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Thursday, April 26, 2012

今年のお茶は「安全」なのか?

答は、「わかりません」。というのも、検査方法が変わってしまったので、比べようがないのです。

まず、新しい検査の方式を、埼玉県の狭山茶を例に取って見てみましょう。読売新聞2012年4月25日の記事によると、3段階にわたって詳細に検査する、とのこと:

栽培段階: 摘み取った生葉の検査。100ベクレルを超えれば加工段階には回さない。

加工段階: 全荒茶工場で1検体以上を抽出し、湯で煎じて飲用状態にして検査。抽出液が10ベクレルを超えれば工場がある市町村全体が出荷制限。

流通・販売段階: スーパーなどで抜き打ち検査、加工段階同様の抽出液の検査で10ベクレルを超えれば回収を求める。

注意してお読みください。つまり、去年の検査とは違って、お茶の葉自体を測るのは栽培段階の生葉のみ。後段階では、荒茶、製茶となった乾燥状態の葉を検査していた去年とは違い、お茶を淹れた抽出液のセシウム含有量を測るのです

数々の疑問が沸いてきます。

1. 生葉が荒茶、製茶になると、セシウムはどれだけ濃縮されるのか?

2. 荒茶、製茶自体に入っているセシウムと、抽出液に入っているセシウムの割合は?

埼玉県の狭山茶の昨年の検査は製茶のみでした。そこで、不ぞろいではあるものの、生葉、荒茶、製茶、抽出液すべての検査を去年行っていた、静岡県の例で考えて見ることにします。

まず、生葉が乾燥されて荒茶、製茶になると、セシウムはどれだけ濃縮されるのか。

二番茶の放射能測定結果(6月10日~7月8日公表)に、生葉と荒茶の両方のデータが出ています。それを見ると、かなりばらつきがありますが、最低と最高を除外しても、生葉→荒茶でセシウムは2倍強から7倍強に濃縮されています。

狭山茶のセシウム濃縮の比率が静岡茶と同様だと仮定すると、生葉の段階でキロ100ベクレルあれば、それが荒茶、製茶になった時点でキロ200ベクレルから700ベクレルの放射性セシウムを含んでいる可能性があることになります。

次に、検査数は少ないのですが、製茶のベクレル数とその製茶を淹れた抽出液のベクレル数が出ている「自主検査に基づく追加調査(6月14日~16日公表、6月28日~29日公表、8月5日公表)」を見てみます。製茶の形態で、すべて今年3月までの暫定基準値キロ500ベクレルを超えていたお茶です:

製茶  飲用茶 (飲用茶/製茶)

614   5.8 (0.94%)

602   7.8 (1.30%)

604   7.8 (1.29%)

581   7.6 (1.31%)

654   7.3 (1.12%)

つまり、製茶の段階で旧暫定基準のキロ500ベクレルを超えるものでも、お茶として液体になると新基準キロ10ベクレルをらくらくクリアするのです。飲用茶/製茶の比率を見ると、製茶に含まれるセシウムのうち約1パーセントが湯に移行するようですので、飲用茶(抽出液)からキロ10ベクレル出たとすると製茶(おそらく荒茶も)にはキロ1000ベクレル以上入っている可能性があるわけです。生葉で100ベクレルははねる、と埼玉県は言っているので、荒茶、製茶の状態で1000ベクレルを超えるお茶はでないことと思いますが、1番茶と2番茶では濃縮度が違うのかも知れず、また、埼玉と静岡の土地の違いで濃縮度が違うのかも知れず、実際お茶になった時点でテストしないと分からないのですが、今年はテスト方式が異なる。

お茶に関しては、どうやら静岡知事の去年の言い分がそっくり通ったようですね。新基準と新基準のテスト方法は、お茶に関しては実質的基準緩和となりました。

お茶は淹れて飲むのだからかまわないじゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。個人的には、キロ10ベクレルの抽出液が出るお茶の茶がら(99%のセシウムが残っている)を家庭ごみに捨てていいものか、迷うでしょう。また、淹れたからといってお茶の葉が完全に抽出液に入っていないか、といえばそんなことはなく、私が愛飲する粉茶は湯飲み茶碗の底に緑の粉茶が汚泥のように溜まります。また、日本製の茶の粉末エキスは健康サプリメントにも使われています。

新基準、新テスト方法をこれ幸いと、静岡、埼玉などは今年の検査では抽出液のベクレル数しか出すつもりは無いようです。もし自治体が「風評被害」とやらを防ぎたいのなら、消費者が昨年のデータと比較が出来るよう、荒茶、製茶のベクレル数も出すべきだと思います。静岡のように、知事が安全宣言を出して安全イベントをやった後で民間の業者の検査で暫定基準値超えが見つかるような失態は、昨年だけで十分ではないんでしょうか?

Sunday, February 12, 2012

「干しシイタケ、水で戻せば放射性セシウムの値が下がる」のか?

横浜市港北区のスーパーをはじめ、各地で現在の放射性セシウム暫定基準値(キロ当たり500ベクレル)をはるかに超える干ししいたけが店頭で売られていたことが判明しています。

それを報道するニュース、また、出荷していた業者の「おわび」などでよく言及されているのが、

『水戻しして食べる際には数値は7分の1程度に下がり、対象商品を食べても健康への影響はたいへん少ない』 (Exciteニュース

『水戻しして食す際には逆に7分の一程度に下がります。食された場合でも健康被害はたいへん少ないことをお知らせいたします』 (長野の業者のホームページ

このような発言をぼーっと読むと(私のように)、2000ベクレルあったセシウムが水に戻すとだいたい300ベクレル以下に(どういうわけか)減ってくれるのだ、と思ってしまいますが、ボケッと流していないで、ちゃんと考えてみることにします。

1.干しシイタケ一袋、100グラムとしましょう。そのシイタケが乾燥状態でキロ当たり2000ベクレルあったとすると、100グラムの袋には200ベクレルのセシウムが入っています。

2.袋の中に干しシイタケが40枚入っているとしましょう。1枚当たり、5ベクレルのセシウムになります。

3.このシイタケを水で戻します。どれくらいのセシウムが水に溶出するのかは不明(誰か測ってますか?)ですが、ボールに乾燥しいたけ1枚いれて水をいれ、戻します。この水と戻したシイタケに含まれているセシウムの絶対量は減ったでしょうか?

