Showing posts with label 格納容器. Show all posts
Showing posts with label 格納容器. Show all posts

Friday, April 20, 2012

今日の発見: 福島第1原発3号機の格納容器の機器ハッチシールドプラグはわずかに開いていた

もともとの事実、報道から次第にかけ離れて、遂には大本の情報とは似ても似つかぬものになる「伝言ゲーム」の例を2つポストに出しましたが(ここここ)、今日はドイツのドイチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)までこの「伝言ゲーム」に参加していることに失望しました。(「ミスキャンパスを農水省が「食べて応援学生大使」にした」、という今年2月の脱力記事が、ドイチェ・ヴェレでは「農水省の後援で、福島の食べ物だけを食べた一番かわいい学生を選ぶコンテストがあった」に化けたと思われます。)最近この類が特に海外で余りに多く、いったいこれは何なんだろうかと思っています。(まあ、いい加減な英語記事を出す日本の新聞が一番悪いんですが。)

そんなときに私が気晴らしに逃げる場所は、日本、世界の多くの人々が「うそつきだ」、とそしる東京電力のサイト。特に気に入っているのは、写真・動画集のページです。最近このページは改良され、日にち別、テーマ別、号機別のメニューまで出来ています。

最近では、3号機使用済み燃料プールのビデオ、4号機使用済み燃料プールのビデオを興味深く見ていました。特に3号機は、あれは「核爆発だ」とか「即発臨界だ」というのが海外の専門家を含めた一種の定説になっていましたので、燃料集合体のハンドルが見えたときには、おや、と思いました。もっともプールの一部だけしかカメラは撮影できませんでしたので、そのほかの部分で専門家の方々がおっしゃるように「核爆発」、「即発臨界」が起きていた可能性もあるのでしょう。

今日は2号機のトーラス室のビデオが出ていました。2号機からはざるのように放射能が漏れている、と言うガンダーセン氏の言も聞いていたので(4月17日ラジオインタビュー)、どんなざるかと思ったら、目に見える部分ではほとんど損傷が見当りませんでした。

一見にしかずです。たとえ東電の資料であっても。(何しろ東電しか資料を出してこないし出せないからですが。)

それよりいっそう興味深かったのは、最新の資料として東電のページに上がっている、3号機の格納容器機器ハッチ調査の資料

あまり注目が集まらなかったようですが、東電は去年の11月、3号機の原子炉建屋にパックボットを入れて、格納容器機器ハッチ前の溝の調査をしていました。パックボットに溝を撮影させ、溝に溜まった水をウェスでふき取らせていました。溝の線量は最高で毎時1.32シーベルト出ていました。(詳細は去年の11月16日のポストをご参照。)

つまり、汚染水が漏れていたのです

このときはハッチが開いているかどうかの言及はありませんでしたが、私はハッチから水蒸気が漏れているのだと思いました。

それ以降、この件については続報が無く、いぶかしんでいたところ、4月19日に東電は自社社員2名を3号機の建屋に入れ、格納容器機器ハッチのシールドプラグ隙間からカメラを差し入れて内部の床を撮影したのです。

姑息なことに、隙間の写真は去年の11月、パックボットが取ったもの。この写真は11月の時点では未公開です。(こういうことをやるから東電は信用を落とすんですが...)

やはり隙間が開いていたのです

去年の3月11日に地震が起きたとき、3号機は通常運転中でした。地震でスクラムがかかり、原子炉は停止しましたが、運転中の原子炉の格納容器のハッチのプラグが開いていたはずもありません。ということは、3号機の建屋が爆発したときの衝撃なのでしょうか?

ということは、あの爆発は「燃料プールの核爆発」ではなく、格納容器(ドライウェル)自体から、Ex-Vesselの爆発だったのでしょうか?

