Saturday, October 1, 2011

東京都内で1日100トン以上の処理能力を持つ産業廃棄物焼却処理業者は東京電力の子会社

(UPDATE 10/19/2011 めでたく東電子会社、東京臨海リサイクルパワーが、岩手の災害がれきの焼却を行うことに。10月19日付けポストご参照。)

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東京都が岩手県とさっさと提携した災害がれき処理の協定についての新聞記事は前のポストでお出ししましたが、東京都環境局では、早速中間処理業者を公募しています。

先行事業として3社から5社の民間処理業者を登録するための募集らしく、先行事業での処理がれきは「破砕処分」にする「建設混合廃棄物、廃機械・機器類」とのこと。つまり、これらの廃棄物を叩き潰して細かく砕き、おそらく砕いたものを更に選別し、燃えるものは燃やしそうでないものはリサイクルか埋め立てる、という処分方法のようです。(ご参考までに、神奈川県平塚市の粗大ごみ処理工程をご参照。)

都の応募要綱を見ると、これら民間処理業者が備えていなければならない処理能力は次の通り

(資料の4ページ目。クリックすると大きくなります。)

ここで、表の一番右端の欄にご注目。可燃部分の残滓物をどのように処理するかを規定したものですが、この欄と、下の注意書きをみると、可燃部分の残滓物は「バグフィルター及び活性炭吹込装置若しくはバグフィルター及び湿式排煙脱硫装置」を備え、1日100トン以上の処理能力を持つ都内の産業廃棄物処理施設で焼却すること、となっています。

そこで都内の産業廃棄物焼却処理業者を検索したところ、100トン以上の処理能力を持つのは唯一1社、江東区青海の東京臨海リサイクルパワー(株)のみ。都の東京湾埋め立て処分場の中央防波堤内側埋立地内にある、東京電力が出資、設立した会社です。

東京臨海リサイクルパワーのサイトを見ると、9年前の2002年に5社の共同出資で発足。共同出資者は

  • 東京電力株式会社
  • 東電環境エンジニアリング株式会社
  • 清水建設株式会社
  • 荏原環境プラント株式会社
  • オリックス環境株式会社

2004年には東京都から中央防波堤内側の土地を購入し、プラントを建設。一日の産業廃棄物処理能力は550トン。

面白いのは「事業スキーム」、つまりどのように金を儲けるか、ということですが、中間処理業者である程度処理済の産業廃棄物を受け入れ、環境省、経済産業省からの補助金を受け、廃棄物を処理、リサイクルして儲ける、という形態。発電もあり、電気は東京電力に売却。


東電は原発事故の賠償制度のおかげで今後も会社は存続、そればかりか、東京都のがれき処理協定では都の指定する焼却処理の条件に唯一合致するような子会社を傘下に持っている。安泰ですね。現在の社長は2009年に東京電力から就任した方です。

国敗れて東電あり、でしょうか。

9 comments:

  1. 驚きです!知りませんでした!! 
    ブログ主様の調査力にも驚きです。素晴らしい!
    >1日100トン以上の処理能力
    などというのは始めっから仕組んであったんだろうと誰でも考えるでしょう。
    まさに、こんなトコにも手を伸ばしてたとは!他人のカネで!!
    計画停電は東電によるクーデタみたいなもんかと思ってたら、とんでもない。とっくの昔に乗っ取られてたとさえ可言?

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  2. こんな情報を見つけられてすごいです!
    言葉失いました…。
    全国での瓦礫処理を、細野が必死にゆってた理由が分かりました。
    彼も東電とズブズブの関係なのかな?
    国敗れて東電あり、うまいですね!
    まさに、主権在電(力会社)ですねぇ。

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  3. なんですか、これ!?

    これが知れたら「被災地の瓦礫に抗議する人間はひどい」なんてことはTVも言えなくなりますよ。

    この記事、リンクさせてください。

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  4. 可燃部分の残滓物は「バグフィルター及び活性炭吹込装置若しくはバグフィルター及び湿式排煙脱硫装置」を備え、1日100トン以上の処理能力を持つ都内の産業廃棄物処理施設で焼却するということで、登録する民間処理業者がその施設を持っている必要はないということではないでしょうか。
    その施設に委託して焼却するということではないでしょうか。
    かならずしも登録業者が焼却施設を持つ必要はないのではないでしょうか。
    私にはよくわかりませんが。

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  5. sanpai様、資料を見る限りその通りです。そのような設備を持った焼却処理施設に持っていって焼却する、ということで。それがたまたま東電の子会社ですが。

    東電の子会社以外の産業廃棄焼却施設は、東京都の資料では一日の処理量が100トンを超えるところは見当たりませんでした。

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  6. 東京都がいち早く瓦礫受入れ表明したのは、そういうことですね。東電ズブズブは細野だけでなく、石原知事もですね。
    次は全国に瓦礫をばら撒いて処理させるわけですが、ここでも民間業者は環境省に届出さえすれば各自治体へは届出許可不要、しかも業者名は非公開のようです。ここも東電マッチポンプ。
    自治体によっては受入れ拒否するところも出てくるとは思いますが、東京臨界(あ、臨海でしたっけ、いちおうは)リサイクルパワーのような民官(あ、民間でしたっけ、いちおうは)業者が実際にはどこで処理しているのかは、非公開ですから。
    これはもう、床下のラジウムどころの話ではありません。

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  7. マッチポンプdeリッチ。火事場泥棒の荒稼ぎの実態がこれ。
    次期知事選には日本は存続しないだろうと見限ったのか。
    湘南の高齢お坊ちゃん知事と神奈川知事って、もしかしたら電力系株主か?
    それと大口献金の見返りか?
    どっちもありだろうと推測いたします。

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  8. 先日、深夜に檜原村の都民の森近くを車で流していましたら、深夜2時半頃にもかわらず工事現場の作業員風の人たちを満載した怪しげなマイクロバスが数台循環しているのを目撃しました。
    ダークグレーの無記名のマイクロバスのみが深夜の真っ暗な山間の国道を往復している様子は非常に異様な感じでした。
    この時は時間が無かったのでバスの行き先を確認できませんでしたが、帰宅後どうも気になってネットで奥多摩、檜原付近で人目をはばかるような工事をしている噂がないか調べております。
    時期が時期だけに被災地からの瓦礫の埋め立てのための施設を建設しているのかもと思っておりますが、 その様な話しはご存知有りませんでしょうか?

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  9. 貴重な情報をありがとうございます。
    昨夜の東電会見にて、平等党の田中昭氏が、この件を質問したところ、司会の寺澤氏は、今後の会見には参加させないと、一方的な判断を下しました。
    事故当事者の東電の一社員が、このような市民目線のフリー記者を排除する権限がある筈は無いと思います。
    是非とも抗議が必要ではないでしょうか?
    東電 03-6373-1111

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