消えないうちにコピー。
まず、2011年3月12日正午のNHKニュース。オーディオは今のところYoutubeで、こちら。
書きおこしは以下の通り。
アナ/そして原子力発電所に関する情報です。
原子力安全保安院などによりますと、福島第一原子力発電所1号機では、原子炉を冷やす水の高さが下がり、午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた燃料集合体が、水面の上最大で90センチほど露出する危険な状態になったということです。このため、消火用に貯めていた水など、およそ2万7000リットルを仮設のポンプを使うなどして、原子炉の中に流し込み、水の高さを上げるための作業を行っているということです。この情報繰り返します。
(しばらく無音…。)
「ちょっとね、今の情報使っちゃいけないんだって」
アナ/改めて原発に関する情報です。
福島県にある福島第一原子力発電所の1号機では、原子炉が入った格納容器の圧力が高まっているため、東京電力が、容器内の空気を外部に放出する作業を始めましたが、格納容器のすぐ近くにある弁を開く現場の放射線が強いことから、作業をいったん中断し、今後の対応を検討しています。
そして、炉心溶融、メルトダウンの可能性をはっきり言及していた、同じく3月12日午後二時の保安院の記者会見に関する日経新聞記事。記事は1号機爆発6分前の3時30分に発表されています。(1号機は3時36分に爆発しました。)
経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時、東京電力の福島第一原発1号機で原子炉の心臓部が損なわれる「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたという。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。炉心溶融が事実だとすれば、最悪の原子力事故が起きたことになる。炉心溶融の現象が日本で確認されたのは初めて。
保安院は同日午後3時半、圧力が高まって爆発による放射性物質の大量放出を防ぐため、格納容器内の減圧作業を実施した。圧力が「午後2時を境に急激に下がりはじめた」(保安院)という。
周辺地域から検出された種類は、いずれも本来は金属容器で封じ込めている物質。炉心溶融で大量に放射性物質が出れば、被曝(ひばく)の被害が広がる恐れもある。
保安院は今回の炉心溶融について「放射性物質の広がりを計算した結果、現時点では半径10キロを対象とする住民避難の範囲を変更する必要はないだろう」と話している。
震災にあった1号機は、核燃料棒を冷やしていた水位が下がり、露出していたとの報告もあった。
燃料を包む金属容器は高温に耐えるとされる。溶けたとなれば、燃料周辺が相当の高温にさらされたとみられる。金属容器ばかりか原発の圧力容器や格納容器を溶かせば、放射性物質が外に漏れ出す。
原発の運転中は、炉心で核燃料が核分裂を起こしている。発熱反応が連鎖し、冷却水を蒸気に変えてタービンを回し、発電している。
冷却水があるうちは熱が一定に保たれるが、本来の水位が下がると燃料が生む熱の行き場が無くなる。最悪の事態では、原子炉の心臓部である炉心溶融が起きる。
この事態を受け、保安院は自衛隊に給水支援を要請した。大量の水を使って熱を冷ますためだ。
過去の大きな原子力災害も、炉心溶融が原因のものがあった。1979年には、米ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド原発にトラブルが発生。緊急炉心冷却装置が働かず、高温になった燃料が炉心を溶かす大事故につながった。
もう一つついでに、当時の枝野官房長官のコメント「今後深刻な事態に陥ることはない」。1号機爆発を5時間後に認めた記者会見を読売新聞3月13日記事でどうぞ。
「原子炉はコントロール下に置かれる。冷静に対応してほしい」。
東京電力福島第一原子力発電所1号機で12日に起きた原子炉建屋の爆発事故で、枝野官房長官は同日夜、この日2度目の記者会見を開き、爆発の事実を認めた上で、詳しい原因を説明した。ただ、爆発から約5時間後にようやく行われた説明に、識者らは「不安に思っている住民のためにも、もっと早く正確な情報を伝えるべき」と指摘する。
「爆発は建屋の壁が崩壊したもので、中の(原子炉が入っている)格納容器が爆発したものではない」。午後8時40分頃、枝野官房長官は記者会見でこう切り出し、今後、深刻な事態に陥る可能性がほとんどない、と強調した。「水蒸気が、格納容器の外側の建屋との空間に出て水素となって、酸素と合わさって爆発した。ちなみに、格納容器内には酸素はないので、爆発することはない」
この日午後5時45分から行われた1度目の会見では、「何らかの爆発的事象」などと表現するにとどめ、報道陣からは、重大な事故につながる可能性から、いち早い情報を求める質問が相次いだが、「分析をしっかり進めているところ」などと慎重な姿勢に終始していた。
一方、政府は同日、住民の避難指示の範囲を、福島第一原発を基点に半径10キロから20キロ圏内にまで拡大したが、この点について、枝野長官は「具体的な危険が生じるものではないが、万全を期すため」と述べ、不安が高まる地元住民に、冷静に行動するよう呼びかけた。
事故の初期は枝野さんに同情が集まっていましたね。今となっては信じがたいことですが。
同じく読売の、爆発当時の南相馬市の混乱を報道した記事によると、爆発ははっきり否定され、念のために屋内避難するように、というとんでもない指示だったようです。
いずれも、日本の皆様が地震、津波被害のショック状態にあったであろう時のニュースです。英語ブログにのみ掲載していた(日経、読売のニュース)のが悔やまれます。
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