当たり前ですが、減りません。戻したシイタケ1枚食べるだけで、5ベクレル近くのセシウムを食べることになります。

この100グラム袋のシイタケを戻して調理して食べれば、水に溶出した分を除いても、おそらく袋のシイタケに入っていた大部分のセシウムを食べることになるのです。

水で戻せばセシウムは7分の一に減る、というのは、水で戻したために放射能が減ったのではなく、水で戻したためにシイタケの重量が7倍になった、というだけの話だと思います。

1キロの干しシイタケを水で戻すと7キロになる、従って、乾燥状態で存在していた2000ベクレルのセシウムは水で戻した後も同じく存在するが、キロ当たり2000ベクレルではなく、「水で戻したあとの7キロ当たり2000ベクレル」、つまり、キロ当たりにすると7分の1、ということになるわけです。

検査して流通させたい側(行政、生産者、加工業者、流通業者、小売)はあくまで「キロ当たり」、「水に戻した状態」にこだわります。それが行政の造ったルールだからです。しかし、食べる側にとっては、入っている絶対量が問題なのです

放射能汚染の高いがれき、ごみを、汚染の少ないがれき、ごみに混ぜてキロ当たりの放射能が少なくなれば燃やしても埋めてもOKという考え方と非常によく似ています。

乾燥食品は水戻しすれば放射濃度が減る、という記載をお読みになるとき、これは「あくまでキロ単位の話」で、袋に入っている絶対量は変わらない、ということをお忘れなく。

Thursday, November 17, 2011

放射性セシウム137を一度大量に摂取するのと、毎日少量摂取するのと、どちらが体内に残るのだろうか

というグラフは、ほかならぬICRP、国際放射線防護委員会のPublication 111に出ています。まだご覧になったことのない方のために、出しておきます。

11月18日付けの記事で読売新聞がどつぼにはまった感がありますが、セシウムを一度に大量に摂取したマウスの体内のセシウムは摂取後急激に低下することが、このグラフからも容易に推測できます。

1000ベクレル一気に摂取した場合と10ベクレルずつ毎日摂取した場合では、100日も経たない内に全身放射能量が逆転、1ベクレル毎日摂取した場合と比べても、350日より前に逆転しています。

先日も枝野前官房長官が国会の答弁で、基準値近く汚染された食品を1、2回食べてもすぐに影響はない、と言っただけ、と詭弁を使っていましたが、実際、基準値に近い、あるいはそれ以上に汚染された食品を1、2回食べるより、基準値よりはるかに低い汚染食品を継続して食べるほうがよほど内部被曝する、と言うことになります。

ちなみに、日本政府の食品安全委員会、放射線審議会などがしきりに参照するICRPのPublication 111は、特別に無料でダウンロードできます。

英文: http://www.icrp.org/docs/P111(Special%20Free%20Release).pdf

日本文(暫定訳): http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,html

Wednesday, September 7, 2011

フランス・アクロ:福島の子供の汚染は100パーセント

福島老朽原発を考える会が、福島の子供の尿の二度目の検査で福島に留まった子供から検出されたセシウムの量が最初の検査の時よりも微増した、と発表したニュースがありました。

英文ブログ読者が、この検査を行ったフランスのアクロ研究所のサイトに出ている情報をリンクしてくれましたので、お届けします。(強調はオリジナルです。)

福島の子 どもの尿分析(2回目)(2011年07月)

日本の市民からの要求によりACRO18人の日本人の子どもの尿を分析した。子どもたちは福島県および東京都その周辺の出身である。

福島県の15人の子どもたちは全て、約60キロメートル離れた場所での核事故による放射性降下物で尿が汚染され続けている。このことは子どもたち自身がずっと汚染され続けていることを示している。一方で、東京とその周辺の3人の子どもたちの尿からは汚染は検出されなかった。

日本政府により実施された検査では福島の子どもたちの約半数が汚染されているとしているが、我々の結果では100%である。このことは日本政府の測定精度が不十分であり全ての汚染を検出していないことによる。

最初の10人の子どもたちは我々が前回測定(結果は630日に発表)した子どもたちと同一である。子どもたちのうち9人はその後、福島を離れた。一人だけが留まっている(U2)。U6の子どもは3月末に避難した。U3U45月末に避難した。3人は6月から7月始めに福島を去り、残りの3人も722日からの夏休みの始めに避難した。

後の5人の新しい子どもたちは福島市周辺に住んでいる。そのうちの一人は5月中旬に避難した(U14)。

U11U12は同じ高校の生徒であり同じグラウンドで頻繁に運動の練習を行っている。2人の汚染の違いは食物からのものであろう。

子どもたちの親は汚染を減らそうと精一杯の努力をしているにもかかわらず、環境中への大量の放射性物質の放出から4カ月以上もたった後、採尿の時期に未だ福島にいる子どもたちは全て汚染されていた。避難は汚染を減らすための一つの方法である。子どもたちの間での内部被ばくのバラつきは食物によるものであろう。

福島の子どもたちの内部被ばくを正確に、系統的にかつ定期的に監視することが重要である。家族はこの汚染を減らすことができるように放射能の測定結果について知ることができなければならない。

詳しい数値はアクロのサイトに出ています。

Saturday, August 27, 2011

専門家:「安定ヨウ素剤を飲むべきだった」

半減期が約8日のヨウ素131だけでなく、半減期のずっと短い(つまりそれだけ放射線が強い)ヨウ素132に崩壊する物質が多量に、しかも広範囲の大気中に出ていたからなのだそうです。

5ヶ月経って言われても、今更3月時点に戻ってヨウ素剤を服用できるわけでもないんですが、唯一町民に実際にヨウ素剤を配布した上にちゃんと飲ませた福島県三春町は、不安、風評をあおる、と当時非難されていました。

ちなみに、福島県は、放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一教授のお言葉として、3月20日(下の記事を見れば分かりますが既に理化学研究所が多量のヨウ素132とヨウ素132に崩壊する物質を大気中で大量に検出した後です)に、福島市についてこのような発表をしています。(原文では二重線で強調してあります。)

