Saturday, January 21, 2012

米国CBSニュース: 福島県南相馬市の除染風景

2012年1月16日、米国のCBSニュースで放映された、南相馬市での除染の様子です。日本でも福島の除染風景はたまにテレビ、新聞等に画像が出ているようですが、実際の作業を間近でご覧になったことがない方もいらっしゃるかと思い、ビデオをお出しします。

小学校の校庭の表土を剥いでそれを校庭を掘り下げて埋め立てる、何の意味があるのか私にはよく分からない風景です。



ビデオ全訳:

福島第一原子力発電所の事故を引き起こした地震と津波から、すでに10か月です。今日、駐日アメリカ大使が原発を訪問しました。CBSのルーシー・クラフトが原発周辺の危険な立入制限区域に入り、なかなか目にすることのできない除染作業を見てきました。

政府が設定した立入禁止区域の中に入るには、バイオハザードに対応できるつなぎと、フェースマスクを身につけなくてはなりません。放射線量のとくに高いホットスポットを見つけられるように、ガイガーカウンターを持って行きます。

緩やかに起伏する草地と柿の木を過ぎていきます。ほぼ1年前に起きた原発事故のせいで9万人が避難したために、今は静かです。

私たちが向かうのは、福島第一原発から10マイル[約16km]北の地点。その場所で日本政府は、人間が戻っても安全なレベルにするために地域の大掛かりな除染作業をスタートさせました。

南相馬の町の除染現場に来ています。実際に土をどのように除染するかをここで見学します。

作業の目的は、建物から放射性粒子を除去するとともに、コネチカット州の面積[約1万3,000平方キロメートル]に相当する広さの土からその上部を取り除くことにあります。放射線量は依然として危険なほど高いレベルです。

彼は、この地域の線量が毎時約3マイクロシーベルトであると説明しています。ほかの地域と違って、ここはおもに住宅地です。

マイクロシーベルトは、空中の放射線量を示す単位です。3マイクロシーベルトであっても、許容レベルの75倍も高い数値です。

放射性セシウムは小枝や葉に溜まりやすいため、ぜんぶ取り除く必要があります。

高線量になりやすいもうひとつの場所が屋根です。高圧の水で洗浄します。しかし、行政が最も頭を痛めているのは小学校の除染です。

これらの袋には、上部数センチ分の高レベル汚染土が入っています。これから、ほかならぬ学校の敷地内に埋められる予定です。

今回は校庭に埋めます。捨てる場所がないので、危険な廃棄物を掘り出した場所に埋めることになります。それで空中の線量は下がります。

日本原子力研究開発機構の広報担当者は、「放射線量を下げることで、子どもとその親に一日も早く戻ってきてもらえるよう説得したいと思います」と語りました。

それは難しい説得になるでしょう。年配の夫婦はリスクがあってもたいていは家に帰りたがりますが、多くの家族は二度と戻るつもりがないと言っているからです。

立入禁止区域を出るときには、全員が入念な放射能チェックを受けます。異常は見つかりませんでした。

今回見学した除染は試験的なものですが、日本政府は今年中に本格的な除染活動を始める予定です。

CBSニュースのルーシー・クラフトが福島からお伝えしました。

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(H/T 東京茶とら猫)

Friday, January 20, 2012

武田邦彦:「役に立つ研究」で崩壊した日本の学問・・・苦しむ国民

中部大学武田邦彦教授のブログ、1月21日付けポストです。


「役に立つ研究」で崩壊した日本の学問・・・苦しむ国民

4号機の再爆発が懸念され(私はそれほどの危険は無いと思っています)、福島を中心としてセシウムが再飛散しているのに、これまで「原発は安全」と言って来た専門家からはほとんど情報が提供されません。

その基本的な理由は「お金だけの社会」にあるのですが、より直接的な原因は「役に立つ研究」、「国立研究所重視」の政策にありますが、それは1990年ごろ、日本社会が支持したものだったのです。

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それまでの日本の学問は大学が主体となっていて、簡単に言うと大学の教授に「均等」に研究費が配られ、先生方が「勝手」にそのお金を使っていました。ある学者は夜の10時まで懸命に研究し、ある学者は適当に、そしてある教授は海外に「学会に行く」といっては外国でワインを飲んで帰ってくるという具合でした。

そこで、東大教授、文部省、そして一部のマスコミなどが連合して「役に立つ研究に研究費を出す」という運動がおこりました。その当時、「こんなひどい大学教授もいる」というような本を読んだことがありますが、大学教授も100人いれば、2,3人は変な人(大学教授はもともとやや変ですが)がいますから、その人たちを取り上げればどんなことも言えるという感じでした。

かくして「役人が決める「役に立つ研究」」にお金が出るようになったのです。もちろん、役人は形式は整えますから、科研費(かけんひ)と呼ばれるものを含めて、さまざまな研究費の分類を作り、それに東大教授を中心とした「審査システム」を作り上げました。

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その結果、簡単に言うと、まず第一に普通の研究費は大学の先生が文部省や経産省、厚労省、環境省などの申請をだし、それを東大教授が審査するというシステムができ、東大教授にゴマをするか、またはその時の国の政策にあった研究を申請することになりました。

第二には、「大型研究」でこれは、「偉い先生」が文科省、経産省、NEDO、JSTなどの外郭団体と親しくなり、「地球温暖化研究」、「DNA研究」、「ナノテク研究」、「太陽電池研究」などとして数10億円から数100億円のお金を獲得し、それを隠語で「青虫」として「配下の教授」に配るシステムです。

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20世紀の初めに「共産主義」の国家が誕生したときでも、未来はバラ色でした。なにしろ、国民が団結して上下もなく、私欲もなく、理想郷を作るのですから、それまで圧政の下で呻吟していた人たちにとっては素晴らしいものに感じられたのです。

でも、ソ連(ロシア)では、すぐに権力闘争が起こり、スターリンが「大粛正」という名前の殺戮を行い、後をついだ権力者も高級車を6台も保有するということになったのです。「素晴らしいシステム」があっても「人間がそれに応じるだけの人格があるか」の両輪が必要なのです。

「役に立つ研究」も同じでした。理想は素晴らしいのですが、現実には神様がおられたら神様に「役に立つ研究」を決めていただくことができるのですが、神様がおられないので、その代わりを東大教授、高級官僚、政治家などがやることになり、その人たちは「私利私欲」をもとで動きますから(人間としては当然かも知れませんが)、結局「御用学者」と「ごますり学者」が幅をきかせるようになったのです。

それに加えて、学問が大型化するとともに「国立研究所」などの力が大きくなり、環境問題では「地球温暖化計算のためのスーパーコンピュータ」、「環境観測の大がかりなシステム」などを国立研究所が進め、その結果、「政府が温暖化と言えば温暖化」、「東海地震と言えば東海地震」というように、学問とは無縁の情報が社会に流れることになったのです。

本来、学問には「反政府」などは存在しないのですが、私も政府の政策に反する研究は申請が通りませんでした。その時に、ある高級官僚が「武田先生、実際におやりになる研究は別にして、申請だけは政府に合わせておけば良いのですよ」とアドバイスをしてくれました。つまり、「ウソつき先生」がお金を取ることができるということです。

この「役に立つ研究」の被害者は、第一に日本の子供たち、第二に真面目な研究者、そして第三に国民でした。

日本の学問的研究のレベルは、「役に立つ研究」によって大きく後退し、将来に役立つ研究はほとんどすべてカットされました。なにしろ「現在、役に立つと考えられる研究」にお金がでるのですから、「どうなるか判らない」という研究(もともと研究の8割はどうなるか判りません)にはお金が出ません。

なにしろ申請書に欄のある「何の役に立つか」と「社会への波及効果」を書かないとお金が出ないのです。研究ですから何の役に立つかが最初から判るものは、ややレベルの低いものですから、結果的には研究のレベルはさがりました。当然、真面目な研究者は淘汰されます。

国民は口八丁手八丁の世間的に受けの良い「御用学者」や「ごますり学者」の研究のために税金を払うことになり、審査の機関などの天下り組織の人の人件費も負担することになります

さらに、今までは「均等」に分配していたのをいちいち審査するのですから、その事務量は膨大で、「役に立つ研究」というのをマスコミが騒ぎ始めた頃、役人は「これはよい、大幅に天下り先が増える」とほくそ笑んだでしょう。

そして、今回のような原発事故が起こると、御用学者は「国民を被曝させる」、「データを出さない」という政府の方針に従いますから、またここで国民が損害を受けることになります。

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冷たく言えば、「研究とはなにか」、「何が将来の子供たちの日本に大切か」をよく考えなかった国民側にあるとも言えるのですが、福島原発事故が起こっても4500億円の原子力開発予算のことが報道もされず、お金も出ないのは、「役に立つ研究」によって日本の学問の中枢がすっかり「御用学者」で固められた結果です。

一つ一つの原発に反対することも大切ですが、それより、その根源にある「役に立つ研究」を撲滅しないと、セシウムの変化も解説されないことでわかるように、日本の将来はきわめて危ないのです。

(平成24年1月21日)

Thursday, January 19, 2012

ニューヨークタイムズ: 国会の福島事故調査委員会、原発事故に関する日本政府の説明に『異議あり』

国会の福島第1原発事故調査委員会が1月16日に本会合を開きました。それに関して、ニューヨークタイムズが記事を出しています。

12月19日に野田首相が「冷温停止状態」宣言なるものを出して世界に安全をアピールして以来、日本では原発関連の報道がめっきり減った気がしますが、ニューヨークタイムズ紙など海外の新聞は逆にこれをきっかけに、去年の4月半ばには興味を失っていた福島第1原発と日本の放射能汚染についての記事を出してきているような感があります。

国会の事故調査委員会は、先日中間報告をまとめた東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会とは別物です。後者は内閣官房に置かれている委員会です。

ニューヨークタイムズ紙記事原文、”Panel Challenges Japan’s Account of Nuclear Disaster” はこちら

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事故調査委員会が原発事故に関する日本政府の説明に『異議あり』」

記事:田淵広子
2012年1月15日

東京発――日本の国会が任命した有識者からなり、強い権限をもつ独立の調査委員会が、福島第一原発の事故原因に関する政府説明に異議を唱え、独自の原因究明に乗り出す。調査の対象には、3月の津波の前に地震によって原子炉がどの程度破壊された可能性があるかも含まれる。

この事故調査委員会は、今回の原子力災害の原因を調査するために超党派の議員によって設置されたもので、証人を召喚する権限をもつ。福島の原発事故は、10万人以上もの人々に避難を余儀なくし、広大な土地を数十年にわたって利用できなくした。また、政府の関心が原子力産業界の既得権益を守るほうに主に向かい、3基の原子炉のメルトダウンと大量の放射性物質の放出という事態をなぜ止められなかったかの解明がおろそかになっていると国民の批判を招いた。

事故原因をめぐっては、福島原発の運転者である東京電力や政府自身による調査も含めてこれまでに何度か調査が実施されているが、いずれも3月に東北地方の海岸を襲った津波の規模があまりに大きかったために原発の命綱である冷却装置が破壊されたことを原因としている。

しかし国の内外からは、東電が過去の津波の記録を十分に考慮していなかったのではないか、津波に襲われたにしてもそのあとで破壊を最小限に留めるために打つ手があったのではないかと、さらなる詳しい説明を求める批判の声があがっている。

解消しない疑問はもうひとつある。津波が来る前に地震によって原発にどの程度の損傷が生じていたかだ。地震で深刻な損傷が起きていた証拠が少しでも見つかれば、日本のほかの原子炉の安全性についても新たな疑問が投げかけられることになる。日本は地震大国であり、津波が起きる頻度はそれよりはるかに少ないからだ。

