Tuesday, March 22, 2011

福島第1原発:東芝技師の自己批判

あったあった、東芝技師の自己批判。元東芝で格納容器の設計をした後藤政志さん。この方は外国記者クラブで非常に分かりやすい、懇切丁寧な解説を事故直後になさっているのを拝見しました。

なんで東電なんかが毎日記者会見して多分自分たちでも分からないことを記者に話しているんでしょうかね。

まだお読みでない皆様に、北海道新聞3月23日付けの記事です。記事内の「会社」というのは、もちろん東京電力のことです:

「会社はコスト優先」 原発の元技術者ら ネットで自己批判

 東京電力福島原発を造った大手重電の元技術者たちが事故発生以来、インターネット放送などで自己批判と原発政策の告発を続けている。

 「もっと声を大にして言い続けるべきだった」。東芝で放射能を閉じこめる原子炉格納容器の耐性研究グループ長だった後藤政志さん(61)は話す。1979年の米国スリーマイル原発事故などで、格納容器内が異常に高圧になるとわかり、放射能物質ごと大気に放出する弁を付ける事になった。

 「フランスは、内圧が上がりにくく、放射能物質が漏れにくい巨大なフィルター付き格納容器を造った。われわれも必要、と議論したが、会社は不採用。コストだなと思った」と後藤さんは言う。

 「高台に建てたり、防水構造にしたりしていれば。想像力が足りなかった」。60年代、国内に技術がなく、津波を想定しない米国の設計図をコピーして第1原発を設計した元東芝社員小倉志郎さん(69)は悔やむ

 4号機の設計にかかわった元日立グループ社員で科学ライターの田中三彦さんは今回「政府や公共放送が危機を正しく国民に伝えていない」と感じている。「格納容器内が8気圧になった時、普通は4気圧などと流していた。普通は約1気圧で、4気圧とは事故に備えた設計値だ。8気圧なら異常事態なのに、パニックにしないという配慮が多すぎる」

 3人はこれまでも匿名、あるいは著作、集会などで原発の危険性を訴えてきた。だが国や企業から返ってきたのは「冷笑だった」(後藤さん)。

 東京のNPO環境エネルギー政策研究所顧問竹村英明さん(59)は「日本には許認可権を持つ経産省、学者、電力会社などで作る原発ムラがある」という。竹村さんによると、ムラは強力で、疑問や批判を口にする技術者を村八分にする。3人がそうだったという。放送は、動画中継サイト「ユーストリーム」や「ユーチューブ」などで見られる。

福島第1原発第4号機:元日立技師の告発?

Bloomberg 英語版に出ていた記事です。Bloomgergの東京駐在の記者が書いたことになっています。

元日立製作所で、福島第1原発第4号機の格納容器を設計した(と記事の最初の方で言って置きながら、後のほうでは格納容器になっています。まあ両方やったんでしょうか)技師、田中三彦さんの地震後の談話と、この方が1990年にお書きになった本をベースにした記事のようです。

田中さんによると、第4号機の圧力容器の最終仕上げ(摂氏600度に加熱)を広島の呉工場で行っていたときに何かの手違いで圧力容器の内側を支えるはずだった支持棒を入れ忘れるか外れたかのどちらかで、圧力容器が炉から出てきたときに変形してしまっていた、本来廃棄処分にすべきものだったのに、日立はそれを東電には内緒で、変形をどうにか叩き直して納品した、とのことです。東電が見に来るとシートで覆い隠し、後はゴルフ温泉の接待でごまかした、と言っています。

廃棄処分にしたら、数百億円の商売が潰れ、日立は倒産していただろう、と田中さんは言います。

もし東電の人が見ても、多分何も分からなかったろう、とも。電力会社の人は、発電機のパーツがどうなっているのかなどは知らない、と田中さんは言っています。(ははは。)

リンクはゼロヘッジから取りましたが、ゼロヘッジのTyler Durdenが言うような「内部告発」、というわけではなさそうです。何しろ田中さんは1990年から第4号機には問題あり、と言い続けていらっしゃるわけですから。

Bloombergの記者が今ひとつ理解していないんじゃないかと思われる書きぶりですが、まあその辺は日本の記者が原発のことを書いてはいるけれど今ひとつ理解していなさそうなのと同じようなことかも知れません。

さて、第3号機と第5号機を設計製作したのは東芝ですねえ。東芝製の原子炉の「内部告発」もあるのかな?

Fukushima Engineer Says He Covered Up Flaw at Shut Reactor
By Jason Clenfield - Mar 22, 2011 5:54 PM PT

One of the reactors in the crippled Fukushima nuclear plant may have been relying on flawed steel to hold the radiation in its core, according to an engineer who helped build its containment vessel four decades ago.

Mitsuhiko Tanaka says he helped conceal a manufacturing defect in the $250 million steel vessel installed at the Fukushima Dai-Ichi No. 4 reactor while working for a unit of Hitachi Ltd. (6501) in 1974. The reactor, which Tanaka has called a “time bomb,” was shut for maintenance when the March 11 earthquake triggered a 7-meter (23-foot) tsunami that disabled cooling systems at the plant, leading to explosions and radiation leaks.

“Who knows what would have happened if that reactor had been running?” Tanaka, who turned his back on the nuclear industry after the Chernobyl disaster, said in an interview last week. “I have no idea if it could withstand an earthquake like this. It’s got a faulty reactor inside.”

Tanaka’s allegations, which he says he brought to the attention of Japan’s Trade Ministry in 1988 and chronicled in a book two years later called “Why Nuclear Power is Dangerous,” have resurfaced after Japan’s worst nuclear accident on record. The No. 4 reactor was hit by explosions and a fire that spread from adjacent units as the crisis deepened.

......

Fukushima No. 4

Tanaka says the reactor pressure vessel inside Fukushima’s unit No. 4 was damaged at a Babcock-Hitachi foundry in Kure City, in Hiroshima prefecture, during the last step of a manufacturing process that took 2 1/2 years and cost tens of millions of dollars. If the mistake had been discovered, the company might have been bankrupted, he said.

Inside a blast furnace the size of a small airplane hanger the reactor pressure vessel was being treated one last time to remove welding stress. The cylinder, 20 meters tall and 6 meters in diameter, was heated to more than 600 degrees Celsius (1,112 degrees Fahrenheit), a temperature that softens metal.

