Wednesday, October 19, 2011

【記録】保安院が3月12日に発表していた福島第1原発1号機炉心溶融(メルトダウン)の可能性

最初にぽろっと出てくるニュースがもっとも真実に近い、良い例が福島第1原発の炉心溶融、メルトダウンのニュース。まだ地震、津波から一晩明けたばかりの、まだ人々の心定かでない時期にでたニュースです。読み逃した皆様のため、記録のために、私が読んだのとほぼ同内容の日本経済新聞の記事を下にお出ししておきます。

私はこの一つ前のバージョンの記事(午後2時18分)を見て、日本語をコピーすることなく肝心なところだけを英語にして、「1号機、メルトダウンが既に起きている可能性」、と英語ブログに出していました。(時差のため3月11日。)保安院が発表したのは1号機の爆発前の3月12日午後2時です。保安院の審議官は最初の中村審議官。この会見が元で更迭された、との噂を聞きましたが、そうなのでしょう。

保安院の発表が午後2時、ベントが午後3時(日経の記事では3時半になっていますが、ライブカメラの解析によると3時の時点で排気塔から煙が出ています。東京新聞10月6日記事ご参照)、爆発したのが東電発表によると午後3時36分。(たしか管首相の記者会見の真っ只中だったような。)

この後、3号機が2日後に爆発し、2号機と4号機が3号機の翌日に爆発し、炉心溶融はいつの間にかないことになり、せいぜい「損傷」に留まることになりました。1~3号機が炉心溶融していて、おそらく圧力容器から出ているだろう、とおおっぴらに認めたのは、やっと5月になってから。4月29日に日本原子力技術協会最高顧問の石川迪夫さんがテレビでそのように発言なさり、結構うれしそうにイラストつきで説明なさった後のことです。

(私は個人的にはこの方に好感を持ちました。これは戦争なんだ、横っちょのこと(窒素だの水棺だの)やっていないで、とにかく原子炉がどうなっているのかを何としてでも調べて対処すべきだ、と言う見解にはまったく賛成。また、この方がテレビでこう発言なさったのを見て、ああこれは政府がメルトダウンを公式に認める布石だな、と思いましたがまさにその通りになりました。)

日本経済新聞3月12日付け(午後3時30分)記事

経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時、東京電力の福島第一原発1号機で原子炉の心臓部が損なわれる「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたという。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。炉心溶融が事実だとすれば、最悪の原子力事故が起きたことになる。炉心溶融の現象が日本で確認されたのは初めて。

保安院は同日午後3時半、圧力が高まって爆発による放射性物質の大量放出を防ぐため、格納容器内の減圧作業を実施した。圧力が「午後2時を境に急激に下がりはじめた」(保安院)という。

 周辺地域から検出された種類は、いずれも本来は金属容器で封じ込めている物質。炉心溶融で大量に放射性物質が出れば、被曝(ひばく)の被害が広がる恐れもある。

 保安院は今回の炉心溶融について「放射性物質の広がりを計算した結果、現時点では半径10キロを対象とする住民避難の範囲を変更する必要はないだろう」と話している。

 震災にあった1号機は、核燃料棒を冷やしていた水位が下がり、露出していたとの報告もあった。

燃料を包む金属容器は高温に耐えるとされる。溶けたとなれば、燃料周辺が相当の高温にさらされたとみられる。金属容器ばかりか原発の圧力容器や格納容器を溶かせば、放射性物質が外に漏れ出す。

 原発の運転中は、炉心で核燃料が核分裂を起こしている。発熱反応が連鎖し、冷却水を蒸気に変えてタービンを回し、発電している。

 冷却水があるうちは熱が一定に保たれるが、本来の水位が下がると燃料が生む熱の行き場が無くなる。最悪の事態では、原子炉の心臓部である炉心溶融が起きる。

 この事態を受け、保安院は自衛隊に給水支援を要請した。大量の水を使って熱を冷ますためだ。

 過去の大きな原子力災害も、炉心溶融が原因のものがあった。1979年には、米ペンシルベニア州のスリーマイルアイランド原発にトラブルが発生。緊急炉心冷却装置が働かず、高温になった燃料が炉心を溶かす大事故につながった。

0 comments:

Post a Comment