この新しい「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」が先月に発足してから初となるインタビューの中で、委員長の黒川清は聖域なき調査を実施すると明言した。

かつて東京大学医学部を牽引した一人であり、現在は政策研究大学院大学教授を務める黒川氏は、ノーベル賞受賞者の田中耕一をはじめとする著名人を委員として集めた。委員会は来週月曜日[1月16日]に初の本格的会合をもつ。

「日本が世界からの信頼を取り戻すには、完全に独立した調査が行なわれなければならない」と黒川氏は語った。地震による損傷を疑う声があることは認識しており、委員会は「この問題を精力的に調査する」、と黒川氏は言う。

「日本がどんな教訓を学ぶかは世界にとっても無関係ではない。こうした災害は再び起きてもおかしくないからだ」

黒川の委員会は、日本の原子力政策を公然と批判してきたメンバーが含まれていることで注目を集めている。たとえば地震学者の石橋克彦は、地殻変動の激しい日本で54基の原子炉をもつことの危険性を長年警告してきた。

また、委員の一人である田中三彦は、かつてバブコック日立社で原子力エンジニアとして働いた経験をもち、福島原発の原子炉は津波がなくても地震だけでメルトダウンを起こすほどの損傷を受けたと主張してきた。東京電力はその見方に異議を唱えている。田中氏は福島第一原発の原子炉の設計にかかわった人物でもある。

日本の国会が外部有識者を集めてこの種の委員会をつくるのも今回が初めてである。委員会は、与党である民主党と最大野党の自由民主党の双方の議員の後押しで生まれた。

「委員会が政治的圧力から本当に距離を置くことができれば、強力な存在になりうる」と指摘するのは、福島で住民とともに除染活動を進めてきた工学院大学客員教授の田尾陽一。「超党派の支援を受けているからといって、すべての意見を聞かなければならないわけではないことを、委員会ははっきりさせておく必要がある」

(写真キャプション)調査を率いる黒川清は、調査に聖域はないと誓った。

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(H/T 東京茶とら猫

福島県いわき市の一般ごみ、埼玉県で焼却され埋め立てられているらしい→(アップデート)いわき市一般ごみの焼却灰、埼玉で再焼却して再利用

(アップデート: 埋めているのか、リサイクルしているのか、両方なのか、不明。ごみ自体をどこで焼却しているのか、今ひとつ不明。)

(再度アップデート:@tsunamiwasteさんから)

によると、福島いわきの焼却炉で焼く→焼却灰を埼玉県寄居で二度焼きして再生砂にする→出荷という流れだそうです。12月末の時点で、まだストップかかってない
埋め立てではなく、なんと「再利用」でした。
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2011年3月11日以前からの契約で、現在も続いている模様。県も、埼玉環境整備センター(寄居町にある県営最終処分場)も「知らなかった」とのこと。

宮城県、岩手県の災害がれき - 主に津波によるがれきで、3月11日原発事故以来野外に保管、管理され、その間に福島第1原発事故による放射性物質が降下したため放射能汚染されたがれき - どころか、福島県内のごみが継続して県外にしっかり出ていた、現在も出続けている、ということは、驚きでした。

以下のブログポストからの抜粋でも分かるように、ごみ処理は責任があいまいになるようなシステムになってしまっているようです。

「滑川町 子どもを放射能から守る会」の、1月17日付けのポストより抜粋(強調は私です):

13日、寄居・深谷の放射能から子どもを守る会の方たちが企画する
「彩の国資源循環工場、埼玉環境センター見学会&懇親会」へ行ってきました。
瓦礫受け入れは何がどう問題なのか、あるいは問題はないのか。
事実を通して考えるために参加してきました。

寄居町内外の70名以上の人が参加し、関心の高さを示していました。

敷地は想像していたよりずっと広大でした。
施設の全体像を把握するのに時間がかかりました。

この敷地には、「彩の国資源循環工場」という民間8社のリサイクル施設と、「埼玉環境センター」という県の最終処分場が同居しています。

残念ながら今回は民間施設の工場内は見学できず、外の敷地を、長年この施設をめぐっての市民活動をされている方の説明をうけながら回って歩きました。

サッカー場として使われている広場は、埋立地跡だそうです。
(ちなみにドイツではゴミを埋めた地の上を子どもが遊ぶのはありえないそうです。)

現在埋め立て中の場所近くで、測定器3台を土の上に並べてみました。

ALOKA   0.14~0.15
Horiba     0.12
TERRA    0.19

いずれも高い値が計測されました。

ある会社が、311前からのいわき市との契約で、現在も引き続きいわき市から持ってきたゴミを燃やしているのだそうです。

それが判明したのも、市民の指摘があったからだそうで、センター側も県も把握していなかったという事実。

民間委託というのはシステムを複雑化させ、責任所在も雲の中へ。情報が隠されてしまうと思いました。

......

県知事がいくら町判断に委ねたといっても、民間企業と被災地自治体との直接契約にまで入り込めるのか?

県の設備はあくまで最終処分場である「県環境整備センター」のみ。
同じ敷地内で煙をあげている「彩の国資源循環工場」は民間8社。

責任の所在は?

また、地域には「協議会」が地区ごとに4つあるのだそうです。
市民の監視体制と話し合いの場があるのだそうですが、そこの方は来ていなかったようで、実際チェックできるのかどうかもわからない。


まさにこの民間委託を柱の一つとして、全国各地で災害がれき受け入れ、焼却、埋め立てが行われようとしています。

ポストでは民間業者は8社、とありましたが、その8社は次の通り(埼玉県「彩の国資源循環工場」ウェブサイトより):

種類概要事業者
サーマルリサイクル廃棄物から精製ガス・メタル・スラグなどに再資源化。
得られたガスを利用し発電。
オリックス資源循環(株)
(PFI事業者)
総合リサイクル20品目以上の廃棄物を受け入れ、総合リサイクルに取り組む。
肥料化、廃家電リサイクル、固形燃料製造など。 
(株)エコ計画
R P F製造リサイクル廃プラスチック処理施設と堆肥化施設を併設。
廃プラから固形燃料(R P F)、生ゴミ等から堆肥などを製造。
(株)環境サービス
生ゴミ・食品リサイクル食品残さ、刈草などの有機性廃棄物を原料に 自然発酵により堆肥を製造。食品リサイクル法100%対応。(株)アイルクリーンテック
蛍光管リサイクル蛍光管を、水銀、ガラス、金属などに再資源化。
ガラスは付加価値の高いガラス製品に再生。
(株)ウム・ヴェルト・ジャパン
建設廃棄物リサイクル建設現場、工事現場から排出される廃棄物から 再生骨材、再生土、ボードチップなどを製造。埼玉環境テック(株)
焼却灰リサイクル市町村や事業者から排出される焼却灰を原料に 路盤石などに利用される人工砂を製造。(株)埼玉ヤマゼン
汚泥等リサイクルし尿汚泥、動植物性残さなどを肥料にリサイクル。
高品位の有機質肥料を短期間で製造。
よりいコンポスト(株)

追加情報(@jerico4さんより):

いわき市の焼却灰をしているのは、この表の「埼玉ヤマゼン」だそうです。溶融炉で処分されるようで、キロ当たり1万ベクレルになっている可能性あり、とのこと。詳しくはこのブログ

ごみ自体をどこで焼却しているのかは、今ひとつ不明。

Tuesday, January 17, 2012

放射性ではない普通の塩化セシウムの毒性実験: ラットで体重1キロ当たり10ミリグラム以上で健康に影響

ツイッターでの@Ishikawakzさんのリンクから。

塩化セシウムをラットに90日間反復経口投与して毒性を調べた、三菱化学安全科学研究所の論文。コントロール群は投与0、実験群の最低投与量は体重一キロ当たり10ミリグラムですが、そのグループでも 「限局性の心筋変性の増強が雄で認められた」 とありました。50ミリグラム、250ミリグラム至っては、下の要約を見れば分かるとおり、内臓の多くが悪影響を受け、250ミリに至っては死ぬラットが出ています。

今回の福島第1原発で出たセシウム137は4658グラムと計算され、これが日本のみならず北半球にばら撒かれたわけですから、現在日本の環境中に存在する放射性セシウムは量的には実験で投与した塩化セシウムの量とは比べ物にもなりませんが、実験で投与した塩化セシウムと違って環境中のセシウム(おそらく塩化セシウムの形態)は放射性。

どなたか、同様の実験を、放射性の塩化セシウムでおやりになっていないでしょうか?

塩化セシウムのラットを用いる90日間反復経口投与毒性試験
Ninety-day Repeat Dose Oral Toxicity Test of Cesium chloride in Rats

要約

塩化セシウムは密度勾配遠心分離法の溶質1),分析用試薬,光電管,光学ガラス,pHメーター,ストロボ用2),電気泳動分析,ミクロ分析3)に用いられる.

今回,塩化セシウムを0,10,50および250 mg/kgの用量でSD系ラットの雌雄に90日間反復経口投与し,その毒性について検討した.対照群および250 mg/kg群については28日間回復群を設けた.

250mg/kg群では,易刺激性,痙攣と洗顔行動および痂皮,一過性の自発運動亢進等の症状が観察され,雄で死亡あるいは瀕死期解剖動物が発現した.体重と摂餌量の低値および摂水量の高値が認められた.血液学的検査で,赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値および平均赤血球血色素濃度の低値,網状赤血球率と血小板数の高値およびプロトロンビン時間の延長,活性化部分トロンボプラスチン時間の短縮,白血球数の高値と白血球百分比のリンパ球比の低値と分葉核好中球比の高値が認められた.血液生化学検査で,AST(GOT),ALT(GPT),アルカリフォスファターゼ,総ビリルビン,尿素窒素,クレアチニン,カルシウム,無機リンとナトリウムの高値およびグルコース,アルブミン,A/G比,カリウムとクロールの低値が認められた.尿検査で,尿比重,ナトリウムとカリウムの低値,尿沈渣中の白血球と小円形上皮細胞の高値,精子数の低値,尿潜血の増強,尿沈渣中の六角板状結晶の出現が認められた.器官重量で,胸腺,心臓,肝臓,脾臓および精巣上体の絶対重量の低値,脳,心臓,腎臓および副腎の相対重量の高値と胸腺,肝臓および精巣上体の相対重量の低値が認められた.剖検で,心臓の白色斑の増強,下顎リンパ節の腫大,胸腺の小型化,脾臓の褪色と腫大,腺胃壁の肥厚,小腸の膨満,肝臓の褐色化と褪色,腎臓の褪色,髄質外帯の褪色と表面顆粒状化,膀胱の結石,壁の肥厚,膨満と出血,尿管の拡張,精巣の腫大,小型化と軟化,精巣上体,前立腺および精嚢の小型化,副腎の腫大と白色化,皮膚の痂皮,びらん/潰瘍あるいは脱毛およびハーダー腺の褪色が認められた.病理組織学的検査では,限局性の心筋変性の増強,下顎リンパ節の形質細胞過形成,胸腺の萎縮の増強,脾臓の赤脾髄の萎縮と髄外造血の増強,骨髄の顆粒球系造血の亢進,肺の泡沫細胞集簇の増強,腺胃粘膜のびまん性過形成と水腫,腺胃粘膜の限局性炎症性細胞浸潤とびらんの増強,膵腺房細胞様細胞の出現,胃腺の拡張,十二指腸の粘膜上皮の肥大,下顎腺の腺房萎縮と導管上皮の顆粒の減少,舌下腺の腺房萎縮,肝臓の肝細胞萎縮と髄外造血,膵臓のびまん性の腺房萎縮,腎臓の好塩基性尿細管の増強,皮質遠位尿細管上皮の肥大,髄質外帯の空胞化および再生像を伴う遠位尿細管上皮の腫大,腎盂内結晶物,腎盂粘膜上皮の過形成および腎盂炎の増強,腎盂腎炎,尿管の拡張と粘膜上皮の過形成,膀胱の粘膜移行上皮の過形成と出血,精細管萎縮と精細管拡張,精巣上体の精子の減数,下垂体の中間葉細胞の肥大,甲状腺の濾胞拡張の増強,上皮小体の主細胞の肥大,副腎の髄外造血と束状帯細胞の肥大および球状帯細胞の脂肪滴増加,坐骨神経の変性の増強,皮膚の潰瘍,痂皮,びらんおよび限局性の炎症性細胞浸潤,大腿筋と外肋間筋の変性が,骨梁の減少,ハーダー腺の腺房細胞のびまん性肥大が認められた.