「健康への影響はなく、この数値で安定ヨウ素剤を今すぐ服用する必要はありません。」

朝日新聞8月27日付け記事

東京電力福島第一原発の事故で周辺住民が飛散した放射性ヨウ素を空中や食品から体内に取り込むことによる甲状腺の被曝(ひばく)は、健康被害を予防する安定ヨウ素剤を飲むべきレベルだった可能性があることが、27日、埼玉県で開かれた放射線事故医療研究会で指摘された。

 今回、政府は原発周辺住民にヨウ素剤の服用を指示しなかった。しかし研究会では、原子力安全委員会の助言組織メンバー、鈴木元・国際医療福祉大クリニック院長が「当時の周辺住民の外部被曝の検査結果などを振り返ると、安定ヨウ素剤を最低1回は飲むべきだった」と指摘した。

 3月17、18日に福島県で実施された住民の外部被曝検査の数値から内部被曝による甲状腺への影響を計算すると、少なくとも4割が安定ヨウ素剤を飲む基準を超えていた恐れがあるという

 放射性ヨウ素は甲状腺に集まりやすく、甲状腺被曝では放射性ヨウ素の中では比較的、寿命が長い放射性ヨウ素131(半減期約8日)だけが考慮されていたが、広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授は「半減期が2時間と短いヨウ素132も考慮が必要」と指摘。理化学研究所などが3月16日に原発30キロ圏外の大気を分析した結果、放射性物質の7割以上が放射性ヨウ素132や、約3日で放射性ヨウ素132に変わる放射性物質だったという

理化学研究所(文科省管轄)は3月16日に既に知っていたわけですね。いくら政府からの圧力があっただろうとはいえ、学者の良心なんていうものはないものと考えることにします。

それはひとまず措いて、約3日でヨウ素132に崩壊する物質とは何だったのでしょう、と思って調べたところ、

テルル132(半減期3.204日)

と分かりました。

そこで6月6日に保安院が出した、福島第1原発からの放射性物質の放出推量についての資料を見ると、テルル132は

7.6x10の14乗ベクレル、つまり、760,000,000,000,000ベクレルまたは760テラベクレル

出ています。

ヨウ素132自体、4.7x10の14乗ベクレル出ていることになっていますから、ヨウ素132の量は合計で、1230テラベクレル。

テルル132の検出は6月初旬にニュースになっていました。浪江町、南相馬市、大熊町での高濃度の検出のニュースで、しかも検出したのは福島県、しかも3月12日の爆発前に検出。それを3ヶ月近く経ってから朝日がニュースにしたわけですが、今回の専門家の話だと、原発周辺だけでなく、30キロ以遠の広い範囲でテルル132が検出されていたことになります。

金属で重いので遠くまで飛ぶはずがない、と専門家が言っていたテルル132が30キロ以遠の大気中で検出されていたのです。

(ポストを書いているだけでなんだかのどが痛くなってきた。)

Wednesday, August 10, 2011

出荷ピークの福島産のモモ、市民放射能測定所による検査では放射能検出

共同通信8月10日の記事によると、

原発事故による農産物への風評被害が深刻な福島県で、生産量全国2位を誇るモモの主力品種「あかつき」が出荷ピークを迎えている。福島市飯坂町湯野にあるJA新ふくしまの作業場では10日、朝から形や色の選別、箱詰め作業に追われた。

 放射性物質のモニタリング調査では暫定基準値を大幅に下回り、生産者らは安全性をアピール。加えて、今年は7月の天候が良かったため、糖度が高く出来の良いモモが多いという。

 JA新ふくしまは7~9月、1箱5キロのモモを約130万箱出荷予定。10日は約130人が深夜まで作業を続け、約1万6千箱を出荷する。

とのこと。「基準値を大幅に下回り」とありますが、民間の市民放射能測定所が測定したモモ、その他の果物の放射性物質は次の通り。本来限りなくゼロに近いはずの放射性セシウムは、モモでは多いものでキロ当たり160ベクレル出ています。伊達市のブルーベリーからは更に高い、164ベクレル。

(詳細は市民放射能測定所のサイトでどうぞ。)


検査されたモモ、ブルーベリーのように暫定基準値の約3分の1の放射性セシウムを含む食品を1年間食べ続ける、と言うことは、暫定基準値が既にセシウムからの内部被曝を年間5ミリシーベルトとして計算された値であるため、たとえ暫定基準値を下回っていても年間内部被曝は5ミリシーベルトの3分の1、約1.67ミリシーベルト、それだけで年間許容被曝量1ミリシーベルトを軽く超えます。

更に、食品だけでなく、放射能汚染されている可能性のある被災地からのがれきを、国が主導して処分しようという恐ろしい法案が可決される見込み。こうなると、流通の発達した日本、というのは放射能の拡散にうってつけ。この方のブログには、九州全域のごみ処理場をグーグルで視覚化したものが出ていますが、既に地方自治体はごみ処理に積極的な姿勢を示しています。

(放射能拡散の危険を補って余りある、どんな利権があるのでしょうか。)

Friday, August 5, 2011

福島県民健康調査、WBCでのセシウム137検出限界570ベクレル、尿検査検出限界13ベクレル

ざるみたいな検査ですね。一体どんな機器を使っているのでしょう?

ああそうか、検出しないための検査なんだ。さもなければ、検出は出来ているのだけれど、県民には検出限界以下、と言うことしか知らせないための検査。

研究熱心な山下俊一福島医大副学長がもちろん検討委員のお一人でいらっしゃいますから、このような粗い検査しか出来ない測定器では有効な研究資料が取れるわけはないと思いますので、最悪の場合、上に挙げた最後の可能性ではないかと。

木下黄太さんの8月4日付けブログポスト

福島県のホールボディカウンターがきちんと運用されているのか。疑う情報です。

『平成23年度第3回福島県「県民健康管理調査」検討委員会』の資料です。http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/230724shiryou.pdf