2012年4月19日の東電のプレス発表から(強調は私):

[目的]原子炉へ注入した冷却水が、原子炉建屋まで漏えいしている状況であり、原子炉建屋1階北東の原子炉格納容器機器ハッチからの漏えい状況を確認する。

[内容]
過去の映像より、機器ハッチ前のシールドプラグと原子炉建屋の間に隙間があることを確認
・シールドプラグと原子炉建屋の隙間からイメージスコープを挿入し、機器ハッチフランジの漏えい状況を確認。

[作業実績]
・作業時間:平成24年4月19日13:27 ~ 13:48(原子炉建屋に入域時間は約4分)
・作業員:当社社員2名(被ばく量最大:8.01mSv 計画:15mSv)

[原子炉格納容器機器ハッチの状況]
・原子炉格納容器機器ハッチフランジ部近傍の状況は確認でき、水が漏えいしていると思われる床面を確認
・今回の調査結果については、今後、詳細に確認。



隙間:



乾燥床面:



水の漏洩と推定される床面:

原子炉建屋に4分で8ミリの被曝。単純に被曝量が付近の空間線量と一致していると考えても、毎時120ミリシーベルト。その約2倍の15ミリを計画していたと言うことは、やはり去年の11月の時点でパックボットが計測していた毎時200ミリシーベルト以上の線量を予想していたのでしょう。

Friday, January 27, 2012

【記録】2011年3月25日付けニューヨークタイムズ紙: 「3号機の原子炉容器には縦に大きな亀裂が入っている」「3号機作業員は放射線やけど」「放射能拡散パターンが普通ではない」

1号機、3号機が派手に爆発し、4号機がろくに報道されないうちにぼろぼろの姿になったものの、なぜか日本が「もう大丈夫だ、別になんてことはない」という雰囲気だった去年3月の下旬。海外では、これはとんでもない事故だ、という認識で、日本のメディアには出てこないニュースを出していました。それを取り上げて、日本政府、マスコミは、扇情的な記事で風評を煽る、けしからん報道だ、と抗議していました。

そのあまりのギャップに、このブログで福島原発事故記事を書き始めたのですが、当時は日本政府の言っていることと違うことを書くと必ず口汚くののしってくる方々が沸いて出ました。馬鹿らしくてやめようと思いましたが、今になればああいう手合いを「工作員」さんとお呼びするんですね。英語ブログにも、下手な、英会話学校の先生のような英語で、同様の方々が沸いて出ました。

それはともかく、そんな時期の3月25日、米ニューヨークタイムズ紙に福島第1原発事故の記事が出ました。その中に、匿名の原子力業界関係者の言として、

「3号機原子炉容器(圧力容器)には大きな亀裂が入っている」

という記載があったのです。その記事は数日後改訂され、その記載部分がごっそり落ちていました。ところが、ニューヨークタイムズの元の記事を転載していたニュースサイトから当該部分全文をコピーすることが出来、英語ブログで4月2日付けで記事にしました。

キャッシュには、該当部分は今でもちゃんと出ています。

日本語ブログでも書いた気になっていたのですが、書いてませんでしたね。今更ですが、その部分を訳してお出ししておきます。今改めてこの部分を読んだら、この匿名関係者は3号機圧力容器の亀裂の他にもとんでもないことを言っています。まずお読みください。

ニューヨークタイムズ紙2011年3月25日付け記事、”Japan Encourages a Wider Evacuation From Reactor Area”より、記事から消えた3号機の言及部分(英語ブログに保存):

Concerns about Reactor No. 3 have surfaced before. Japanese officials said nine days ago that the reactor vessel may have been damaged.

3号機に関する懸念は以前にもあった。日本政府は9日前、原子炉容器が損傷を受けたかもしれない、と発表した。

A senior nuclear executive who insisted on anonymity but has broad contacts in Japan said that there was a long vertical crack running down the side of the reactor vessel itself. The crack runs down below the water level in the reactor and has been leaking fluids and gases, he said.

ある原子力産業関連の役員は日本に広くコンタクトがあるが、匿名を条件に次のように語った。3号機の原子炉容器自体に、側面に長い、縦方向の亀裂が入っている。亀裂は原子炉の水位よりも下まではいっており、そこから液体とガスが漏洩している。

The severity of the radiation burns to the injured workers is consistent with contamination by water that had been in contact with damaged fuel rods, the executive said.

この役員によると、怪我をした作業員の放射線やけどのひどさは、損傷した燃料棒に接触していた水の汚染と合致するものだ、ということだ。

"There is a definite, definite crack in the vessel -- it's up and down and it's large," he said. "The problem with cracks is they do not get smaller."

「確かに、はっきりとした亀裂が入っている。上から下まで、大きな亀裂だ」、と彼は言う。「亀裂が問題なのは、いったん入ったら小さくなることはない、ということだ」

The contamination of the water in the basement of the turbine building where the workers were injured -- a separate building adjacent to the one that houses the reactor -- poses a real challenge for efforts to bring crucial cooling pumps and other equipment back online.