50 mg/kg群では,一般状態観察で易刺激性が認められ,雄で瀕死期解剖動物が発現した.また,摂水量の高値,網状赤血球率の高値,クレアチニンの高値,カリウムの低値,尿沈渣中の白血球と小円形上皮細胞の高値,尿潜血の増強,尿沈渣中の六角板状結晶の出現,肝臓の相対重量の低値,心臓の白色斑の増強,胸腺の小型化,腎盂内顆粒状物(結石),膀胱の結石,壁の肥厚と膨満,尿管の拡張,限局性の心筋変性の増強,骨髄の顆粒球系造血の亢進,髄質外帯の空胞化および再生像を伴う遠位尿細管上皮の腫大,腎盂内結晶物,腎盂粘膜上皮の過形成および腎盂炎の増強,尿管の拡張と粘膜上皮の過形成,膀胱の粘膜移行上皮の過形成,下垂体の中間葉細胞の肥大,副腎の球状帯細胞の脂肪滴増加,外肋間筋の変性およびハーダー腺の腺房細胞のびまん性肥大が認められた.

10 mg/kg群では,限局性の心筋変性の増強が雄で認められた

投与期間中に被験物質投与に起因すると考えられる上記変化は,投与を止めることにより概ね軽減あるいは回復していたが,一部の変化については28日間の休薬期間では十分な回復性がみられなかった.

以上の結果から,本試験条件下における塩化セシウムの無影響量(NOEL)は雄が10 mg/kg未満,雌が10 mg/kgと判断した.

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試験責任者: 須藤雅人
試験担当者: 岡部恵美,土谷 稔,岡崎欣正,豊田直人,高野克代,水嶋亜弥子,井澤 修,鈴木美江
(株)三菱化学安全科学研究所 鹿島研究所
〒314-0255 茨城県鹿島郡波崎町砂山14
Tel 0479-46-2871 Fax 0479-46-2874

論文全文はリンク先でどうぞ。

福島第1原発2号機の圧力容器下部温度、17日に急降下で現在マイナス6.3度

1月16日の午後5時時点で149度まで上昇して、17日になって突然急降下、午前11時現在マイナス6.3度の『氷温停止』。

もう笑うしかない「冷温停止状態」宣言。マイナス6.3度で確かに冷温ではあるものの、「安定して」冷却が行われているとはお世辞にも言いがたい状態。一体何を測っているのだか。

東京電力1月17日最新のプラントパラメターより。クリックで拡大します:

確か事故の初期にも、どこかの温度がマイナスになったのを見た覚えがあるのですが、いつ、どこのことだったか、まだ探していません。

Sunday, January 15, 2012

福島第1原発2号機の圧力容器下部温度、依然として摂氏100度超え、1月15日現在138度

1月13日に若干話題になった、福島第1原発2号機圧力容器下部の温度計の一つが突然100度以上に跳ね上がったと言うニュース、東電の「計器不良」というコメント以降ニュースには出てきていないようですが、1月12日に48度から102度に跳ね上がり、翌日の13日には116度。いったん48度程度に下がってから再び上昇して116度。

実は、それ以降、ほとんど下がっていません。1月14日には最高で142度、15日になっても138度を保っています。

これは「CRDハウジング上部温度」を測るための温度計で、1月12日の午後5時までは他の温度計と同傾向を示していますから、それまでは正常に作動していたと思われます。CRDはControl Rod、制御棒です。制御棒を入れる管の上部の温度を測っている温度計、というわけです。

東電が「計器不良」、「作業員のミス」、と発表するときは、まゆにつばしてよく見聞きしたほうがいいのは、昨年3月11日の事故発生以来、何度もあったことです。

最新プラントパラメター(1月16日発表分)から、2号機圧力容器の温度は以下の通り。グラフで、最近になって茶色に跳ね上がっているのが問題の「CRDハウジング上部温度」です。


これでどこが「冷温停止状態」だ、とおっしゃる向きには、いかにも政府・東電らしい答が用意されています。「冷温停止状態」を確かめるための温度を計測する場所は、「圧力容器下部」、上のチャートで緑色の線で表される温度なのです。この場所の温度は50度を切っています。従って、「冷温停止状態」には何の変わりもない、というわけです。

50度を示す温度計が誤動作してない保証は無いんですが、そのほかの温度計も同傾向を示しているのでまず大丈夫だろう、と言うのが政府・東電の分析です。それを言うならこの問題の箇所の温度計も1月12日までは同傾向を示していたんですが、「計器不良」の一言。

Saturday, January 14, 2012

南相馬のぬまゆさん(沼内恵美子さん)の症状は「ストレス原因の自己免疫疾患」?

先日、ジャーナリスト岩上安身さんが福島県南相馬市在住の”ぬまゆ”さんこと沼内恵美子さんをカメラインタビューなさいました。残念ながらビデオは一般無料公開ではありませんが、書き起こしをなさった方がいらっしゃり、内容を詳しく知ることが出来ました。

インタビューの後半部では、NHKのドキュメンタリーで一躍名を挙げた獨協大学准教授の木村真三さんが沼内さんの症状を解説しています。その部分を下にご紹介します。(リンクは書き起こしを掲載してまとめた掲示板の方が挿入されたようです。)

63:30~  木村真三氏へのインタビューに切り替わる

岩上氏:
沼内さんの場合は放射線によるものか、それともストレスによるものか、あるいは、その他の何かによるものなのか、どう思われますか。

木村:
まず考えられるのが、ストレスによる自己免疫系疾患http://www.yakuji.co.jp/entry9135.htmlが大きいのかなと考えられますね。
歯が抜ける、爪がはがれる、髪が抜け落ちるというのは、自己免疫疾患の炎症反応の一種であろうと。
で、紅斑も、それに付随するもので、皮膚の炎症が起きるから紅斑が広がっていくというように考えます。

その自己免疫系疾患の原因として考えられるのが、ストレスであろうと。
そのストレスというのが放射線に対する恐怖というのが、時間をおいて、すぐに出てこないわけですよね。

人間の体というのは、タイムラグをおいて、発症するまでの時間が極度のストレスを受けた後に出てくるわけです。

で、夏までの非常に強いストレスが、秋から季節変動によって出てきたというのは、季節変動によって出てくる可能性が十分あるというように考えますが、ストレスというのも原発事故に由来するわけですから、放射能でなくても原発事故の被害者であるわけです。
それは確かであろうと思います。

ただ個体差があります。
個体差によっては感受性が非常に強かったり、そういう場合には、このようなことが起きるかも知れない。
で、それが内部被曝による影響が強かったかもしれないし。

レントゲンとか、健康診断を受けたことがないような人ではないと思いますので、外部被曝は、ある程度まで被曝したことはあるとは思うのですが、それに何ら影響がなかったとしたら、何らかの内部被曝の影響があるのかもしれない。

南相馬でも、僕は3月28日に浪江町から相馬のほうに行くときに、国道6号線が使えないので、県道15号線だったかを通っていったんですが、そこでも分断されていたので、裏道を通ったときに、150マイクロシーベルトの場所があったわけですよ。

そういう地域に住んでいたとしたら、(沼内さんのような症状が出るということは)ありえるとは思います。
住んでいる場所によって、いちがいには言えないので分らないんですが。

ストレスが影響するというメカニズムまでは分らないと思うんですよ。

ただ、私や岩上さんは、非常にストレスに強いほうだと思うんですよ。
強い人間からは分らないんですよ。

ウサギだって、飼い主がいなくなれば淋しさで死んでしまうという話があるくらいですから、同じことが人間にあってもおかしくないわけじゃないですか。
それだけ、ストレスというのは大きいわけですよ。

特にストレスに対しては女性のほうが感受性が強いんですよね。
これは良い意味でも悪い意味でも感受性が強い。

その感受性のせいで、自己抑制がしにくいというのも女性の特徴なんです。
そういう特徴も含めた上で、ストレスというのは妥当なんではないかというふうに考えます。

岩上:
自己免疫疾患が起きると、歯とか爪とか、そういうものを(自分のものでありながら)異物として捉える、という、それについては。

木村:
免疫低下によって、感染症が拡大すると、やはり免疫が賦活化します。
賦活化すると、それが手当たり次第に攻撃を始めるわけです。

今まで自分の体として認識していたものが、認識しなくなって、これを外敵と認識してしまう可能性が高いわけですよね。

そういう自己免疫系疾患というのは、たとえばリウマチであったり、IgA(アイ・ジー・エイ)腎症、http://www.nanbyou.or.jp/entry/41※イムノ・グロブリンAという抗体があるんですが、扁桃体で作られるもので、それが大量にできると今度は腎臓を攻撃するんです。

そのように自己免疫系疾患が出てきたり、さまざまな病気が出てくるんですよ。

※イムノ・グロブリン(Immuno globulin=免疫グロブリン)
http://kotobank.jp/word/%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3+%28immunoglobulin%3A+Ig%29

ですから、ストレスによって今度は腎臓病にもなってしまうという、さまざまな病気があってもおかしくないわけですよ。

炎症反応が出てきている、ということなので、自己免疫系疾患の可能性が高いな、と踏んだわけです。

沼内さんは女性、女性はストレスに感受性が高く自己抑制がしにくい、そのため夏までのストレスが(どういうわけか)自己免疫疾患を引き起こし、その結果秋以降歯、爪、髪などが抜け落ちる。放射線の影響である可能性も無いわけではないが、まずは自己免疫疾患だろう。

素人(私)の誤解を承知で敢えて要約すると、こんなところでしょうか。

(実際のビデオは上掲の掲示板のポストに情報が出ています。沼内さんは闊達な方ですね。声もドスが効いている、低音のアルト。落ち着いた話し方です。)

Friday, January 13, 2012

ロイター(英語)記事全訳: 「フランスの原発付近で子どもの白血病発病率が2倍、調査で判明」

最初に英語のロイター記事を読み、その後で出たロイター日本の翻訳記事を読んで、あれ、何かごそっと抜けている、と思ったらツイッターの読者の方々からも同じ指摘。そこで、元の英語記事を訳してみました。

ロイターの日本語の記事からあからさまに抜けているのは、原発の立地、出力による白血病の発症の変化は無かった、ということと、ドイツで2007年に発表された同様の調査の結果ですが、そのほかにも細部がぼろぼろ落ちています。しかもロイターの訳者が統計用語を知らなかったことによると思われる誤訳つき。英語の記事を要約しただけ、と言うことなのでしょうが、ちょっと残念。