Braces that were supposed to have been placed inside during the blasting were either forgotten or fell over when the cylinder was wheeled into the furnace. After the vessel cooled, workers found that its walls had warped, Tanaka said.

Warped Walls

The vessel had sagged so that its height and width differed by more than 34 millimeters, meaning it should have been scrapped, according to nuclear regulations. Rather than sacrifice years of work and risk the company’s survival, Tanaka’s boss asked him to reshape the vessel so that no-one would know it had ever been damaged. Tanaka had been working as an engineer for the company’s nuclear reactor division and was known for his programming skills.

“I saved the company billions of yen,” said Tanaka, who says he was paid a 3 million yen bonus and presented with a certificate acknowledging his “extraordinary” effort. “At the time, I felt like a hero,” he said.

Over the course of a month, Tanaka said he made a dozen nighttime trips to an International Business Machines Corp. office 20 kilometers away in Hiroshima where he used a super- computer to devise a repair.

Meanwhile, workers covered the damaged vessel with a sheet, Tanaka said. When Tokyo Electric sent a representative to check on their progress, Hitachi distracted him by wining and dining him, according to Tanaka. Rather than inspecting the part, they spent the day playing golf and soaking in a hot spring, he said.
Wining and Dining

“The guy wouldn’t have known what he was looking at anyway,” Tanaka said. “The people at the utility have no idea how the parts are made.”

IAEA、福島双葉郡浪江町付近で通常1600倍の放射線測定

IAEA (International Atomic Energy Agency)独自の測定結果で、福島第一原発から20キロ離れた地点(福島県双葉郡浪江町)で放射能レベルが通常の1600倍だったことが判明した、との共同通信ニュース(ウイーン発、3月22日)です。

IAEAが1600倍の放射線 原発20キロ付近で測定

【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)は21日、IAEAの放射線測定チームが福島第1原発の周辺地域の土壌と大気から測定した放射線量を発表、原発から約20キロ離れた福島県浪江町付近で通常の約1600倍に相当する毎時161マイクロシーベルトの放射線量を測定したと明らかにした。

 文部科学省の調査では浪江町で15日、330マイクロシーベルトが測定されている。IAEAは「高い数値が測定された。状況を見守っていきたい」としている。

 IAEAのチームは20日、原発から16~58キロ離れた10以上の地点で土壌と大気の双方を測定。測定値には土壌と大気双方のデータを盛り込んだとしている。IAEAによると、原発の50~70キロ圏の土壌からも通常より高い放射線量が測定されたという。IAEAは0・1マイクロシーベルトを通常値としている。

 チームは今後数日間、福島県内で作業を続ける。原発から52キロ離れた二本松市内では4・2マイクロシーベルトだった。

 IAEAは17日、日本政府の要請でチームを日本に派遣した。天野之弥事務局長は「専門家チームをさらに派遣したい」としている。

Monday, March 21, 2011

福島第1原発第2号機の冷却ポンプはいつ届く?

え、発注してたの?

真偽は分かりませんが、東電が通電に成功した福島第1原発第2号機の冷却ポンプは破損していて、新しいポンプに取り替えなくてはならず、発注はすでに済んでいるもののいつ届くか分からない、とニューヨーク・デイリーニュースが3月21日付けで記事を出しています。

記事の出所は原子力安全保安院の西山審議官が21日に行った会見のようです。

とりあえず原文の最初の段落5つを出しておきます。

Cooling pumps at one of Japan's crippled nuclear reactors are damaged beyond repair and will need to be replaced, officials learned Monday.

[福島第一原発]原子炉のひとつで冷却ポンプの損傷が激しいため修理は不可能、新しいものと取り替える必要がある、と関係者の発言。

The revelation dashed hopes for a quick resolution to the ongoing nuclear catastrophe at the leaking Fukushima Dai-ichi plant.

An emergency order has been placed for new pumps for Unit 2 at the plant, but it's unclear how quickly they would arrive, officials said.

第2号機用のポンプを至急注文しているが、いつ到着するかは分からない。

Engineers have worked around the clock to restore power to the facility, but damage caused by the earthquake and tsunami means it may take weeks to repair the required systems, officials warn.

"We have experienced a very huge disaster that has caused very large damage at a nuclear power generation plant on a scale that we had not expected," said Hidehiko Nishiyama of Japan's Nuclear and Industrial Safety Agency.

日本のメジャーな新聞は電力復旧の話しかしていないようですが、どこかに西山審議官の記者会見でも出ていないかなといま探しています。

Sunday, March 20, 2011

放射性ヨウ素の体内摂取を防ぐには

ヨウ素を含んだうがい薬や消毒薬を飲めば安定ヨウ素剤の代わりになる、などというデマが日本でも色々ネットで出まわって、政府、メディアが必死にデマを打ち消そうとしているようですね。

これは明らかにデマですが、副作用が馬鹿にならない安定ヨウ素剤(Potasium Iodide、ヨウ化カリウム;化学記号KI)を服用しなくても放射性ヨウ素の体内摂取は防げる、と、アメリカの専門家が書いています。ご参考まで。

Iodine for Radioactive Fallout (ドナルド・ミラー、2011年3月19日、Lewrockwell.com)

この中で面白いのは、このミラー氏(お医者さんでもあります)によると、日本人はもともと通常時のヨウ素の摂取量が他の国民に比べて格段に高いため、多分安定ヨウ素剤などを飲む必要はないだろう、と言っている箇所です。ヨウ素を大量に含んだ海草を一人毎日平均14.5グラム食べている日本人は、放射性ヨウ素を防げるだけのヨウ素がすでに体内にしっかり入っている、ということです。

また、別の研究で読んだことがありますが、日本で栽培される野菜、果物は外国で栽培される野菜、果物に比べてヨウ素の含有量が多いのだそうです。長年手入れしてきた土がものをいうんですね。

もうひとつ、ヨウ素のはいった消毒剤(2パーセント溶液)にもちゃんと使い道があるのです。日本のインターネットのデマのように飲むのではなくて、塗るのです

ミラー氏は、ヨウ素消毒液(うがい薬でもいいかも)をおなかに10x20センチ角の面積で(かなり大きいですが)塗れば、安定ヨウ素剤(KI)を飲むのとほぼ同じ効果が得られる、といっています。この方法で放射性ヨウ素の体内摂取は95から99パーセントブロックできる、としています。しかも、ヨウ素を塗る方法は安定ヨウ素剤を飲むのに比べて副作用は殆どなし

