気がつい ていたと私は思います。

水)はー、わからなかったという可能性はあまりないですか?

小)たぶんないと思います。

---------------------------------

水)それからですね、チェルノブイリでは数百万人の方が被爆したという情報もあるようなのですが、あのうチェルノブイリとは違うんだという思いをですね私なんかは信じたいわけですね。

小)私も信じたい。

水)そりゃそうですよね。小出先生は当初から一番ご自分自信身の見方が間違っているということを信じたいとおっしゃっていたのですから、そうだと思うんですが、ただチェルノブイリのような形で多くの人が被曝をするというおそれは、感じた上で政策を打つべきですか?

小) もちろんです。もうすでに避難が遅れた人達はですね、相当な被曝をしている訳ですし、今現在も汚染地帯に残っている人たちもいるわけでどんどん被曝が蓄積 していってるわけですね。チェルノブイリで今水野さん何百万人かが被爆したと言っているのは、今現在福島で進行しているような被爆をしてい るような人達のことを指している。

---------------------------------------------

(書き起こしの無い最後の3分の1の聞き書き-言葉どおりではありません、あしからず)

どうすれば政治を動かせるのか?

小)私にはわかりません。

万が一を考えた想定で全体を動かす、ということを考える必要があるのでは?

小)防災として適用をするのなら、そうするべき。しかし、今回はとてつもないことになっているので、その地域に住んでいる人たちにとっては長い歴史、生活の崩壊を意味する。どうしたらいいのか、途方に暮れてしまう。こんなことにならないことをずっと願ってきたのだが、もう手遅れ。何とか少しでもいい方向を探らなければいけない。

安定化に向かっている、との管総理のコメントについて (小出、苦笑)

小)もちろんそう願っている。もっと悪くなるとは断言できない。だれもがそうだと思う。戦いは何ヶ月にもわたる。事態がいいほうに向かっているなどと今の状態で言うなど、どういう神経なのか、私にはわからない。

強い地震が起きる中、原子炉の情報でどうしても知りたいデータは?

小)知りたいデータはいくつもある。原子炉内の中性子のデータ、格納容器内の放射線量が3倍に跳ね上がってからデータが無くなった。2号機のサプレッションチェンバーの破損状況を判断できるデータ、あるのだろうが出てこない。

外付け冷却システムは進行?

小)ひとつの案として出ているようだ。

-------------------------------------

小出さんは、計画避難区域の人たちの負う長い歴史、生活を思って途方に暮れていらっしゃいます。レベル7をしらっと発表してさっさとトマト食べパフォーマンスに走ったどこぞの官房長官に聞かせてやりたい。

Monday, April 11, 2011

福島第1原発事故はチェルノブイリと同じ「レベル7」

NHKニュース4月12日 4時12分):

東京電力の福島第一原子力発電所で相次いで起きている事故について、経済産業省の原子力安全・保安院は、広 い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げること を決めました。「レベル7」は、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会ととも に記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、国際的な評価基準のINES=国際原子力事象評 価尺度に基づいて、その深刻さを、レベル0から7までの8段階で評価することになっています。原子力安全・保安院は、福島第一原発で相次いで起きている事 故について、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、INESに基づく評価を、最悪のレベル7に引き上げること を決めました。原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前にアメリカで起きたスリーマイル島原発での事故と同 じレベル5になると暫定的に評価していました。レベル7は、25年前の1986年に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。レベ ルが引き上げられる背景には、福島第一原発でこれまでに放出された放射性物質の量が、レベル7の基準に至ったためとみられますが、放射性のヨウ素131 を、数十から数百京(けい)ベクレル放出したというチェルノブイリ原発事故に比べ、福島第一原発の放出量は少ないとされています。原子力安全・保安院は、 12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。

いままで「チェルノブイリだなんて嘘、暴言」と言ってきた専門家はさてどう出るか。「風評被害」とやらも結局「風評」でも何でもなかったんでは?