作業員が負傷したタービン建屋-原子炉建屋に隣接した別の建屋-の地下に溜まっている水の汚染は、冷却ポンプなどの機器を復旧する作業に大変な妨げとなる。

"They can't even figure out how to get that out, it's so hot" in terms of radioactivity, he said. A big worry about reactor No. 3 is the mox fuel. The nuclear industry has no experience with mox leaks, and it is possible that unusual patterns in the dispersal of radioactivity from the plant partly result from the mox, he said.

「水をどうやって排出するかすら見当がつかないのだ。水の放射能が余りに高い」。3号機の心配はMOX燃料だ。原子力業界はMOX燃料のリークに対処した経験がなく、原発からの放射能拡散のパターンが普通でない(異常)なのはMOX燃料のせいもあるのかもしれない、と彼は言う。

3号機圧力容器に亀裂が入っている、という情報だけでなく、

  • 3号機タービン建屋の地下水で被曝した作業員はかなりひどい放射線やけどを負っていた

  • 原発からの放射能拡散のパターンが普通でない(異常な)のはMOX燃料のせいかもしれない

  • (つまり、原発からの放射能拡散パターンは普通じゃなかった)

という、本当だったら日本には未だ出てきてない情報があるではありませんか。訳すために真面目に読んで、今になって気が付きました。

また、読んでいて思い出しましたが、当時は確かに東電も政府も、原子炉冷却ポンプなどは復旧できるようなことを言っていました。ポンプをどこかに特注している、というような話も出ていました。実際は復旧もへったくれも無かったわけですが。

もっとも、ニューヨークタイムズ紙が誤情報を訂正しただけ、という可能性ももちろんあります。ただし、ニューヨークタイムズ紙のような大手新聞では通常、誤情報の訂正は必ずそのように断って訂正が入ります。

福島第1原発事故の真相は未だ闇の中。これを闇のままにすると、国は国として二度と回復しない気がします。

Saturday, September 24, 2011

福島原発1号機格納容器につながる配管内の水素、濃度100%の可能性

9月23日のニュースではこの配管から1万ppm、つまり1%以上の濃度の水素ガスが検出された、とありました。福島作業員(と思われる方)のTweetでは4万ppm以上、つまり4%以上の濃度。水素濃度がが4%を超えると水素爆発する可能性が高くなるのですが、24日になって、もっととんでもない値らしい、ということをほかならぬ東電が認めました。

配管内のガスは100%水素であるかも知れない、というのです。

ちなみに、通常の大気中の水素濃度は2万分の1パーセントです。

時事通信9月24日付け記事

福島第1原発1号機の格納容器につながる配管から1%を超える濃度の水素が検出された問題で、東京電力は24日、配管内部の気体はほとんどが水素である可能性が高いと発表した。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は同日の記者会見で、「着火源がないので、直ちに爆発のリスクが高いとは言えない」と述べた。

 東電によると、23日午後に配管の出口部分の気体を複数回測定したところ、いずれも「水素を含む可燃性ガスが100%以上」との数字が出た。今後、水素だけを計れる測定器を用意し、正確な濃度を測定する方針。

この水素ガスはどのように発生したのか。1号機建屋が3月12日の午後に爆発したときには、原子炉内の燃料の被覆管材料のジルカロイ(ジルコニウム合金)が水蒸気と反応して水素を大量発生し、爆発につながった、とされています。が、既に燃料は溶融し制御棒も被覆管もいっしょくたに混ざって圧力容器の外に落ちていることを東電も認めています。被覆管のジルカロイのほかに水素の発生源はあるのでしょうか?

今回の1号機の配管の水素に関係あるかどうかは私には分かりませんが、沸騰した水に放射線を当てると放射線分解で水素が発生する可能性があることが、9月13日の毎日新聞に出ていました:

東京電力福島第1原発4号機で起きた原子炉建屋の爆発について、沸騰した使用済み核燃料プール内で、水の放射線分解が進んで、水素が大量発生したことが一因との分析を、東京大や日本原子力研究開発機構のチームがまとめた。放射線は、水を水素などに分解する。19日から北九州市で始まる日本原子力学会で発表する。