ヨウ素入りの消毒液、うがい薬、飲んではいけません。塗るのです。

ちなみに21日、東電が福島第一発電所の空気を分析した結果を遅ればせながら公表しました。核分裂によって出来る物質で、これで核燃料の損傷が確実になった、と朝日新聞が報道しています。

風向きマップ

東北、関東の風向きにご注意。時間によっては海からの風が吹き寄せる地域もありそう。地図をクリックすると、時間ごとの風向きをチェックできるサイトに行きます。(ちなみに下の図は日本時間21日午前9時の予想です。)

福島第1原発:政府の対応が後手後手むちゃくちゃな理由

原子力安全・保安院のサイトに、原子力緊急時の対応に関わる諸機関の図があります。

これを見ると、福島第1原発事故での政府の対応のまずさは、政府が自分で作り上げた計画に自分で絡め取られてしまって動きが取れない、といった状態であろうことは、容易に想像できます。さらに驚くべきことは、格納施設から放射能が漏れ出す、といた状況を想定してはいるものの、どのような災害、事故がまず発生してそのような状況になるのか、といった考慮がまるでない、ということです。この図を見る限り、「東北、関東を襲った、津波を伴った大地震」などはまるで想定しておらず、何らかの原因で放射能が漏れ出した場合でも政府機関、国、自治体政府、事業者、公的研究機関などが全て通常に機能していることを前提にして、原子力災害対応、対策を立てていた、というのが実情のようです。

驚く限りです。



更に驚くのは、このフローチャート。原子力災害時の防災活動の流れとして、東京(政府)での動きと現場での動きをまとめていますが、これで防災が出来たらそれこそ奇跡でしょう。対策本部、警戒本部、連絡会議、協議会、本部名称変更の手続き...。

原子力災害発生時の防災活動の流れ
東京での対応 現地(オフサイトセンター)での対応

原子力施設において、原災法第10条の通報基準に定める異常事象が発生
原子力事業者が原子力保安検査官事務所長に通報
 
原子力保安検査官は原子力事業所に行き、現場を確認し、原子力防災専門官と原子力安全・保安院に通報。
 
緊急時対応センターに経済産業省原子力災害警戒本部設置。 原子力防災専門官によるオフサイトセンターを立ち上げ、活動開始。
経済産業省原子力災害現地警戒本部及び現地事故対策連絡会議を設置
原災法15条に相当する原子力緊急事態に該当する事態に進展すると・・・
経済産業省原子力災害警戒本部に、発電所から原子力緊急事態に進展したとの通報が入り、経済産業大臣は、内閣総理大臣に原子力緊急事態の上申を決定。
原子力緊急事態宣言の発出
内閣総理大臣を本部長とする政府の原子力災害対策本部を設置 経済産業省原子力災害現地警戒本部は経済産業省原子力災害現地対策本部に名称を変更
現地事故対策連絡会議は原子力災害現地対策本部に名称変更


原子力災害合同対策協議会が組織される。


防護対策地域を検討
住民避難・退避措置が決定され、東京の経済産業大臣に上申
経済産業大臣から、住民の避難・屋内退避の判断について、原子力災害対策本部として了承したことを伝達

避難手段を検討
プレスルームで決定事項のプレス発表 プレスルームで原子力災害対策合同協議会の決定事項のプレス発表

避難措置、コンクリート屋内退避措置、屋内退避措置の範囲の決定

住民が避難を開始

衣服についた放射性物質 別ウィンドウで開きますの測定や医師による診察、健康相談実施
放射性物質の放出開始

土、植物、海草の試料採取を行って環境への影響を調査
放射性物質の放出が停止
事態の終息を受け、緊急事態の解除を検討するための原子力安全委員からの助言


  
緊急時対応センター、防災センター、原子力安全委員会を結ぶテレビ会議で、原子力災害現地対策本部長は原子力災害拡大防止の応急対策を実施する必要がなくなったと考え、原子力緊急事態解除宣言を上申
原子力災害対策本部長が原子力緊急事態解除を宣言
原子力災害対策本部を廃止 原子力災害現地対策本部を廃止


毎日新聞の記事で読みましたが、原子力安全・保安院の設定した原子力非常事態時の避難範囲はわずか10キロ半径である、とのこと。今保安院のサイトなど調べて、原文の法律を探していますが、本当だとしたら、いったい政府は何を考えていたのでしょう?

巨大地震が発生しやすい日本海溝を沖に控えた海岸沿いに原発を建てておいて、非常時の想定から地震も津波も欠けている、というのは、どういうことなんでしょうね。地震、津波を除外して、格納容器から放射線が漏れ出すような事故が何によって引き起こされる、と想定したのか、保安院のお役人さんに聞いて見たいものです。

上に出したような図、フローチャートを作り上げるということは、事業者の単なる操作ミスかなにかを考えていたのではないか、と思われますが。(ため息。)

Saturday, March 19, 2011

自衛隊、福島原発第4号機に放水

読売新聞などによると、自衛隊の消防車10台、アメリカ軍の遠隔操作ができる消防車1台(東電が操作)で第4号機に水掛けを行ったそうです。昼過ぎには自衛隊のヘリが上空を飛んで原発の温度を測定するとか。

1400トンのプール目掛けて60~80トンの水を放水したようですが、それもまあプールがあればの話。80トン全部がプールに入るはずもないでしょうが、もうしばらくするとまた防衛省か官房長官から「成功した」とかいう談話が出るのでしょう。

アメリカ軍がこの消防車(合計4台)を提供したのはどうも16日ごろ。4日間も使わずにそのままにしておいたのを、誰かがリークしたようで記事になってしまったため、顔見世に1台使っているような、そんな気がします。この消防車は無人で操作できるだけでなく、海水を取り入れて24時間稼動が可能なのです。なんでわざわざ自衛隊の、給水車が必要な消防車を使い続けるんでしょうか?

国内向けのPRとしか私には思えません。ほら、政府は自衛隊と一緒にこんなに一所懸命なんですよ、というPR.