ウオールストリートジャーナルがヨウ素剤配布の記事でやったような、故意とも思える日本語記事からの情報欠落よりは若干ましでしょうか。

英語版ロイター通信2012年1月11日付け記事

記事:ミュリエル・ボセリ

1月11日パリ発(ロイター)-フランスの原発付近に住む子どもの白血病発病率はフランス国内のほかの地域の2倍であることが、健康と原子力安全に関するフランスの専門家による調査で明らかになった。

この調査結果は近々『国際がん雑誌(International Journal of Cancer)』に発表される予定だが、白血病(血液がんの一種)の高い発病率と原発近くに住むこととの間に因果関係を立証するまでには至っていない。

フランスは30年前から原子力発電を利用しており、電力の75パーセントを58基の原子炉でまかなうという、原子力への依存度が世界で最も高い国である。

フランスの保健研究機関、フランス国立衛生医学研究所(INSERM)が実施したこの調査によれば、フランス国内の19箇所の原発で、半径5km圏内に住む15歳未満の子ども14人が2002年から2007年までの間に白血病の診断を受けている。

国内の他地域で同時期に白血病と診断されたのは合計2,753件であり、それと比べると原発付近の発病率は2倍に達する。

「この結果は徹底的に検証されていますし、統計的にも有意です」と、原子力安全に関するフランスの研究機関、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)で疫学研究所長を務めるドミニク・ローリエは言う。

INSERMはIRSNと共同で1990年から類似の調査を行なってきたが、原発付近の子どもの白血病発病率が高い事実を確認したことはこれまで一度もない。

「とはいえ、私たちが扱っているのは非常に小さい数字なので、結果は細心の注意を払って分析する必要があります」と、今回の調査の共同研究者の一人でもあるローリエは指摘する。

ローリエによれば、原発の立地が海のそばでも川のそばでも、また原発の出力がどれくらいであっても、発病のリスクに違いがないことを今回の調査結果は示している。

IRSNは、原発付近で確認された白血病の原因をもっと詳しく調べるべきだと提言するとともに、国際的な研究協力を開始したいとの意向を明らかにした。

「白血病は珍しい病気なので、もっと大規模な調査をすればより安定した結果が得られると思います」とローリエは語る。

昨年発表されたイギリスの35年に及ぶ調査では、原発付近の子どもの白血病発病リスクが高いとの証拠は得られなかった。

環境放射線の医学的側面に関する委員会(COMARE)の研究者チームが実施したこの調査からは、1696年から2004年までの間に原発から半径5km(3.1マイル)圏内の子どもが白血病を発症した例は20件しか確認されていない。

この発病率は、原発のない地域とほぼ同じであると研究者たちは述べている。

子どもが血液がんを発病するリスクと、原発付近に住むこととの間に、何らかの関連がないかどうかを調べる研究は世界中で行われてきた。

2007年に発表されたドイツの研究は、原発付近でリスクが大幅に高まることを示していた。しかしこの調査結果は、1990年から2005年までドイツ北部のクリュンメル原発付近で白血病が多発した原因不明の事例の影響を受けているのではないか、と英COMAREの研究チームは指摘する。

クリュンメル原発を除けば、ドイツの原発付近で子どもの白血病リスクが高いことを示す証拠は「きわめて薄弱だ」と同チームは語る。

(記事:ミュリエル・ボセル、編集:アレクサンドリア・セージおよびトム・ピアース)

(H/T東京茶とら猫


日本語版ロイターに出た記事

[パリ 11日 ロイター] 原子力発電所の近くに住むフランスの子どもたちは、白血病の発病率が通常の2倍であることが、同国の専門家の調査結果で明らかとなった。近くがん専門誌「International Journal of Cancer」に掲載される。

フランスの国立保健医学研究所(INSERM)が、2002―07年に国内の原発19カ所の5キロ圏内に住む15歳未満の子どもを調査したところ、14人が白血病と診断された。これは他の地域と比べて2倍の発病率だった。

共同で調査を行ったフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のドミニク・ローリエ氏は、この結果を統計的に重要だとした上で、さらに慎重な分析が必要だと指摘。また同氏は、多国間で大規模な共同調査を行えば、より確かな結果が得られるだろうと述べた。

フランスはエネルギーの原発依存度が最も高く、58基の原子力発電所を有しており、電力の75%を原発でまかなっている。

一方、昨年発表された英国の35年に及ぶ調査では、原発の近くに住む子どもにおける白血病の発病率は高いとの証拠は得られていない。

「統計的に重要」、は誤訳。原文は、”statistically significant”、統計上有意、という意味です。英語という言語だけ齧っていても意味がない好例。

Thursday, January 12, 2012

ほとんど誰も注目しなかった福島第2原発の記事:保安院、東電に東日本大震災で破損した機器などの復旧計画を策定し提出するよう求める

え、破損した機器?

共同ニュースが2012年1月11日付けで出した下記のニュースを記事にしたところは、ざっと全国紙のアーカイブを見たところではどこも無く、毎日新聞の英語版が翌日の12日に共同ニュース記事として掲載していましたが日本語版には無し。

経済産業省原子力安全・保安院は11日、昨年12月に「原子力緊急事態宣言」が解除された福島第2原発について、東京電力に、東日本大震災で破損した機器などの復旧計画を策定して月内をめどに報告するよう指示した。運転再開ではなく、安定した冷却状態を保つためとしている。

 保安院によると、同原発は安定した冷温停止の状態にあるが、津波被害を受けた非常用発電機や使用済み燃料プールの複数ある冷却設備の一部が使えない状態。建屋の扉にも津波で破損した後、鉄板などで応急措置をしただけのものがある。計画にはこうした機器や設備の補修などが盛り込まれる見通し。

  保安院原子力防災課の松岡建志(まつおか・けんじ)課長は記者会見で「冷温停止の状態をより着実にし、安全が確保されることを期待している」と指摘。その上で「再稼働できるレベルにまで復旧を求めるものではない」と強調した。福島県や地元自治体にも、運転再開に向けた動きではないことを説明したという。

朝日新聞は時事通信の記事として2行ほどの記事を出していましたが、その後自社記事に差し替えています:

経済産業省原子力安全・保安院は11日、東京電力福島第二原発の復旧計画を作成し、提出するよう東電に指示した。保安院は「(今回の指示は)冷温停止を着実に維持するためのもので、再稼働を目標にした指示ではない」としている。

 第二原発1~4号機は大震災発生時に自動停止した。外部からの電源は確保されていたが、1、2、4号機は炉を冷やす設備が津波で流された。昨年3月15日までに機器の交換や仮設ケーブルを敷くことで冷却機能を回復させ、炉内の温度が100度以下になる冷温停止になった。

 保安院の指示は、国の原子力災害対策本部が昨年12月26日に同原発の原子力緊急事態宣言を解除したのに伴うもの。未復旧となっている一部の非常用ディーゼル発電機や核燃料プール冷却設備の復旧や仮設ケーブルの補強などを盛り込み今月中の提出を求めている。

つまり、今回の指示は原子力緊急事態宣言を解除したためで、冷温停止を着実にするためのものである、ということですが、多少の疑問が出ます。

原子力緊急事態宣言を解除するまで復旧作業ができないなどということはありうるのでしょうか?

復旧が求められている機器をこの2つの記事から拾うと、

  • 非常用ディーゼル発電機の復旧

  • 核燃料プール冷却設備の復旧

  • 仮設ケーブルの補強

  • 建屋の扉

核燃料プール冷却設備の復旧を除いては、いつでも出来そうな作業のように思えます。

保安院が(表向きに)東電に対して出した書類はこれ。実際にどこをどう直すのか、という具体的なことは一切言っていません。文書の2ページ目は以下の通り:

1.福島第二原子力発電所の一部については、仮設設備となっており、これらの設備について適切な維持管理を行うこと。また、計画的に仮設設備の依存度を下げること。

2.残留熱除去系の一部等の安全設備が復旧していないことから、それらが復旧するまでの間、状況に応じて適切な維持管理を行うこと。また、自然災害等に備えて、更なる安全確保に万全を期すこと。

3.作業員の安全を含め安全管理を徹底すること。

4.冷温停止に至るまでに、通常時とは異なる圧力・温度等の履歴があったことを踏まえ、施設に対するこれらの影響を検討すること。

具体的な話は、「残留熱除去系の一部等の安全設備」ということだけです

一連の形式としては、まず官邸から原子力安全委員会に対して、東京電力福島第二原子力発電所に係る原子力緊急事態解除宣言を解除する件について意見を求め、数日後検討後委員会はOKを出し、官邸は経済産業省・保安院に東電に指示を出すよう要請、保安院が東電に指示をだす、という、平安時代の奏上のようなことをやっています。

日本の会社に勤めたことのある方ならお分かりになるでしょうが、実際はこれはおそらく全く逆で、東電がここを修理したい、と保安院と以前から相談しており、保安院もおそらく以前から原子力安全委員会と話をしており、それが大体纏まった時点で保安院が形式を整えるために経済産業省を通じて官邸に上げ、官邸は形式を整えるために原子力安全委員会に諮り、委員会は数日資料などを手元において形式を整えた後、よろしいでしょう、と官邸に答え、OKが保安院に行き、東電にOKが行く。あくまで私の想像ですが。

実際の修理箇所はさてどこなのか。この保安院の指示に先立つこと2日の1月9日、岩上安身さんのIWJ大阪のUTREAMチャンネルで、専門家を招いた市民の勉強会をやっていましたが、その中で東大の井野博満名誉教授が、福島第2原発の格納容器は壊れており、東電、保安院はこれを修理したがっている、と発言されていました。津波ではなくおそらく地震で壊れた、とのこと。

これでしょうか、修理の実体は?

修理の箇所として、特別に政府の指示が必要な箇所が公文書に明記されているとは思えないため、勝手に深読みしています。

原子力安全委員会の12月26日の定例会議の資料をちょっと読んで見ることにします。

Tuesday, January 10, 2012

セシウムという物質はどのような物質なのか

セシウムという物質は、福島第1原発事故以来、放射性物質として放射能が注目されていますが、放射性でない、安定型のセシウムも天然に存在します。下にお出ししたのは、以前に院長先生ブログに出ていたビデオです。

セシウムの投入で、水の入った水槽が爆発します。


院長先生ブログからのビデオ解説:

・アルカリ金属には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム の6種類がある
・全て柔らかい金属で、ナイフで切ることができる。
・最初のカットは、リチウム。ナイフで切るとメタル色がみえる。空気と反応して徐々に黒くなる
・ナトリウムも切ることができるが、リチウムよりも早く黒くなる
・カリウムを切ると、すぐに変色してしまって、メタル色を見ることはできない。
・周期表の下になるに従って、空気との反応スピードが速くなる。
・最後の水槽への投入は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの順。最後水槽が爆発するのは、セシウムを投入したとき。


元素周期表の一番左の列にある物質(第一族元素)、

リチウム (Li)
ナトリウム (Na)
カリウム (K)
ルビジウム (Rb)
セシウム (Cs)
フランシウム (Fr)

はアルカリ金属。ウィキペディア解説より抜粋しますと、

アルカリ金属は、比較的融点も低く、比較的軟らかく軽い金属である。Li、Na、Kは比重が1以下で水に浮く。いずれも反応性は高く、周期表の周期が大きくなるほど、結晶エネルギー(解離エンタルピー)が低減するため、激しく反応する傾向が見られる。

いずれのアルカリ金属元素単体も水、あるいは空気中の酸素と反応する為に、それらを避けるためにミネラルオイルの中に保存される。オイルを拭って放置すると自然発火することもあるので取り扱いは考慮する必要がある(危険物3類)。