4号機のプールには、事故を起こした1~4号機の中で最も多い1535本の燃料棒が入っていた。東日本大震災発生当時、定期検査で運転停止していたが、津波で電源を喪失。冷却機能が失われ、地震発生から4日後の3月15日に爆発した。

水素 爆発を起こした1、3号機では原子炉内にあった燃料棒が損傷し水素が発生したとされるが、4号機の燃料棒に目立った損傷はなかった。東電は排気筒を共有する3号機から水素が流入して、4号機の水素爆発にいたったと推定している。

 しかし、チームは3号機と4号機の爆発に約20時間の差があることに注目し、他の要因があると推測。フラスコ内の水を室温、97度、沸騰状態の3段階にして、放射線を照射。発生した水素の濃度を調べたところ、97度で室温の1.5倍、沸騰状態で100倍となることが分かった。

 水素は空気中の濃度が4%を超えると爆発の危険性が出てくる。建物上部にたまった水蒸気は壁で冷やされて水に戻るが、水素は気体のままで空気中に占める割合が高まったとみられる。

 チームの勝村庸介・東大教授(放射線化学)は「3号機からの流入に加え、放射線分解が重なったのではないか。今後、実際の原子炉建屋やプールの規模で起こるのかを検証したい」と話す。

 東電は「理屈上はありうるが、爆発させるほど水素が大量発生するかどうかは不明」としている。

それで思い出したのが、1号機の原子炉建屋地下から一階に噴出していた(今もしているのかは不明)毎時4シーベルトの蒸気。地下水が沸騰していて、しかも溶融燃料が地下室のどこかに落ちているとしたら、そこから出た放射線が沸騰している汚染水を分解して水素を発生させている可能性はあるのでしょうか?

ただ、100%水素ということになると、水分解で出るもう片方、酸素が出ていない、ということでしょうから、まだ残っていた燃料の被覆管のジルカロイが反応している?(もう真夜中もいい加減過ぎましたので素人考え休むに似たり、休むことにします。)

それにしても、水素ガスが100%というのは何かの計測ミスであることを望みます。万一着火でもしたら、もう野田首相やそのほかの閣僚の方々が世界で言いまわっているらしい、「原発事故は収束の方向に向かっている」「冷温停止を前倒し」などという夢物語は、まあ夢で終わります。悪夢です。

Tuesday, May 24, 2011

毎日新聞:格納容器に大きな穴複数

圧力容器じゃないんです。その外側の格納容器です。

東電の報告書を読んでいるらしい5月25日付け毎日新聞の記事によると、

 東京電力が24日公表した福島第1原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。

なんでも、圧力データの解析をしてそういう結論になったそうです。

そこで疑問。

圧力データはずっと取れていたわけです。今まで何してたんでしょう。(まあ、隠していたことは別にして。)この圧力データは公開されていたデータなんでしょうか?もしそうだとしたら、専門家なら解析できるわけでしょう?

京大の小出さんが格納容器は溶融した炉心によってとっくに壊れている、と言い続けているのは、小出さんがデータを解析していたからなんでしょうか?

福島第1原発:地震後24時間以内に格納容器も損傷か(読売新聞)

それも、1号機、2号機、3号機とも。

そう記載されているらしい東電の225ページの報告書は、東電のサイトにアップされています。ここです。(私は不精にも10ページの概要だけ読んだんですが、そんなことは書いてありませんでした。)

この報告書を読んだらしい読売新聞がとりあえず正しいとして、私の個人的な疑問は、「レベル7」の計算は一体どうやって行われたのか、と言うこと。東電が炉心溶融を認めた5月15日から気になっていたことです。

4月12日に保安院、原子力安全委員会が福島はレベル7の事故、と発表した時の計算の前提は、核燃料が多少は損傷しているかもしれないが大多数は無事、溶けてもいない、圧力容器は壊れておらず、格納容器も2号機の圧力抑制室の破損以外は無事、ということでした。その前提で、原子炉から空中に飛散した放射性物質の計算をしたところ、これはレベル7に相当、しかし、チェルノブイリ事故の10分の1ぐらいだから心配は要らない、と言うことでした。私はこの記者会見をUSTREAMで見ていましたが、保安院、原子力安全委員会ともに、レベル7、だからどうした、という実に気軽な態度だったのを覚えています。

今になって、炉心は多分全溶融、圧力容器だけでなく格納容器まで実は地震後24時間で壊れていた、となると、そこから出た放射性物質の量は気軽な保安院・委員会の発表よりも桁外れに大きくなるのではないか、というのが、私の素人考えです。

まして、保安院、原子力安全委員会の計算は空中飛散分のみ。土壌、海中に染み出し流れ出したものは計算外です。4月12日の会見で西山審議官は「INESの基準は大気中の放射性物質のみ。海洋汚染は入っていない」とおっしゃっていましたが、INESの指針にはちゃんと地下水、海洋汚染の計算の仕方も出ています。

さて、これはチェルノブイリの10分の1から一挙に5分の1以下になるんでしょうか?