防衛省が公開した18日の第3号機への水掛(まあその程度にしか見えません)を見ると、一番煙の出ているところには殆ど届いておらず、やっと少し届いたかと思うともう水切れ、といった様子で、煙も水掛の後余計に出ているような感じです。



これが「成功」?

日本政府がアメリカ軍の無人機で撮影されたリアル・タイムの情報を受け取っているにもかかわらずそれを公開していない、という毎日新聞の記事は、他の日本のメディアのどこにも出ていないようですね。

また、英語のブログの方に出しましたが、福島第一原発の原子炉の内少なくとも1つに、イスラエルの会社が設置した熱イメージセンサーが作動していて、センサーの操作は今でもイスラエルの会社側の操作で可能、しかもデータが取れているにもかかわらず、日本政府は操作を許さず、データも伏せている、というエルサレム・ポスト3月15日付けの記事もあります。

日本の皆様、いつまで政府を頼りにするのでしょうか?上から下まで、官が動かなくてはにっちもさっちも行かない、という、大災害の只中でさえ相変わらずの日本、というのは、妙に安心感はあるのですが、そのために不要な被害、死者まで出ているのを見ると、日本人はいつまで我慢するのかなあ、とため息。政府のどうしようもなくお役所的な対応を批判する人たちでさえ、結局は「政府にもっとがんばってもらいたい」という意見で落ち着くわけですから。たぶん、我慢するんでしょう。Until it's too late.

福島第1原発事故 米軍無人機の映像、日本政府が公開に慎重

毎日新聞のサイトにこんな記事が埋まっています。(私はグーグルの検索でたまたまたどり着きましたが、サイトのフロントページには出ていません。)アメリカ原子力管理委員会のヤッコ委員長の発言(「福島原発第4号機の使用済み核燃料保存プールには水がない」)も、日本政府が差し押さえている米軍の情報に基づいていると見ていいでしょう。

福島第1原発事故 米軍無人機の映像、日本政府が公開に慎重
(毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊)

 日本政府が、米空軍無人偵察機「グローバルホーク」が撮影した福島第1原発上空の映像の提供を受けながら、公開に慎重姿勢を見せていることが関係者の証言で分かった。米軍側は「あくまで日本側の判断」とし、提供した映像の公開を承認している

 無人機が搭載する高性能のカメラは「車のナンバーが読み取れるほど鮮明」(米空軍)で、映像は原発施設の内部状況をほぼリアルタイムでとらえており、専門家の分析にも役立つ可能性が高いという。

 米空軍は日本政府からの要請を受け、グアムのアンダーセン空軍基地に配備されている最新鋭のグローバルホーク(翼幅約40メートル、全長15メートル)を震災の翌12日から、被災地周辺に飛行させている。多量の放射性物質が検知されている福島第1原発上空では自衛隊機の飛行が困難なため、グローバルホークが24時間態勢で撮影。衛星通信を介して映像を米カリフォルニア州の米空軍基地に送信し、日本政府側にも提供している。

 だが日本側は、映像を保有したまま公開していない。同米空軍基地では、米国の原発専門家らが映像を詳細に分析しているという。【大治朋子】

共同通信英語版:福島第一原発事故『日本に残された選択肢は少ない』とのアメリカ核専門家の発言

共同通信の英語版サイトに載っていた記事です。共同通信の日本語サイトには、少なくとも1面にはまったく登場していません。バイラインを見ると、共同通信社のワシントン支局の記者のようですが、記事が日本語に翻訳された形跡は共同通信ではなし。とりあえず英語の原文を出しておきます。訳は明日の朝起きてから、ということでご勘弁。肝心なところを赤字にしました。(カリフォルニアは真夜中1時)

Japan running out of options to deal with nuke crisis: U.S. experts

By Ben Dooley
WASHINGTON, March 18, Kyodo

Japanese government efforts to deal with the unfolding nuclear crisis in Fukushima Prefecture are ''desperate,'' a group of U.S. nuclear experts said Friday during a panel discussion held at the National Press Club in Washington.

The steps being taken by Japan ''are not steps that are anywhere near the top of the options'' normally available, said Robert Alvarez, a senior scholar at the Institute for Policy Studies and an adviser to the U.S. secretary of energy in the 1990s.

Beginning Thursday, Japan has used trucks and helicopters to dump water on the damaged reactors in Tokyo Electric Power Co.'s Fukushima Daiichi Nuclear Power Station in an attempt to cool their overheating nuclear materials.

The efforts, Alvarez said, were ''improvisations on the playbook'' for stopping a nuclear meltdown.

Alvarez's claim that there are no good options left for addressing the crisis is evidenced by the risky approach Tokyo has taken to cooling the reactors.

When combined with the high heat at the reactor site, the seawater currently being poured on the facilities could destroy their cooling pumps or even corrode the containment vessels holding the plant's nuclear fuel, increasing the difficulty of containing the radioactive material.

''This is what you call the last-ditch stuff,'' Alvarez said, noting that the severity of the crisis had taken the standard, safer options for responding ''off the table.''

In the short term, Alvarez expects that even these extreme measures will be unable to stop the crisis.

''It doesn't appear at this time that they are working. The accident is likely to unfold over a period of weeks,'' he said.

In the meantime, the Japanese government has raised the incident's severity rating from 4 to 5 on an international scale of seven. The move puts the crisis on a par with the Three Mile Island incident in 1979, when the combination of an engineering failure and human error led to the partial meltdown of a nuclear reactor in the northeastern United States.

Asked about the decision to change the rating, Peter Bradford, a former member of the U.S. Nuclear Regulatory Commission, said he expected the threat level would be raised again.

''It's very hard for me to believe that at the end of the day, this accident will be seen as being the same level as Three Mile Island, which was also a level 5,'' Bradford said.

Jeffrey Patterson, a radiation exposure specialist, had an even bleaker assessment.

Unlike natural disasters, such as earthquakes, with nuclear accidents, ''the end never comes,'' Patterson said.

''This just goes on forever, because the effects of radiation go on forever,'' he said.

Friday, March 18, 2011

英デイリーメール紙掲載の写真

記事はデイリーメール紙が地震関連のニュースを毎日まとめているもの(3月18日夕刻付け、英国時間)ですが、記事そのものよりも写真をご覧ください。日本でもこのような写真は出ていますか?