放射性であろうとなかろうと、このような物質が体内に取り込まれ、無事で済むとはとても思えません。

しかし、日本保健物理学会は「セシウムには化学毒性がありません」と言います。

このページにある千葉在住の40歳の女性の質問は、

セシウムは体内でカリウムと同位体で、その挙動は筋肉や臓器にいき100日程で排出するとの事ですが、心筋に重金属がたまり放射性物質を出す場合、どのような症状が起こりうるのか知りたいのです。下記PDFをご覧頂くと、これからの日常をグラフで表されていると思います。http://www.icrp.org/docs/P111(Special%20Free%20Release).pdf
例え10Bq/1日でも、上記表ですと体内に1400Bqのセシウムを体内にずっと取り込み続ける様になる訳ですけれども、特に心筋は代謝しづらいのではないでしょうか。そしてそこで放射能を出し続ける訳ですが、その場合重金属としても放射性物質としても働く訳ですから、非常に毒性が高い物となるのではないでしょうか。どうか、ご見解をお聞かせ下さいませ。

それに対する日本保健物理学会の2011年12月1日付けの答は、

セシウムがカリウムと挙動が類似しているのは、同じアルカリ金属類に属する元素であるためです。

セシウムの化学的毒性はほとんどありませんし、純粋なセシウム137の10000 Bqの重量は、わずか0.003μg程度です。人体は数mgの放射性でない安定なセシウム133を保有しており(参考1)、この程度の量のセシウム量では “化学的毒性”は認められないと考えられます。

お示しいただいた、資料(ICRP Publication 111)の21ページのFig.2.2をご覧になっての質問かと存じます。継続的に摂取した場合は、排出の割合と摂取の割合により平衡になる量でほぼ一定となるため、ご覧になったグラフのように、10 Bq/dayの場合は、約1400Bq程度で一定となっています。

被ばく評価をする際は、各臓器・組織ごとに等価線量を評価いたしますが、ICRP等では、心筋と他の筋肉を別に評価するようには勧告しておりません

特に心筋で代謝しづらいのかどうかはわかりかねますが、1400 Bq程度のセシウム137が常時体内に存在していたとしても、既に人体に含まれている安定なセシウム量を考えると、人体への影響は無視できる程度と考えます。

(参考1)
John Emsley, “Nature’s Building Blocks: An A-Z Guide to the Elements,” Oxford University Press(2011): 山崎 昶 訳, 『元素の百科事典』, 丸善(2003), pp.265-270

どうやら、心筋についてはICRPで別に評価するように勧告していないからしないし、分からない、でも量が少ないので人体への害はないだろう、という見解のようです。

国、学会、専門家総出で、影響は無い、との国民への説得は続きます。

Friday, January 6, 2012

デルテ・ジーデントプフ博士: 「日本国民はシステマティックに騙されている」

ドイツTAZ紙に2011年12月26日に掲載された記事を、”Carnard Plus”ブログさんがドイツ語から日本語に訳して掲載されています。

長い記事ですが、医療、健康以外の話題(前半)で興味深い箇所の抜粋をお出ししてみます。後半は、現地の人々の健康被害について詳細な記載があります。全訳はぜひ”Carnard Plus”ブログでお読みください。

日本政府の対応について: チェルノブイリから学んでいない。世界各国の政府も黙認。(外圧に期待するだけ無駄です。)

「一番ひどいのは、責任者達がチェルノブイリから何一つ学んでいないことです。チェルノブイリ事故よりもさらに規模の大きい福島原発事故に対する対応ぶりには、私は茫然自失としています。日本政府が避難地区を事故に見合った範囲に拡大しなかったこと、女性や子供達を即座に安全な南部に避難させなかったことに対しては、ただただやり場のない怒りを感じるだけです。そうした適切な措置を取る代わりに、国民はシステマティックに騙されてきました。実際の危険に関する情報は伝えられない、あるいは伝えられても誤った情報である。なんという無責任でしょう。これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します。しかも政治と原子力産業はそのことを黙認しているのです! 世界中で!

原発被害は増大する:

汚染地域の住民達は 1986年から現在までチェルノブイリ事故と共に生活してきているのです。事故による被害は収束するということを知りません。自然災害と違って、原発事故の被害は時間の経過と共に減少していく代わりに増大していくのです。しかもその期間は今後少なくとも300年間にも及びます。

この「300年」という数字は、環境的半減期についての論文の主張とも一致します。

ベラルーシの高度汚染はモスクワの汚染を避けるための人工降雨のためだった:

チェルノブイリ事故による汚染地域の大部分はベラルーシーにあるのです。当時のソ連邦に降下した放射性物質の70%が当時の旧ソ連ベラルーシー共和国に降り注ぎ、国土のおよそ四分の一が放射能汚染されました。ベラルーシーの国境は原子炉から約15キロの距離にあります。

それだけではありません。事故後、風向きが変わって放射能雲がモスクワに向かい始めたとき、ヨウ化銀を用いた人工雨によって、大急ぎで放射性物質のベラルーシー領域への降下が促進されたのでした。もちろん住民には何も知らされませんでした。五月初旬のよく晴れた日、突然空からべとべとした黄色い雨が落ちて来たと人々は語ります。 このことは長年の間住民に明らかにされず、ただ移住が行われ、指令が出され、人々をなだめすかせるようなことが行われただけでした。計測器は厳重に禁止されていました

移住するのに10年かかった:

ゴメルとモギリョフ両地方は大きな面積が放射能汚染され、約百万人が移住させられましたが、移住を実行するためにはまず大きな都市や区域に家々を建設しなければなりませんでした。ミンスク(ベラルーシー首都)周辺には大きな街が建てられました。新しい住居に移住できるようになるまで、多くの人々は十年間も汚染地域に住み続けなければなりませんでした

金の切れ目が原発事故の終息、『博物館』化:

...おそらく国家予算の半分はチェルノブイリ事故処理のために消えていったと思われます。

とうとうある時期、ソ連時代のような比較的気前の良い措置を実施し続けることは望まれなくなり、また続けることも不可能になったのです。ルカシェンコ大統領がチェルノブイリ事故は収束したものであり、博物館に収めるべき過去の出来事であると発表したのはそのためです。放射能汚染されていたベラルーシーの地域はすべて安全になったと公式表明されました。

...被害者達は幼稚園や学校給食が無料だったり、子供達は特別のヴィタミン剤や保養を受けることも出来ました。保養こそ今でも年に一度受けることが出来ますが、その他の措置はすべて打ち切られてしまいました。ヴィタミンたっぷりの給食もです。被害者達は今でも証明書を所持していて私達に見せてくれますが、実際には価値がなくなってしまったわけです。事故当時の請求権はすべて廃止されてしまったのです。

当ブログでも記事をお出ししましたが、日本では既に原発事故博物館の話があります。移住、避難どころか、福島県の警戒区域内にも住民を返そうという政府の計画は既に動いています。

ああ、事故は日本では終わったんでしたね、野田首相。

Thursday, January 5, 2012

ゲストポスト: 「原発事故、放射能汚染を親しい人と語れない」

当ブログの読者の「ネクタリーナ」さんが、私の英語ブログの海外読者の人たちに是非知らせて欲しい、と寄せてくださった文章があります。それを英語に訳してブログに出したのですが、真っ先に付いたコメントが、「日本語ブログにこれを出せ、同じようにつらい思いをしている人を沢山知っている」、というものでした。それ以降付いたコメントも、自分も同じ経験をしている、周囲の人に言っても誰も取り合ってくれない。そして、「彼女のために、彼女と同じような人々のために、祈っている」。

ネクタリーナさんの了承を得て、原文の日本語の文章を掲載します。

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わたしは四国出身、愛知県在住の専業主婦。夫婦二人暮しです。 
2011年はこれまでの人生観が一変してしまいました。 
原発事故前は、趣味の物づくり・海歩きを楽しんでいました。 
それが3月11日以降、まったく趣味を楽しむ気になれません。 
いつまで健康で生きられるか、明日また何かが起こるのではないかと怯えているからです。 
 
【悲しかったこと】 
●価値観が同じで信頼し合い、仲の良かった夫が変わってしまった。 
原発関連の話をすると、顔色が変わり険悪な雰囲気になります。 
大喧嘩になった時に聞くと「知りたくない、仕事ができなくなるから」と言います。 
夫は仕事を最大限の力でやる人なので、精神的に耐えられないのでしょう。 
恐ろしい情報を知っても夫には話せないので、こっそり泣いて凌ぎます。 

古米などの安全な食品を備蓄をしようとすると、とても嫌がります。 
夫は現在流通している食品は安全だと思っているので、わたしが異常に見えるようです。 
喧嘩になるのが嫌なので、食費が足りなければ自分の貯金で買うようになりました。 
 
夫は汚染瓦礫の広域処理に賛成しています。その理由は「他県で協力しないと被災地だけ 
では処理できないから」です。放射能汚染されているということは考えていないようです。 
わたしはどう考えても間違っていると思うし、情けなくて涙が出ました。 
 
夫は食べ物・飲み物を全く気にしません。 
わたしは必死で食品の安全性を確認したりして調達しているので悲しいです。 
 
 
●故郷の母に汚染食品の危険性を話しても、理解してもらえません。 
わたしのことを「神経質すぎる、めんどくさい」と言います。 
娘よりテレビを信じているので、頭が変になったと思っているようです。 
 

●福島の友人に何度も福島を離れるよう言ったが、聞いてもらえなかった。 
彼はまだ若く独身で健康なので移住可能だと思うが、故郷・家族と離れたくないとのこと。 
考え方が大きく異なってしまった気がして、何を話せば良いかわからず疎遠になってしまった。 
 
 
●妹のこと。 
妹は結婚5年目にして、原発事故の少し前に子供が授かっていました。 
妊娠中、食べ物に気をつけること・マスクをすることなど注意したかった。 
でも妹は原発事故のことは全く気にしてなかったので、わたしが真実を告げることで 
ショックを受けて子供に影響があるかもしれないと思い、結局言えませんでした。 
本当のことを黙っている自分は卑怯者ではないか、とずっと苦しかったです。 
無事に赤ちゃんが産まれたら、プレゼントしようとテディベアを買いました。  
ベアに赤ちゃんを守ってくれるよう毎日お願いしました。 
 
でも7ヶ月目でお腹の中で急に動かなくなり、死産をしなければならなくなりました。 
高齢出産でもあるので、放射能が原因とは限らないということは知っています。
でも、安心して子供を産むことが出来ない国なんて絶対におかしいと思います。 
 
その後、妹から「体が回復したので仕事に復帰した」と連絡が来ました。 
過去よりも未来が大事だと思い、勇気を出して食べ物に気をつけるよう言ってみました。 
それ以来、妹からの連絡は途絶えました。 
母と同じようにおかしくなったと思ったのか、またはショックを受けたのかもしれません。 
結局わかってもらえなかったけど、自分のしたことは後悔していません。 
 
【うれしかったこと】 
●身内・友人にひとりも理解者がなく、ひとりぼっちだったわたし。 
恐ろしいニュースばかりで、事故当時は毎日ひとりで泣いているばかりでした。 
よく見ていた同じ趣味のブログの中で、ひとりだけ原発の記事を書いている人がいた。 
思い切って記事にコメントしたりメールしたりすると、すぐに意気投合して 
その人とその友人と3人で共同で反原発ブログを立ち上げた。 
原発事故後、初めての同志・仲間が出来ました。 
 
