東京の茶とら猫さんの6月1日付けポスト:
つい今しがたNHKで「東京都の住民からきめ細かい放射線測定をしてほしいという要望が高まっているのを受けて、区が独自に放射線量を調査してHPに公表する動きが広がっている」というニュースをやっていました。詳細はこちら。
【すでに実施している】
足立区(10年前から実施)
【今月から測定開始】
葛飾区、板橋区、台東区、江東区、渋谷区
【今後測定予定】
墨田区、品川区、世田谷区(東京の市部はどうなってるんだー!F市なんて公園だらけだぞー!)
なかでも板橋区は、区役所周辺の線量のみならず、小学校、保育園、公園のそれぞれ1か所を抽出して校庭の土や砂場の砂、プールの水を採取して専門の業者に分析してもらうとのこと。ナイス!
前にも書きましたが、東京都のオフィシャルな測定サイトは新宿区の東京都健康安全研究センターただ一箇所。しかも、先月下旬からスタートするとヤジマさんがいっていた土壌調査の結果はまだ公表されていません。ただ、以前は地上18mの屋上でしか測定していなかった空中放射線量を、おとといの5/30から地表1mでも測定するようにしたようです(測定結果はこちら。背景にはこんな事情があった模様)。
ともあれ、先日のヤジマさんの回答(詳細はこちら) からもわかるように、東京都にきめ細かい対応を期待するのは無理そうです。みなさん、とくに小さいお子さんがいるご家庭で心配な方は、各区や市にじかに要 望しましょう。すでに始めている区がこれだけ現れてきたからには「よその区ではやっているじゃないの、このすっとこどっこい!」といって詰め寄れますよ ね。とくに板橋区の取り組みは全都に広がってほしいものです。
危ないのかどうなのか、安心していいのかどうなのか、考える元になるデータがないことには始まりませんもんね。
更に言えば、同じ区でもいわゆるマイクロ・クライメート(Micro-climate)、実に細かい気象の変化が影響を与える場合もあり、実際区に一箇所では到底足りないのです。区や市に「詰め寄る」際に、もう一押し、アイデアだけですが、いかがでしょう?
市民レベルで、ある一定の区域の小中高校、幼稚園、保育園に市民一人ずつ、線量計を持った担当を決め測定方法を統一し、それを区や市に追認させる。
市民が計った放射線量を区や市がまとめて出せるシステムを作る。
- 区も市も通さず、市民が測定をアップできるまとめサイトを立ち上げる。
まあ、要するに、区も市も頼らない、ということです。
ちなみに、次の記載は、区内の農場で栽培された野菜から放射性物質が検出されたにもかかわらず独自測定は計画していなさそうな江戸川区のものです:
都内の放射線量は平常範囲です
更新日: 2011年5月27日
健康への影響がない数値です
東京都健康安全研究センターでは、福島第一原子力発電所の事故後の大気や降下物(ちりや雨)、水道水の放射線量を測定し、公表しています。いずれの測定結果も、国の厳しい基準に照合して、健康への影響がない数値でした。全国のほとんどの地域も同様です。
放射線量を正確に測定するため、さまざまな影響を受ける地表付近を避け、地表から18メートルの地点で測定しています。3月15日は1時間平均で 0.496マイクロシーベルトでしたが、4月20日以降は平常時の0.028~0.079マイクロシーベルトの範囲に戻っています。なお、地表から50センチメートルの地点も4月26日に測定していますが、数値は0.08マイクロシーベルトで、地表18メートルの0.07マイクロシーベルトと比べてもほとんど差はありませんでした。
年間推定積算線量は基準の6分の1以下
東京都健康安全研究センターでは、放射線量の推移や室内・外の生活時間から積算し、1年間に受ける放射線量を164マイクロシーベルトと推定しています。この数値は、国際放射線防護委員会が定めた「年間1,000マイクロシーベルト以下」という基準値の6分の1以下です。
区では、今後もこれらの測定結果をチェックし、必要な対応を実施していきます。
3日前のデータだ、というのも寝ぼけた話ですが、「健康に影響のない数字です」と言ってその数字は出していません。新宿で計測される毎時0.06マイクロシーベルトが1年続いたとすると、積算線量は525マイクロシーベルトを超えます。1,000マイクロシーベルトの6分の1どころか半分以上です。また、年間1,000マイクロシーベルト(1ミリシーベルト)を基準としたのは国際放射線防護委員会ではありません。日本の法律です。
(You know what I mean? You can't rely on any government, national or municipal or city.)
福島第1原発の3号機が爆発して爆風が風に乗って東京に届く前は、東京都の18メートル屋上測定は0.03マイクログレイ(マイクロシーベルト)時ちょっと、現在の半分ぐらいでした。(このページの下のほうまでスクロールダウンしましょう。)それが東京都公式の数字でも倍、有志の測定では場所によっては現在の都の公式の数字の2倍から6倍の数字です。それを「健康に影響がない」と言い切れるのはさすがお役人。(そうそう、「直ちに問題はない」は枝野官房長官の口癖でしたね。)
以前にも出しましたが、原子力に携わる有志の方々による自主測定をまとめたサイト、放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリングで、東京を含めた全国の多くの道府県データがダウンロードできます。(東京はこちら:http://www.geocities.jp/environmental_radiation/data/13tokyo.pdf)ざっと見た限り、5月の中旬からさほど下がっていませんね。
東京都下の区、市町村のサイトは、東京都がまとめてリンクを掲載しています。