トップは東電常務が記者会見後泣き出したときの写真:「原発からの放射線が重大な問題であることをもっと早い時期に公表すべきだった。」



いくつか下の写真で、放水の準備をする消防車を上空から撮影した写真。共同通信の写真のようですが、日本の新聞(朝日、読売など)のサイトを見る限り消防車の写真は単体で、低いアングルから、消防車だけで撮影されているようです。特殊消防車といっても、所詮消防車は消防車、と私などは思ってしまいますが...。



更に下、日本から脱出すべく成田航空のカウンターに押しかける人々の写真。(中国人、ということです。)



昨日のポストでも、日本と諸外国の報道のギャップ(格差)について書きましたが、ギャップは更に急激に広がっているような気がします。

突然金融の話ですが、投資信託などのNet Asset Value(ファンドの純資産価値)とファンド価格があまりにかけ離れている時、ファンド価格はいずれはNAVまで戻ります。急激に戻ってNAVを下回ることも、リーマンショックのような危機的状況ではままあることです。日本の報道はどうもこの例で言えばNAVを大幅に上回っているファンド価格、諸外国の報道がNAVであるような気がしてなりません。

ファンド価格(日本の報道)がNAV(諸外国の報道)まで戻る時、そのショックは今の状況では見当も付きません。

福島第1原発: 日本と海外の報道ギャップ

読売新聞に、

自衛隊の岩崎茂航空幕僚長は18日午後3時ごろ、防衛省で記者会見し、自衛隊が午後2時前から行った東京電力福島第一原子力発電所3号機への地上からの放水について、「いったん終了した」と述べた。そのうえで、「煙の出方などを見ると、水そのものは本体に届いていると思う」と述べた。
という記事が出ていました。本体、というのは格納容器のことだと思いますが、この希望的な観測は日本以外ではどうも見出しにくく、日本の認識と海外の認識のギャップに私などは戸惑っております。

例えばこんなロイター通信のニュース、日本の新聞サイトではまったく見た覚えがないですねえ。

日本のエンジニア[東電のことと思われます]は18日、壊滅的な放射能汚染を防ぐ唯一の方法は、1986年のチェルノブイリ発電所の放射能汚染を止めたのと同じ、問題の原発を砂とコンクリートで埋めてしまうことだけかもしれない、と発言した。

「原子炉をコンクリートで覆うのは不可能ではない。が、現時点では原子炉の温度を下げることが最優先である」と、東京電力は記者会見で述べた。

また、日本語サイトでは、ブルームバーグが原子力安全・保安院の西山英彦審議官の記者会見を報道していますが、日本の新聞には審議官の「世界で最も耐震性と安全性を誇っていた日本でこういう事態になった。これからいろいろなことについて世界中の人々の納得を得られるよう再出発の覚悟が必要。」という発言は出ていたものの、次の発言はまだ見つけていません。日本の新聞の希望的観測にそぐわないことを審議官は言っているんですが...。
3号機へ空と陸上から放水されたことについて、西山審議官は「モニタリングポストの値が劇的に低くならなかったといって、うまくいかなかったとは評価できない」と述べた。

(コメント:つまり、目的を達しなかった、ということはうまくいかなかったんじゃないですか?)

  2号機の白煙については、「今すぐには評価は難しい。作業進展の中で確認していく」と述べるにとどめた。使用済み燃料プールからの水蒸気の発生かという質問に対して、「サプレッション・チェンバー(圧力抑制室)からかは確認できていない」と述べた。

(コメント:建物5階にある使用済み燃料プールの質問に対して一階にあるサプレッション・チェンバーかどうか分からない、と答える、ということは...)

  4号機燃料プールに水があるのに水素爆発が起こった理由について、西山氏は「整合的に説明するのは難しい現象」とした。

(コメント:水がない、とすれば整合的に説明できるんですが。)

  福島第一原発で進められている外部電力の引き込みについて、西山氏は「放水中は、作業はしないと認識している」と述べた。通電によって爆発のリスクはあるのか、との質問に対し、西山氏は「十分あり得る」との考えを明らかにした。

(コメント:!!!通電したら爆発の可能性がある、と審議官は言ってるんですよ、日本の皆様!!)

  西山審議官は福島第一原発での一連の作業について、「これ以上の避難範囲を増やさないため。20-30キロメートルはある程度の裕度を持っている。ここで失敗してもすぐに拡大するとは思っていない」と述べた。

(コメント:失敗しても???)

ああ怖くなってきた。怖いついでにもうひとつ、米国原子力規制委員会のヤツコ委員長が昨日の「第4号機の燃料プールに水がない」発言を撤回した、と朝日新聞は報道しています。
一方、4号機の核燃料プールについて、米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は同じ会見で「さまざまな矛盾する情報があるが、十分な水で燃料を冷や し続けるという困難な作業があることだけは間違いない」と述べ、「水はなくなっている」とした16日の下院公聴会での証言を事実上、修正した。

ううん、そんなことを英文の記事で読んだ覚えはないなあ、ということで、この会見のトランスクリプトを見つけました。米国大統領府のサイトからです。それを読む限り、ヤツコ委員長が発言を撤回したとは思えないのですが...。多分、これが朝日の記事の原文だと思うのですが、
This is a very difficult situation, and there will be a lot of work continuing as we go forward to deal with continuing to cool the reactors and to provide cooling to the spent fuel pool.

前後を見ると、第4号機の話を特別にしているわけではないようです。委員長は単に、今後も原子炉(複数)の温度を下げて使用済み燃料保存プールに水を供給し続ける作業が続くだろう、と言っているだけで、現在水が4号機にあるともないとも言っていない気がするんですが。朝日は希望的観測に基づいた深読みをしすぎたような気もします。

それともうひとつ、誰も怖くて聞けないんじゃないかと私が個人的に思っていることがあります。第3号機の使用済み核燃料保存プールは他の原子炉と同じく最上階の5階にあったはずです。保存プールには、使用済み核燃料が何百本も保存してあったはずです。第3号機の建物はこのような状態になっています。さて、最上階にあった保存プールはどうなったのでしょう?

Wednesday, March 16, 2011

福島第一原発第4号機、使用済み核燃料保管プールに水なし?

