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Friday, December 16, 2011

米ビジネスウィーク誌: 米国エネルギー省副長官 『日本政府は福島の廃炉と管理に米国の支援を要請した』

米国のナイズ国務省副長官の、

今後必要となる大がかりな放射性物質の除染作業について、「多くのアメリカの企業が関心を示しており、アメリカ政府も支援を申し出ている」

という12月16日付けNHKニュースは英語ブログにコピーしましたが、冷温停止という野田政権の晴れの舞台(皮肉です、念のため)のお祝いに来日していたのは国務副長官だけではありませんでした。

米国のビジネスウィーク・ブルームバーグ誌の12月16日付けの記事の中で、こんな言及が。

Cold War weapons production in the U.S. left the country with “a significant nuclear cleanup legacy, including high- level waste, contaminated soil and groundwater,” Daniel Poneman, the U.S. Deputy Secretary at the Department of Energy, said in Tokyo yesterday.

冷戦時代の兵器製造で、アメリカには「高汚染廃棄物、汚染土、汚染地下水など、相当な量の核物質のクリーンアップが残されている」、と、ダニエル・ポネマン米国エネルギー省副長官は昨日東京で述べている。

The Hanford Site in Washington State and the Savannah River Site in South Carolina have more than 90 million gallons of liquid waste in tanks the government is working to convert into more stable forms that do not threaten the environment, he said.

ワシントン州のハンフォード、南カロライナ州のサバンナリバーには、9千万ガロン(34万トン強)以上の液体廃棄物があり、米国政府はこれをより安定した形にして環境への驚異を取り除くべく作業を行っている、と副長官は言う。

Japan's government has requested support from the U.S. to decommission the Fukushima Dai-Ichi plant as well as managing the site from an environmental perspective, he said.

副長官によると、日本政府は福島第1原発の廃炉、および環境保護の観点から原発敷地を管理するための米国の支援を既に要請した、とのことである。

原発事故発生直後、アメリカを含めた世界中の原子力専門家、機関からオファーされた援助を実質上断った日本政府。9ヶ月経って「冷温停止状態宣言」をして、過去、現在、未来において原発から漏洩する汚染水はないことにしても、原発の現状が変わるわけではありません。変わるのは、宣言によっておおっぴらに金儲けに走れること。廃炉、除染、インフラ。事故を初期に何としてでも終わらせなかったおかげで、今や多くの人々、多くの企業が国境を超えて儲けることが出来ます。

支払うのは日本国民ということになります。

Saturday, December 19, 2009

中国:世界はアメリカの負債を買い続ける金がない

日本も多少は中国を見習ったらどうですかね?

国民の金を湯水のように使い続け、無い金を作り出し(借金)、新しい税金を課す法案を次から次へと可決させているオバマ政権が最も恐れていい発言でしょう。

上海日報 (Shanghai Daily) に昨日載った記事です。

Harder to buy US Treasuries
(Zhou Xin and Jason Subler, 12/18/09 Shanghai Daily)

「アメリカの貿易赤字縮小で海外へのドル供給が減少しているため、各国の政府にとってアメリカ政府の債券(Treasuries)を買い続けることは困難になってきている、と中国の中央銀行高官が発言。

「中国人民銀行の副総裁Zhu Min氏のコメントは中国に限ったものではないが、アメリカの債券の最大の米国外保有者である中国の高官の発言は注目に値する。中国は2兆3千億ドル(約207兆円)の外貨準備高の相当部分がドル建て資産であるため、この資産への影響を考えて通常は不用意な発言を控えている。」

記事は更に続き、

「米ドルの役割に触れたZhu副総裁は、ドルの価値が更に下落するのは防ぎようが無い、なぜなら米国政府は赤字国債の発行による赤字財政支出を続けるからである、と述べた。

「更に、アメリカの国債をいったい誰が買うのか、と疑問を呈している。

『米国は諸外国政府に米国債の購入を強要することはできない。保有高の倍増?絶対に不可能である。世界各国はこれ以上米国債を買う金がないのだ。』

日本も、アメリカに多少なりとも脅しをかけられないんですかね。普天間の件でも、コペンハーゲンの首脳会談でも、結構アメリカに馬鹿にされているようですが(まあ半分は自業自得か)、日本の米国債保有高は中国に次いで世界第2位、外貨準備高1兆700億ドルの内7500億ドル相当が米国債券です。

中国は米ドル・債券に頼る外貨準備高からの脱却を目指して、金(Gold)を買い続けています。中国政府の金保有高は、過去1年で倍増、現在1054トンです。(ちなみに日本は765トン。)これを今後数年で6000トン、10年後には10000トンに増やす計画だとか。6000トンになると、米国に次いで(Fort Knoxに実際に金があればの話ですが)世界第2位の金保有高になります。10000トンになれば、断トツの世界一の保有量です。

金だけでなく、鉄鉱石、亜鉛などの工業材料、アフリカの農地買い上げ・借り上げなど、ありとあらゆる手段で準備高の米ドル依存を減らすべく、中国政府と中国投資有限責任公司(China Investment Corp.)はフルに活動しているようです。

日本は何か対策を講じているのでしょうか?それとも、アメリカ政府への信頼はゆるぎない?