 先行で福島県民の放射性物質をはかっていたホールボディカウンター の最低の検出限界がCs‐134:320Bq、Cs‐137:570Bqということです。衝撃的な最低値です。福島県内のホールボディカウンターが、バッ クグラウンドの数値が高いため、きちんと機能しないだろうことは、もともと専門家の間でも想定内でした。それは、精密度の問題であって、誤差は出るのだろ うけれども、一定レベルの機械で測っているものだと勘違いしていました。北海道がんセンターやタイは100Bqくらいは測れるはずです。僕の知り合いはド イツで精密型のホールボディカウンターを無料で受けました。検出限界は20Bqです。こういうレベルで測定できるのがあたりまえです。しかし、この福島県 民がうけたホールボディカウンターは検出限界がCs‐134は320Bq、Cs‐137は570Bqなのです。こんな数字でまともに測っているといえるの か。発生して数ヶ月が経過して始めていることから、生物学的半減期を考えると、この検出限界に達しない事が多いでしょう。これで測定しているなんてちゃん ちゃらおかしい話です。

 その上、尿検査は一リットルあたり13Bqがこれまた、検出限界となってい る。普通の民間検査会社でお子さんの尿を個人依頼しても、1Bq以下でも検出していて、体内の蓄積と尿への排出の関係を考えると検出が数ベクレルレベルか らは、考慮すべき事を考えると、尿検査の検出限界も13Bqというのは、十倍以上緩い(たぶんもっと)検出限界です。これも意味があるのかという検出限界 です。

 こんな緩い検出限界で大丈夫かと率直に思います。というか、きちんと測定し ようとしているのか?と。全国のホールボディカウンターを極力測らせないように、業界内で周知の文章がまわっている状況(全国殆どの施設でWBCを受けら れない)とあわせて考えると、福島県民も含めて極力、放射能による健康被害を顕在化させないように、政府も福島県も専門家たちもぐるになっている構図がま たもあらわになっています。こんなレベルまでやっていたとは。いくらバックグラウンドが高くてもその中で、さらにこのレベルとは。またしても、驚きです。

検討委員会に名前を連ねているのは、このような面々:


内閣府原子力災害対策本部・経済産業省、文科省、厚生省からお目付けがある、というのも、政治に都合のよいデータ取りが行われかねない気がして、あまりいただけません。

先行の120人のホールボディーカウンターによる検査は、千葉の放射線医学総合研究所で行われたようなので、福島県の高いバックグラウンド放射線は気にしなくてもいいのだと思いますが、放射線医学総合研究所のホールボディーカウンターがそんなに粗い検査しか出来ないのか、非常に疑問です。

また、資料の中に、全福島県民の健康調査の概要を表にまとめたものがありましたが、こっちの方が問題のような気もします。と言うのも、調査とはほとんど名ばかり、大部分が自己記載の問診(生活習慣、既往症、家族暦、医療被曝暦など)で、せいぜい甲状腺の超音波検査(18歳以下の子供のみ全員)、血液検査、尿検査を避難区域の人々に行うくらいです。血液検査、尿検査の内容も、通常の検査と別に変わるところはないように思われます。これで何がわかるのでしょうか?

東京大学児玉龍彦教授、ジャーナリスト津田大介対談 (8月5日週刊現代)









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Tuesday, August 2, 2011

セシウム汚染牛、実は同じ牛でも部位で異なる放射能 

福島県産の肉牛に続き、宮城県、岩手県、栃木県産の牛も出荷規制になりましたが、福島県は既に出荷規制解除を要請。「安全」を保障する検査体制が整ってきつつある、ような報道も見られますが、実は錯覚。

というのも、放射性セシウムは筋肉に均等に溜まるわけではなかったのです。実際に測ってみて初めて分かった、という間抜けな話のようですが、同じ牛でも部位が違うとセシウムの値が違い、さらに同じ牛で同じ部位でも2つの異なった機関が測ったら結果が倍ほども違った、というケースまで。

牛が肉になってからの担当の厚労省は、「セシウムは筋肉に均質に蓄積するとされている」とまだ言っています。「されている」と逃げるところがさすが。

毎日新聞7月31日付け記事

統一指針づくり急務

 福島第1原発事故の影響で放射性セシウムに汚染された肉牛が見つかった問題で、同じ1頭の牛でも部位などにより検出値の違いが出るケースが指摘されている。専門家も「セシウム濃度は部位により異なる」と説明している。各自治体が今後踏み切る全頭検査の信頼性を高めるため、国は検査の統一指針づくりを迫られそうだ。【吉永康朗、井上英介、石川隆宣】

 宮城県は28日、1頭の牛の肉で、部位によって国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えたり、下回る検査結果が出たことを明らかにした。

 この牛は仙台市内で6月21日に解体され、肩肉(二十数キロ)が流通した横浜市が検査した結果、規制値未満の380ベクレルだった。ところが、もも肉(37・7キロ)の流通先の北海道が肉を調べたところ、530ベクレルを示した。

 宮城県から6月1日、東京都内に出荷された、別の牛の肉では同じ部位で検査値の食い違いがあった。都内の食肉卸業者が、この牛の肩肉(12・9キロ)を自主検査し、1150ベクレルを検出。しかし川崎市が、この肩肉の残りを調べたところ、618ベクレルだった。

 県によると、この4件の検査ともゲルマニウム半導体検出器を使っていた。県は「精密に調べられるもので、機器に問題はない」と話す。ただ、課題は検査手法の統一基準がない点で、県は「検査した肉の部分がどのくらいの脂肪分を含んでいるかや、肉の詰め方で結果に差が出る」と説明する。

 自治体が今後、全頭検査に相次いで踏み切るのに先立ち、厚生労働省は29日、検査の基本方針を発表した。ゲルマニウム半導体検出器より短時間で調べられる簡易測定機器の使用を認めるなどの内容だが、調べる部位には言及していない。

 厚労省は検出値のばらつきは把握しているが、「これまでの例ではセシウムは筋肉に均質に蓄積するとされている。全頭検査を重ねて適切な対処方法を見つけていくしかない」(監視安全課)と説明。各自治体には、同じ牛で1カ所でも規制値を超える部位が見つかれば、全量を出荷停止するよう求めている。

調べる部位が同じでも検査値がまったく違っていた、東京と川崎のようなケースはどうするんでしょうね。たとえ全部位を検査しても、検査しなかった部分に放射能が偏在している可能性があるわけで、結局、政府がやろうとしている「検査」はもう開始する前から限界。

Buyer beware. Caveat emptor.