朝日新聞にこんな記事が埋まっています。

【ワシントン=望月洋嗣】米国防総省のラパン副報道官は16日、東日本大震災の救援活動にあたる米海軍などの要員に対し、福島第一原発の半径約80キロ以内への立ち入りを禁止したことを明らかにした。「救援活動に際しての米兵の安全を確保するため」としている。

 日本政府は同原発から半径20キロ以内には避難を、20キロから30キロ以内では屋内退避を指示している。国防総省は、航空機を運用する兵士らには、同原発から約112キロ以内に近づく際は、ヨウ素剤を服用することを義務づけた。

     ◇

 在日米大使館は17日未明、日本に滞在している米国市民に対し、福島第一原発の半径約80キロ圏内からの退避を勧告した。退避が困難な場合は、室内に残るようにとしている。

ここに書かれてないのは、

福島第一原発第4号機の使用済み燃料保管プールには水がまったくない、とアメリカの原子力委員会が判断した、ということです。

AFPニュース原文(12:00PM PST, US, 3/16/2011):

WASHINGTON — US officials Wednesday warned citizens living within 50 miles (80 kilometers) of a crippled Japanese nuclear plant to evacuate or seek shelter, amid mounting concern of a catastrophic meltdown.

The evacuation order came as the chair of the US Nuclear Regulatory Commission (NRC) warned there was no water left in the spent fuel pool of reactor 4 at the Fukushima nuclear plant, resulting in "extremely high" radiation levels.

The US set up a much wider no-go zone than the 20-kilometer radius perimeter set up by the Japanese, after US authorities reviewed scientific and technical data about the nuclear emergency.

"We are recommending, as a precaution, that American citizens who live within 50 miles (80 kilometers) of the Fukushima Nuclear Power Plant evacuate the area or to take shelter indoors if safe evacuation is not practical," the US embassy in Tokyo said in its statement.

NRC chairman Gregory Jaczko told lawmakers that a fourth reactor at the nuclear complex was giving cause for concern following a hydrogen explosion there a few days ago.

"We believe that secondary containment has been destroyed and there is no water in the spent fuel pool and we believe that radiation levels are extremely high which could possibly impact the ability to take corrective measures."

Tuesday, March 15, 2011

日本政府、東京電力、福島第一原発炉心溶解防止作業を中止

日本の皆様、このニュースはもうお耳元に届きましたか?日本の新聞のウェブページの一面を見る限り、単に作業を中断した、という風に捉えているようですが、AP通信のニュース(2011年3月15日午後11時6分東米国時間)ではもう少し深刻な話になっているようですが...。

日本政府は福島第一原発の炉心溶解を防ぐための救助活動を停止する、と水曜日(3月16日)に発表した。放射能量が危険なレベルに跳ね上がり、作業員が敷地内に残ることが危険になったためである。

枝野内閣官房長官は、原子炉に水を上空から撒く作業は、撤退の必要性があるため、行うかどうかは未定、としている。

放射能レベルは一時1000ミリ・シーベルトに達した。その後600から800ミリ・シーベルトに落下したものの、依然として危険なレベルであることに変わりはない。
原文です。

FUKUSHIMA, Japan (AP) -- Japan suspended operations to prevent a stricken nuclear plant from melting down Wednesday after a surge in radiation made it too dangerous for workers to remain at the facility.

Chief Cabinet Secretary Yukio Edano said work on dousing reactors with water was disrupted by the need to withdraw.

The level of radiation at the plant surged to 1,000 millisieverts early Wednesday before coming down to 800-600 millisieverts. Still, that was far more than the average

"So the workers cannot carry out even minimal work at the plant now," Edano said. "Because of the radiation risk, we are on standby."

Experts say exposure of around 1,000 millisieverts is enough to cause radiation sickness.

Earlier officials said 70 percent of fuel rods at one of the six reactors at the plant were significantly damaged in the aftermath of Friday's calamitous earthquake and tsunami.

News reports said 33 percent of fuel rods were also damaged at another reactor. Officials had said they would use helicopters and fire trucks to spray water in a desperate effort to prevent further radiation leaks and to cool down the reactors.

The nuclear crisis has triggered international alarm and partly overshadowed the human tragedy caused by Friday's double disaster, which pulverized Japan's northeastern coastline, killing an estimated 10,000 people.

Authorities have tried frantically since the earthquake and tsunami to avert an environmental catastrophe at the Fukushima Dai-ichi complex in northeastern Japan, 170 miles (270 kilometers) north Tokyo.

The government has ordered some 140,000 people in the vicinity to stay indoors. A little radiation was also detected in Tokyo, 150 miles (240 kilometers) to the south and triggered panic buying of food and water.

There are six reactors at the plant, and three that were operating at the time have been rocked by explosions. The one still on fire was offline at the time of the magnitude 9.0 quake, Japan's most powerful on record.

The Nuclear and Industrial Safety Agency estimated that 70 percent of the rods have been damaged at the No. 1 reactor.

Japan's national news agency, Kyodo, said that 33 percent of the fuel rods at the No. 2 reactor were damaged and that the cores of both reactors were believed to have partially melted.

"We don't know the nature of the damage," said Minoru Ohgoda, spokesman for the country's nuclear safety agency. "It could be either melting, or there might be some holes in them."

Meanwhile, the outer housing of the containment vessel at the No. 4 unit erupted in flames early Wednesday, said Hajimi Motujuku, a spokesman for the plant's operator, Tokyo Electric Power Co.

Japan's nuclear safety agency said fire and smoke could no longer be seen at Unit 4, but that it was unable to confirm that the blaze had been put out.

Yuasa reported from Tokyo. Associated Press writers Elaine Kurtenbach in Tokyo and David Stringer in Ofunato contributed to this report.

原発4号機の残骸の写真。こんな状態になっているとは。東電、政府の話を聞いていた限り、大丈夫のようなことをずっと言っていたではありませんか。これじゃどう見ても救いようがないですよ!うそつきはどうなるんだっけ?

