Thursday, December 8, 2011

ニューヨークタイムズ紙: 除染に割れる日本

(12月11日アップデート: 全訳もだしました。ここです。)

記事(12月6日付け)を読むより何より、冒頭の写真を見ればすべてを察することが出来るような気がしました。

これ(除染)は無理だ。

相馬の農業高校の校庭、と説明書が付いています。


記事を読み始めて半ばくらいに、除染に関して大熊町の渡辺町長のコメントがありました。

The Soviet Union did not attempt such a cleanup after the Chernobyl accident of 1986, the only nuclear disaster larger than that at Fukushima Daiichi. The government instead relocated about 300,000 people, abandoning vast tracts of farmland.

1986年のチェルノブイリ事故後、ソ連はこのような[大規模な]クリーンアップ[除染]を試みなかった。チェルノブイリ事故は福島第一原発事故よりも大きい、唯一の事故だ。ソ連邦政府はクリーンアップをする代わりに30万人の人々を移住させ、広大な農地を放棄した。

Many Japanese officials believe that they do not have that luxury; the evacuation zone covers more than 3 percent of the landmass of this densely populated nation.

日本政府の人々の多くは、ソ連のような余裕は自分たちにはない、と信じている。避難区域は人口密度の高いこの国の地面の3パーセント以上を占めているのだ。

“We are different from Chernobyl,” said Toshitsuna Watanabe, 64, the mayor of Okuma, one of the towns that was evacuated. “We are determined to go back. Japan has the will and the technology to do this.”

「日本はチェルノブイリとは違う」、と言うのは大熊町の渡辺利綱町長(64歳)。大熊町は避難区域に指定された自治体の一つ。「私たちは必ず戻ります。日本はそうする意思と技術を持っています。」

チェルノブイリ事故のときも、トラクターやシャベルはあったでしょうし、鎌、鍬もあったでしょう。窓ガラスを拭く雑巾とスプレー、マスクと手袋、ゴム長靴もあったと思います。高圧洗浄機もあったかな。さて、ソ連になくて日本に今あるその除染技術、なんでしょうか?

記事には、東大の児玉教授のコメントも出ています。

And a radiation specialist who tested the results of an extensive local cleanup in a nearby city found that exposure levels remained above international safety standards for long-term habitation.

(双葉町)近在の市で行った広範囲の除染の結果を調べた放射線専門家によると、除染後の放射線被曝レベルでも長期居住の国際的な安全基準を上回っていた。

Even a vocal supporter of repatriation suggests that the government has not yet leveled with its people about the seriousness of their predicament.

住民の帰還を支持する人さえ、日本政府は事態の深刻さを国民に率直に伝えていない、と考えている。

“I believe it is possible to save Fukushima,” said the supporter, Tatsuhiko Kodama, director of the Radioisotope Center at the University of Tokyo. “But many evacuated residents must accept that it won’t happen in their lifetimes.”

「私は福島を救うことは可能だと考えています」、というのはそんな支持者の一人、東京大学アイソトープセンター所長の児玉龍彦氏だ。「ただし、避難した住民の多くは、それが生涯の内には叶わない、ということを受け入れる必要があります。」

やっぱり。児玉教授は以前も米国ABCニュースで同様なこと(「場所によっては50年は帰れない」)をおっしゃっていましたが、日本のメディアでも同じことをしっかりおっしゃっているのでしょうか。それとも、日本では、がんばって除染すれば帰れます、ということを、期間を明確にしないでおっしゃっているのか。フォローしていないので詳しくは存じませんが、ちょっと気になります。

ニューヨークタイムズの記事はよくまとまっています。全部訳したらまたお出ししたいと思います。

6 comments:

  1. NYTも除染作業が原子力村の利権の為にやるとは気付いてないのか

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  2. 日本では「真実」が隠蔽され、除染→復興(近い将来)が前提で物事が進められています。
    テレビでは震災前と変わらず「お笑い」「旅」「食べ物」「美容」「旧作の映画」等が放送される裏で・・・

    【税金を使い、自衛隊が無駄な除染を作業中】
    自衛隊 作業拠点の庁舎除染を公開
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111208/t10014501921000.html
    【福島県民にはマニュアル第一版にて協力要請】
    http://shinsai.city.fukushima.fukushima.jp/wp-content/uploads/2011/09/7ecb6f9a1f5f9a73f57d85c0963afe80.pdf
    【戸建ての除染費用は70万円】
    http://www.asahi.com/national/update/1209/TKY201112090506.html
    そして極めつけは・・・
    【国による除染、13年度末完了方針 被曝線量高い地域

    http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201110080542.html

    >生涯の内には叶わない
    日本では「禁句」かもしれませんね。
    ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、笑一笑

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  3. ikeさん、十分気づいているようで、皮肉っています。全訳をお待ちください...。

    笑一笑さん、リンクありがとうございます。13年度末完了ですか。こりゃ笑うしかないわな。

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  4. 廃・藩(福島県)で国の直轄50年封鎖地にしたほうが

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  5. 東電で封鎖の土地を買い取ってもろたらいいんちゃう?

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