結局、消費者レベルの自助努力と、消費者に密着した企業(スーパー、小売店など)の自助努力でしょう。

Sunday, July 31, 2011

東京大学児玉教授の衆議院での証言、4ヶ国語で(日英仏独)

児玉教授の7月27日衆議院委員会での証言が、私の英語ブログ読者の方々のおかげで、英語に加えて仏、独語でもご覧になれるようになりました。

児玉龍彦教授は東京大学アイソトープセンター所長、7月27日に国会衆議院厚生労働委員会の参考人として発言、福島第1原発事故後これまでの政府の放射能汚染対策(というより対策の欠如)を激しく批判されました。

日本語(あるいは英語)を解さないお知り合い、お友達、ご同僚、どなたにも、是非お広めください。

英語の字幕つき日本語ビデオ:

http://ex-skf.blogspot.com/2011/07/video-with-english-caption-professor.html

英語 (テキスト翻訳、3部):

http://ex-skf.blogspot.com/2011/07/professor-tatsuhiko-kodama-of-tokyo.html
http://ex-skf.blogspot.com/2011/07/part-2-professor-tatsuhiko-kodama-of.html
http://ex-skf.blogspot.com/2011/07/part-3-professor-tatsuhiko-kodama-of.html

フランス語 (Heliosさんによる、英語訳からのテキスト翻訳、3部):

http://bistrobarblog.blogspot.com/2011/07/politiciens-du-japon-que-faites-vous-13.html
http://bistrobarblog.blogspot.com/2011/07/politiciens-du-japon-que-faites-vous-23.html
http://bistrobarblog.blogspot.com/2011/07/politiciens-du-japon-que-faites-vous-33.html

ドイツ語 (Violaさんによる、英語字幕からの翻訳、2部):

Part 1: http://youtu.be/PDOBKu8P-DE
Part 2: http://youtu.be/XefmvjI7Mk4

Friday, July 29, 2011

東京大学児玉龍彦教授の衆議院厚生労働委員会提出資料

教授の息子さんがアップして下さっています。

群馬大の早川教授(火山学)の地図も引用されています。

『学会主流と政府が何を誤ったかというと、現行法の「高い線量の少量の除染」を考え、濃度をもとに、「さしあたり健康に問題ない」としてきた。しかし、システム論から見ると総量が問題で、「低い濃度でも汚染が膨大におこると、特定の場所や食品に濃縮がおこり、健康に害をもたらす」可能性が生まれる。』

学会主流(100ミリシーベルト大丈夫教授など)は、広島、長崎の原爆被曝実例で福島を理解したようですね。大失敗。7月27日の国会での証言の中で、児玉教授は、

『(広島、長崎のような)原子爆弾投下後の放射能汚染は1年後で1000分の1になる。しかし福島のような、壊れた原発から出た汚染は、1年たっても10分の1にしかならない』

とおっしゃっていました。

(もっとも、主流派も政府も、大失敗だとは思ってないでしょうが。)

Monday, July 25, 2011

福島医大副学長山下俊一教授:「世界でも類を見ない甲状腺検査だ」

わくわくしている教授が目に浮かぶようです。世界に冠たる何とやら、というのは日本が昔から好きだった言葉ですが、今回の場合、何とも不謹慎に聞こえるのはなぜでしょう。

東京新聞7月25日夕刊記事

甲状腺を生涯検査 福島県、18歳以下36万人

東京電力福島第一原発事故を受け福島県は二十四日、全県民健康調査の一環として、原発事故発生時ゼロ~十八歳の子ども全員を対象に甲状腺超音波検査を二年ごとに実施、二十歳に達してからは五年ごとにチェックしていく仕組みを決めた。対象は約三十六万人に上る見通し。

 一九八六年のチェルノブイリ原発事故で放射性ヨウ素の内部被ばくによる子どもの甲状腺がんが増加したことから、福島県では保護者に不安が広がっており、県は継続的な子どもの甲状腺検査が必要と判断した。

 同日、福島市で開かれた検討委員会で合意。座長の山下俊一福島県立医大副学長は「世界でも類を見ない甲状腺検査だ」と述べた。県は「生涯にわたって県民の健康を見守る」としている。

 検討委によると、検査は甲状腺に異常がないか超音波で調べ、病変が見つかった場合は県立医大(福島市)などで採血、尿検査のほか、病変の種類を見極める細胞診を実施する、というのが一連の流れ。

 今年十月から開始。放射線による影響が表れるまでに時間がかかるとみられるため、二〇一四年三月までにいったん完了し、同四月からは二年ごとに検査。二十歳に達してからは五年ごとに健康診断を行う。

Sunday, July 24, 2011

肥田舜太郎さん講演「内部被ばくがもたらすもの」

7月15日の講演です。

内部被曝には、「安全区域」はない。入ったら、生涯影響を受け続ける。放射線の被害については、現在の医学では診断法もなければ治療法もない。

肥田舜太郎さんは、

「1917年広島生まれ。1944年陸軍医学校卒。軍医少尉として広島陸軍病院に赴任。1945年広島にて被ばく。被ばく者救援にあたる。全日本民医連理 事、埼玉民医連会長などを歴任。全日本民医連会長などを歴任。全日本民医連顧問、日本被団協原爆被害者中央相談所理事長。鎌仲ひとみ氏との共著『内部被ば くの脅威』(ちくま新書)は内部被ばくのメカニズムを解き明かし、その脅威の実相に迫る」









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Tuesday, July 12, 2011

厚労省の言う「全頭検査」は既に肉になった牛のことだった

シープルからブラックシープルへの脱却を目指す「東京茶とら猫」さんの今日の突撃電話攻勢はまたも農水省に。

・厚労省が発表した「全頭検査」とは、と場に運ばれてきて肉になった牛の全頭検査ということ。[昨日も確認したとおり「肉になったら厚労省」なので]。これまでは、数頭に一頭を無作為に選ぶというサンプリング検査をしてきたが、それを全頭についてやるということ。

・農水省はこれまでも計画的避難地域と緊急避難準備区域については、出荷・移動される全頭について、体表面の放射線測定と、内部被曝の有無確認のための聞き取り調査を行なってきている。

・これまで、内部被曝確認の聞き取りで問題が生じたケースは一例もなかった。

・ただ、今回、内部被曝が明らかになったので、内部被曝の有無をどう確認していくかについて、聞き取り調査の徹底や、科学的検査方法の導入なども含め、厚労省と協議して行く予定とのこと。

ということは、相変わらず福島から牛は出る。

Monday, July 11, 2011

厚生省、福島県内地域限定の牛の全頭検査を検討

ちょっと待った!