もう過去のことは関係ない、起きてしまったことだから、とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、どれだけ放射能が出たのか、出ているのか、どこに出たのか、どのように出たのか、しっかり把握できなければ、対策も立てようがないと私は思います。

読売新聞5月24日付け記事

 東京電力が福島第一原子力発電所の炉心溶融(メルトダウン)について詳しいデータ解析を行った結果、1~3号機では、圧力容器だけではなく、その外側を覆う鋼鉄製の格納容器も、地震後24時間以内に損傷していた可能性があることが分かった。

 解析結果の報告書は23日に経済産業省原子力安全・保安院に提出された。

 原子炉の運転データなどに基づいて地震後の状況を詳しく計算したところ、1号機は緊急冷却装置の「非常用復水器」が十分に働かず、炉心溶融の進行 によって、地震後15時間で圧力容器の底部が破損したことがわかった。底部には制御棒や中性子計測装置の貫通部が多数あり、強度の弱い溶接部分などが壊れ て、溶けた燃料を含む高濃度汚染水が漏れ出したとみられる。

Thursday, April 7, 2011

日本のメディア各社がようやく取り上げたニューヨークタイムズ記事で各社が取り上げなかった項目

4月5日付けのニューヨークタイムズの記事がやっと日本のメディアに載ったようですが(東京新聞朝日新聞共同通信など、朝日にはニューヨークタイムズの記事からであることの明記がありません)、記事が触れているのは、水を大量に注入した格納容器が余震で壊れる可能性、水素爆発の可能性のみ。

このブログの読者の皆さんはすでにお読みになったかと思いますが、ニューヨークタイムズの記事のポイントはほかにも沢山あって、特に日本ではどこも触れていないのが、

「使用済み核燃料貯蔵プールから核燃料自体(放射能じゃないんですよ)が周囲1.6キロにわたって飛び散った可能性がある」

「第1号機圧力容器内には水がまったくない可能性がある。核燃料の大部分が溶融して容器の下方にたまっている上、注ぎ込まれていた海水の塩分が邪魔をして、真水を注水して冷却しようとしても水が届いていない」

という記載です。

それともうひとつ、水素爆発についてですが、注入された水からどのように爆発につながる水素、酸素が発生しているか、日本の記事には(朝日新聞を除いて)はっきり書いてありませんが、ニューヨークタイムズにはしっかり書いてあります。

「炉心から出る放射線が水の分子を水素と酸素に分解する可能性がある」

ということは、炉心から放射線が出ている限り、水素と酸素は発生し続けるわけです。

どうせ記事を引用するなら、格納容器破損の可能性などといういまさらどうした(すでに破損している、といっている専門家は沢山います)とでも言いたくなる問題ではなくて、もっと重大な問題もちゃんと報道してもらいたいものです。

Tuesday, April 5, 2011

ニューヨークタイムズ:米国が見る福島原発の新たな危機

(更新)

とりあえず記事のポイントいくつか:

  • この記事は、ニューヨークタイムスにリークされた、アメリカ原子力規制委員会の機密文書を基にしている。

  • 核燃料を冷やすために放水、注水し続けた海水が、かえって問題を大きくした可能性がある。

  • 使用済み核燃料貯蔵プールの使用済み核燃料自体が爆発で飛び散って、原子炉の周囲1.6キロにわたって飛散した可能性がある(4号機)。

  • 第1号機圧力容器内には水がまったくない可能性がある。核燃料の大部分が溶融して容器の下方にたまっている上、注ぎ込まれていた海水の塩分が邪魔をして、真水を注水して冷却しようとしても水が届いていない。

  • 格納容器自体に水を入れて(間接的に)圧力容器内の炉心を冷やそうとする現在の方式にも問題がある。格納容器は多量の水を恒常的に入れておくようには設計されていないため、今後強い余震などが発生した場合、格納容器が破損される可能性がある。