Tuesday, September 22, 2009

経済不況脱出政策:日米中の比較

1930年代の世界大恐慌以来の経済危機、と誰もが言う、アメリカのサブ・プライム・ローン危機に端を発した現在の経済不況。さて、これを克服するために世界の主要先進国、途上国を問わず、政府が前面に出て、主に金融操作、経済刺激策(まあ、金のバラまきですね)で事を解決しようとこの1年間、いろいろやってみたものの、成果が出ている、と公言しているのはアメリカでは政府関係者のみ。

アメリカでも、企業のレイオフはペースが鈍ったものの依然として高い水準、実質賃金の減少、労働時間の更なる短縮の傾向が続き、不況のきっかけとなった金融機関の劣悪な資産は依然としてそのまま。今年の年頭から急速に増加したものと言えば、国の借金(債券)と、「Czar」と通称される大統領直属の私的顧問の数ぐらいでしょう。

そんな中、世界の3大経済、アメリカ、日本、中国は、どのような政策で不況脱出を図ろうとしているのでしょうか?この3か国を見る限り、不況脱出は残念ながら不可能ではないか、と悲観してしまう今日この頃です。

まずアメリカ。この夏以来、人気がどっと落ちたオバマ大統領ですが、路線はまったく変わらず。医療改革が何としても第一、という、不可解な姿勢もまったく変わっていません。上院の委員会で討議されている改革案には、高額の医療保険に入っている人々から追徴金を取る、とかいう、とんでもない条項が入っています。また、耳掻きから生理用品、コンタクトレンズの果てから高度医療機器まで、「医療器具」と引っくくって課税する、と言う案が出ています。下院の委員会を通過した改革案(H.R.3200)は、医療保険に入っていない人々すべてから追徴金を取る、従業員に保険を提供しない企業(雇用の大半を生み出す中小企業です)に追加課税、大統領任命のコミッショナーに、税金納付の詳細から銀行口座の詳細まで、あらゆる情報のアクセスを許す、など、この「改革」なるものが成立してしまったらアメリカは二度と不況から立ち上がれないのでは、と思わせるような条項ばかり。しかも悪いことに、日本に先駆けて、キャップ・アンド・トレードが下院を通過してしまいました。

次に日本。民主党に政権が変わり、そのこと自体は非常に良いことだと思います。ただ、残念なのは、民主党がマニフェストなるものに掲げている政策の多くは、アメリカの民主党の政策の引き写しのようにしか見えないことです。その最たるものが、民主党の掲げるキャップ・アンド・トレード。これがアメリカの引き写しだとすると、現在の税金に更に20%上乗せするようなものです。しかも、企業が支払うのではなく、国民が広く負担することになります。

最後に中国。日本以上に輸出に経済を頼る中国の不況脱出の政策は?昨年末の経済刺激策で巨額の政府資金をばら撒いたおかげで、上海株式市場は急上昇しました。と同時に、インフレも上昇、政府は銀行の貸出し条件を強化する方針のようです。ばら撒き政策以外には、と見てみると、何と福祉政策が不況脱出策として挙げられているではありませんか。詳細は英語版のブログ・ポストを参照していただけると幸いですが、例えば、政府企業所有の鉱山からの垂れ流しで汚染された川の水のために、村人がガンで苦しみ、作物にも重大な被害が出ている、と言ったそのすぐあと、「だから中国も国家レベルの医療福祉体制の強化が必要」という結論なのです。それより汚染を何とかするほうが先だろうに、と私などは思ってしまいますが、どうも違うんですねえ。

英語ブログ・ポストの2つ目のリンクはBBCラジオのインタビューで、モルガン・スタンレー・アジアの会長(社長かな?)Stephen Roach氏が登場。中国の不況脱出には「福祉政策」の充実が第一、医療保険、失業保険、年金などの、社会の「安全ネット」を充実させれば、国民も安心して稼いだ金を貯めこむ代わりにどんどん使うだろう、と言うのが論理のようです。Roach氏のすぐ後に登場する中国政府関係者もそれにすっかり同意している様子。

日本で郵便局を民営化したのはアメリカの住宅バブルの絶頂期でしたねえ。郵便貯金を狙ってアメリカ、ヨーロッパの投資銀行がどっと押し寄せたようですが、中国に「福祉政策」とやらをけしかけて、集まるであろう巨額の資金を、多分モルガン・スタンレーを初めとするアメリカの銀行は狙っているんでしょう。(中国はイギリスのアヘン貿易を覚えていないのかなあ。)

経済不況脱出の政策が「医療政策」(アメリカ)、「環境政策」(日本)、「福祉政策」(中国)。どれをとっても、経済不況の只中に、国民の負担を増加するものばかり。Does it make sense to you?

私はオーストリア学派の経済学の考え方に賛成で、政府が前面に出て経済を牽引するのには反対です。牽引など出来ないどころか、より事態を悪化させると思っています。日米中政府の政策を見ると、最大課題の経済不況脱出を助ける、あるいは妨げないどころか、個人、私企業の自助努力を妨害し、更に不況に追い込みかねないのでは、と危惧しています。