1月13日に若干話題になった、福島第1原発2号機圧力容器下部の温度計の一つが突然100度以上に跳ね上がったと言うニュース、東電の「計器不良」というコメント以降ニュースには出てきていないようですが、1月12日に48度から102度に跳ね上がり、翌日の13日には116度。いったん48度程度に下がってから再び上昇して116度。
実は、それ以降、ほとんど下がっていません。1月14日には最高で142度、15日になっても138度を保っています。
これは「CRDハウジング上部温度」を測るための温度計で、1月12日の午後5時までは他の温度計と同傾向を示していますから、それまでは正常に作動していたと思われます。CRDはControl Rod、制御棒です。制御棒を入れる管の上部の温度を測っている温度計、というわけです。
東電が「計器不良」、「作業員のミス」、と発表するときは、まゆにつばしてよく見聞きしたほうがいいのは、昨年3月11日の事故発生以来、何度もあったことです。
最新プラントパラメター(1月16日発表分)から、2号機圧力容器の温度は以下の通り。グラフで、最近になって茶色に跳ね上がっているのが問題の「CRDハウジング上部温度」です。
これでどこが「冷温停止状態」だ、とおっしゃる向きには、いかにも政府・東電らしい答が用意されています。「冷温停止状態」を確かめるための温度を計測する場所は、「圧力容器下部」、上のチャートで緑色の線で表される温度なのです。この場所の温度は50度を切っています。従って、「冷温停止状態」には何の変わりもない、というわけです。
50度を示す温度計が誤動作してない保証は無いんですが、そのほかの温度計も同傾向を示しているのでまず大丈夫だろう、と言うのが政府・東電の分析です。それを言うならこの問題の箇所の温度計も1月12日までは同傾向を示していたんですが、「計器不良」の一言。
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