仲間の勧めでツイッターを始め、そこでまた何人かの同志に出会った。 
更に勧められてmixiを始め、またたくさんの同志に出会えた。 
今はその仲間達といっしょに脱原発活動をさせてもらっています。 
事故後、ネットでたくさんの同志と繋がれたことが一番うれしかったことです。 
 
【怖いこと】 
●これまでの人生で日本は安全で良い国だと信じてきました。 
それが幻想だったことを知り、とてもショックを受けています。 
原発事故の現状を、東電・メディアなどと共に隠蔽したり嘘で固めています。 
すぐに危険を知らせれば、被曝することのなかった多くの人がいます。 
いまだに福島の子供・妊婦さんは高濃度汚染地帯で暮らしています。 
 
政府は放射能汚染された被災地の瓦礫を全国にばら撒こうとしています。 
市町村の役所の人たちのほとんどは、放射能に関する知識がありません。 
政府は「痛み分け」という言葉で騙して受け入れさせようとしています。 
 
食品の放射能検査をほとんどすることもなく、全国に流通させています。 
安全とする基準値が高く設定されたまま、学校給食にも使われています。 
せめて産地で選ぼうとしても、偽装されていることも多いのです。 
買い物に行くのが怖いです、どれが食べられる物かわからないです。 
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わたしは勇気も行動力も賢い頭もないけれど、妹と産まれてこれなかった赤ちゃんのために 
政府と東電に「一矢報いたい」のです。どんなに些細なことでも。 
 
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海外の皆様へ 
日本からの放射能が海を、そして世界の国々までも汚染してしまいました。 
この事実を知った日本人たちは、とてもショックを受けています。 
とりかえしのつかない酷いことをしてしまいました。
本当に申し訳ありません・・・。

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ネクタリーナさんはこの文にもあるとおり、ネットを通じて知り合った仲間とブログを立ち上げました。こちらです

ネットと、東大の児玉龍彦教授のおかげで、昔からの良い言葉を再認識しました。

「得手に帆揚げて」、または「追手に帆掛けて」

何が自分の得手、追手なのか、実際このような事故でもないと発見できなかったかもしれません。

Tuesday, January 3, 2012

日経新聞;「原発事故を風化させないためにも博物館を」

今日見た記事の中で一番違和感のあったのはこれ。「風化」?まだ事故は続いていると妄想していたんですが。それともこれは、箱物を作ってゼネコンに仕事をまわすという従来の日本の「復興」パターンを踏んでいるにしか過ぎないのでしょうか。

それとも、チェルノブイリは(実際に)事故を収束させてから博物館を作るまで数年以上掛かっている、日本はその上を行こう、とでも言うのでしょうか?つまり、事故も終わってないうちに速攻で博物館を作ってしまう。ソ連に勝ったぞ、とでも。

話に噛んでいるのは福島大学だそうです。

博物館設立は子供たちのためでもあるそうです。

日本の学校授業では原子力発電所の問題について十分教えられていなかった。ところが原発事故で最も被害を受けたのは、放射線の影響が出やすいとされる子ど もたち。特に低レベル放射線量の発がんリスクは未解明な点が多い。福島県の子どもたちは自ら知識を身につけてリスクを理解し居住する「覚悟」が求められ る

リスクを理解したとして、居住しない選択は子どもたちにはどうやらないようです。(あっても子どもが一人で脱出できるわけでもありませんが。)この日経の記者が覚悟して福島で居住なさって、お手本をお示しになってはいかがでしょう。幼稚園児、小学生、中高生に覚悟を求めるのではなく。

日経新聞2012年1月4日記事:

原発事故の博物館を(震災取材ブログ)

東京電力福島第1原子力発電所の事故から9カ月あまり。福島県内で事故に関する資料を集めた博物館の設立を求める声が出ている。原発事故の経緯や写真、住民避難の資料などを集めた博物館で、事故の教訓を風化させないようするのが狙いだ。

博物館の設立に向けて動いているのは、福島大学を中心に構成するベラルーシ・ウクライナ福島調査団。調査団は2011年11月に旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所周辺に足を運び、地域住民による放射能対策や事故を起こした原発本体を視察した。その中でウクライナにあるチェルノブイリ博物館を訪れた。調査団のメンバーである桜の聖母短期大学(福島市)の二瓶由美子准教授は「原発事故の実態を詳しく知ることができる」と話す。

 チェルノブイリ博物館の設立は1990年代。当初は、事故直後の消火活動に携わった作業員を讃(たた)えるメモリアルとして設立されたという。その後、収束作業に使った道具や現場を撮影した写真、原発の模型なども展示。広島や長崎に落ちた原子力爆弾による被害や世界にある原子力発電所の状況なども説明し、人類と原子力とのかかわりも分かる。

福島第1原発の事故を受けて、博物館内には福島に向けたメッセージも掲げられた。天井につり下げた桜の枝に垂れ幕がかかり、日本語で「私達(たち)はあなたと共にいる。傷が癒(いや)されるように祈りを捧(ささ)げている。諦(あきら)めないで!」などと書かれている。

二瓶准教授は「過去を語ることは現在と未来を見つめること」と話す。博物館は歴史を記録するという役割だけでなく、教育としての効果も期待できる。「子供や学生が学んでいくことで、自ら判断して取り組む力がつく」(同准教授)。

 日本の学校授業では原子力発電所の問題について十分教えられていなかった。ところが原発事故で最も被害を受けたのは、放射線の影響が出やすいとされる子どもたち。特に低レベル放射線量の発がんリスクは未解明な点が多い。福島県の子どもたちは自ら知識を身につけてリスクを理解し居住する「覚悟」が求められる。

 博物館設立の中心的な役割を担うのが、福島大が震災後に設立した「うつくしまふくしま未来支援センター」だ。福島大学の清水修二副学長は「国や地方自治体、東京電力にも資料の提供を呼びかけていきたい」と話す。原発事故では多くの周辺住民は避難を求められた。自治体が避難時に作成した資料などはすでに散逸する恐れがある。「なるべく早く立ち上げたい」(清水副学長)。

 日本では事故に関する博物館の重要性は最近ようやく認識されたばかり。事故を忘れ去りたい加害者(企業)などの配慮から思うように進まないケースが多いからだ。1985年に起きた日航機の墜落事故でも設立に20年近くかった。福島県民がかかえる苦労を人類が2度と経験しないためにも博物館の意義は大きい。(竹下敦宣)

博物館の重要性は認識されたばかり??博物館を作るという行為そのものが事故を風化させる、過去のものとして扱うことだと思いますが、福島第1原発の溶けた燃料デブリが一体どこにあるのかも分かっていない状態で博物館を作ってしまおうというのですから、日本はたいしたものです。

Sunday, January 1, 2012

2012年の年頭のご挨拶

新年、あけましておめでとうございます。

なにがめでたいかな、とも考えましたが、こういう時はというか、こういう時こそ、昔からの形式を重視することにしました。そこで、

本年もよろしくお願いいたします。

3月11日の震災、原発事故発生以来、細々と書いていた金融ブログが災害ブログになってしまいました。最初は日本と外国の情報のギャップに驚いてそれを埋めるべく始めたのですが、そのうちにどこからお探しになったのか、ブログをお読みくださる方々、ツイッターでフォローして下さる方々、また、寄付をお送りくださった方々、ご支援どうもありがとうございました。

年頭から憚られますが、残念ながら事故は確実に第2段階、被害拡散時期になっているような気がします。それというのも、その根本原因はもともとの福島第1原発事故がどのようにして発生し、事故が拡大したか、という肝心な事を一般の人々が把握できていないことにあるからです。事故の実態が分からずに被害の実態の把握が出来るはずがない、というのが私の個人的な感想です。事故はもうおきてしまったのだからしょうがない、という意見には私は組しません。

日本語ブログであまり昨年中書かなかったのが福島原発の状態。英語ブログは事故の初期からそちらが主でしたが、日本語ブログでは昨年の半ば以降さほど書いていませんでした。(ほとんど読者がいなかった3月4月は結構書いていたんですが。)これは後悔しています。日本で3号機の爆発ビデオを見たことがない人が結構多いのに驚き、11月(だったと思います)にリンクした1号機内部の映像やCryptomeの原発を撮影した巨大写真を見て、「え、原発事故って終わったんじゃなかったの?」という驚きのコメントが多かったのにも驚きました。

年末には3号機が3月14日、15日の2日にわたって2度爆発していた、という情報が入りました。年末・新年早々には、原発の原子炉建屋に取り付けてある、万が一の事故のときに圧力が逃げるように設置されているブローアウトパネルが、2号機を除いてすべて溶接で閉じられていた、という未確認情報。しかも、それを命じたのは保安院。本来の役目を果たせるようになっていれば、建屋が爆発しなくて済んだ可能性があるということになります。

今年は、やっとぼろぼろ出てくるようになった事故初期の情報にも注目して、何があったのか、これからどうすれば良いのかの判断が出来るような情報を少しでも探してお出ししたいと思っています。

Saturday, December 31, 2011

福島県の原子力被害応急対策基金:商品券、自主避難者帰宅旅費補助、国内外への観光PR

福島民報2012年元日の記事です。福島県がこのようなことを行うのに反対な納税者はどうしたらよいのでしょう。基金の元金の出所は国です。国にはお金がありません。全国の納税者の現在および将来の税金を当てにした話です。

自主避難帰宅に旅費補助 県基金から70億円充当

東京電力福島第一原発事故の被災者救援に向け県が創設する「原子力被害応急対策基金」の全容が31日、明らかになった。総額は863億円を予定。全県民に対する商品券給付への助成に加え、強い要望があった自主避難者の帰宅旅費補助などに70億円程度を充当する方針。県内外で親子別々に生活するケースも多く、若い子育て世代の家計負担を軽減する狙いがある。

 県は2月定例県議会に基金設置条例案を提出する方針で、基金の全額を交付する国と最終調整している。現段階で見込んでいる主な事業は【表】の通り。

 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が示した指針では、自主避難者の旅費全額が賠償対象に含まれておらず市町村から国、県に対応を求める声が上がっていた。応急対策基金では約70億円を確保し、放射線の影響を避けるため自宅を離れて暮らす原発事故の避難区域外の世帯に対し旅費を補助する考え。

 仕事を持つ夫が自宅に残り、妻と子どもが避難しているケースもあり、県は少子化が加速する中、子育て支援のためにも対策が必要と判断した。県によると、県外への自主避難は約2万5000人に上っているという。県内での生活を再開する人の就業相談などに応じる総合相談窓口を設ける。山形や新潟など避難者が多い隣県などにサポート拠点を設け、本県の情報を発信する。

■県が原子力被害応急対策基金で取り組む事業の概要

住民生活の早期復元 
・自主的避難者の一時帰宅費用支援や生活再建の相談窓口設置。県外避難者へのサポート拠点設置や地元情報の提供など
・子どもが安心して遊べる屋内施設整備や屋外での課外活動への補助

“ふくしま”の安全・安心の早期復元
・農林水産物、食品加工品、工業製品の放射能検査体制の整備
・観光の回復のための国内外でのPR活動支援
・イベント実施による県内産品の安全性PRや販路拡大支援

もう福島イベントはたくさん。

ちなみに、2011年で私がすっかりいやになった言葉:

風評被害
脱原発
安全・安心
「寄り添う」
福島県知事

Friday, December 30, 2011

2011年の終わりに: 音が「見える」 ヘンデル 『ハレルヤ』コーラス

散々な2011年でしたが、最後ぐらいにぎやかで派手で喜びにあふれた音楽で終わりたいと思い、ご紹介します。このビデオを作った方は、音符を視覚化して見せてくれるソフトを開発して、クラシック音楽を「見せて」くれます。いろいろな旋律がどのように織り成されているのか、見れます。

これをみると、音楽はなるほど「科学」として取られられていたはずだ、と思います。


ちなみに、この人の視覚化音楽で私が気に入っているのは、ベートーベンのフーガ。音で聞いていたときは非常に難解で面白くない、と思っていたのですが、目で見ると作曲家の思考過程まで見えるようで、最後まで興味深く見入ってしまいました。こちらです。

Thursday, December 29, 2011

国連世界気象機関レポート:『福島第1原発3号機は3月15日に2度目の爆発を起こした』

この情報は一体どこから出たのでしょう?