7月9日のポストにも出しましたが、農林水産省のマニュアルによると、計画避難区域、緊急避難準備区域から出荷、移動する家畜は全て検査することになっています。ほらこの通り。

A8.計画的避難区域からの家畜の移送に当たっては、全ての家畜について、ブラッシングまたは水洗した上で放射線測定器でスクリーニングを行い、放射線量 が100,000 cpm以下であることを確認の上、移送してください。放射線量が100,000 cpmを超える場合は適宜除染をしてください。除染の方法については、Q9及びQ10を参照してください。

緊急時避難区域からの家畜の移送の場合も、当面の間は、当該地域から移出される家畜の受入先への配慮と畜産物の安心感の醸成のため、放射線測定器でスクリーニングを行い、放射線量が100,000 cpm以下であることを確認の上、移送してください。

それが、今更のように「地域を限定して全頭調査」???農水省に任せてはおけない、厚生省にやらせろ、ということなのでしょうか?

今まで農水省はどんな調査をしていたんでしょうか?市町村一箇所の畑一箇所から1つ取ったサンプルを検査しているだけの農作物と同じで、農家1軒で1頭放射線測定して、あと何頭出荷しようが移動しようが検査した1頭がOKなら全部OK、というのが私の推測。

緊急時避難区域の記載部分では「全ての家畜について」という言及がないのがミソでしょうね。多分、農水省の役人はそれを楯にとって、「全頭検査とは言っていない」と言うのでしょうが、役人(と政治家)以外の普通の人がこれを読んだら、10人に9人は「緊急時避難区域でも計画避難区域と同じように、安全のために全部検査しておくのだな」と理解すると思います。

時事通信(7月12日):

細川律夫厚生労働相は12日の閣議後記者会見で、福島県南相馬市の農家が出荷した肉牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題に関連し「地域を区切って全頭的な検査も考えなければならない」と述べた。関係省庁などと協議し、福島県内で地域を絞った上で牛の放射性物質の全頭検査を検討する考えを示したものだ。

厚生省の言い草を見る限り、農水省は計画避難区域でも全頭検査していなかったような様子ですが、農水省は自分たちで作ったマニュアルに平気で違反していたわけでしょうか。

ああ忘れていた。日本というところは、表のマニュアルと裏のマニュアルがある国なのでした。しかも裏のマニュアルにもレベルがいくつかあって、真のマニュアルに到達するには組織の奥義に精通する必要がある、と。農水省の場合も、このマニュアルは表向き。実際に運用したのは裏マニュアルなんでしょう。

さて厚生省の裏マニュアルは?表マニュアルを考案する段階で既に「地域を絞った上で」といっているのですから、裏はざるのように漏れるでしょう。

Saturday, July 9, 2011

農林水産省推奨、福島の牛除染方法

農林水産省の、「計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について」という文書の中に、どうやって牛の放射能汚染の有無を調べるのか、Q&A形式で記載されています。実際このように福島県で行われているようです。

ざっとまとめると、手順は

  1. 家畜をブラッシングまたは水洗いする。
  2. 放射線測定器で測定。
  3. 放射線量が100,000cpmを超えなければ移送OK。
  4. 超えていたら、除染する。これを、100,000cpm以下になるまで繰り返す。
  5. シャンプーで洗うと効果的。
  6. 除染に使った水は処理なしでOK。

豚も同じ手順なのでしょうか。文書は「家畜」と言っていますので、同じではないかと思われますが、はっきりしたことは分かりません。鶏に関しては、まったく情報なし。

(どう考えても、農水省が率先して日本食の世界無形文化遺産認定を目指すのはやめておいたほうがいいと思いますが。)


以下、「計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について」の質問と答え8から10まで:

Q8.両区域において飼養していた家畜を両区域外に持ち出す場合、具体的にどのような作業が必要ですか。

A8.計画的避難区域からの家畜の移送に当たっては、全ての家畜について、ブラッシングまたは水洗した上で放射線測定器でスクリーニングを行い、放射線量が100,000 cpm以下であることを確認の上、移送してください。放射線量が100,000 cpmを超える場合は適宜除染をしてください。除染の方法については、Q9及びQ10を参照してください。

なお、作業をするときには、同区域での外出時の注意と同様の対応をしてください(参考:[1]作業時間を可能な限り短縮する、[2]長袖・長ズボンの作業着を着用し、帽子、ゴーグル、マスク(花粉対策用マスクが望ましい)、手袋、長靴等を使って肌の露出を防ぐ、[3]雨に直接当たらないようにする、[4] 作業後は着衣等を全て洗濯又は洗浄し速やかに入浴する、など。)

緊急時避難区域からの家畜の移送の場合も、当面の間は、当該地域から移出される家畜の受入先への配慮と畜産物の安心感の醸成のため、放射線測定器でスクリーニングを行い、放射線量が100,000 cpm以下であることを確認の上、移送してください。放射線量が100,000 cpmを超える場合は適宜除染をしてください。除染の方法については、Q9及びQ10を参照してください。

なお、緊急時避難準備区域では、作業時の服装は通常の作業の服装で差し支えありません。土ぼこり等が多い作業の場合は、マスク(花粉対策用マスクが望ましい)等を着用されるとよいでしょう。

(注)100,000 cpmとは、放射線測定器が1分間当たり10万回放射線を検出することを表し、今回検査に用いる直径約5cmの測定器で、対象物から10cm離して測定する場合、1マイクロシーベルト毎時(1μSv/h)に相当します。


Q9.家畜の除染はどのようにすればよいですか。

A9.家畜の全身を大量の流水により洗ってください。微温湯を用い、洗剤(家畜用が入手できなければ人間用のシャンプーでよい)をつけてブラシで洗えばより効果的です。洗浄後に放射線量を測定し、100,000 cpm以下になるまで除染を繰り返してください。

