Sunday, November 6, 2011

横浜市の公園で栽培した玄米からも放射性セシウムがキロ当たり13ベクレル検出されていた

引き続き横浜市のニュース。

先日、横浜市戸塚区の舞岡公園内で栽培されたしいたけから、キロ当たり2,770ベクレルの放射性セシウムが検出されたニュースがありました。既に小学生以下の子供258人を含めた約800人の市民に食べていただいたあとだった、とのことでしたが、実はセシウムが出ていたのはしいたけだけではありませんでした。

玄米からも出ていたのです。キロ当たり13ベクレルこの数字だけ見ると福島、宮城の軽微な汚染の玄米と変わりありません。

東京新聞神奈川版11月5日付け記事

横浜市は四日、同市戸塚区の舞岡公園で栽培し、加工した干しシイタケから、国の暫定規制値(一キログラム当たり五〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。

 市によると、同園で田植えなどをするボランティアの市民延べ七百九十四人が四~十月、干しシイタケ計約一・八キロを炊き出しの汁物にして食べた。シイタケからは一キログラム当たり最大二七七〇ベクレルを検出。一人当たりの摂取量は微量のため、健康への影響は低いとみられる。

 干しシイタケは、同園の指定管理者になっている住民団体「舞岡公園田園・小谷戸の里管理運営委員会」が屋外の原木で栽培して収穫、天日干しにして加工した。

 市場に流通はしておらず、三月に収穫した約二・六キログラムのうち約一・八キログラムが消費された。また、先月に収穫した約〇・二キログラムは使用していない。同団体が先月収穫した干しシイタケを民間検査機関に持ち込んで調べたところ、同一一八一ベクレル検出し、市に届けた。

 同園では玄米、ゴボウ、サツマイモなどを栽培。玄米からは同一三ベクレルを検出した。市は、農家や公園の指定管理者に、干しシイタケの加工や販売をしないよう、呼び掛けている。 (荒井六貴)

横浜市の11月4日の報道発表には、干ししいたけ以外の記載はありません。

(横浜市のホームページ、今気が付きましたが、広告スペースを売ってるんですね。政府機関のウェブサイトで広告を出しているのを初めて見たような気がしますが、なんだかえげつないなあ。)

そこで、舞岡公園のサイトでブログを見つけ、そこで放射能測定結果を見つけました。11月5日付けのポストより:

玄米                    
Iodine-131   ND
Caesium-134  6Bq/㎏
Caesium-137  7Bq/㎏
放射性セシウム計  13Bq/㎏

サツマイモ、ごぼうはND。しいたけは軒並み290ベクレルから2770ベクレルまで出ています。一番高濃度セシウムを計測したのは3月に収穫され、天日(つまり屋外)で乾燥させていたしいたけ。

ちなみに、舞岡公園では、4月に子供たちのタケノコ掘り、10月にサツマイモ掘りが行われ、11月23日には収穫祭があるようです。『園内で市民が汗を流し手作業で作った完全無農薬のお米や野菜をたっぷりつかった、お餅、おにぎり、谷戸鍋(野菜のお味噌汁)などが、楽しめます』とのことですが、お米はどうするんでしょうね。

などと言う悠長な話ではなく、玄米から検出されたセシウムから土壌の汚染を逆算してみると、結構な数字が出てきてしまうのです。

放射性セシウムの土壌から米への移行係数を国の使った0.1として、土壌のセシウム濃度を逆算するとキロ当たり130ベクレル、平方メートルあたりで計算する(65を掛ける)と8450ベクレル。ただし、福島、宮城の実測(測定値を信用するとすればですが)を見ると、移行係数は国の設定した0.1よりはるかに低く、農業研究者の方々がおっしゃっていたように過去の文献などから推定される0.01から0.001の間におさまっているようです。そこで移行係数0.01とすると、土壌のセシウム濃度はキロ当たり1300ベクレル、平方メートルあたりで計算すると84500ベクレル。移行係数0.001だとすると土壌中のセシウムはキロ当たり13000ベクレル、1平方メートルあたり84万5千ベクレル。

横浜のように福島原発から250キロ以上離れた場所でも、土壌汚染は意外に深刻なのではと思わせます。

今自分のブログを検索して4月22日の森敏教授のブログポストを見つけました。この時点で、教授は、『「雨樋(あまどい)のむき出しの排水溝周辺の放射能値が高すぎる」:読者からの貴重な警鐘です』、と読者に注意を喚起なさっていました。4月の時点で、雨どい、排水溝を気にしていた一般市民は、まだ少なかったでしょうね。教授は、やはり早いうちから(3月末の時点)放射性ストロンチウムの危険性を書いておられました。私の英語ブログの読者が放射性ストロンチウムに注目していた頃ですが、日本ではやはりほとんどだれも注意を払っていなかった頃です。

(東京新聞記事:H/T 戸谷真理子様)

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