3号機の爆発は、東電・日本政府の発表では3月14日午前11時01分。後にも先にも、これ限りです。(東電の発表参照:6ページ目です。)3月21日に原因不明の灰色がかった煙、23日に黒色がかった煙が出た、との記載はありますが、爆発事象としては少なくとも公式には捉えてはいません。

ところが、世界気象機関(WMO)が全世界に8箇所運営している「地域特別気象中枢(Regional Specialized Meteorological Center, RSMC)」の一つ、RSMC北京が作成し、10月31日から11月4日にかけてオーストリアのウィーンで開催された”CBS Expert Team on Nuclear Emergency Response Activities”で公表された資料の中に、このような記載があるのです(資料8ページ目):

On 15 March, an explosion was heard in Unit 2 and damaged the pressure-suppression system, causing the leaks of radioactive cooling water. Shortly afterward, Unit 4 was damaged by an explosion and a large amount of radioactive materials was released into the atmosphere. At 11:00 (Japan Standard Time) JST on 15 March, Unit 3 explored again. At that time, due to the easterly winds and precipitation in and around Fukushima, the surrounding areas including Tokyo, Nagano, Sendai and other places detected high radiation, which matched well with the simulation results.

3月15日、2号機で爆発音が聞こえ、圧力抑制システムが破損し放射能を含む冷却水が漏出した。そのすぐ後、4号機が爆発によって損傷し大量の放射性物質が空気中に放出された。3月15日日本時間午前11時、3号機が再度爆発した。当時は東風で福島周辺に降雨があったため、東京、長野、仙台などの場所で高い放射線量を計測している。これはシミュレーションの結果とも合致している。

(”explored”はおそらく”exploded”、爆発した、のタイプミスと思われます。)

つまり、3号機は14日と15日の2度爆発し、15日の2度目の爆発の際には東風と降雨のために放射性物質が海側に流れずに陸に流れて降雨とともに広範囲に拡散し、各地の高線量となった、と言っているのです。

RSMC北京はどこからこの情報を入手したのでしょうか。国連の世界気象機関の下部機関が情報をでっち上げるとは考えにくいことです。同レポートの2ページ目と10ページ目に、その手がかりが若干あります。まず、10ページ目には、福島原発事故に関するIAEAからのデータ提出要求はRSMCオブニンスク (ロシア), RSMC東京(日本) と他のアジア諸国に行った、とありますが、2ページ目には、

In 2011, RSMC Beijing for EER [Environmental Emergency Response] is the chief RSMC in RAII [Asia], which is in charge of organizing the emergency response activities among RSMC Beijing, RSMC Tokyo and RSMC Obninsk and composition of the joint statements of RAII.

2011年、環境緊急事態対応のためのRSMCではRSMC北京がRAII地域[アジア]での統括であり、RSMC北京、RSMC東京、RSMCオブニンスク間の緊急事態対応活動をオーガナイズし、RAII地域の共同声明を執筆する担当である。

ということは、「3号機の爆発は2度あった」という記述も、RSMC東京とすり合わせて了解を得た上のこと、と考えられるのではないでしょうか。RSMC北京が誤解して誤情報を(タイプミスと一緒に)正式文書にしてしまい、RSMC東京も見落としてそのまま発表されてしまった、というまぬけな可能性も勿論あります。

また、考えてみれば当たり前の話ですが、2号機の圧力抑制室が破損して放射能汚染水が漏出した、というのも日本のメディアでははっきり読んだ覚えがありません。

9ヶ月経っても未だに事故がいつどのように起こり進展していったのかすら明確になっていない。国際機関が提出した資料には、正しいにせよ誤っているにせよ、今まで見たこともない情報が入っている。これで事態収束宣言とは、日本政府もつくづく大したものです。

資料は英語で、ここからダウンロードできます(ワードファイル)。

Wednesday, December 28, 2011

アラスカのアザラシの原因不明の病気、福島からの放射能の影響を調査

今年の7月から発見されていたアザラシの原因不明の病気、結局ウィルスなどは検出されず、科学者は福島第1原発事故由来の放射能が原因ではないかと見て、調査を開始した模様です。

元記事はこちら

ロイター通信(2011年12月27日)

SEATTLE — Scientists in Alaska are investigating whether local seals are being sickened by radiation from Japan's crippled Fukushima nuclear plant.

シアトル発-アラスカの科学者達は、アラスカのアザラシが日本の福島原発からの放射能で病気になっているかどうかを調査している。

Scores of ring seals have washed up on Alaska's Arctic coastline since July, suffering or killed by a mysterious disease marked by bleeding lesions on the hind flippers, irritated skin around the nose and eyes and patchy hair loss on the animals' fur coats.

病気の、あるいは死亡したワモンアザラシが7月から数十匹、アラスカの北極圏海岸に打ち上げられているが、これらのアザラシは原因不明の病気による後足ひれからの出血、鼻と目の周りの皮膚の炎症、毛皮の毛が抜ける、などの症状を見せている。

Biologists at first thought the seals were suffering from a virus, but they have so far been unable to identify one, and tests are now underway to find out if radiation is a factor.

最初、生物学者たちは何らかのウィルス性の病気だろうと考えていたが、そのウィルスを特定することは現在まで出来ておらず、放射能が原因の一つかどうかのテストが現在行われている。

"We recently received samples of seal tissue from diseased animals captured near St. Lawrence Island with a request to examine the material for radioactivity," said John Kelley, Professor Emeritus at the Institute of Marine Science at the University of Alaska Fairbanks.

「セント・ローレンス島の近くで捕獲された病気のアザラシから取った体組織のサンプルを受け取りました。放射能を調べてくれ、という要望です」、というのは、アラスカ大学フェアバンクス校の海洋科学研究所のジョン・ケリー名誉教授。

"There is concern expressed by some members of the local communities that there may be some relationship to the Fukushima nuclear reactor's damage," he said.

「地元の人々の間では、これは福島原発の事故と何らかの関係があるのではないか、という心配が出ている」、と教授は言う。

The results of the tests would not be available for "several weeks," Kelley said.

「テストの結果が出るのは早くても数週間後になる。」

Water tests have not picked up any evidence of elevated radiation in U.S. Pacific waters since the March earthquake and tsunami in Japan, which caused multiple fuel meltdowns at the Fukushima plant and forced tens of thousands of people to evacuate the surrounding area.

米国太平洋岸では、3月の日本での地震と津波以降、水の検査では特に通常より高い放射能は検出されていない。この地震と津波によって福島原発で複数のメルトダウンが起こり、周辺地域から数万人の人が避難を余儀なくされた。

Scientists from the National Oceanic and Atmospheric Administration and the U.S. Fish and Wildlife Service have been seeking the cause of the diseased seals for weeks, but have so far found no answers.

米国の海洋・大気庁(NOAA)、野生動物庁はここ数週間、病気のアザラシの原因究明に当たっているが、現在までのところ答は出ていない。

写真の解説によると、アザラシの症状は後ひれの出血、口内出血、抜け毛、鼻と目の周りの皮膚の炎症。このようなアザラシが、7月の下旬から打ち上げられるようになった、とのことです。写真を見る限り、抜け毛などという生易しいものではなく、毛がほとんど残っていない状態のように見えます。なんともかわいそうな姿です。

Saturday, December 24, 2011

カナダ医師会ジャーナル:「隠蔽の文化」と不十分な除染努力が「人倫にもとる」健康リスクをもたらしている日本、と日本政府の対応を酷評

カナダ医師会の公式雑誌、「カナダ医師会ジャーナル Canadian Medical Association Journal (CMAJ)」はピア・レビューの科学雑誌です。そこに、12月21日付けで、「冷温停止」を宣言した日本政府を厳しく批判する記事が載りました。

曰く、

  • 日本政府は平気な顔をして嘘をついてきた

  • 日本政府は住民が十分に健康被害について判断できるような情報を出していない

  • 日本政府の対応は、チェルノブイリ事故でのソ連政府の対応にはるかに劣る
  • 一般公衆の年間被曝限度20ミリシーベルトは人倫にもとる、とんでもない基準で、こんなことを自国民に許した政府は過去数十年で世界にいない

と、一言で言えば、「ぼろくそ」の批判です。機会がある毎に日本政府を褒めちぎる某国際機関とは大違い。上記の2点目は、実際IRCPの勧告違反でもあります。

更に、日本公衆衛生協会の多田羅浩三博士の11月の米国での発表を引用し、

「[政府の設定した被曝]レベルが大丈夫だ、と人々を説得するのは、大変に難しい」

と日本政府の本音もちらつかせたあと、冷温停止状態宣言された現在でも

「現時点では、長期にわたる健康被害を最小限にするための一番大事な公衆衛生上の方策は、避難区域を広げることだ。」

と専門家の言を引用しています。避難は今からでも少しも遅くないようです。

以下、記事大急ぎ私訳。(大筋は間違ってないはずです。)

元の英文記事はこちら。原題の"public health fallout"は、言うまでもなく「放射性降下物(死の灰)」、Radioactive falloutに掛けていますね。日本語では別の言葉になってしまいましたが。

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Public health fallout from Japanese quake
Lauren Vogel CMAJ
December 21, 2011

日本の震災が公衆衛生に及ぼした副次的影響
CMAJ ローレン・ヴォーゲル
2011年12月21日

A “culture of coverup” and inadequate cleanup efforts have combined to leave Japanese people exposed to “unconscionable” health risks nine months after last year’s meltdown of nuclear reactors at the Fukushima Dai-ichi power plant, health experts say.

「隠蔽の文化」と不十分な除染が相まって、福島第一原発の原子炉メルトダウンから9ヶ月経った今、日本人は「人倫にもとる」健康リスクにさらされている、と専門家らは言う。

Although the Japanese government has declared the plant virtually stable, some experts are calling for evacuation of people from a wider area, which they say is contaminated with radioactive fallout.

福島原発は事実上安定していると日本政府が宣言しているものの、死の灰がより広い範囲を汚染しておりそこから人々を避難させるべきである、とする専門家もいる。

They’re also calling for the Japanese government to reinstate internationally-approved radiation exposure limits for members of the public and are slagging government officials for “extreme lack of transparent, timely and comprehensive communication.”

彼らはまた、国際的に承認された公衆の放射線被曝限度に戻すよう日本政府に求め、「透明でタイムリーで包括的な情報の伝達が極度に欠如している」、と酷評している。。

But temperatures inside the Fukushima power station's three melted cores have achieved a “cold shutdown condition,” while the release of radioactive materials is “under control,” according to the International Atomic Energy Agency (www.iaea.org/newscenter/news/2011/coldshutdown.html). That means government may soon allow some of the more than 100 000 evacuees from the area around the plant to return to their homes. They were evacuated from the region after it was struck with an 8.9 magnitude earthquake and a tsunami last March 11.