そう言えば、ロシアの専門家で、福島は多分レベル7でも間に合わない、新しい基準が必要になる、と言っている人がいたと記憶していますが、記事が見つかったらリンクします。

Friday, April 1, 2011

日本の原子力専門家、遅まきながら福島第1原発の緊急総力対処を提言

いままでどこで何してたんだか。

ところで、昨日のポストに出した、世界最大のコンクリートポンプ車が福島に向かっている、というニュース、日本のメジャーな新聞サイトには出ていません ね。どっかに出ているのかもしれないけれど、埋まっているのかも。「チェルノブイリ」方式を採用したらしい、ということが分かってしまうのが政府と東電はおそれているのでしょうか。

今更になってですが、日本の原子力専門家たちがようやく物を申しているようです。

読売新聞4月2日午前1時42分付け記事

 福島第一原子力発電所の事故を受け、日本の原子力研究を担ってきた専門家が1日、「状況はかなり深刻で、広範な放射能汚染の可能性を排除できな い。国内の知識・経験を総動員する必要がある」として、原子力災害対策特別措置法に基づいて、国と自治体、産業界、研究機関が一体となって緊急事態に対処 することを求める提言を発表した。


 田中俊一・元日本原子力学会長をはじめ、松浦祥次郎・元原子力安全委員長、石野(しおり)・東京大名誉教授ら16人。

 同原発1~3号機について田中氏らは「燃料の一部が溶けて、原子炉圧力容器下部にたまっている。現在の応急的な冷却では、圧力容器の壁を熱で溶か し、突き破ってしまう」と警告。また、3基の原子炉内に残る燃料は、チェルノブイリ原発事故をはるかに上回る放射能があり、それをすべて封じ込める必要が あると指摘した。

 一方、松浦氏は「原子力工学を最初に専攻した世代として、利益が大きいと思って、原子力利用を推進してきた。(今回のような事故について)考えを突き詰め、問題解決の方法を考えなかった」と陳謝した。

このブログには、ちゃんと出してあります。(これです。)福島第1原発から事故後最初の3日間に放出した放射性ヨウ素131は、チェルノブイリ原発の事故が収束するまでの10日間に出たヨウ素131の20%、セシウム137はチェルノブイリ原発事故の20%から60%が放出。3日間で、です。その後も放出はずっと続いているわけで、ひょっとしたらすでにチェルノブイリ原発事故を上回っている可能性も大です。

先生方は原子炉内の燃料、といっていますが、使用済み燃料はそれに数倍、数十倍する量のはずです。(桁はもうひとつ上かも知れません。)

また、圧力容器を破ってしまうおそれ、と言っていますが、東電や原子力委員会はすでに、圧力容器が壊れている、あるいは穴が開いている可能性を示唆しています。

溶融するのは核燃料棒だけではなく、銀とカドミウムの入った制御棒も一緒に溶融するのです。圧力容器から出てしまったらどうなるのか、それはまた次のポストのお楽しみ。日本語版のWikiの説明はちょっとあまりに不完全。英語でじっくりお読みになりたい方、これです

Thursday, March 31, 2011

世界最大級のコンクリートポンプ車、日本へ。「チェルノブイリ」方式採用?

福島第1原発をコンクリートで固め封じ込めてしまおうという、いわゆる「チェルノブイリ方式」のようですね。当面は放水目的にせよ。(誰だっけ、「チェルノブイリのような方式を取ることにはならない」とか言ってたのは?)