  • 炉心から出る放射線が水の分子を水素と酸素に分解する可能性がある。

---------------------------------------------

ニューヨークタイムズに出たばかりの記事です。例によって消えてしまう前に全文一応コピーしてお出しします。非常で注入した海水が圧力容器内の状態を更に悪くした可能性があること、それと、使用済み核燃料貯蔵プールから出た核燃料のかけらまたは粒子が、原子炉から1.6キロ先まで飛んだ可能性があること、などが目に付きました。私も読んでいる真っ最中です。抄訳できるだけ早くお出ししたいと思います。

ちなみに、東電は1号機の格納容器に窒素ガスを6000立方メートル、数日かけて注入する予定、と発表しました。1号機は圧力容器の温度が高いままでしたが、窒素ガスをあわてて注入すると言うことは格納容器内の水素発生が急激に増え、水素爆発の可能性が高まったためと思われます。

水素が多量発生する第一の場所は、燃料棒の被覆管のジルコニウムと高温の水蒸気が反応してできるもの: Zr + 2 H2O → ZrO2 + 2 H2

二つ目の場所は、溶融した炉心(”Corium")が圧力容器から格納容器に出てしまって、格納容器のコンクリートと反応する場合です。


U.S. Sees Array of New Threats at Japan’s Nuclear Plant (2011年4月5日)

United States government engineers sent to help with the crisis in Japan are warning that the troubled nuclear plant there is facing a wide array of fresh threats that could persist indefinitely, and that in some cases are expected to increase as a result of the very measures being taken to keep the plant stable, according to a confidential assessment prepared by the Nuclear Regulatory Commission.

Among the new threats that were cited in the assessment, dated March 26, are the mounting stresses placed on the containment structures as they fill with radioactive cooling water, making them more vulnerable to rupture in one of the aftershocks rattling the site after the earthquake and tsunami of March 11. The document also cites the possibility of explosions inside the containment structures due to the release of hydrogen and oxygen from seawater pumped into the reactors, and offers new details on how semimolten fuel rods and salt buildup are impeding the flow of fresh water meant to cool the nuclear cores.

In recent days, workers have grappled with several side effects of the emergency measures taken to keep nuclear fuel at the plant from overheating, including leaks of radioactive water at the site and radiation burns to workers who step into the water. The assessment, as well as interviews with officials familiar with it, points to a new panoply of complex challenges that water creates for the safety of workers and the recovery and long-term stability of the reactors.

While the assessment does not speculate on the likelihood of new explosions or damage from an aftershock, either could lead to a breach of the containment structures in one or more of the crippled reactors, the last barriers that prevent a much more serious release of radiation from the nuclear core. If the fuel continues to heat and melt because of ineffective cooling, some nuclear experts say, that could also leave a radioactive mass that could stay molten for an extended period.

The document, which was obtained by The New York Times, provides a more detailed technical assessment than Japanese officials have provided of the conundrum facing the Japanese as they struggle to prevent more fuel from melting at the Fukushima Daiichi plant. But it appears to rely largely on data shared with American experts by the Japanese.

Among other problems, the document raises new questions about whether pouring water on nuclear fuel in the absence of functioning cooling systems can be sustained indefinitely. Experts have said the Japanese need to continue to keep the fuel cool for many months until the plant can be stabilized, but there is growing awareness that the risks of pumping water on the fuel present a whole new category of challenges that the nuclear industry is only beginning to comprehend.

The document also suggests that fragments or particles of nuclear fuel from spent fuel pools above the reactors were blown “up to one mile from the units,” and that pieces of highly radioactive material fell between two units and had to be “bulldozed over,” presumably to protect workers at the site. The ejection of nuclear material, which may have occurred during one of the earlier hydrogen explosions, may indicate more extensive damage to the extremely radioactive pools than previously disclosed.

David A. Lochbaum, a nuclear engineer who worked on the kinds of General Electric reactors used in Japan and now directs the nuclear safety project at the Union of Concerned Scientists, said that the welter of problems revealed in the document at three separate reactors made a successful outcome even more uncertain.

“I thought they were, not out of the woods, but at least at the edge of the woods,” said Mr. Lochbaum, who was not involved in preparing the document. “This paints a very different picture, and suggests that things are a lot worse. They could still have more damage in a big way if some of these things don’t work out for them.”