Monday, February 21, 2011

リビア革命続報

Al Jazeeraニュース速報 14:35GMT

リビアのモズレム指導者(複数)は、カダフィ政権に反抗するのはモズレム教徒の義務である、と発言。

死者は230人、とか言っています。この数は多分実際の4分の1もカバーしていないのではと思われますが、何しろエジプトと違ってジャーナリストがまったく入っていないので、状況がつかみにくいようです。病院の医者、看護婦の証言によると、運ばれてくる死者は殆どすべて頭部、脊椎、胸部に弾丸を受けてほぼ即死の状態、負傷者も同様で助けようがない、とのこと。また、使われている弾丸は通常のものではなく、人体に入るとばらばらに砕け散るタイプの弾丸で、取り除くことはまず不可能。

また、別のニュースによると、Muslim Brotherhoodの指導者がカダフィに対して死の『ファトワ』を発した、とのこと。カダフィを暗殺するのはモズレム教徒の義務である、ということです。

放っておくと政府という組織が何をするものなのか、チュニジア、エジプト、今回のリビアではっきりしました。平和な日本では見当が付きにくいですね。アメリカでもまあ見当は難しいのですが、幸い(といっては何ですが)なことにオバマ政権になってから政府のやりたい放題が突然顕著になってきたため、より多くの人が状況を理解するようになってきている、と思います。

オバマ大統領はカダフィ政権に対して、デモ鎮圧の政府の責任者を処罰するように要請したらしいですが、何を勘違いしているのやら。

Sunday, February 20, 2011

リビア革命?

リビアを42年間自分の私有地のようにして支配してきたカダフィ大佐の命運がついに尽きるか?

リビア第二の都市ベンガジでこの1週間続いてきた反カダフィデモがついに首都のトリポリにも波及、カダフィ大佐の息子、Seif Gaddafiが国営放送でこのままでは内乱になる、と警告(まるでエジプトのムバラク大統領とおんなじ)、その舌の根も乾かないうちに、どうも自分の個人軍隊を送り込んで、トリポリのGreen Squareの無防備なデモ参加者の無差別殺戮を開始した模様。スナイパーによる、頭部を狙った狙撃、対空マシンガンを使った攻撃のようです。

デモ参加者には女性、子供もいます。

カダフィの私兵がトリポリ住民の家に押し入っている、との情報もあります。

過去1週間の死者は未確認情報では400人以上、負傷者1000人以上、Green Squareの半時間ほどのカダフィ側の攻撃で50人以上死亡、という未確認情報も入っています。

カダフィの私兵は主に傭兵で、コーカソイドのリビア人に対して黒人の傭兵を使って攻撃している、との情報も流れています。AlJazeeraに、負傷した傭兵の写真が出ていましたが、いわゆるアフリカの、皮膚が黒く唇の厚い黒人でした。

カダフィの息子の発言によると、”We will fight until the last bullet.

Well, let them.


私の英語ブログのリビア関連のリンクはこれです:

http://ex-skf.blogspot.com/search/label/Libya

エジプトの時と違って、Al Jazeeraのニュースは必ずしも最新ではありませんが、それでもLive Blogのコメントセクションにでてくるニュースは結構速く的確。

http://blogs.aljazeera.net/middle-east/2011/02/17/live-blog-libya

短すぎてよく状況がつかめないという難点はありますが、Twitter(日本語だとツイッター)でフォローするなら

http://twitter.com/#search?q=%23libya


ちなみに、この息子も、親のカダフィ大佐も、政府の公職に就いているわけでも何でもありません。

また、リビアの反政府抗議デモについての西側の反応はエジプト革命の時より更にひどく、各国政府からのコメントは殆ど無し。

この息子は親より更にたちが悪い、とのもっぱらの評判で、金を湯水のように使いまくったパーティで、ヨーロッパの上流社会の人気者だそうです。ブロンドのイスラエルの女優がガールフレンド。(まあ、あからさまなモサドのオペレーションですね。)親のカダフィ大佐の方は、ブロンドのウクライナ出身の看護婦がいないとどこへも出かけないそうです。

Sunday, January 30, 2011

エジプト革命続報: 市民パワー

エジプト政府が故意に警察機動隊を市街地から退去させ、政府の指示を受けた『暴徒』を放って略奪行為を行わせ、市民を恐怖に陥れ、市民側から政府の『庇護』を要求させる方向に持っていく...

というお決まりのパターンが失敗したようです。

恐怖に陥るどころか、エジプト市民は自衛団を組織して『暴徒』を追い払い、自分達の町を守っています。しかも、誰から指示されることなしに。(リンクの写真をご覧ください。)

日本でどのように報道されているのか詳しくは知りませんが、オンラインの日本の新聞を読む限り、デモが暴徒化して云々、という、いわゆるアメリカのMSM(Mainstream Media)と同じことを繰り返しているだけのようですね。

ロイター、ブルーンバーグ、ニューヨークタイムズなどには絶対出てこないニュースをまとめるとこんな感じです:

アレキサンドリアで銀行を襲撃した『暴徒』は市民によって逮捕され、よくよく持ち物を調べて見たらなんと警察の身分証明書が出てきた。

カイロ市内で商店などを打ち壊していた『暴徒』が持っていたのは、政府支給の銃など。『暴徒』が襲撃しているそのすぐそばに、警察機動隊の車が目撃されている。

国立博物館に押し入って貴重な文物を破壊しようとした『暴徒』は、博物館を取り囲んだ市民によって博物館から出るに出られなくなり、結局陸軍が到着して逮捕された。(写真参照) 



市民は自分たちの家族、住んでいる町を守るために、自主的に自衛団を組織している。自衛団はイスラム教徒、クリスチャン混合。(反政府デモはイスラム過激派の仕業、というナレーションも失敗ですね。)

デモの参加者は若者だけではない。あらゆる年齢(子供から年配まで)の男女が参加している。ましてやイスラム過激派などではない。

市民をまとめているリーダーは、いない

どう見ても陸軍は市民側に付いている。警察は従来通りムバラク政権側で、市民を叩きのめしている。

以前よりは物騒になったとはいえ、平和な日本からは想像しがたいのは、『市民を守る』警察が徹底的に政府側に付いていることでしょう。警察にとっての守るべき『市民』は、政治家と政治家とつるんだ金持ちだけを指しているようです。

日本を含めたいわゆる西側の政府が恐れるのは、市民をまとめているリーダーがいない、ということに尽きるのではと私は思っています。政府の強権なしでも社会が十分に機能する可能性ほど、自身の存続を脅かすものはないからです