下にリンクした記事によると、70メートルのブームを持ち遠隔操作の可能なこのドイツのPutzmeister社製のコンクリートポンプ車は全世界に現在3台しかなく、そのうち同種の(高放射線)環境で使えるのは2台。とりあえず1台、現在ジョージア州サバンナのMOX燃料工場建設に使っているものを空輸し、更にもう一台も送る予定、また、ベトナムで現在使用されている58メートルのブームを持つコンクリートポンプ車1台を送る準備、更にドイツから62メートルのブームを持つポンプ車2台が水曜日に日本に向けて出発した、とのことです。



最初は水の放水用として、そのあとでコンクリを注入するために使用される予定だ、という理解のようです。使ったら最後放射能で二度と使えないのは承知で、東電が支払いを行っている、とのこと。

チェルノブイリの原発をコンクリで固めて封じ込めるときに使われたのも、同社のコンクリートポンプ車でした。

あとで出せれば全訳を出しますが、とりあえず原文。

The Augusta Chronicle (2011年3月31日):

The world’s largest concrete pump, deployed at the construction site of the U.S. government’s $4.86 billion mixed oxide fuel plant at Savannah River Site, is being moved to Japan in a series of emergency measures to help stabilize the Fukushima reactors.

“The bottom line is, the Japanese need this particular unit worse than we do, so we’re giving it up,” said Jerry Ashmore, whose company, Augusta-based Ashmore Concrete Contractors, Inc., is the concrete supplier for the MOX facility.

The 190,000-pound pump, made by Germany-based Putzmeister has a 70-meter boom and can be controlled remotely, making it suitable for use in the unpredictable and highly radioactive environment of the doomed nuclear reactors in Japan, he said.

“There are only three of these pumps in the world, of which two are suited for this work, so we have to get it there as soon as we can,” Ashmore said in an interview with The Chronicle today. “Time is very much a factor.”

The pump was moved Wednesday from the construction site in Aiken County to a facility in Hanahan, S.C., for minor modifications, and will be trucked to Atlanta’s Hartsfield Airport, where it will be picked up by the world’s largest cargo plane, the Russian-made Antonov 225, which will fly it to Tokyo.

The move to Atlanta, he added, will require expedited special permits from Georgia’s Department of Transportation, due to the weight of the equipment. If all goes well, the pump will be en route to Japan sometime next week.

According to Putzmeister’s website, four smaller pumps made by the company are already at work at Fukushima pumping water onto the overheated reactors.

Initially, the pump from Savannah River Site, and another 70-meter Putzmeister now at a construction site in California, will be used to pump water—and later will be used to move concrete.

“Our understanding is, they are preparing to go to next phase and it will require a lot of concrete,” Ashmore said, noting that the 70-meter pump can move 210 cubic yards of concrete per hour.

Putzmeister equipment was also used in the 1980s, when massive amounts of concrete were used to entomb the melted core of the reactor at Chernobyl.

In addition to the equipment now at Fukushima and the two 70-meter pumps being moved from the U.S., a contractor in Vietnam has given up a 58-meter pump so it can be diverted to Japan, and two 62-meter pumps in Germany were loaded on Wednesday for transport to Tokyo.

Ashmore officials have already notified Shaw AREVA MOX Services, which is building the MOX plant for the U.S. Department of Energy’s National Nuclear Security Administration, that the pump was being moved and will not be returned. “It will be too hot to come back,” Ashmore said.

The MOX complex, scheduled to open in 2016, is designed to dispose of 32 metric tons plutonium from dismantled nuclear bombs by blending small amounts of the material with uranium to make nuclear fuel for commercial power reactors. Its design calls for 170,000 cubic yards of concrete strengthened with 35,000 tons of reinforcing steel bars.

The absence of the pump will not affect the U.S. project’s construction schedule, Ashmore said, noting that there are several slightly smaller units still at the MOX site and being used by the civil contractor, Alberici Constructors.

There is also the third existing 70-meter Putzmeister that is in the U.S., but not in a state where it could easily be retrofitted for shipment to Japan. “We may try to buy that one later if we need to,” he said.

The costs of the operation, including an estimated $1.4 million to fly the pump from Atlanta to Tokyo aboard the Antonov transporter, are being underwritten by the Tokyo Electric Power Company through a contracting agreement with Putzmeister