The steps recommended by the nuclear commission include injecting nitrogen, an inert gas, into the containment structures in an attempt to purge them of hydrogen and oxygen, which could combine to produce explosions. The document also recommends that engineers continue adding boron to cooling water to help prevent the cores from restarting the nuclear reaction, a process known as criticality.

Even so, the engineers who prepared the document do not believe that a resumption of criticality is an immediate likelihood, Neil Wilmshurst, vice president of the nuclear sector at the Electric Power Research Institute, said when contacted about the document. “I have seen no data to suggest that there is criticality ongoing,” said Mr. Wilmshurst, who was involved in the assessment.

The document was prepared for the commission’s Reactor Safety Team, which is assisting the Japanese government and the Tokyo Electric Power Company, which owns the plant. It says it is based on the “most recent available data” from numerous Japanese and American organizations, including the electric power company, the Japan Atomic Industrial Forum, the United States Department of Energy, General Electric and the Electric Power Research Institute, an independent, nonprofit group.

The document contains detailed assessments of each of the plant’s six reactors along with recommendations for action. Nuclear experts familiar with the assessment said that it was regularly updated but that over all, the March 26 version closely reflected current thinking.

The assessment provides graphic new detail on the conditions of the damaged cores in reactors 1, 2 and 3. Because slumping fuel and salt from seawater that had been used as a coolant is probably blocking circulation pathways, the water flow in No. 1 “is severely restricted and likely blocked.” Inside the core itself, “there is likely no water level,” the assessment says, adding that as a result, “it is difficult to determine how much cooling is getting to the fuel.” Similar problems exist in No. 2 and No. 3, although the blockage is probably less severe, the assessment says.

Some of the salt may have been washed away in the past week with the switch from seawater to fresh water cooling, nuclear experts said.

A rise in the water level of the containment structures has often been depicted as a possible way to immerse and cool the fuel. The assessment, however, warns that “when flooding containment, consider the implications of water weight on seismic capability of containment.”

Experts in nuclear plant design say that this warning refers to the enormous stress put on the containment structures by the rising water. The more water in the structures, the more easily a large aftershock could rupture one of them.

Margaret Harding, a former reactor designer for General Electric, warned of aftershocks and said, “If I were in the Japanese’s shoes, I’d be very reluctant to have tons and tons of water sitting in a containment whose structural integrity hasn’t been checked since the earthquake.”

The N.R.C. document also expressed concern about the potential for a “hazardous atmosphere” in the concrete-and-steel containment structures because of the release of hydrogen and oxygen from the seawater in a highly radioactive environment.

Hydrogen explosions in the first few days of the disaster heavily damaged several reactor buildings and in one case may have damaged a containment structure. That hydrogen was produced by a mechanism involving the metal cladding of the nuclear fuel. The document urged that Japanese operators restore the ability to purge the structures of these gases and fill them with stable nitrogen gas, a capability lost after the quake and tsunami.

Nuclear experts say that radiation from the core of a reactor can split water molecules in two, releasing hydrogen. Mr. Wilmshurst said that since the March 26 document, engineers had calculated that the amount of hydrogen produced would be small. But Jay A. LaVerne, a physicist at Notre Dame, said that at least near the fuel rods, some hydrogen would in fact be produced, and could react with oxygen. “If so,” Mr. LaVerne said in an interview, “you have an explosive mixture being formed near the fuel rods.”

Nuclear engineers have warned in recent days that the pools outside the containment buildings that hold spent fuel rods could pose an even greater danger than the melted reactor cores. The pools, which sit atop the reactor buildings and are meant to keep spent fuel submerged in water, have lost their cooling systems.

The N.R.C. report suggests that the fuel pool of the No. 4 reactor suffered a hydrogen explosion early in the Japanese crisis and could have shed much radioactive material into the environment, what it calls “a major source term release.”

Experts worry about the fuel pools because explosions have torn away their roofs and exposed their radioactive contents. By contrast, reactors have strong containment vessels that stand a better chance of bottling up radiation from a meltdown of the fuel in the reactor core.

“Even the best juggler in the world can get too many balls up in the air,” Mr. Lochbaum said of the multiplicity of problems at the plant. “They’ve got a lot of nasty things to negotiate in the future, and one missed step could make the situation much, much worse.”