そこで昨日あたりからうるさくなってきたニュースは、エルバラデイ氏を『反体制派』のリーダーに仕立て上げて、ムバラク大統領の後釜にすえよう、という西側の動きです。

英語のブログには常設のリンクを出してありますが、真のエジプトの様子を知りたいのならメジャーなニュースソース以外のところに行きましょう。ロイターのようなメジャーなところでも、ブログ、Twitterのセクションはメーンニュースにまったく出てこないニュースを報道しています。

Al Jazeera Live Feed

Al Jazeera Live Blog

Reuters Live Update

Christian Science Monitor (Dan Murphy)

Mondoweiss

ついでながら、英語を勉強する価値はこういうところにあるでしょう。マスメディアの上っ面には出てこない、真のニュースを探して理解する手段として。

Thursday, January 27, 2011

エジプト政府、インターネットをシャットダウン、対決姿勢を一層強化

エジプトがどう見ても革命前夜の様相を呈してきました。

英語版のブログにいくつか記事を出しておきましたが、チュニジアの独裁政権崩壊に勇気付けられたエジプト市民が、30年に亘るムバラク大統領独裁に抗議し、大規模なデモンストレーションにエスカレートしています。ムバラク大統領の後継者と目されていた大統領の息子はすでに家族と共にイギリスに亡命。明日の金曜日に予定されているデモを何とか押さえ込もうとして、ムバラク政府は何とインターネットをシャットダウンしました。

現在、エジプトへのコネクションは不可能、電話線も不通との報道があります。エジプト内でのインターネットはほぼ完全にダウン、テキストメッセージも不可能。何の情報もエジプトから出ないように、何の情報も入ってこないように、という狙いですが、今のところもくろみは成功している模様。Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアもブロックされ、携帯電話も通じない、という情報が入っています。

反体制派でも穏健派のエルバラダイ氏が急遽帰国してデモに加わるそうですが、氏も、イスラム過激派(といわれる)Muslim Brotherhoodも、出遅れた感あり。デモの始まりはどうみても組織化されたものではなく、チュニジアに勇気付けられた市民たちがそこここに立ち上がった、ということのようです。Muslim Brotherhoodは今までそれを静観していましたが、さてそれがどう今後に影響するか。

アメリカのメディアは緘口令でも敷かれたように出来るだけエジプトの報道は避けているようです。いつまで避けられるかは疑問ですが。報道していないわけではないのですが、記事は埋まっていますね。写真はめったに出ていないし。

インターネットをシャットダウンする権限が欲しくてたまらないオバマ大統領は、エジプトの状況を興味深く観察していることでしょう。(それとも週末のゴルフに忙しくて、観察なんていう悠長なことをやってる暇はないかな。)

Tuesday, January 4, 2011

OT: 藤山一郎 丘を越えて

島田芳文:作詞、古賀政男:作曲。 昭和六年。

なんだか元気が出る歌です。昔、なつかしの歌謡ショーなど小馬鹿にしながら聞き流していたものですが、そんなショーで流れていた曲が実にいい歌であることに遅ればせながら気づいた今日この頃。今日気がついたのはこの歌です。(Youtubeのラジオ体操の歌からたどり着きました。ラジオ体操の歌もいい歌ですねえ。)



丘を越えて行こうよ
真澄の空は朗らかに晴れて楽しい心
鳴るは胸の血潮よ讃えよ我が春を
いざ行けはるか希望の丘を越えて

丘を越えて行こうよ
小春の空は麗らかに澄みて嬉しい心
湧くは胸の泉よ讃えよ我が春を
いざ聞け遠く希望の鐘は鳴るよ

Saturday, January 1, 2011

新年明けましておめでとうございます

日本の読者の皆様、また、日本語で情報をアクセスなさる日本国外の皆様、明けましておめでとうございます。

昨年の尖閣諸島のポストを最後に日本語版の更新がおろそかになってしまい、誠に申し訳も無い次第です。秋から年末まで、あっという間に過ぎてしまった、という感があります。英語版で書きましたが、2010年の経済、金融市場を一言で言い表すような出来事(英語で言う、”Defining Moment”というやつでしょう)は、私にとっては五月初旬の「フラッシュ・クラッシュ」でした。ダウ工業平均が何の理由も何のサポートも無くただひたすら1000ポイント近く降下する様は、ロープの切れたエレベータが底なしの、真っ暗なシャフトを落っこちていくような、ただただひたすら空恐ろしい、二度と経験したくないトレーディング・デイでした。

以来、『幽霊の正体見たり...』といった感じで、オバマ政府やバーナンキ連邦準備銀行が何をほざいても、何をやろうとも、「だからどうした?」とまず思ってしまいます。経済、金融市場の実体はほとんど何も無いのですから。金融市場はアルゴ・ボットが跳梁してナスダックのハイ・ベータ・ストック(アップル、グーグル、ネットフリックスなど)をお互いの間で超高速で取引するところ(この超高速取引がコンピュータのトラブルで0.01秒滞ると、5月6日のようなフラッシュ・クラッシュになるのです)、米国経済は政府が金を使いまくってそれが「成長」とされるところ、またその成長を判断評価する基準はこれまた政府が勝手に数字を作り出して自身に都合のいいように設定した基準(政府発表の失業率がもっとも悪名高いものです)。『株式市場の上昇は経済の上昇と同じである』と、バーナンキ総裁はいみじくも発言しています。

去年の12月に入った途端、経済・金融メディアの論調が突然変わりました(去年のうちで何度目か、勘定してませんが)。その時点まで恒常的に悲観的な観測を出していた経済学者(たとえばゴールドマン・サックスのJan Hatzius)までが180度転換して、アメリカ経済は2011年に予想を大きく上回る成長を遂げる、と言い出したのです。経済の基本的なところで何が変わったわけでもありません。変わったのは論調だけ。言うだけなら何でも言えますねえ。特に、経済、金融ともに実体はもうほとんど何も残っていないんですから。何だってありです。何の実体も実能力もない(やる気もない)大統領(またもハワイの年末バケーションで国民の税金を1億円以上浪費しているようです)が黒人であるというだけの理由で大きな顔をしてのさばっている国にまったくふさわしい状況でしょう。

というわけで、年頭から芳しくないポストですが、今年も日本、あるいは日本語環境の中だけではアクセスしにくい、また理解しにくい経済、金融、政治のトピックを、出来るだけカバーしてお届けしたいと思っています。