除染を行った場合は、念のため作業者と、使用した車両のタイヤ等についても100,000 cpmを超える汚染がないか確認してください。汚染があれば、作業衣を着替える、付着した泥などを除去する、水洗する、等の除染を行ってください。


Q10.家畜の除染はどこで行えばよいですか。

A10.放射線量が100,000 cpmを超えた場合の家畜の除染は、その家畜が飼養されていた農場内で行ってください。農場内で除染に用いた水については特段の処理を必要としません。できれば、自己所有地に集中的に埋設してください。


(追加)Twitterのメッセージの鋭い指摘:

牛は反芻するし口の周りはいつも濡れている、一般的に動物は舌で毛繕いする。濃密な大気汚染環境にさらされた動物たちの内部被曝は、人間よりもかなり多いと見るべきだと思う。

Friday, July 8, 2011

内部被曝を外から測れるものなのか?福島の子供と牛

先日、3月末の時点で福島の子供1000人を検査したら45%が内部被曝をしていたが、原子力安全委員会は「問題なし」と判断、が、7月4日にNHKの記者が質問して東京新聞が記事にするまで黙っていた、というニュースをシリーズでお届けしましたが(ここここここ)、今日は南相馬市から出荷された牛の肉から放射性セシウムがすでに緩い国の暫定基準値をはるかに超えて検出された、というニュース。牛は内部被曝していたのです。

まず、

産経新聞7月8日記事

東京都は8日、福島県南相馬市産の牛肉から食品衛生法の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)の約5倍に当たる2300ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。牛肉から基準値を超えたセシウムが検出されたのは初めて。

 福島県は、南相馬市に対し出荷自粛を要請。また、厚生労働省は、福島県や隣接県に対して牛肉検査態勢の強化を求めた。

 検出されたのは、南相馬市の緊急時避難準備区域内の農家から、都立芝浦と場に搬入された牛11頭のうちの1頭。

 福島県内では食品などについての検査が追いつかないため、厚労省の依頼で都が検査。残りの10頭についての検査結果は、9日午後にも判明する。

 この牛肉については、都の施設内で管理されており、一般に流通する可能性はないという。これまで、ほかの自治体などでも同じような検査はされていることから、放射性物質が検出された牛肉については、市場には流通していないとみられる。

ただ、都などによると、これらの牛は、体表面が放射性物質に汚染されていないかや育成過程がどうだったかについては、農林水産省の指針に基づいて、出荷段階でチェックされていたという。チェック体制が適切だったかどうか、今後、課題になりそうだ。

 ある自治体関係者は「出荷前のチェックでは問題ないということで、モニタリング検査していた。今後、農水省などが事前の検査態勢などを見直す必要があるのではないか」と話した。

さて、他もさることながら、最後から2つ目の段落にご注目。農水省の検査とは、「体表面が放射性物質に汚染されていないか」を測るだけ、つまり、牛に放射線測定器をかざして外部を測った、ということです。

さらに、7月9日付けの朝日新聞で、11頭全てからセシウムが検出され、最高はなんとキロ当たり3200ベクレル、最低でも1530ベクレル、更に同じ農家から5月と6月に出荷された牛の肉は一切検査されず市場に流通した、とのこと。

一方、福島の子供の記事の2つ目で引用した3月25日付け朝日新聞の記事のこの部分:

『調査は24日に行われ、のどの付近から数ミリの距離で検出器を使って放射線量を測定した。』

原子力安全委員会によると、検査は

『「緊急被ばく医療ポケットブック」(平成17年3月 財団法人原子力安全研究協会)の「頸部甲状腺に沈着した放射線ヨウ素の測定」に基づき、NaIシンチレーション式サーベイメータを用いて実施した』

ということを丸山安全調査管理官が丁寧な口調で説明されています。(2つ目のポスト)

このNaIシンチレーション式サーベイメータは、ガンマ線のみ測ります。このようなものです。(日本原子力研究開発機構サイトより)

牛と子供を一緒には出来ないでしょうし、セシウムとヨウ素では測り方が違うのかもしれないし、一概に言えませんが、どちらも内部被曝を外から測っただけ。それで、「心配ない」宣言をしてしまっていいんでしょうか?

牛の場合は、福島の牛集団避難の記事(朝日4月19日付け)に、

「基準値を上回った場合は、牛の体に付着した放射性物質を洗い落とすなどしてから再検査し、基準値を下回れば、移送対象に含める」

とありました。

子供の甲状腺はまあのどを洗ったぐらいでは放射能は落ちないでしょうし、そのような外からの測定で十分なのかもしれません。が、他の核種、セシウム、ストロンチウム、更に毒性の強い核種などはどうするのでしょうか?

牛は幸か不幸かすでに牛肉になった時点で東京都がたまたま依頼されて検査し、放射性セシウムの存在が分かりましたが、子供はそうは行きません。

Saturday, July 2, 2011

北海道がんセンター西尾正道 『福島原発事故における被ばく対策の問題-現況を憂う』

これは是非、全部お読みください。極めて率直かつ具体的で、分かりやすい解説です。

著者の西尾正道さんは独立行政法人国立病院機構北海道がんセンターの院長(放射線治療科)を務める方です。この記事は、西尾さんが6月5日に書かれ、医療ガバナンス学会サイトに6月20日、21日付けで掲載されたものです。

『福島原発事故における被ばく対策の問題-現況を憂う』(その1/2)

『福島原発事故における被ばく対策の問題-現況を憂う』(その2/2)

記事の中で、西尾さんは、

  • 「放射線」に関する社会の無理解:政府、東電、原子力村(産業、学術)の事実隠蔽工作と、[文系の]メディアの無知

  • 作業員に対する被ばく対応の問題:死亡者が出なければ問題としない墓石行政、墓石対応

  • 地域住民に対する対応の問題:「がんばろう、日本 !」と百万回叫ぶより、真実を一度話すことが重要

  • 内部被ばくの問題:一過性に放射線を 浴びる外部被ばくと内部被ばくの影響を投与時の線量が同じでも人体 への影響も同等と考えるべきではない

とおっしゃっています。

この中で特に驚いたのは、「地域住民に対する反応の問題」のセクションに出てくる、この抜粋の赤字部分:

『SPEEDIの情報は23日に公開された が、時すでに遅しである。公開できないほどの高濃度の放射線物質が飛散したことによりパニックを恐れて公開しなかったとしか考えられない。郡山市の医院で は、未使用のX線フィルムが感光したという話も聞いている。また静岡県の茶葉まで基準値以上の汚染が報告されているとしたら、半減期8日のヨウ素からの放 射能が減ってから23日に公開したものと推測できる。菅首相の不信任政局のさなか、原口前総務大臣はモニタリングポストの数値が公表値より3桁多かったと発言しているが、事実とすれば国家的な犯罪である。』

SPEEDIを半減期8日のヨウ素由来の放射能が減ってから公開した、という「風評」は多分その通りなんでしょう。公開できないほどの高濃度放射性物質だったので、ということは、中部大学の武田さんも以前ブログでおっしゃっていました。より広範囲の汚染を示していたWSPEEDIの飛散予測に至っては、事故後2ヶ月以上経ってからこっそり文科省のサイトにアップする始末。それでも誰も何も言わない。

また、

『5月26日の新聞では土壌汚染の程度はチェルノブイリ 並みであると報じられたが、半減期8日のヨウ素が多かったチェルノブイリ事故と異なり、半減期30年でエネルギーも高いセシウム-137が多い福島原発事 故はより深刻と考えている。』

更に、

『低線量被ばくの健康被害のデータは乏しく、定説と言い切れる結論はないが、『わからないから安全だ』ではなく、『わからないから危険だ』として対応すべきなのである。また環境モニタリング値を住民がリアルタイムで知ることができるような掲示を行い、自分で被ばく量の軽減に努力できる情報提供が必要である。また測定点は フォールアウトし地面を汚染しているセシウムからの放射線を考慮して地面直上、地上から30~50cm(子供)用、1m(大人用)の高さで統一し、生殖器 レベルでの空間線量率を把握すべきである。』

最後の章の個人線量計で積算被曝量を把握する、云々は、個人が実際にリアルタイムで放射線の高い場所を避けて被爆量を軽減できる、というシステムがない限り私は個人的には研究者の研究ネタ集めと取られても仕方がない、と悪く考えておりますが、西尾さんはそのようなシステムの必要性をまず謳っていらっしゃるので、まあいいでしょう、と今のところは思っています。

また、最後の章では、国の原子力行政を強く批判するだけでなく、ご自身の研究・治療分野である放射線医学のあり方についても、自省されているようです。

『このままでは原発事故と同様に日本は自然の摂理から取り返しのつかない逆襲を受けるような予感を持つこの頃であ る。この大震災を期に色々な課題に対してラディカルに考え直す機会としたいものである。我々医療従事者も改めて、放射線利用の原則である、正当性・最適 化・線量限度に心掛け診療すべきである。』

(H/T doitsujin, enenews)

Wednesday, June 29, 2011

尿から微量の放射性物質 福島市の子供10人から 仏研究所「内部被曝の可能性」

産経新聞6月30日付け記事

福島県内の保護者らでつくる市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などは30日、福島第1原発事故の影響調査のため福島市内の6~16歳の男女10人の尿を検査した結果、全員から微量の放射性物質が検出されたと発表した。

 放射性セシウム134の最大値は8歳の女児で尿1リットル中1・13ベクレル、セシウム137の最大値は7歳男児で同1・30ベクレルだった。

 尿は5月下旬に採取し、チェルノブイリ原発事故で周辺の子供の被ばく量を調査した経験がある、フランスの放射線測定機関「アクロ研究所」に検査を依頼した。

 アクロのデービッド・ボアイエ理事長は記者会見で「福島市周辺の子供らに極めて高い確度で内部被ばくの可能性がある。事故前の数値はゼロだったと考えられる」と話した。

記事の中の「アクロ研究所」とは、Association pour le Contrôle de la Radioactivité dans l’Ouest、略してACROのことで、フランス政府の認証を受けた放射線測定の機関。先に、江東区の「江東区子供守る会」が江東区のスラッジプラント焼却灰飛散による周辺地域汚染を独自調査した際、更に確認のために測定を依頼したのがこの機関です。

Sunday, June 26, 2011

原発・放射能汚染報道:更新ごとに重要な情報が消えてゆく記事

以前は読売など大手新聞社でそのような事例をいくつも見ましたし、ご紹介もしましたが、共同通信でも起こっていることを遅ればせながら発見。

6月26日午後8時42分(リンクと文章はこのサイトからです)。赤字部分が、更新後の記事から消えた部分です:

『広島、福島の放射線研究者らが福島県飯舘村と川俣町の住民計15人の尿を検査したところ、全員から放射性セシウムを検出し、最大で約3ミリシーベルトの内部被ばくをしたとみられることが26日、分かった。

 『両町村は福島第1原発から30~40キロの距離。調査した広島大の鎌田七男名誉教授(放射線生物学)は「今後、汚染された野菜などを食べなければ心配はないが、この地区に住み続けるのは難しい」と指摘している。

 『鎌田名誉教授と医療生協わたり病院(福島市)の斎藤紀医師らが5月上旬と5月末の2回、両町村で4~77歳の住民15人から採尿し、原発事故後の行動を調査した。』

6月26日午後10時46分の、現在共同通信のサイトにある記事。どれだけの内部被曝をしたのか、検査対象の住民の年齢が削除され、そのかわりに新しい情報が巧みに入っています。青字が新しく付け加えられたところです。どうです、ニュアンスが変わるでしょう?政府は正しく、原発が収束しさえすれば住めて、大丈夫、というような。原発事故が収束しても積もって浸透した放射能はどうするんでしょう?また、更新バージョンでは、教授が政府の方針に理解を示したことになっていますが、実際したんでしょうか? 

『広島、福島の放射線研究者らが福島県飯舘村と川俣町の住民計15人の尿を検査したところ、全員から放射性セシウムが検出され、内部被ばくをしたとみられることが26日、分かった。

 『両町村は福島第1原発から30~40キロの距離。調査した広島大の鎌田七男(かまだ・ななお)名誉教授(放射線生物学)は「今後、汚染された野菜などを食べなければ心配はないが、原発事故が収束しなければこの地区に住み続けるのは難しい」として、これらの地域を計画的避難区域とした政府の方針に理解を示した。