しかし、福島原発の3つの溶けた炉心の温度は「冷温停止状態」を達成、放射性物質の漏洩も「制御されている」、と国際原子力機関(IAEA)は言う。これは、日本政府がまもなく原発周辺地域から避難した10万人以上の住民の一部の帰還を許すかもしれない、ということを意味する。住民は3月11日、マグニチュード8.9[実際は9.0に気象庁が訂正]の地震と津波が地域を襲ったあと、避難した。

Although the potential for further explosions with substantial releases of radioactivity into the atmosphere is certainly reduced, the plant is still badly damaged and leaking radiation, says Tilman Ruff, chair of the Medical Association for Prevention of Nuclear War, who visited the Fukushima prefecture in August. “There are major issues of contamination on the site. Aftershocks have been continuing and are expected to continue for many months, and some of those are quite large, potentially causing further damage to structures that are already unstable and weakened. And we know that there’s about 120 000 tons of highly contaminated water in the base of the plant, and there’s been significant and ongoing leakage into the ocean.”

これ以上の爆発で放射能の大気中への大量拡散が起こる可能性は確かに減少している。しかし、原発が激しく損傷しており放射能が漏出していることには変わりはない、とティルマン・ラフは言う。ラフは『核戦争防止医学協会(Medical Association for Prevention of Nuclear War)』の会長で、福島県を8月に訪れている。「現場の放射能汚染は大きな問題です。余震は続いており、今後何ヶ月も続くことが予想されていて、そのうちのいくつかは非常に大きく、既に不安定で弱った構造物に更にダメージを与える可能性もあります。原発の地階には約12万トンの高度汚染水が溜まっており、相当量の海への漏出が起きている。」

The full extent of contamination across the country is even less clear, says Ira Hefland, a member of the board of directors for Physicians for Social Responsibility. “We still don't know exactly what radiation doses people were exposed to [in the immediate aftermath of the disaster] or what ongoing doses people are being exposed to. Most of the information we're getting at this point is a series of contradictory statements where the government assures the people that everything's okay and private citizens doing their own radiation monitoring come up with higher readings than the government says they should be finding.”

国土の汚染の程度は更に不明だ、と言うのは『社会的責任を果たすための医師団』の役員の一人、イラ・ヘフランド。「人々が[原発事故直後に]どれほどの被曝にさらされたのか、引き続いてどれくらいの被曝をしているのか、私たちには未だにはっきり分からないのです。現時点で得ている情報の大半は矛盾したもので、一方では政府が何も問題はない、と国民を安心させ、もう一方では市民が自分たちで放射線測定をして、政府が発表する数値より高い数値を計測している、という具合です。」

Japanese officials in Tokyo have documented elevated levels of cesium — a radioactive material with a half-life of 30 years that can cause leukemia and other cancers — more than 200 kilometres away from the plant, equal to the levels in the 20 kilometre exclusion zone, says Robert Gould, another member of the board of directors for Physicians for Social Responsibility.

福島原発から200キロ以上離れた東京で、政府は高いレベルのセシウムを検出している、とロバート・グールドは言う。セシウムは半減期が30年の放射性物質で、白血病やその他のがんを引き起こす可能性がある。グールドも『社会的責任を果たすための医師団』の役員の一人だ。

International authorities have urged Japan to expand the exclusion zone around the plant to 80 kilometres but the government has instead opted to “define the problem out of existence” by raising the permissible level of radiation exposure for members of the public to 20 millisieverts per year, considerably higher than the international standard of one millisievert per year, Gould adds.

国際機関は日本政府に対して原発周辺の警戒区域を80キロに広げるよう勧告してきたが[アメリカ政府の避難勧告のことか?]、日本政府は逆に「問題は存在しないことにして」、一般公衆の年間被曝許容量を20ミリシーベルトに引き上げた。これは、国際基準の年間1ミリシーベルトよりはるかに高い値である、とグールドは付け加える。

This “arbitrary increase” in the maximum permissible dose of radiation is an “unconscionable” failure of government, contends Ruff. “Subject a class of 30 children to 20 millisieverts of radiation for five years and you're talking an increased risk of cancer to the order of about 1 in 30, which is completely unacceptable. I'm not aware of any other government in recent decades that's been willing to accept such a high level of radiation-related risk for its population.”

放射線被曝最高許容量の「恣意的な引き上げ」は政府の「人倫にもとる」大失態だ、とラフは強く主張する。「一クラス30人の子供たちを年間20ミリシーベルトの放射線に5年間さらすと、ガンのリスクが増加して30人のうち1人が発症することになる。これは全く受け入れられないものです。過去数十年、自国民に対するこのように高いレベルの放射線リスクを平気で受け入れた政府は他にないでしょう。

Following the 1986 nuclear disaster at the Chernobyl nuclear power plant in the Ukraine, “clear targets were set so that anybody anticipated to receive more than five millisieverts in a year were evacuated, no question,” Ruff explains. In areas with levels between one and five millisieverts, measures were taken to mitigate the risk of ingesting radioactive materials, including bans on local food consumption, and residents were offered the option of relocating. Exposures below one millisievert were still considered worth monitoring.

1986年ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の事故後、「明確な目標値が定められ、年間5ミリシーベルト以上被曝すると予想される人々全員を、有無を言わせず避難させた」、とラフは説明する。被曝レベルが1ミリから5ミリシーベルトの地域では、放射性物質を体内に取り込むリスクを少なくするため、地元で作った食物の消費を禁止を含めた数々の方策が取られ、住民は移住するオプションを与えられた。被曝量が1ミリシーベルト以下の場所でも、監視が必要とされた。

In comparison, the Japanese government has implemented a campaign to encourage the public to buy produce from the Fukushima area, Ruff added. “That response [in Chernobyl] 25 years ago in that much less technically sophisticated, much less open or democratic context, was, from a public health point of view, much more responsible than what’s being done in modern Japan this year.”

それに引き換え、日本政府がやったのは人々に福島の農作物を買うように勧めるキャンペーンだった、とラフは付け加える。「(チェルノブイリでの)25年前の対応は、現在よりずっと技術的にも進歩しておらず、開かれた、民主的な状態ではなかったにもかかわらず、現在の日本で行われているものよりも公衆衛生の観点から見るとずっとはるかに責任を持った[信頼できる]対応だった。」

Were Japan to impose similar strictures, officials would have to evacuate some 1800 square kilometres and impose restrictions on food produced in another 11 100 square kilometres, according to estimates of the contamination presented by Dr. Kozo Tatara for the Japan Public Health Association at the American Public Health Association's 139th annual meeting and exposition in November in Washington, District of Columbia.

日本が[チェルノブイリの時のソ連政府と]同様の規制を掛けるなら、政府は約1800平方キロの地域を避難地域として、さらに追加で1万1100平方キロの地域で作られる食物に制限を掛けなくてはならなくなる、というのが、日本公衆衛生協会の多田羅浩三博士が11月にワシントンDCで開かれた米国公衆衛生協会の第139年次総会で発表した汚染推定の結果である。

“It’s very difficult to persuade people that the level [of exposure set by the government] is okay,” Tatara told delegates to the meeting. He declined requests for an interview.

「[政府の設定した被曝]レベルが大丈夫だ、と人々を説得するのは、大変に難しいのです」、と多田羅博士は代表団に語った。博士はインタビューの要請を断っている。

The Japanese government is essentially contending that the higher dose is “not dangerous,” explains Hefland. “However, since the accident, it’s become clear the Japanese government was lying through its teeth, doing everything it possible could to minimize public concern, even when that meant denying the public information needed to make informed decisions, and probably still is.”

日本政府が実質的に主張しているのは、高い線量は「危険ではない」ということだ、とヘフランドは説明する。「しかし、事故以来、日本政府は平気で嘘をつき、できるだけのことをして人々の懸念を最小限に抑えることに腐心し、そのためには人々が詳しい情報に基づく判断を下すために必要な情報すら出さなかった、ということがはっきりしました。おそらく今でも出していないでしょう。」

“It's now clear they knew within a day or so there had been a meltdown at the plant, yet they didn't disclose that for weeks, and only with great prodding from the outside,” Hefland adds. “And at the same moment he was assuring people there was no public health disaster, the Prime Minister now concedes that he thought Tokyo would have to be evacuated but was doing nothing to bring that about.”

「原発でメルトダウンが起きていたことを1、2日の内に政府が知っていたことは、今となってははっきりしています。しかし、政府はそれを数週間にわたって公表しなかった。それも、外部から圧力が掛かってようやく公表したのです」、とヘフランドは付け加える。「健康に被害が出るようなことはない、と人々に言っている同じ時に、東京の住民を避難させなくてはいけないかもしれないと思っていたが実行するべく動くことはしなかった、と首相は今になって認めている。」

Ruff similarly charges that the government has mismanaged the file and provided the public with misinformation. As an example, he cites early reports that stable iodine had been distributed to children and had worked effectively, when, “in fact, iodine wasn't given to anyone.”

ラフも同様に、日本政府はファイルの管理を誤り、人々に誤った情報を出した、と批判する。その例としてラフが挙げるのは、安定ヨウ素剤が子供たちに配られ、効果的に作用した、という初期の報告。しかし、「実際にはヨウ素は誰にも与えられていなかったのです。」 [福島の三春町は唯一の例外です。]

Public distrust is at a level that communities have taken cleanup and monitoring efforts into their own hands as the government response to the crisis has been “woefully inadequate” and officials have been slow to respond to public reports of radioactive hotspots, Gould says. “That’s led to the cleanup of some affected areas, but there are also reports of people scattering contaminated soil willy-nilly in forests and areas surrounding those towns.”

政府への不信から、地域の人々は自ら除染や放射線モニターの仕事を行い、今回の危機に対する日本政府の反応は「嘆かわしいほどに不十分」であり、市民の放射能ホットスポットの報告にも対応が遅い、とグールドは言う。「報告から除染が行われた場所もあるが、一方で人々が汚染土を否応なしに山林や除染した町の周辺に捨てている、という報告もある。」

“In some places, you can see mounds of contaminated soil that have just been aggregated under blue tarps,” he adds.

「場所によっては、汚染土が青いシートに覆われて山と積まれている。」

Even with government assistance, there are limits to the decontamination that can be achieved, explains Hefland. “What do you do with the stuff? Do you scrape entire topsoil? How far down you have to go? And if you wash down the buildings, what do you do with the waste water?”

政府の援助があっても、除染には限りがある、とヘフランドは言う。「取り除いたものをどうするのか?表土を全部剥ぎ取るのか?どこまで取らなくてはいけないのか?建物を洗浄したら、その洗浄した後の水はどうするのか?”

As well, Ruff argues the government must examine the provision of compensation for voluntary evacuation from areas outside of the exclusion zone where there are high levels of radioactive contamination. Without such compensation, many families have no option but to stay, he says. “At this point, the single most important public health measure to minimize the health harm over the longterm is much wider evacuation.”

更に、政府は警戒地域以外で放射能汚染の高い地域から自主避難した人々に対する補償の条項を検討しなければならない、とラフは主張する。そのような補償なしには、多くの人々は留まる以外の選択肢がない、と言う。「現時点では、長期にわたる健康被害を最小限にするための一番大事な公衆衛生上の方策は、避難区域を広げることだ。」

The Japanese government did not respond to inquiries.

日本政府は[記事のための]問い合わせには応じなかった。

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ちなみに、日本産婦人科医会の3月19日の公式発表が、GeorgeBowWowさんのブログに載っています。「30キロ離れていれば安全、国からの情報は正確、100ミリシーベルト以下は何の影響もない」と、カナダ医師会とは正反対。それでも同じ医者なんですねえ。